僕のヒーローアカデミア:Battlefront of Blood   作:マーベルチョコ

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File.29 FIGHT!

『決勝戦!!スタートォオッ!!!』

 

合図と共に爆豪は手を後ろに向け、爆発させ一気に血界に近づき血界に向かって爆破をお見舞いする。

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!」

 

『爆豪!怒涛の攻めだァー!!』

 

間髪入れず爆破を浴びせる爆豪。

しかも血界と距離がある中距離からの攻撃だ。

 

「爆豪の奴、血界と距離取ってやがる!正々堂々と真正面から戦えよ!」

 

切島が少し怒ったように言うが緑谷は否定する。

 

「いや、かっちゃんは警戒してるんだ。怪我していて体力も無くなっているはずの血界くんでも近づくのは危ないと思って距離を取って攻撃してるんだ」

 

爆豪は連射を一旦止め、爆煙で見えなくなっている前方を警戒する。

すると煙の中から血界が飛び出して、右拳を振るった。

 

「ォラァッ!」

 

「チィッ!!」

 

爆豪は寸前で血界の拳に反応してかわし、顎に掠れる。

仰け反った態勢のまま爆発で距離を取りつつ、また連射しようとするが一旦それを辞めて血界に近づく。

血界も構えて、迎え撃つ。

 

「攻撃を辞めたぞ!?」

 

「なんで止めたんだ?」

 

全員が爆豪の動きに疑問に持った。

爆豪は血界の拳がギリギリ届かない距離を保ちながら攻撃していくが、血界はそれを左腕で爆豪の手を払い、爆発を受け止めてから一歩踏み出すことで爆豪に当てようとし、結果接近戦になっていた。

 

『なるほどな、わかりやすい攻撃の姿勢だ』

 

『え?どういことだよ?』

 

『ラインヘルツだ。左は爆豪の攻撃を払い、防ぐ盾。右はその隙を突いて攻撃する槍。スパルタの槍兵みたいな態勢だ』

 

『はー、なるほど』

 

『わかりやすい態勢ゆえに弱点が少ない。爆豪がどうやって攻略するか見ものだな』

 

(んなこたぁ、わかってんだよ!だが……隙がねえ!)

 

攻防を続けている爆豪にも放送は聞こえていたが、実際に前にすると隙が全くと言ってない。

遠中距離からの攻撃では血界を倒すほどのダメージを与えれず、攻めれば相澤の言う通り防がれ、逆に攻撃される隙を与えてしまう。

攻めようにも逆に攻められ、焦り始める爆豪は相澤の言葉もあってか血界の姿がスパルタの兵士に見えてしまう。

それほどまでに血界の攻めには鬼気迫るものがあった。

そして一瞬血界の姿に目を奪われた瞬間を血界は逃さず、爆豪の腹にボディをぶつけた。

 

「うっ!?」

 

『入ったー!!ど真ん中にボディ!!』

 

吹き飛ばされる爆豪は地面に倒れ、血界を睨む。

 

『不利かと思われた血界だが立場逆転!!血界が押してるぞ!!』

 

「ちっ、くしょうが……!!」

 

痛む腹を抑えながら爆豪は立ち上がり、構えて待つ血界に向かって飛び出すと、手を合わせて血界に向ける。

 

「スタングレネード!!」

 

「ぐっ!?くそっ!」

 

爆豪の光を放ち、相手を怯ませる技を放つ。

血界は突然の光で目が見えなくなる。

そして爆豪はその隙に特大の爆発をお見舞いしようと一気に詰め寄る。

 

「死ねェッ!!」

 

「ブレングリード流血闘術……!!」

 

『117式 絶対不破血十字盾』

 

爆豪との間に左腕で盾を作り、爆豪を近づけさせない。

 

「チッ!」

 

「ぐっ……!くっ……」

 

一旦距離を取る爆豪だが、血界が後ろに下がろうとした一瞬、足がもつれるのを見た。

 

(なんだ?)

 

目が少し戻ってきた血界は爆豪に歩いて近づいていく。

 

「余裕見せてんじゃねぇぞコラァ……!」

 

堂々と歩いてくる血界に苛立ちを隠せない爆豪は空高く舞い上がり、爆発の勢いを使って急降下してくる。

 

「スタンプブラストォッ!!」

 

急降下の勢いを利用した爆発を血界にぶつけようとするが、またもそのうでを左腕で弾かれ逆に頬にカウンターパンチを食らってしまう。

 

「がっ!?」

 

「ぐっ!」

 

爆豪は殴り飛ばされ、爆発は放たれたが直撃しておらず、血界は多少食らって吹き飛ばされる。

 

『また入ったー!!』

 

『爆豪の奴焦ったな。攻撃がだんだん荒くなってきやがった』

 

「あのかっちゃんが焦ってる?」

 

自身の最も身近な憧れであった爆豪の焦る姿なんかを見たことがなく、衝撃を受ける。

 

「ぐっ、くそぉっ……!」

 

「はぁっ、まだまだ……うっ!?」

 

血界が立ち上がろうとすると左足が上手く立てず、転んでしまう。

その瞬間を爆豪は見逃さなかった。

 

「まさか……」

 

爆豪はもしやと思い、また血界に近づいていく。

 

『爆豪!諦めずに突撃だぁー!!だがこのままじゃジリ貧なのは見え見えだぞ!!』

 

『……どうかな?』

 

向かってくる爆豪になんとか立ち上がり、爆豪を迎え撃つ。

 

「オォッ!」

 

真っ直ぐ向かってくる爆豪に向かって血界はストレートを放つが爆豪はそれを下に滑り込むことでかわし、血界の左足に向かって爆破を浴びせた。

 

「っ!? があぁぁっ!!?」

 

血界は叫び声を上げて左足を抑えて倒れそうになるのを爆豪が背中を掴み、爆発の勢いを使って投げ飛ばす。

 

「ガハッ!!」

 

『どうした!?一撃で血界が倒れたぞ!?』

 

「どうしたのでしょうか?」

 

「……左足の怪我まだ治っていないんだ。そこを爆豪に突かれた」

 

耳郎が悔しそうにそう呟く。

自分が看病していてもすぐには怪我は治らないのはわかっていたが、歯痒い気持ちだった。

 

「ハッ!やっとお前に膝をつかせれたぜ」

 

「一回だけかよ……俺は何度だってお前に膝をつかせてやるよ」

 

「やってみろやァッ!!」

 

未だに立ち上がれない血界に向かって飛び、爆発の勢いを使ったかかと落としをぶつけようとする。

しかし血界は足を掴み、防ぐが爆豪は小さな爆発を回転するように放ち、体を回転させて顔に向かって爆破を浴びせる。

 

「ガッ!?」

 

「まだだ!」

 

横に吹き飛ばされる血界に爆豪は空に飛びあがり、空中から爆破の連射を浴びせて来た。

 

「オラオラオラオラァッ!!!」

 

「がっ!?うっ!ぐぁっ!!」

 

防ぐこともできずに浴びる爆発に血界の悲鳴が響く。

 

「おい!やり過ぎだろこれは!」

 

「審判止めろよ!」

 

観客もあまりの一方的な状況に試合を止めるように言い、ミッドナイトもそうするべきかと、リカバリーガールのほうを見る。

 

「止めますか?リカバリーガール」

 

「……もう限界かね」

 

リカバリーガールがそう言った瞬間、立ち込める爆煙の中から爆豪の腹に向かって血の十字架が伸び、ぶつかる。

 

「ぐはっ!」

 

「ブレングリード流血闘術……!『111式 十字型殲滅槍』!」

 

痛みで態勢が整えられない爆豪は落ちて来て、血界はなんとか立ち上がり爆豪に向かって拳を振るった。

 

「オラァッ!!」

 

「クソがァッ!!」

 

しかし負けじと爆豪も血界に爆発をぶつけ、互いに吹き飛ばされた。

 

「ハッ…ハッ…ぐっ!…うぅ」

 

「がはっ…はぁ…はぁ……ぺっ!」

 

血界は体力の限界が近く、体のあっちこっちから激痛を訴えている。

爆豪も一撃が重い血界の拳を何度もくらい、立ち上がるのが辛くなって来ていて、口の中の血を吐き出す。

2人は痛みを我慢して立ち上がり、互いを睨み、そして笑う。

 

「まだだぞ爆豪!!」

 

「当たり前だ血界!!ブッ殺す!!」

 

また爆豪が近づき、血界は左腕で防ぐが今度は爆豪が血界の胸ぐらを掴んで至近距離で殴るように爆発をぶつける。

 

「がっ!?……ラァッ!!」

 

しかし負けじと血界も爆豪を殴ってやり返す。

 

「ぐあっ!……死ねェッ!!」

 

殴り、殴り返す。

防御を捨てた殴り合いの音が響く。

 

『防御を捨てた殴り合いが展開ィッ!!熱過ぎるぜお前らァ!!』

 

血界は火傷と傷を負い、殴られる爆豪は血を流す。

小手先の技を捨てた力と力のぶつかり合いに血界を応援する声だけじゃなく、爆豪を非難していた者たちも爆豪を応援する声が響いて来た。

しかし、やはり力は血界が強いのか爆豪は体が仰け反る。

 

(くそがぁっ……!このままじゃ……)

 

力が血界よりも劣っているのは悔しいがわかっていた爆豪は自分を掴んでいる左腕を掴んで爆発を浴びせる。

 

「あづっ!?」

 

ゼロ距離からの爆発に左腕ははね上げられ、爆豪と距離が離れる。

爆豪と距離が離れた血界は爆豪が掴んでいた体操服の部分が濡れていることに気づいた。

 

「なんだ、これ……!?」

 

「俺のあぜはにどろ……グリセリン、みたいなもんだ」

 

顔が腫れて血を流す爆豪は引きつった笑みを見せながら、手を前に向け、パチパチと火花を散らす。

 

「散れや!!」

 

遠距離から特大の爆発を放ち、血界が包み込まれると体操服に染み付いた汗も連鎖爆破し、血界を襲う。

 

「あああぁぁぁっ!!?」

 

悲鳴が爆発にかき消されるほどの大爆発が起こる。

またも爆煙で見えなくなり、爆豪は警戒しようとするが足に力が入らず、顔が酷く痛む。

立てなくなり、膝をつくと地面に自分の血が滴り落ちる。

 

「クソが……」

 

脳震盪を起こしかけている頭でも悪態をつく爆豪が終わったか、と一息つこうとした瞬間、煙の中から砂利を踏む音が聞こえる。

痛みで霞む目を前に向けると体操服が半分、焼け落ち、傷を負った血界が立っていた。

 

「まだ……まだ……!」

 

「タフなのも、大概にしとけよ……血界!」

 

そう言いながらも笑う爆豪は震える足で立ち上がり、手に汗をたぎらせ、バチバチと火花を散らす。

血界は血で滲む包帯で包まれた右腕を腰にためて個性の特徴である赤雷を巡らせる。

観客、審判も2人の状態から次が最後だと確信し、固唾を飲んで見守る。

 

「お互いに……次が最後っぽいな……勝つのは……」

 

「次で終わりにしてやんよ……勝つのは……」

 

「「俺だ」」

 

 

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