僕のヒーローアカデミア:Battlefront of Blood   作:マーベルチョコ

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File.17 障害物競走

『スタート!!』

 

スタートの合図とともに皆が走り出そうとするが、それより早く先頭を陣取っていた轟がゲートの地面を凍らせ、後続のスタートを邪魔した。

 

『さあ!ここからはこの俺!プレゼントマイクとミイラマンで実況していくぜ!!盛り上がって行こうぜェ!!!』

 

『誰がミイラマンだ……無理やり連れてきやがって』

 

アリーナの実況席でプレゼントマイクと相澤が座っており、競技の実況を始めたが相澤は心底面倒くさそうだった。

 

『さっそく轟が地面を凍らせて後続のスタートダッシュを妨害!』

 

『あの狭さのスタートが最初の関門だ。轟は上手いことほかの奴らを足止めしたな』

 

「悪いな。あと5分もすれば氷は溶ける」

 

轟が後ろを振り向いてそう言い残し走っていくが、その後ろをすぐさま追う姿もあった。

 

「待てやゴラァッ!!!」

 

「甘いですわよ!轟さん!」

 

A組の面々が轟の氷を避け、轟の後を追う。

轟は思った以上にA組が氷を避けるのに驚いたが、気にせず進んでいく。

その姿を見た爆豪は相変わらずのキレやすさが爆発し、手のひらから爆発を断続的に発生させて飛んで加速する爆速ターボで追いかけるがその爆豪を追い越す影が横切った。

 

「お先に!」

 

「っ!何勝手に追い越してんだツリ目野郎!!!」

 

一瞬驚いた爆豪が負けじと爆発の威力を強めるが血界の脚力のほうが強く、徐々に距離が開いていく。

 

『うおおぅっ!?速えぇ!!まるでモンスターエンジンを積んだ車

みてぇだ!!』

 

『ラインヘルツはスタートと同時に前に飛び出して氷を避けたな。それに踏み出す力を氷を砕く程の力で踏み込んだために氷の地面をものともしなかった。身体能力がずば抜けて高いラインヘルツだからできるもことだな』

 

血界が走ってきた道は全て足型の穴が氷にできていた。

実際に血界より早いはずの飯田や他の皆はは氷は避けたものの氷に足を取られて、思うように進めていないのが見えるら、

 

(すごい……!血界君もうあんなところまで!)

 

フルカウルを使いながら轟たちを追う緑谷だが力が強くなったと言ってもバランスは違い四苦八苦しながらも氷の道を進んでいた。

緑谷は爆発によるターボが圧倒的に有利な爆豪を追い越すほどの身体能力に改めて驚愕しながらもオールマイトとの約束『新たな平和の象徴が来たと、自分が来たと知らしめる』ことを心に刻み、負けじと追いつこうとする。

 

「ラインヘルツ……!もう追ってきたのか!」

 

後ろを振り向いた轟が追ってくる血界を確認すると目の前に巨大な影が差した。

 

『さあ!第一の関門ロボインフェルノ!!仮想ヴィランロボットがお相手だ!!』

 

目の前に巨大な0点ヴィランロボットが数体立ちふさがるが轟はそれを見て、何かを思いつきすぐに下からすくい上げるように手を動かしながら、冷気を0点ロボに浴びせ、何体も凍らせた。

 

『瞬殺!!ロボインフェルノの意味がナッシング!!!』

 

「あともうちょっと……!」

 

プレゼントマイクが轟の攻撃を驚いた時、轟との距離があと100mほどとなったいた。

しかし、轟は凍らせた瞬間にロボットの下を通っていた。

血界もそれに追いつこうロボットの下を通ろうとしたが、轟が走りながら顔だけを少し後ろに振り向き、血界に聞こえるように話しかけた。

 

「やめとけ。不安定な状態で凍らせたからすぐに倒れるぞ」

 

轟がそう言った瞬間血界の頭上で固まっていたロボットたちの氷はひび割れ落ちていき、ロボットもそれに合わせて崩れ落ちていき、それに血界も気づく。

 

「っ!!」

 

「巻き込まれたくなかったら戻るんだな」

 

血界の位置は崩れ落ちるロボットたちの最初辺りなので、戻れば巻き込まれずに済むが轟との距離は開く。

逆に崩れ落ちるロボットたちの中を進んでいけば轟との距離は縮められるかもしれないがロボットに巻き込まれる可能性が大いにある。

轟はこれを狙ってわざとロボットを不安定な体勢で凍らせたのだ。

 

『流石にラインヘルツの怒涛の追い上げもここまでかー……っておいおい!進むのかよ!アブねぇって!!』

 

マイクの放送が耳に届いた轟は慌てて後ろを振り向くと、まっすぐとこちらに向かってくる血界の姿があった。

迫ら落ちてくる氷、ロボットを気にせずまっすぐ走ってくる血界に轟は一瞬呆然としてしまい、氷を出すなりして血界も助けることができたはずだが、間に合わず血界の姿はロボットに埋もれてしまった。

ロボットが倒れたことで土煙が巻き起こり、轟も包まれてしまったが自分のせいで血界がロボットに巻き込まれてしまったということに未だに頭が追いつかない轟はただ立っているだけだった。

しかし、その轟の横を血界が転がるように横切った。

 

「っぶねー……ギリギリだなっと!」

 

立ち上がり、一息ついた血界は再び走り出した。

これで一位は轟から血界に変わった。

 

『生きてたー!!あのロボットの中を潜り抜けてきたァッ!!お前のところ生徒だいぶとクレイジーだな!!そしてこれで一位はラインヘルツになったァァァッ!!!』

 

 

『あの馬鹿……病み上がりなんだから自重しろと言っただろうが』

 

まさかの崩れ落ちてくるロボの中を掻い潜ってきた血界にマイクは興奮気味に相澤に声をかけ、相澤は少し怒ったような声色になりながら血界を見た。

 

「……っ!待てっ!」

 

そしてようやく頭が追いついた轟は先を走る血界に向かって氷を放ち、血界の片足を凍らせた。

 

「うおっ!?……くそ!抜けねぇ!!」

 

「先には行かさねえ……一位になるのは俺だ……!なって…アイツの顔を曇らせてやる……」

 

轟の目には先を走る血界ではなく、別の何かに敵意を向けていた。

轟が追い越された血界を追い抜き返すと、血界は足に力を込める。

 

「何言ってるかわかんねぇけど……俺も負けるわけにはいかねぇんだよ……!!オラァッ!!」

 

足に張り付いた氷を足を振り上げることで無理やり剥がし、轟のあとを追う。

 

『他の生徒は頭を使い上からまた攻略しながら進んでいるなか、アイツだけパワーでクリアー!!なんか見てて清々しいぜ!!』

 

『ただの脳筋だろうが』

 

「相澤先生さっきから俺にキツくないか!?」

 

アナウンスに少しツッコミを入れていると轟は次の関門にたどり着いた。

そこは底が見えない程の巨大な穴ができており、そこにいくつか足場があるだけだった。

 

『一位は既に第二の関門にぶつかったぞ!!第二関門は落ちればアウト!それが嫌なら這いずりな!ザ・フォーール!!』

 

轟は冷静に考え、足場にかかっている縄を軸にして氷の橋を作ればいいと思いつき、さっそく綱のほうに向かおうとすると血界が走ってくるのが見えた。

 

(アイツの個性じゃこの谷を早く渡ることはできねえ……落ち着いて行けばいい)

 

轟は焦らず、慎重に綱を渡り始めた。

しかし、轟の考えとは裏腹に血界は谷に向かって止まるどころかスピードを速めている。

 

『ラインヘルツのやつ、フォールに向かってまっすぐ向かっているが……まさか……やっぱり跳んだァッー!!』

 

「何!?」

 

プレゼントマイクのアナウンスで気づいた轟は横を見ると足場に向かってジャンプした血界の姿があった。

血界は手を伸ばし、足場に捕まろうとしたが手は空振り、そのまま下に落ちてしまう。

 

「やべっ……!」

 

『そして落ちたァー!!おいおい大丈夫なのかよ!?』

 

『流石のアイツでも考えも無しに崖に飛び込むはずがないだろ』

 

慌てるプレゼントマイクとは対照的に相澤は落ち着いた様子で崖の様子を見ると落ちた血界は足場の壁に血の十字架状の短剣を刺してしがみついていた。

 

「チクショー、ちょっと使っちまった」

 

血界は悔しそうにそう言いながらも短剣を器用に使い、壁を登っていき足場にたどり着くとまたジャンプして短剣を壁にさしてよじ登る。

それを繰り返すことで血界は轟の先を行った。

 

『ここでまたラインヘルツが1位に躍り出たァー!!激しく変わるトップの座!!勝利の女神はどちらに微笑むかぁ!!?』

 

「くそっ……!」

 

轟のあまり変わることのない表情が悔しそうに苦虫を潰した顔に変わる。

血界はザ・フォールをクリアし、次の関門に進むがその後ろを轟が氷を繰り出しながら追う。

 

「あぶねっ!」

 

「先には行かさねぇ!!」

 

背後から轟の妨害とかわしながら進む血界の様子を見ていた観客として会場にいるプロヒーローたちは2人のことを話していた。

 

「最初はエンデヴァーの息子が断然1位だと思ってたが、こりゃ番狂わせだな」

 

「しかもあのラインヘルツって奴、個性らしい個性まだ使ってないだろ?素の身体能力で身体強化の個性並みの力なんだ。轟も合わせて今年は当たり年だな」

 

「サイドキック争いが起こるわね……」

 

「だけどまだライヘルツの個性をちゃんと見れていない。それによって評価も変わるかもな。何故個性を使わないんだ?」

 

それぞれが血界、轟や他の生徒たちの評価を下していると血界が次の関門に差し掛かったが、動きを止めた。

 

『トップ陣は1位と2位を争う骨肉の戦い!下はダンゴ状態でひしめき合ってるぜ!!そしてトップ陣は早くも最終関門!!かくしてその実態は……一面地雷原!!!『怒りのアフガン』だ!!地雷の位置はよく見りゃわかる仕様になってんぞ!!目と足を酷使しろ!!』

 

「マジかよ……」

 

血界の目の前に広がる地雷原に顔が引きつる。

それでも後ろから迫る轟に追いつかれないように前に進み出す。

 

『ちなみに地雷の威力は大したことねぇが音と見た目は派手だから失禁必至だぜ!』

 

「嫌な情報だな……!」

 

血界は地雷を踏まないように地面を見ながら進んでいくが、背後から冷気を感じ振り向くと地面を凍らせてこちらに走らせてくる轟の姿があった。

 

「追いついたぞ…!」

 

轟は後続に足場を作ってしまうことになってしまうが今は血界に追いつくためになりふり構わず追いつこうとする。

 

「轟!!」

 

「俺を忘れてんじゃねぇぞォ!!!」

 

「くっ!

 

「爆豪もか!!」

 

爆速ターボで追いかけてきた爆豪も血界の後ろに追いつく。

血界はそれに焦るが、踏み外せば漏れ無く地雷の爆発に巻き込まれるため、慎重に血界は出来るだけ早く足を出して、前に進む。

だが、それでも地面を凍らせ安全に走る轟、空を飛ぶ爆豪に追いつかれ、追い抜かされる。

 

『三つ巴!!ここに来ての三つ巴の戦いだー!!!喜べマスメディア!!お前らが欲しがる絵はまだまだあるぞー!!!』

 

爆豪が先を行こうとするが血界が腕を掴み逃さず、轟は前に行こうとする血界の腕を掴み凍らせる。

三人は揉みあいながらも必死に我先にと進もうとする。

後続もトップ三人に追いつこうとする中、後方で大爆発が起こった。

 

『後方大爆発!!?何だ、あの威力!?偶然か故意かーーーーA組 緑谷爆風で猛追ーーー!!!?っつーか!!抜いたぁぁぁあああー!!!』

 

ロボの鉄板に乗った緑谷が血界たちの上を通り、追い抜かしていく。

 

「緑谷!!?行かさねぇ!!ブレングリード流血闘術……!!」

 

 

58式 紅血衝撃砲

 

 

血界は拳を下に這うように振るうと地面を抉るような紅い衝撃波が放たれ、血界が走る前の地面の地雷を吹き飛ばした。

地雷は真上からの力のみに反応するように作られていたからか、爆発が起きずに少し前に落ちていった。

 

「デクぁ!!!!俺の前を行くんじゃねえ!!!」

 

「……っ!」

 

血界に続き、爆豪は爆速ターボをもう一度使い、轟も氷を張って緑谷を追う。

 

『元先頭の3人、足の引っ張り合いを止め緑谷を追う!!共通の敵が現れれば人は争いを止める!!争いは無くならないがな!!』

 

『何言ってんだお前』

 

一瞬で追い抜いた緑谷だがすぐに失速してしまう。

 

(やばい!失速……!ここからフルカウルで逃げ切れるか……!?ダメだ!まだアフガンは続いているし、かっちゃんや血界君のスピードに追いつけない!!くっそ!ダメだ!放すな!この3人の前に出られた一瞬のチャンス!!掴んで放すな!!!)

 

その時緑谷の頭に血界が積み上げた地雷が過った。

 

「うぅ…!ああぁっ!!」

 

飛んだ勢いを使って鉄板についたケーブルを持って、鉄板を積み上げられた地雷に向かって振り下ろす。

しかし、その前に血界が立っており血界に鉄板をぶつけ倒してしまった。

 

「いでっ!!」

 

カチッ

 

咄嗟のことに血界は前のめりに積み上げられた地雷の上に倒れてしまい、大爆発に巻き込まれた。

 

「あああぁぁぁっ!!」

 

緑谷は更に前に進むことができたが巻き込まれた血界はアフガンの横に転がり倒れてしまった。

 

「うぅ……あっ……」

 

血界は立ち上がろうとするが耳鳴りがひどく、目が昏み、自分が何をしていたかも思い出せない。

自分の目の前を何人かの影が通り過ぎ、漸く状況を掴めた血界はふらつく体に鞭を打って前に進む。

 

『ここで漸くラインヘルツがゴール!!!序盤から1位を争っていたが緑谷の妨害により、大幅に順位がダウン!!結果10位だー!!』

 

「クソ……」

 

血界は悔しそうに荒い息を吐きながら順位を見る。

続々と他の者がゴールする中、血界は次はこうはいかないと悔しさを胸に押し込めて気合を入れ直した。

 

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