僕のヒーローアカデミア:Battlefront of Blood   作:マーベルチョコ

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映画見てきました。

めちゃくちゃ良かったです!
まだ見てない人も是非見てくださいね。


File.65 Vol.Max!!!

耳郎は口田とチームを組み、対戦相手は同じ音系のプレゼント・マイクだった。

最初はいつもお調子者のマイクが格上と言われてもピンっと来なかったが試験が始まればその考えはすぐに改められた。

 

「ハァ…ハァ…くそっ!どこに逃げてもマイク先生の攻撃から逃げれない!」

 

『どぉこですかぁーー!!!』

 

とんでもない大声量が耳郎目掛けて放たれる。

堪らず耳郎は蹲ってしまう。

 

「うぅっ……うるさっ…!」

 

音が止んだ瞬間に耳郎はイヤホンジャックを足のスピーカーに刺してマイクに向かって反撃をするがその音はマイクのと比べると余りにもか細い。

 

「ダメだ!マイク先生の個性は格上だとわかってたけど、全然違った!完全に上位互換!このままじゃやられる!……どうにか近づけば勝機はあるかもしれないけど……!」

 

耳郎は木の陰に隠れていた口田に声を掛ける。

 

「口田!アンタって動物以外の生き物も操れる!?」

 

耳郎の質問に口田は首を縦に振る。

口田の個性『動物ボイス』は動物を意のままに操る個性だが、マイクの声量のせいで動物たちが逃げてしまい、個性が使えない状態だ。

 

「じゃあ虫とかもいけるよね!?」

 

耳郎はすぐ側にあった岩にイヤホンジャックを刺し、音波で破壊してその下にいたムカデやら団子虫を指した。

 

「ヒャアァァァッ!!!」

 

虫たちを見た瞬間、普段無口な口田からは考えられない感高い悲鳴を上げて木の裏に隠れてしまった。

 

「……えっ、えっと口田?もしかして虫苦手?」

 

耳郎の質問に涙目で首を振る口田。

まさかの弱点に耳郎が驚き、油断しているとマイクの大声量が耳郎を襲う。

 

『そこかああぁぁぁ!!!!』

 

「痛っ……!!」

 

背後からモロの直撃に耳に激痛が走る。

 

「とにかく……!反撃しないと……!」

 

耳郎は深呼吸を繰り返し、心音を高めていく。

 

「スピーカー1個犠牲にする大技くらえ……!!」

 

L・B・S《ラウド・ビート・サウンド》

 

耳郎の脚に装着されてあるスピーカーにイヤホンジャックを挿し込み、H・R・Bを流し込んでさっきとは段違いの音が流れる。

 

『うおっ!?中々いい音流すじゃねぇか!』

 

先の攻撃とは段違いなのに気づいたマイクは少したじろぎながらも余裕の笑みを浮かべる。

 

耳郎は胸を抑え、息を荒くしながら跪く。

音を流したスピーカーからは煙と火花が散り、壊れたのは明らかだ。

 

「ハァ…ハァ……これで…少しは泡を吹かせられたでしょ?」

 

(じ、耳郎さん……!)

 

満身創痍の耳郎を見て、口田は自分が情けなくなる。

雄英に入学できたが勇気を出して前に進むことはあまりなかった。

憧れの雄英に入学したからには心はいつも“更に前へ”の気持ちで進み続けるしかない。

覚悟を決めた口田は震えながら虫の大群に近づく。

 

「口田?」

 

「じ、耳郎さん、僕やるよ。ど、どんな作戦なの?」

 

覚悟を決めた口田の顔を見て、耳郎は笑みを浮かべ、作戦を伝えた。

 

 

マイクはゲート前で待ち構え、声を調整しながら耳郎達の行動を待っていた。

 

『反撃してきたから何か考えがあるのかと思ったが、ただの当てずっぽかー?』

 

少しがっかりしながら、また攻撃しようかと考えた瞬間地面が盛り上がる音が聞こえた。

 

『何だぁ?』

 

目を向けると地面から大量の虫が現れ、マイクの足を登ってきた。

 

『うおぉぉっ!?マジかぁ!?』

 

大量の虫が体を駆け上ってくるのは誰でも卒倒ものだが、マイクは過去の過酷な血糸の訓練を思い出し、何とか耐える。

 

(あ、あの時の訓練に比べればァ……!!)

 

思い出すのは虫が苦手だと知られた時は体を拘束され、身体中に虫を張り巡らせられ、走るのが遅いと言われた時は倒れるまで走らされた。

その時のに比べればこんなもの軽いものだ。

マイクは正気を取り戻し、自身のサポートアイテムである首に装着してあるマイクを指向性から拡散性に切り替え自身の周りに音を出すように瞬時に調整する。

 

『離れろおおぉぉ!!!』

 

拡散された音はマイクの体から虫を引き離した。

 

『な、なんつー悪趣味な攻撃……』

 

体から虫が離れたマイクは膝に手をついて疲れた表情を見せる。

その瞬間、横の草むらが揺れた。

咄嗟にその方向を向いたマイクに向かって口田が飛び出した。

 

(虫を囮に特攻かよ!………いや、待てよ?わざわざ囮にして特攻する理由が……)

 

「本命はウチだよ!」

 

マイクの背後から耳郎の声が聞こえる。

耳郎はマイクに向かってイヤホンジャックを向けていた。

 

『俺と音勝負すンのかぁ!?いいぜ!カモン!ロッキンガァール!!』

 

今のマイクは拡散性、2人ごと巻き込める。

更に先の攻撃でマイクは耳郎の音の威力は大体わかり、自分が勝つのがわかっている。

故にマイクはあえて相手の挑発に乗ってあげた。

 

(これ使ったらウチは動けなくなる……!)

 

 

「口田にはマイク先生の気をそらして欲しいんだ。もしそれで倒せたらそれで良いんだけど先生もそこまで甘くないだろうし……だから、ウチはそこで勝負を仕掛ける」

 

耳郎の作戦に口田は少し不安そうな表情になる。

それに気づいた耳郎は質問する。

 

「どうしたの?」

 

「しょ、勝負する必要あるかな?耳郎さんも怪我をしてるし……」

 

口田が指差すのは血が流れている耳郎の耳だ。

マイクの攻撃で鼓膜が破れてしまっていた。

 

「無理に攻撃せず、逃げ切れるならそうするべきじゃないかな?」

 

口田の言い分は正しい。

何もヒーローは必ずしも戦わなくてはいけないわけではない。

しかし、口田の言い分は理解できても耳郎の心は挑みたいという気持ちが強かった。

 

「口田の言い分もわかるよ。でもウチは血界みたいに立ち向かいたいんだ……!」

 

憧れた彼と並ぶには更に力をつけないといけない、その想いが耳郎を戦いに導く。

耳郎の本気度に口田は感銘を受ける。

 

(耳郎さん、そこまで……)

 

「わかったよ。じゃあ二段構えで行こう?」

 

「二段構え?」

 

今度は口田から作戦を伝えられた。

 

 

『カモン!ロッキンガァール!!』

 

マイクの挑発に耳郎はあえて立ち向かう。

先から隠れていた茂みで心音は極限まで高め、後はそれを放つだけだ。

 

(マイク先生は音には必ず耐性がある!だから、出来るだけ至近距離で……!)

 

走る耳郎に向かってマイクは即座に指向性スピーカーに切り替え、大声量を耳郎に向かって放つ。

耳郎はそれ目掛けて心音を放つ。

 

(今、ウチが出せる最高峰の音を……!)

 

L・B・S Vol.Max(ボリュームマックス)!!!

 

耳郎とマイクの音がぶつかり、激しい拮抗が起きる。

周りの木々と地面は揺れ、更にはその余波で地面にヒビが入る。

 

「アアアァァァッ!!!」

 

耳郎は叫んで更に力を入れる。

音波の余波で鼻血が垂れるが、今の耳郎に気にする余裕はない。

少しでも気を抜けば押し負けてしまう。

 

(こいつ!さっきまでのは本気じゃなかったのか!?)

 

今まで鍛えてきたプロヒーローと拮抗するほどの実力を持つ少女に戦慄しながらも、笑みを浮かべて喜びを露わにする。

 

『楽しくなってきたじゃねェか!!』

 

マイクも更に力を入れて、音を出し続ける。

やがて拮抗していた状況が動き出す。

耳郎の音が押され始めた。

やがて耳郎の音はマイクの音に飲み込まれ、霧散した。

 

「あっ……」

 

負けた耳郎は体から力が抜け、その場に膝から崩れ落ちた。

 

『ハァ…ハァ……やるじゃねェか、ロッキンガール』

 

「うぅ……」

 

悔しそうに顔を歪める耳郎だが無理をした反動で一切体に力が入らない。

 

『さぁて、後もう1人……』

 

マイクが残る口田を捕まえようと振り返った瞬間、

 

『耳郎・口田ペア、試験クリア』

 

『…………ワッツ!!?』

 

突然の試験クリアのアナウンスにマイクは驚く。

ゲートを見ると口田は息を切らせてゲートを通り抜けていた。

 

『自分を囮に使ったのか。一瞬で負けたら全部おじゃんだったろうに』

 

「勝つ……自信が……あったから………」

 

『大したガッツだぜ』

 

マイクは参った表情でそう呟き、倒れた耳郎を抱えて自分もゲートを出た。

 

 

一方血界達はヴラドキングと戦っているが未だに不利な状況だった。

氷麗は大きな怪我は無いものの息が荒くなっており、白い息を吐いている。

一方の血界は傷は多くあるがまだ動ける様子だ。

 

「どうした?先までの勢いが無いぞ」

 

「まだまだ行ける」

 

ヴラドの言葉に血界はファイティングポーズで答える。

一方の氷麗は肩で息をするほど疲労が重なっており、よく見れば体が僅かに震えている。

 

「スターフェイズの方はもうギブアップか?」

 

「………」

 

ヴラドの言葉に氷麗は答えることができない。

血界はそれを訝しげに見たが、教師を前に油断はできない。

 

「氷麗、ヴラド先生はもう何回も個性を使っている。もうそんなに血が無いはずだ。俺が突っ込むから氷麗はトドメを刺してくれ」

 

ヴラドキングの個性『操血』は自身の血を使う。

同じ血を使う個性だからわかることなのか、相手の総血量を体格を見てわかる。

そしてヴラドキングは血界と氷麗の戦いで多くの血を使っていた。

勘だともうそろそろ失血で戦えなくなる。

しかし、氷麗は返事をしてくれない。

 

「………」

 

「氷麗?」

 

先から様子がおかしい氷麗に何が起こったと考える血界にヴラドが声をかける。

 

「俺の失血を狙っているなら辞めておいた方がいい。対策をしっかりとしているからな」

 

ヴラドは腰のホルスターからケースを取り出し、赤い錠剤を3粒取り出して、噛み砕いて飲み込んだ。

 

「造血剤だ」

 

「うわっ!ずりぃ!!」

 

「狡いとは何だ!?弱点を補うのは当然のことだ」

 

当然だと言わんばかりに腕を組むヴラドキングに血界は不満そうにする。

 

「真に賢しいヴィランは当然のようにこのようなことを対策している!それを乗り越えて行くのがヒーローだ」

 

ヴラドの言うことは正しいと血界にもわかる。

気合いを入れ直して、再び構える。

 

「行くぞ氷麗!氷麗……?」

 

氷麗の意識は朦朧としており、視界がぼやけている。

血界の言葉も上手く頭に入ってこない。

 

「氷麗!しっかりしろ!」

 

「ヴラッドナックル!!!」

 

2人目掛けてヴラドキングの必殺が炸裂し、会場を大きく揺らした。

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