僕のヒーローアカデミア:Battlefront of Blood   作:マーベルチョコ

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File.34 346プロヒーロー事務所

とりあえすのヒーロー名は決まり、相澤が再び教壇に立つ。

 

「職場体験は一週間。肝心の職場だが、指名のあった者は個別にリストを渡すから、その中から自分で選択しろ。指名のなかった者は予めこちらからオファーした全国の受け入れ可のヒーロー事務所40件。この中から選んでもらう。それぞれ活動地域や得意なジャンルが異なるから良く考えてから選べよ」

 

そう言って1げんめは終わり、個別のリストを渡されたが、血界に渡されたリストは厚さが凄いことになっていた。

 

「うわーリスト、ヤバイじゃん」

 

血界の席にやってきた耳郎がリストを見て、呟いた。

 

「ホントだよ。ヒーロー名も考えないといけないのに」

 

ため息を吐く血界を耳郎はからかう。

 

「相変わらずセンスないよね」

 

「うるせー」

 

「血界さんの意外な一面を知りましたわ」

 

「ヤオモモ、こいつ実際凄いのは体動かすことだけだから」

 

「んなことねぇよ!」

 

堪らず血界は怒るが耳郎にとってはどこ吹く風だ。

 

「なあなあ!どこからスカウト来てるか見せてくれよ!」

 

「アタシもー!」

 

「いいぞ」

 

上鳴と芦戸、葉隠がやって来て、リストを見せた。

 

「うわっ!ミルコにエッジショット……ホークスやエンデヴァーもスカウトにあんじゃん!!」

 

用紙の山から有名どころの名前を探すとほとんどあった。

 

「上位のヒーローはほとんどある!いいなー」

 

「上鳴くんも三奈ちゃんもスカウトあったんでしょ?」

 

「あったけどあんまり知らないヒーローからだからなぁ」

 

そう上鳴はボヤく。

スカウトが来るのは嬉しいがあまり有名なところじゃないとその嬉しさも半減してしまうらしい。

 

「耳郎ちゃんも結構な数来てたよね?どうだった?」

 

葉隠が耳郎に質問する。

 

「うん。音系のヒーローから結構スカウト来てたんだけど、ウチが一番行きたいところからは来てなかったんだよね」

 

少し残念そうな耳郎に八百万が続いて質問した。

 

「どのヒーローですの?」

 

「サウンドヒーロー『ジャズ』っていう若手のヒーローなんだ」

 

「知ってる!若い女性のヒーローで武器が楽器なんだよね。スタイリッシュでカッコいいよねー」

 

芦戸も耳郎たちの会話に参加する。

 

「うん。ウチ、音楽好きだからさ。結構お気に入りで、あったらなぁって思ってたンだけど無くてさ」

 

「そっかぁ、残念だね」

 

「なぁ!血界はどこのヒーローのところに行くんだよ?」

 

「うーん……俺あんまりヒーローに詳しくないからな……どこに行けばいいかわかんねぇンだよ」

 

「好きなヒーローとかいねぇの?」

 

「特には……いないな」

 

「へー」

 

今のご時世、誰にでもお気に入りのヒーローが1人くらいいるものだが、それがいない血界を珍しいと思った。

血界ふと一枚目の用紙に目を向けると普通ア行から始まるはずだがその上に一つ事務所の名前があった。

 

「『346プロヒーロー事務所』?346って……」

 

「城ヶ崎美嘉ちゃんがいる事務所だ!なんであるの!?」

 

城ヶ崎美嘉のファンである芦戸が興奮したように声を上げる。

 

「あぁ、おじさんの仕事場だ。なんであるんだ?」

 

「おじさんの仕事場!?血界のおじさんて346で働いているの!?」

 

「あぁ、確かアイドル部門の役職に就いてるって言ってたような……」

 

「「「ナンデスト!?」」」

 

血界のその発言に芦戸、葉隠、上鳴が驚きの声を上げる。

 

「なんでなんで!?それを教えてくれなかったンだよー!!」

 

「え?だってあんまり関係なくねーか?」

 

「アイドルって今女の子の間じゃヒーローの次になりたい職業なんだよ!」

 

興奮する芦戸と葉隠に詰め寄られる。

 

「マジか…知らなかった」

 

「も、もしかしてだけどアイドルに会ったことは……」

 

何故か上鳴は恐る恐る聞くと血界はあっさりと答えた。

 

「結構会ったことあるぞ」

 

「テメー!このやろー!」

 

「羨ましいんだよ!」

 

「うおっ!どうした上鳴!?あと峰田も!?」

 

突然上鳴と峰田が血界に襲いかかったが、あっさりと血界にいなされる。

しかし突然襲いかかれ、血界は驚いてしまった。

 

「なんでテメーだけいい思いしてんだよ!?病院のときも可愛い子と友達だったじゃねえか!?お前は俺と同じ匂いがするからいい奴だと思ってたのによー!!こんなの不公平じゃねぇか!!」

 

「そーだそーだ!」

 

峰田の叫びに上鳴も便乗するが血界は困った表情になる。

 

「って言ってもなぁー」

 

「とにかく!今すぐお前が知ってるアイドルの電話番号かラインをギャアッ!!?」

 

「アアッ!?」

 

「そんなの教えられるわけないでしょーが」

 

暴走する峰田と上鳴に耳郎のイヤホンジャックが炸裂し、2人とも倒れた。

イヤホンジャックを血界に向ける。

 

「血界も!簡単に教えたらダメだから。凛たちに迷惑かけちゃうでしょ」

 

「う、悪い」

 

血界はバツが悪そうに謝った。

 

「でも346プロヒーロー事務所か。あそこにヒーロー事務所があるなんて聞いたことがない」

 

「うん。ウチも聞いたことががない。あとウチにも346からスカウト来てた」

 

耳郎がスカウトの用紙を見せると一番上に346の名前があった。

 

「えーいいなぁ。そこに行ったらアイドルの誰かに会う可能性があるんだもん」

 

芦戸が少し拗ねたような態度になるが八百万が戒める。

 

「芦戸さん、そんなこと言ってはいけませんわ。アイドルに会うためではなく、ヒーローから学ぶために行くのですから」

 

「はーい」

 

「でも346プロのヒーローって誰だろ?私聞いたことないよ?」

 

葉隠のその言葉に皆も知らないと答える。

 

「こういう時は……緑谷ー!」

 

「どうしたの血界くん?」

 

血界が呼んだの歩くヒーロー辞典、緑谷だ。

 

「ちょっとヒーローについて聞きたいんだけどよ」

 

「いいよ!任せて!血界くんはどんなヒーローの事務所に職業体験に行くか、実は気になってたんだ!個人的なおススメは拳で戦うリュウってヒーローなんだけど、拳だけじゃなくて色々な技を……」

 

「お、おう。一回止まろうか」

 

「あっ、ごめん」

 

また緑谷の暴走仕掛けたがなんとか止めて、本題に入った。

 

「346ヒーロー事務所からも来てたの!?すごいね!!」

 

「そうなのか?」

 

「そんなに凄いヒーロー事務所なの?ウチにも来ててさ」

 

「耳郎さんも!?」

 

驚く緑谷は興奮しそうになる自分を落ち着けて、説明した。

 

「まず346プロヒーロー事務所は他にはない特徴を持つ事務所なんだ。多くのヒーロー事務所は1人のヒーローに複数のサイドキックがつく形の事務所と、複数のヒーローがチームを組んで一つの事務所になっているところがほとんどなんだ。でも346ヒーロー事務所は複数のヒーローがそれぞれ独立しているにも関わらず、一つの事務所として機能しているんだ」

 

「へー」

 

「どんなヒーローがいンの?」

 

耳郎がそう質問すると緑谷は嬉しそうに答える。

 

「まず!何と言ってもエンデヴァーと同期で何年もトップ10入りをし続けている雷撃ヒーロー『ライトニング』がいるんだ!」

 

「そんなトップヒーローが所属してたのか。スゲーな」

 

「他には?」

 

「あと最近シンリンカムイと同じように若手の中でメキメキと頭角を現しているサウンドヒーロー『ジャズ』がいるよ!」

 

「ウソッ!?」

 

耳郎は信じられないと言った顔をした。

 

「やったじゃん耳郎ちゃん!もしかしたらその346プロのスカウト、ジャズからかもしれないよ!」

 

「……うん!」

 

葉隠が嬉しそうに言うと耳郎もだんだんと実感できてきたのか嬉しそうだった。

 

「他にも有名なヒーローがいて何人かいて総勢7人のヒーローが所属してるんだ」

 

「7名もですの?多すぎはしませんか?」

 

「多分346プロダクションだからそんなに抱え込めれるんじゃないかな?」

 

「ありがとうな、緑谷。参考にさせてもらうよ」

 

「うん、よかったよ」

 

その後、血界はどのヒーローにするか悩むがどのヒーローにすれば良いか決まらなかった。

 

 

結局、その日はヒーロー名も体験先も決まらずに終わり、家に帰っても血界は頭を悩ませていた。

 

「どんな名前にするか……どこにするか………」

 

すると血糸が帰ってきた。

 

「お帰りー、今日は早かったんだ」

 

「ああ、仕事が早く進んでな」

 

血糸はスーツを脱いで血界に渡していき、血界はそれをまとめていく。

側から見れば血界が主婦に見えてしまうほどテキパキしていた。

すると血界はふと八百万がヒーロー名をつけるときのアドバイスを思い出した。

 

「なぁ、おじさん」

 

「どうした?」

 

服を脱ぎながら血糸は答える。

 

「俺の個性って何だ?」

 

その一言を聞いた血糸の手が止まった。

 

「何で聞くんだ?」

 

「いや、今日学校でヒーロー名を決める授業があってさ。それで中々俺のヒーロー名が決まらなくて、個性を参考にしようと思ったけど名前も知らないしさ」

 

そう言う血界に血糸は背中を向けたまま黙り込んでしまう。

不思議に思った血界が声をかけようとすると血糸は自分の部屋に入ってしまった。

 

「えっ、ちょっとおじさん?」

 

「悪いが俺は知らない。名前もな」

 

扉越しからそう言われ、血界は少し怪しく思ったがあんな態度の血糸を見たことがないためどうすればいいかも分からなかったので何も聞かず、夕食の支度を始めた。

 

「………」

 

自室に入った血糸は部屋の明かりもつけずにただ黙っていた。

そして棚の上に置いてある一枚の写真立てを手に取って見つめた。

 

「俺があの力のことを伝えてもいいのか?姉さん」

 

その写真には今より少し若い血糸がいつもの無愛想な顔で立っており、その隣には朗らかに笑う優しそうな女性が立っていた。

そしてその写真立てなら隣にもう一枚の写真立てがあり、そこには幼い血界、先ほどの女性、そして血界と同じ紅の髪を持つ男性が写っていた。

 

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