僕のヒーローアカデミア:Battlefront of Blood 作:マーベルチョコ
ステインの様子が血界の技を見てから豹変し、再び血界たちの前に立ち塞がる。
そしてステインはその名を口にした。
「『斗流血法・カグツチ』……『刃身ノ壱・焔丸』」
その言葉とともにステインから流れ出る血が動き出し、太刀の形になった。
「なあ、緑谷。お前ステインの個性は血を固めて相手の動きを止めるって言ってなかったっけ?」
「う、うん……」
「どう見ても別物だろ」
ステインが握る太刀を見て血界は引きつった笑みを浮かべてそう言う。
「とにかく今は逃げるぞ。これだけ距離が空いてるなら逃げれる!」
轟はステインに向かって氷の壁を作り、ステインの進行を妨げる。
しかし、ステインは落ち着いて、太刀を左手に持ち替え、血が流れる手を振るう。
「『斗流血法・カグツチ』、『刃身ノ参・蛍短冊』」
振るった手から血が数滴飛び散り、それが短剣状になって轟の氷に突き刺さり、溶かしながら進んで、血界たちが進もうとしている道に突き刺さる。
するとその短剣から炎が立ち上り、血界たちの行く手を塞いだ。
「アツッ!?」
「道が!?」
「任せろ!」
轟が氷を放ち、消火しようとするが炎は衰えるどころか近づくだけで、氷が溶けていく。
「なんだと?」
「無駄だ。その炎はただの炎ではない」
背後からステインの言葉が響き、振り向く。
轟の氷が一刀両断され、溶けていく。
「ブレングリード……破壊者の血脈。お前だけはこの世から抹消しなくてはいけない」
刀を構えてステインは血界を睨む。
全員がどうする、と考えていると血界は隣の壁に目を向けた。
「仕方ない!あとで怒られるけど!!」
血界は緑谷に背負っていたヒーローを預け、壁に向かって拳を構え、
血の槍で壁を破壊して、店の中に逃げた。
「こっちだ!」
血界に続いて緑谷たちも店の中に続く。
ステインはゆっくりとした様子でそれを見ている。
血界たちは店から大通りに逃げた。
「これで少しは動きやすいだろ」
そう言った瞬間、凄まじい音と共に通ってきた店は爆炎に包まれた。
「逃がさん」
その炎の中からステインが悠然と歩いてくる。
次の瞬間、ステインの姿が消え、気づけば血界の目の前に来て、太刀を振りかざしていた。
「!!」
「消えろ」
血界は後ろに倒れることでギリギリでかわすがステインの向かいにあった店に斬られた跡が残る。
ただ太刀を振っただけなのにあの威力なのを見た、血界たちは肝を冷やす。
血界は慌てて、ステインを距離を取る。
しかし、その時ステインは標的にしていた飯田とプロヒーローの側にいた。
慌てる緑谷たちだがステインはそれを気にしていない。
「お前たちは後だ。殺してやるから待っていろ」
飯田のほうを見て、冷たく呟くステインに飯田は喉元に刀を添えられたイメージが鮮明に頭の中で思い浮かび、冷汗がドッと流れる。
ステインは血界のほうを向き、姿勢を低くして突撃する。
血界はギリギリのところで急所を避けてみせるが、切り傷が体に出来ていく。
攻撃に転じたいが、ステインの怒涛の攻撃にそれが出来ない。
さらに斬撃と同時に駆り出される太刀からの熱風に体力が奪われる。
「くっそ……!」
悪態をついた瞬間、熱風に足を取られたのか、もつれて転んでしまう。
ステインがそれを見逃すはずがなく、太刀を血界に向かって突き刺す。
しかし、血界はまたギリギリのところで転がってかわし、腕に掠っただけだった。
「『炎獄脈』」
呟いた瞬間、地面に刺さった太刀から炎が発生し、地面を抉りながら向かっていき、血界を炎で包む。
「ぐああぁっ!?」
「血界!」
轟が氷で消火しようとするが氷は近づくだけで溶かされてしまう。
「何でだ!?」
「言っただろう、ただの炎ではないと。対人間の力が対化け物の力に敵うはずがない」
炎に包まれた血界を見ながら、ステインはそう言った。
「血界くんに手を出すな!!」
緑谷と飯田がステインに向かって飛び出す。
しかしステインは太刀から手を離し、手を2人に向ける。
「『斗流血法・カグツチ』、『刃身ノ弐・空斬糸』」
血の糸が2人に向かって放たれる。
「『赫棺縛』」
空斬糸が2人に絡みつき、身動きを取れなくする。
「焦るな。順番に殺してやる」
動けなくなった飯田を見下ろしながら言った。
すると立ち上る炎の中から血界が転がり出てきて、蹲りながら呻き声を漏らす。
全身に火傷を負っていた。
「ぐ……うぅ……」
ステインはその血界に近づき、太刀を振り上げる。
「ブレングリード流血闘術……」
その瞬間、血界は蹲った状態からステインに奇襲をした。
わざと動けない演技をし、誘い出したのだ。
「『211式 単発式紅蓮血獄撃』!!!」
血界が現時点で出せる最強の技を放つが、ステインに当たる寸前で拳が止まってしまった。
いや、拳だけでなく血界の全身が止まっている。
体のあらゆる関節に『空斬糸』が絡み、血界の動きを止めたのだ。
「『斗流血法・カグツチ』、『刃身ノ弐・空斬糸』」
「……くっそ!!」
「気づかないと思ったのか?ラインヘルツの人間にしては小賢しい真似をするな」
ステインは太刀を振り下ろした。
左肩からの袈裟斬りで血界の体から鮮血が舞い、地面に倒れる。
「血界/くん/君!!!」
3人が悲痛な叫びを上げる。
倒れた血界から血の池が出来始めるが、それを見たステインは怪訝そうにする。
「当たる直前で体を後ろにズラしたか……」
斬ったステインが忌々しそうに呟いた。
倒れた血界の身体が動き、痛みにより震える手で斬られた部分を掴み止血しようとしている。
痛みで歪む顔をステインに向けて睨み、必死で逃げようとしている。
「ぐっ…!うぅっ……!!」
「見苦しいぞ。戦士なら戦士らしく潔く死ね」
ステインは血界を踏みつけ、動けないようにし心臓の位置に太刀を添える。
「これなら外さん」
「やめろォォォッ!!」
緑谷の悲痛な叫びが響くがステインはそれを気にせず太刀を持ち上げ、心臓に突き刺した。
しかし、まるでガラスが砕けるような音が響き、ステインの太刀は切っ先が粉々に破壊されていた。
「何……?」
怪訝な表情をしながら太刀の切っ先を見るステイン。
血界は自分の胸ポケットが光っていることに気づいた。
「これって……」
ポケットを弄ると出てきたのは自分の血で濡れた四つ葉のクローバーだった。
昼に智絵里から貰ったクローバーが血界を守った。
「運がいいな」
「まったくだ」
ステインの言葉に答えるように聞こえた血界たち以外の声にステインは警戒するが、その瞬間持っていた太刀が弾丸で弾き飛ばされた。
ステインが弾丸が飛んで来た方を睨むと暗闇の中から電光を纏った男がゆっくりと姿を現わす。
「そいつらに手を出さないでもらおうか」
怒りを浮かべたライトニングが登場した。