僕のヒーローアカデミア:Battlefront of Blood   作:マーベルチョコ

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File.5 Battle Training

午前中の授業が終わり、いつも通りの血界と耳郎の中に蛙水と八百万が加わって、談笑している。

 

「3人とも午前中の授業どうだったかしら」

 

「うーん…….」

 

「何というか……」

 

「「普通」」

 

蛙水の質問に血界と耳郎が揃って答える。

ヒーロー科と言っても雄英自体は高校であるため、他のことは学ばないといけない。

そのため現役のプロヒーローが授業をしてくれるのだが、ヒーローが授業をしてくれると言っても内容は至って普通だった。

 

「お二人とも何を言っているんですか!プロヒーローの方々が私たちにご教授なさってくれているのです!ヒーローになるために何か意味があるはずです!」

 

「そ、そうか?」

 

「ヤオモモは真面目だなぁ」

 

八百万がぷりぷりと力説する姿に血界は少し驚き、耳郎は微笑ましく見ていた。

 

「まあでも、何たって楽しみなのは次のヒーロー基礎学だよな。ヒーロー科に入ったんだからやる気が入る」

 

「血界は座学が苦手だからでしょ。勉強嫌いな小学生と同じじゃん。普段の授業が苦手で体育だけ得意とか」

 

「うぐっ」

 

耳郎の鋭いツッコミに血界は図星を突かれた。

 

「オールマイトが授業してくれるのだもの。やる気が入るわね」

 

「No.1ヒーローからご教授してくださるなんて雄英に入学できたから実現したことですわ。一回一回の授業を大切しないと」

 

「オールマイトかぁ……」

 

オールマイトの話になると少し上の空になった血界に耳郎が声をかける。

 

「どうしたの?オールマイトに授業してもらえるのが楽しみな理由じゃないの?」

 

「いや、そういうわけでもないんだよな……」

 

血界は曖昧な返事をしてしまう。

血界はNo.1ヒーローであるオールマイトは凄いと思っているが、憧れていると言う訳ではない。

血界にとって憧れの存在は別にいる。

そんな話をしている血界をクラスメイトである峰田 実は下唇を噛んで羨ましがっていた。

 

昼休みも終わり、いよいよヒーロー基礎学の時間がやってきた。

1-Aの皆は今か今かとソワソワして待っている。

 

「わぁあたぁあしぃぃがっ!!!普通にドアから来た!!!」

 

独特な言い回しとともに扉が開かれて現れたのは筋骨隆々の肉体を持ち、平和の象徴と言われるNo.1ヒーロー『オールマイト』だ。

オールマイトが現れた瞬間、生徒たちはテンションが上がり色めき立つ。

 

「本当にオールマイトだ!!マジで教師やってるんだぁ!!」

 

「銀時代のコスチュームね」

 

それは血界もそうだった。

オールマイトにそこまで憧れがないと言っても世界から平和の象徴と認められ、いくつもの伝説的な記録を残してきたヒーロー。

テレビで見るのと実際に見るのとでは全く違う。

 

「あれがNo.1ヒーロー……」

 

テンションが上がりまくりな生徒たちを一旦落ち着け、オールマイトは教壇に立つ。

 

「さて、では早速行こうか!!午後の授業は私が受け持つ。そしてそれはヒーロー基礎学!!「ヒーロー」として土台、素地を作る為に様々な訓練を行う科目だ!!正に「ヒーロー」になる為には必須とも言える!!単位数も多いから気を付けたまえ!!そぉして、早速今日はこれ、『戦闘訓練』!!!」

 

オールマイトの手には『BATTLE』と書かれたプレートを見せる。

それを見た生徒たちはやる気が燃え上がる。

 

「そして戦闘訓練を行う際に着るのがぁ、これだ!!」

 

オールマイトの合図とともに壁が動き出し現れたのは、それぞれ全員の戦闘服が入ったケースだ。

いよいよヒーローとしての一歩を進み始める。

 

 

耳郎の戦闘服は黒基調の服に足には攻撃用のスピーカーが付いており、彼女の個性が活用できる自分が考えたコスチュームだ。

 

「似合ってるじゃないか」

 

後ろから声をかけられ振り向くと戦闘服を着た血界が立っていた。

血界のコスチュームは白のシャツとネクタイ、その上に自分の体にピッタリの紅の革のパーカー、下は軍人が履くような機能性重視の黒のズボンとブーツ。

 

「血界も似合ってるじゃん」

 

「そうか?そう言われると嬉しいな。ありがとう」

 

戦闘服を褒められて素直に喜ぶ血界の後ろから声が掛けられる。

 

「2人ともカッコいいわね」

 

「お二人とも似合っていますわ」

 

その2人に蛙水と八百万が声をかける。

 

「あ、血界!振り向くな!」

 

「なんでだよ?2人のはどんな……はぁっ!?」

 

慌てて止める耳郎に不思議がる血界は2人の方を向くと目を剥いた。

蛙水の戦闘服は緑のピッチリとしたもので、彼女の中々発育のいい体のラインが鮮明に浮き彫りになっている。

血界とて十代の高校生。

反応してしまうが、これはなんとか耐えられる。

問題は八百万、一言で言えば、胸元が出ているハイレグ。

しかも八百万は1-Aで最も発育のいい女子。

そんな娘がエロい格好しているのだ。

しょうがない。

だって男の子なんだもの。

 

「血界さん?どうしました?……私の戦闘服おかしいでしょうか?」

 

「いや!そういうわけじゃなくて……!え、ええっと……!」

 

血界が少し落ち込む八百万に弁解しようとするがどうしても目がご立派なお山に行ってしまい、うまくできない。

 

「………」

 

それを見ていた耳郎は面白くなさそうな表情になり無言でイヤホンジャックを血界に刺した。

 

「痛っ!?なにすんだよ!?」

 

「別に……」

 

なんで怒っているかわからない血界は耳郎に聞くが、耳郎は無視してしまう。

 

「あ、あのお二人とも喧嘩は……」

 

「ケロ、ヤオモモちゃん大丈夫よ。あれは仲がいい証拠だから」

 

「そうなのですか?」

 

「そうよ」

 

血界は結局耳郎の機嫌を直すことができずにそのまま授業が始まってしまった。

授業の内容は2人一組を作り、計10チームのうち2チームを選抜してヒーローチーム、ヴィランチーム役となり、核爆弾の模型を奪い守るというアメリカンチックなものだった。

 

「オールマイト先生!!発言をよろしいでしょうか!!」

 

「はい!飯田少年!」

 

勢いよく挙手したのはロボロボしい戦闘服を着た飯田 天哉だった。

 

「我がクラスは全員で21名!2人1組では1人余ってしまいます!」

 

「余った1人はクジでどこかのチームに入ってもらう予定さ!」

 

「それではチームバランスが崩れると思われますが!」

 

「ヒーローになったら有利な場合も不利な場合もある。今のうちに経験しておくことも必要なことだよ!」

 

「なるほど……!ありがとうございました!!」

 

飯田の質問が終わり、早速くじ引きによるチーム決めとなり、血界は桃色肌の女子、芦戸 三奈と組むことになった。

 

「よろしくねー!あたし芦戸 三奈!えーっとライヘルツ君?ブイ君?」

 

「血界でいい。あとブイじゃなくてV(フォン)だからな」

 

「わかった!」

 

互いに挨拶を交わしていると、3人チームになった耳郎がまだ機嫌が直らないのか血界を睨むが、血界自身が気づかない。

それに気づいた同じチームの左右の髪色が違い、顔に火傷の跡がある轟 焦凍が耳郎に話しかける。

 

「なあ……」

 

「何?」

 

「……いや、なんでもねえ」

 

(諦めた!)

 

耳郎の静かな怒りが篭った声色に面倒だと思った轟はそれ以上話しかけず、また同じチームの醤油顔の瀬呂 範太はそれに少し驚いた。

 

 

一回戦目はオドオドして気弱そうな印象がある緑谷 出久と茶髪の女子麗日 お茶子のヒーローチーム。

そして先ほどオールマイトに質問していた飯田 天哉と昨日の体力テストで緑谷が好成績を残した時から怒りが収まらない様子の爆豪のヴィランチームとの戦闘訓練だ。

他の皆は別の場所で彼らの様子をモニターで見ていた。

戦闘が始まり、爆豪がいきなり緑谷に奇襲を仕掛けたが、それを緑谷はうまく捌いていくなか、血界は喧嘩やらで鍛えられた観察眼で緑谷の

 

「おお、アイツ中々やるな。あれは見て判断したっていうより、知ってたっていう動きだな」

 

「だよな。体力テストの時とは打って変わって動きがいい」

 

隣にいた尾白が血界の呟きに答える。

尾白は武術をやっており、普通の人よりそう言った動きがわかるため、血界の言葉に同意した。

そして戦闘が進んでいくと、さっきまで優勢だった緑谷が押され始めていた。

 

「あの爆発野郎……言動の割にはだいぶとクレバーだな。もう緑谷の動きを予測してやがる」

 

「うん。あと反射神経が恐ろしく早い」

 

そして、とうとう決着はついたが緑谷は自分の腕を犠牲にして勝利をもぎ取ったが、負けたはずの爆豪は無傷で緑谷は重傷を負っている結果に皆は呆然としてしまう。

 

「緑谷だっけか、あの重症になったやつ」

 

「ええ確かそうだけど、どうかしたのかしら?」

 

「いや、なんか個性に体が合ってないなと思ってさ」

 

講評が行われている中、血界は体力テスト、先の戦闘訓練で緑谷の個性が体に合っていないと思っており、気になっていた。

 

 

爆豪の大火力によりビルが半壊したため、別のビルに移り、次の戦闘訓練を行うこととなった。

次は血界・芦戸チーム対轟・瀬呂・耳郎チームとの戦闘だ。

ヒーローチームは血界・芦戸チーム、ヴィランチームは轟・瀬呂・耳郎チームだ。

血界と芦戸はビルの正面玄関で開始時間まで作戦を立てていた。

 

「2対3かぁ。不利な状況だね」

 

「それにあっちには耳郎がいるからな。こっちの動きが丸わかりだ」

 

「耳郎ってあの女の子でしょ?あの子の個性知ってるの?」

 

「ああ、互いに個性は知ってるな」

 

「へー……ねえねえ!どんな関係なの!?」

 

「なんでそんなにテンションが高いんだよ?ただ同じ中学の友達だよ」

 

「本当かなぁ〜?」

 

恋バナなど色めきだった話が好きな芦戸は血界と耳郎の関係に敏感に感じ取っており、根掘り葉掘り聞きたくて仕方な日、ニヤニヤしながら血界を見ていた?

血界は芦戸が何を聞きたいのか分からず、首を傾げた。

 

「とりあえず耳郎がいるってことは不意打ちは難しい。作戦を立てなきゃな」

 

「あ!逃げたな〜。あとで聞かせてもらうからね!」

 

芦戸ははぐらかされたと思い声を上げるがそれは後の楽しみにして、今は訓練に集中することにし作戦を立てることにした。

同じ頃、ビル内で核爆弾を隠し終えた耳郎たちも作戦を立てていた。

 

「血界の個性は血液を武器みたいに使う個性で、威力は物凄いけど室内じゃ強すぎて核がある場所では制限されるはず」

 

「じゃあ、ここに誘き寄せれば行動が制限されるってことか」

 

「うん。ここに入ってきたら遠距離から一斉に攻撃して最初に倒す。近接戦になると血界はマジで強いから」

 

耳郎が自分が知っている血界の限りの情報を出して、作戦を立てるがそれを轟が遮る。

 

「関係ねえ」

 

「え?」

 

「どういうことだよ?」

 

今まで黙っていた轟の言葉に2人は一瞬固まる。

 

「耳郎、アイツらがビルに入ってきたら教えてくれ。一瞬で片をつける」

 

その目には強い執念のようなものを感じ、耳郎も瀬呂も何も言えず、それに従った。

 

 

『スタートッ!!!』

 

インカムからオールマイトの合図で、血界たちはビルに入っていく。

 

「じゃあ作戦通り一緒に行動するぞ。どのみち耳郎のイヤホンジャックじゃ俺たちの行動は丸わかりだ」

 

「りょーかい!」

 

2人は警戒しながら廊下を進んでいく。

そしてその足音は下の階に音を聞き取るのに集中していた耳郎には聞こえていた。

 

「来た!入ってきたよ!」

 

「後ろに下がってろ。巻き込まれるぞ」

 

轟はそう言って核を置いた部屋の入口に向かって歩き出る寸前のところで止まる。

そして一瞬息を吸って、個性を発動する。

轟の足元から氷が一気に広がり、ビル全体を凍らせていく。

そしてそれは下の階を探索していた血界たちにも迫ってきた。

 

「ええ!?何あれ!!」

 

迫る氷に気付いた芦戸は慌てて、声を上げる。

血界は芦戸の腕を掴み、引き寄せるとナックルガードを装着した拳を構える。

 

「俺の背中に捕まっていろ!」

 

そして血界たちが氷に包まれそうになった瞬間、拳が紅く輝いた。

 

 

ビル全体を凍らせた轟は一息つき、周りを見る。

核が置いてあった部屋には氷が届かないようにしていたが、冷気はその部屋に届いており耳郎と瀬呂は寒そうにしている。

 

「す、スゴすぎ……」

 

「さびぃ……!」

 

「わりぃ」

 

そしてその冷たさと轟の実力の高さは地下でモニターをしていたオールマイト含め、全員が戦慄していた。

 

「なんだアイツ凄え!」

 

「あと寒い!」

 

「瞬殺じゃねぇか!」

 

「クソゥ!やっぱりイケメンは強いのかよ!赤いほうも女とチヤホヤしてて凍らせたのはザマァッだけどよ!」

 

腐れ葡萄が何か言ったが全員が轟の実力に驚きを隠せない。

もちろんそれはオールマイトもだ。

 

(エンデヴァーの息子さんと聞いていたがここまでの実力か!これではラインヘルツ少年も……)

 

オールマイトがモニターを凝視しているとあることに気づき、笑みを浮かべる。

 

「やはりそう簡単には倒れないか、ラインヘルツ少年!」

 

そしてそれは他の生徒たちも気づき始めた。

 

「あれ何かしら?」

 

蛙水が指差す方を全員が見る。

そこは先ほどまで血界たちが立っていた場所だが、そこには凍らされた血界たちはおらず代わりに人1人は余裕に越えるほどの大きさの十字架に形取られた棺桶が凍っていた。

そして次第に棺桶を覆っていた氷はひび割れ、砕け散る。

棺桶は水が落ちるように崩壊していき、その中から血界と背中にしがみつく芦戸の姿があった。

 

「ブレングリード流血闘術………」

 

 

321式 十字血棺掩壕

 

 

全方位からの防御により氷の攻撃を防いだ血界は周りを見る。

 

「はー凄いね。一瞬であんなの防いじゃうなんて……ってなにしてんの?」

 

芦戸が血界のこせいに驚くなか、血界は凍らされた壁に備え付けられている消化ホースを取り出していた。

 

「芦戸、作戦変更だ!勝ちに行くぞ!」

 

血界のその顔には自信に満ち溢れていた。

 

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