僕のヒーローアカデミア:Battlefront of Blood   作:マーベルチョコ

34 / 71
Person who purges the hero
File.33 HERO name


雄英体育祭が終わり、休日も終わった。

登校している血界と耳郎だが、体育祭を見ていた人たちから声をかけられまくっていた。

 

「なあ!君、血界・V・ラインヘルツ君だろ!?」

 

「そうっすけど……」

 

「テレビで見たよ!いやー、血まみれになりながらも立ち上がる姿は痺れたね!」

 

「なんか昔ヒーローを目指していたのを思い出しちまったな」

 

「大丈夫?あれから体はちゃんと動くのかい?」

 

「ねえねえ!技使って使って!」

 

「あの……サイン貰ってもいいですか?」

 

「君も女の子なのにガッツがあるねぇ」

 

「テレビより見るよりずっとカワイイー!」

 

「え、ちょっ、ちょっと!」

 

老若男女が構わず2人に声をかけ、褒めてくれるのはありがたいが人だかりができてしまい進むことができない。

声をかけられる血界と耳郎はなんとか群衆を抜け出したが雄英にたどり着いた。

 

「やっと着いた……」

 

「もう疲れた……」

 

校門前で疲れた様子の2人の後ろに黒塗りのリムジンが止まり、そこから八百万と氷麗が降りてきた。

 

「耳郎さん、血界さん。おはようございます」

 

「おはよ」

 

「お、おはよう2人とも……よかったね、車で登校とか」

 

耳郎が2人を羨むように言った。

 

「氷麗さんが一緒に登校しようと言ってくれたんです」

 

「母様が絶対声をかけられて疲れちゃうから車で行けって」

 

「そうなんだ……確かに車で登校した方が正解だね」

 

「マジで疲れた……」

 

疲れた様子の2人だが実際は満更でもなかった。

こんなに知らない人に褒められることなんてそうそうない。

さらに血界は地元では怖がられていたために耳郎たち以外の友人がいなかったために嬉しかった。

 

「まっ、そんな苦労もヒーローになったら経験することなんじゃない?いいじゃん練習になったんだから、それに嬉しかったでしょ?」

 

「そうかもな」

 

氷麗の質問に血界は笑ってそう答えた。

 

 

教室に続々と登校してくる1-Aの面々だが話す話題は雄英体育祭を見ていた人たちから声をかけられたことだ。

 

「超話しかけられたよ、来る途中!」

 

「私もジロジロ見られて、何か恥ずかしかった!」

 

「俺も!」

 

 芦戸と葉隠が楽しげにそう言うと、他の生徒たちも同じ状況だったようで、同意の声が上がる。

しかし、一方でスッキリしない表情を浮かべている者も居た。

 

「俺なんか小学生にいきなりドンマイコールされたぜ」

 

「ドンマイ」

 

そこに相澤が入ってくると皆、一斉に席に座り静かにしていた。

皆、相澤が怒ると怖いことはもうよくわかっていた。

 

「おはよう、皆んな」

 

『おはようございます』

 

「相澤先生、包帯がとれたのね。良かったわ」

 

「婆さんの処置が大袈裟なんだよ。んなもんより、今日の一限目のヒーロー情報学はちょっと特別だぞ」

 

 数日前まで相澤はUSJ襲撃の際に受けた怪我の処置で包帯を巻いていたのだが、ようやく完治したようで、普段と変わらい姿でホームルームを始めた。

一限目から特別な授業だと言われた生徒たちは小テストなどを警戒する。

しかし、それは良い意味で裏切られた。

 

「『コードネーム』。ヒーロー名の考案だ」

 

『夢ふくらむヤツきたあああ!!』

 

皆が一斉に沸き立ち喜ぶ。

ヒーローネーム、それはヒーローの第一印象と言ってもいいものだ。

それを決めるなどヒーロー科の生徒からしてみれば盛り上がらないはずがない。

しかし、相澤がひと睨み効かせると嘘のように静まり返った。

やっぱり怖いものは怖いのだ。

 

「というのも、先日話した『プロからのドラフト指名』に関係してくる。指名が本格化するのは経験を積み、即戦力と判断される2年や3年から…。つまり今回来た指名は将来性に対する興味に近い。卒業までにその興味が削がれたら、一方的にキャンセルなんてことはよくある」

 

「頂いた指名がそんまま自身へのハードルになるんですね!」

 

葉隠が言うと相澤は頷く。

つまり体育祭は単なる前座だ。

本来の目的はここにあった。

 

「そうだ。で、その指名結果がこれだ」

 

 相澤が手元のタブレットを操作すると、黒板の前に白いスクリーンが降りてくる。そして、雄英に送られてきた各生徒の指名件数がそのスクリーンに映し出された。

 

血界 3,483

轟 3,461

爆豪 2.264

常闇 332

飯田 328

耳郎 245 ………

 

だいたいだがこのように出た。

 

「1位と2位が逆転してるっていうか、轟にも負けてんじゃねえか!」

 

「なんでだァッ!!」

 

「まぁ、2回連続女子をメッタ打ちにしたらそうなるわな」

 

「……チッ!」

 

「俺は親ありきだからこうなったんだろ」

 

不機嫌そうな爆豪とあまり納得いっていない轟を他所に血界は驚いていた。

まさか指名数が一番になると思わなかったのだ。

 

「やりましたわね。血界さんが一番多いですわ」

 

「お、おお……なんか実感がわかないな

 

「まぁ、あんなガッツ見せられたら指名したくなる気持ちもわかるな」

 

前の席である八百万と峰田がそう褒めてくれて、血界はむず痒くなる。

 

「これを踏まえ、指名の有無に関係なく職場体験に行ってもらう。プロの活動を実際に体験して、より実りある訓練にしようってこった。職場体験っつってもヒーロー社会に出ることには違いない。つまり、お前らにもヒーロー名が必要になってくる。まぁ、仮ではあるが適当なもんを付けたら――」

 

「地獄を見ちゃうよ!この時の名が世に認知されてそのままプロ名になってる人は多いからね!」

 

「ミッドナイト先生!!」

 

ミッドナイトガッツポーズを決めながら教室に入ってきた。

彼女はそのまま相澤と入れ替わるように教壇に立ち、相澤は寝袋に入り始めた。

 

「その辺のセンスはミッドナイトさんに査定してもらう。俺はそういうの出来んからな。将来、自分がどうなるのか。名を付けることでイメージが固まり、そこに近づいていく。それが“名は体を表す”ってことだ。よく考えてヒーロー名を付けろよ」

 

(ヒーロー名……)

 

血界は配られたホワイトボードを前にして固まる。

実は血界はこういった名前をつけるのが苦手なのだ。

一時期、猫を飼いたいと思い、名付けるなら『ゴリエ』がいいと言ったほど壊滅的なのだ。

 

「ヤバ……思いつかねぇ」

 

「どうしたのですか?」

 

「ヒーローネームが思いつかねえんだ」

 

「ご自身の特徴や、個性を名前にしてみれば如何でしょうか?私もそのようにしましたし」

 

「個性かぁ……俺自分の個性の名前すら知らないんだよな」

 

血界の個性は血を武器のように使う個性だが、名前がわからなかった。

血界の個性は色々と不明な部分が多く、ブラッドベリ中央病院に入院した際に聞いてみたがわからないと言われたのだ。

今度、自分の個性のことを知っているであろう血糸に聞いてみようと血界は思った。

 

「じゃあ、そろそろ出来た人から前に出て来て発表してね」

 

まさかの発表形式に全員が固まる。

下手なヒーローを発表して恥をかきたくないと尻込みしていると芦戸が真っ先に手を上げた。

 

「はーい!アタシ出来ました!リドリーヒーロー、エイリアンクイーン!」

 

『2かよ!?』

 

「血が強酸性のアレを目指してるの!?やめときな!」

 

「ちぇー」

 

明らかにヒーローというよりヴィラン側の名前にミッドナイトが注意し、不貞腐れる芦戸だった。

若干変な空気になったが芦戸の次は青山が発表した。

 

「フッ! 僕は輝きヒーロー、I can not stop twinklingさ!」

 

『短文だろ!?』

 

「……そこはIをとってCan’tに省略しなさい」

 

「それね!マドワーゼル」

 

『いいのかよ!?』

 

まさかの合格に全員が驚く。

それと同時に英語なのかフランス語なのか、キャラが定まらない青山と芦戸に全員が怒りを覚えた。

2人のせいで大喜利の空気になってしまったのだ。

全員がこの空気を続けるように面白いヒーロー名を出すのか、それともぶった切って真面目なモノを出すのか悩む。

 

「うーん……もうちょっと増やそう」

 

血界は1人、ホワイトボードに書き込んでいる。

するとそこに優等生の梅雨ちゃんが手を挙げた。

 

「実はずっと考えてあったの、梅雨入りヒーロー『フロッピー』!」

 

「うん!皆んなから覚えやすい可愛らしい名前ね。オッケーよ!」

 

初めてミッドナイトからの合格をもらったのと同時に全員から心の中でこの空気を壊してくれてありがとう、と感謝された瞬間でもあった。

そして続いて麗日が『ウラビティ』、切島が『烈怒頼雄斗(レッドライオット)』、耳郎が『イヤホン=ジャック』と皆それぞれが似合うヒーロー名を付けていった。

そして次に発表するのは爆豪で、

 

「爆殺王」

 

彼らしい名前なのだから不思議でしょうがい。

 

「違う。そうじゃない」

 

「ああっ!?」

 

が、ヒーロー名なので「殺」やら、そんな言葉は使ってはいけないとミッドナイトに注意される。

 

「爆発散太郎にしとけよ!」

 

「それかボンバ○マンとかな」

 

「黙ってろやテメェラァッ!!」

 

「それじゃあ、後は血界君、緑谷君、轟君、飯田君ね」

 

次に緑谷が手を挙げ、『デク』と発表した。

聞いただけでは蔑称に聞こえるかもしれないが緑谷は「がんばれ」って感じの『デク』だと言ってのけた。

 

「もうあんまり時間がないから……血界君考えてる途中でもいいから発表しちゃって!」

 

「ええ!?んな横暴な……」

 

「ヒーロー名はまた変えることができるから、とりあえずでいいわよ」

 

「じゃあ……」

 

血界は教壇に立ちホワイトボードを見せた。

 

「えーっと、スーパーヒーロー『ウルトラギャラクシーメテオハイスペックターボパワードオメガゴッドエクストリーム……』」

 

『寿限無か!!』

 

ホワイトボードいっぱいの文字を見せられ、全員が一切に突っ込んだ。

 

「長過ぎよ!ボードいっぱいじゃない」

 

「もう一枚あるんだけど……」

 

「どこから持ってきたの!?」

 

とりあえず血界のヒーロー名は保留となり、『チカイ』と仮決定された。

その後、轟と飯田も血界と同じで名前の『ショウト』、『テンヤ』となった。

 

「爆殺卿!!」

 

「だから違う」

 

ついでに爆豪も『カツキ』になった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。