僕のヒーローアカデミア:Battlefront of Blood   作:マーベルチョコ

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File.19 Cavalry battle

『スタート!』

 

プレゼントマイクの合図と共に一斉に多くのチームは血界のチームに向かって行く。

 

「実質それ(1000万P)の奪り合いだァ!!」

 

B組の鉄哲がそう叫ぶ通り、1000万Pを取ってしまえばこの騎馬戦は勝ちも同然だ。

多くのチームがそれを狙っている。

 

「俺たちも向かうべきか!?」

 

一斉に動く他チームを見て、氷麗チームの常闇がそう言いながら前に進もうとすると後ろで騎手をしていた氷麗に頭を引っ張られる。

 

「待ちなさい。鳥」

 

「ぐおっ!?ひ、引っ張るな!」

 

『テメー!フミカゲ二何スンダ!』

 

常闇の個性である『ダークシャドウ』が怒るが氷麗は気にした様子はなく、話す。

 

「今血界に近づくのは自殺行為、ナックルガードを付けていない状態での血界の個性は危険なのよ」

 

「……どういうことだよ」

 

根暗と呼ばれた心操が聞くと氷麗は前を向く。

 

「見てたらわかるわよ」

 

迫り来る他チームに血界は焦ることなく、前を見据えながら緑谷の肩に乗る。

 

「緑谷!踏ん張れよ!!」

 

「うん!」

 

緑谷はフルカウルを発動し、腰を少し落として踏ん張る姿勢になる。

 

「ブレングリード流血闘術……!」

 

『11式 旋回式連突』

 

本来この技は小型の血の十字架を複数作り出し、回転させながら周りの敵を倒す技だが作られた十字架は人2人分はある巨大なものだった。

それが複数血界たちの前に並ぶ。

 

「オオオオォォォォォオオッ!!!」

 

雄叫びを上げて血界は構えた右腕を横殴りにするように振るうと、それと同時に十字架が回転しながら地面を抉り、血界たちを囲むように広がる。

 

「うおおおぉぉぉっ!?」

 

「危ねぇっ!!」

 

「ぐっ!!」

 

「きゃあ!?」

 

「めちゃくちゃするな!もう!!」

 

血界たちに向かってきていたチームは攻撃の余波に巻き込まれ、崩れそうになった。

 

「何だあれは……」

 

「だから言ったでしょ?血界のナックルガードは技を出しやすく、扱いやすくするためだけの物じゃないの。力の制御、血液の量の調整するための物。それがなかったらあんな風に滅茶苦茶な威力、範囲になってしまうの」

 

「じゃあ、もうあのチームには近づけないってことか?」

 

心操がそう聞くが氷麗は首を横に振る。

 

「血の量を調整するって言ったでしょ根暗」

 

「根暗言うな」

 

「血界の個性は血に直結する個性。技を使い過ぎれば失血して行動不能になる。狙うならその時よ」

 

「じゃあそれまではどうする?他のチーム狙うの?」

 

「うん。それまでは他のチームからPを取って安全圏まで行く。血界たちを狙うのは安全圏まで行けなかった時の保険」

 

「保険?狙わないのか?」

 

『ビビチマッタカ!?』

 

「黙れカラス。蹴るわよ」

 

『ヒデェ!』

 

「血界も自分の個性の癖くらい知ってる。絶対に奥の手を隠してるし、追い込まれた時のアイツはケダモノ同然よ」

 

そう言いながら氷麗は他チームに囲まれながらも笑みを絶えさない血界を見る。

しかし、氷麗はうっすらと笑みを浮かべる。

 

「だけど最後に勝つのは私よ」

 

 

 

『いきなりのド派手な攻撃ィ!!1対他で不利かと思われたが、それを覆すほどの攻撃を繰り出す血界チーム!こりゃわからなくなってきたぞ!!』

 

『いきなりの波状攻撃で牽制。これで他チームは血界チームに迂闊に近づくことができなくなったな』

 

「凄いよ血界君!」

 

「ハァ……だろ?ハァ…ハァ…緑谷も反動キツかったのによく保ったな」

 

緑谷は周りを囲む十字架とその外からこちらを伺ってくる他チームを見て、血界を褒める。

血界も肩で息をしながら足役をしてくれた緑谷を労わる。

 

(くそ……いきなり血を使いすぎた。調整が上手くいかなかったか……左腕の方はまだ大丈夫)

 

「緑谷、次は?」

 

「今はこの状態で時間を稼ごう。今の血界君の攻撃を見て他チームは迂闊に動けないはず」

 

血界と緑谷は離れた麗日と発目のところまで戻り再び騎馬になった。

 

「すごいね!血界くん!こんな派手な攻撃!」

 

「うーん……私としてはベイビーの見せ場がなくなるのですが……それはそれとしてさっきの貴方の個性の話の時に個性を調整するナックルガードがあるって言ってましたね!?後で見せてください!!」

 

「あ、あとでな……」

 

発目のぐいぐい来る態度に若干引いてしまうが、周りを見るとやはり他チームは攻めるかどうか悩んでいるようだ。

 

「やっぱり血界くんの攻撃が効いてる」

 

「最初に派手な攻撃しようって言ったのは緑谷だろ。お前の作戦勝ちだ」

 

血界たちのチームが勝つには試合時間15分まで1000万Pを持っていればいいのと、他チームを倒し尽くせばいい。

だが、他チームを倒し尽くすのはハッキリ言って無理だ。

しかし、他チームは血界の初っ端の攻撃を見て、騎馬が簡単に崩される可能性が考えついてしまい、攻められない。

これで時間を稼げる。

そう思っていた血界たちが周りを警戒していると突然騎馬となっている緑谷、麗日、発目がぐらついた。

 

「うわっ!」

 

「どうした!?」

 

「地面が!!」

 

緑谷たちの足は地面に泥に沈むように落ちていく。

 

「アイツの個性か!」

 

血界が向く先にはB組の骨抜が地面を柔らかくしていた。

 

「麗日さん軽くして!血界君!」

 

「おう!麗日!発目!顔避けろよ!」

 

「うん!」

 

「はい!」

 

血界は背負っているバックパックから伸びているスイッチを押すとバックパックから勢いよく空気が噴出し、血界たちは空に飛んだ。

 

『飛んだー!!?』

 

『サポート科のアイテムだな。相変わらず奇抜な物を作りやがる』

 

「フフフ!もっと見てください!私のベイビーを!」

 

「発目さん!索敵をお願い!」

 

「はい!見ててください!私のドッ可愛いベイビー8号を!!」

 

発目は付けているゴーグルを外し、ゴツいゴーグルをつける。

ゴーグルからケーブルが背中のバックパックにつながっており、バックパックから複数のカメラが展開された。

 

「フフフ!このゴーグルとカメラは連動しており、即座にヴィランの反応を『ピピピピ』ああもうっ!最後まで喋らせてください!4時の方向から何か来ましたよ!」

 

発目の言う通り、4時の方向を向くと爆豪が爆発を利用して飛びながらこちらに向かって来ていた。

 

「調子に乗ってんじゃねえぞツリ目野郎!!」

 

「緑谷!来たぞ!!」

 

「うん!」

 

血界はブースターを切り、緑谷は大きなグローブを装着した右手で血界の体を握って爆豪に向かって投げた。

麗日の個性『ゼログラビティ』、そして緑谷の超パワーにより投げ出された血界は弾丸のように爆豪に迫る。

 

「!!」

 

「勝負だ!爆豪!!」

 

『襲いかかってきた爆豪にまさかの迎え撃ちに行ったァッ!!』

 

血界は爆豪に迫りながらもチーム決めの時に話していた緑谷の作戦を思い出していた。

 

『僕たちは必ず狙われる側だ。空に逃げたとしても策を講じておいた方がいい。それに絶対にかっちゃんは僕たちに迫ってくる』

 

『じゃあどうする?逃げるか?』

 

『いや、開始早々に血界君の個性は使えなくなる可能性あるなら逃げるのではなく、迎え撃とう』

 

『でも、そっちの方が危険なんじゃ……』

 

『そうかもしれないけど、血界君なら大丈夫だと信じてる。いっつも放課後の練習に付き合ってくれるからわかったんだけど血界君の近接戦においてはおそらく右に出る者はいない。かっちゃんがこちらに挑んでくるなら血界君が迎え撃ちに行って、自分の領域(レンジ)に誘い込むんだ』

 

(本当に緑谷の言う通りになったな!)

 

「オオオォォォッ!!」

 

「ッ!クソが!!」

 

爆豪は右の大振りを振ってくるが血界はそれを左手で手首を掴み、受け止め、右手を爆豪の頭に向けた。

 

「チィッ!!」

 

爆豪は頭を左に振って避けるが少し掠れる。

爆豪は一旦爆破して、血界から距離を取り態勢が崩れた血界に再び迫る。

 

(そこだッ!)

 

しかし、血界は目だけ爆豪に向けており、体を捻り無理やり爆豪の方を向いて、再び伸びてきた爆豪の腕を掴んだ。

 

「取らせるかよ!」

 

「舐めてんじゃねえぞクソが!!」

 

その時2人の背後からそれぞれワイヤーとテープが飛んできて2人を捕まえ、自分の騎馬に戻した。

 

「血界君!取られていない!?」

 

「大丈夫だ!」

 

地上の騎馬に戻った爆豪は悔しそうに叫んだ。

 

「なんで戻しやがった!!?」

 

「あのままやってても取れるかわかんねぇだろうが!!一旦距離を取り直してもう一度再チャレンジだ!!」

 

「……チッ!」

 

切島の言葉に理解は出来ても、納得はできなかったらしく大きな舌打ちをした。

 

 

上空に浮かび続ける血界たちは下を警戒しながらも落ち着いていた。

 

「このままいけば時間いっぱいまで行ける。注意するのはかっちゃんだけだ」

 

「そうだといいけどな」

 

「うーん……このままではベイビーの見せ場がないですねぇ。一旦降りませんか?」

 

「何言っとんの!?」

 

競技中だと言うのにどこか朗らかした空気になっている時に突然下からいくつもの氷柱が下から襲ってきた。

 

「うわっ!!」

 

「きゃあっ!!」

 

「氷!?……轟君!?」

 

「いや、これは氷麗か!!」

 

下を向くとダークシャドウの頭部分に乗った氷麗がこっちを見ていた。

 

「楽して勝つなんてつまんないでしょ?」

 

氷麗が血界たちに向かって足を振るうとそこから氷柱が飛ばされ、再び血界たちを襲う。

 

「危ない!」

 

「緑谷一旦降りたほうがいい!このままじゃ崩されて終わりだ!」

 

「わ、わかった!」

 

麗日のゼログラビティを解除し、地面に降りる。

降りる際も発目のベイビーにより安全に降りれた。

 

「どうですかベイビーたちは!!可愛いでしょう!?可愛いは作れるんですよ!!」

 

「すごいよ!思いっきり血界くんを投げれたよ!!」

 

「でしょう!」

 

緑谷の右腕に装着しているグローブは大きな物を掴むことができ、またグローブに付いているアタッチメントには血界を引き戻すための鉤爪が付いている。

 

『さ〜〜〜〜まだ5分も経ってねぇが早くも混戦混戦!!各所でハチマキ奪い合い!!1000万を狙わずに2位〜4位を狙うのも悪くねぇ!!』

 

その時、血界たちに影が迫ってきた。

 

「アハハハ!奪い合い…?違うぜこれは……一方的な略奪よお!!」

 

それは複製腕を背中でシェルターのように閉じている障子だった。

 

「障子!?1人か!?騎馬戦だぞ!?」

 

まさかの1人に血界は驚く。

 

「とりあえず一旦距離を取ろう!立ち止まっちゃダメだ!!」

 

迫る障子から逃げようとするが麗日は足に違和感を感じ、足元を見ると峰田の個性『もぎもぎ』を踏んでいた。

 

「何!?取れへん!」

 

「峰田くんの!!一体どこから……」

 

「ここだよォ血界ィ……」

 

「峰田!?お前そんなとこにいたのか!!?」

 

『まさかの1人騎馬!!これはアリなのか!?主審のミッドナイトどうなのよ!!』

 

『基本的に騎手が地面に着かなければオーケーよ!!』

 

すると、峰田が覗いていた障子の複製腕の間から鞭状の何かが血界に飛んできた。

 

「うおっ!?」

 

「避けられちゃったわね。流石血界ちゃん……!」

 

「梅雨ちゃんもいたのか!」

 

「とりあえず離れよう!血界くん!!」

 

緑谷の合図で血界はブースターを起動して上空に逃げた。

 

「ああ!!ベイビーが!!」

 

「悪い!」

 

また氷麗に狙われては不味いと思い、すぐに着地する。

すると血界たちの前にある者達が立ち塞がった。

 

「やっぱ来るよな……お前は」

 

「そろそろ奪るぞ」

 

轟のチームとの戦いが始まる。

 

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