僕のヒーローアカデミア:Battlefront of Blood   作:マーベルチョコ

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File69. 平和の礎

血界達は林間合宿のための買い出しと試験のお疲れ様会を兼ねて県内最多店舗数を誇るナウでヤングな最先端(芦戸談)のショッピングモール、木椰区ショッピングモールに轟と爆豪を抜いた1-A組で訪れた。

 

「やってきました!木椰区ショッピングモール!!」

「いえーい!」

 

芦戸と葉隠を筆頭に皆盛り上がりながら、何が必要なのか考える。

 

「俺は旅行用の日用品がなかったなぁ」

 

「じゃあウチらと一緒に来なよ。スーツケースと一緒に新しくしようと思ってたしさ」

 

血界が必要な物を確認していると八百万と店を回ろうとしていた耳郎が声を掛けてくる。

 

「いいのか?」

 

「ヤオモモはどう?」

 

「構いませんわ。一緒に行きましょう」

 

血界は耳郎と八百万と共に店を巡ることになったがそれを見ていた峰田は血涙を流しそうな表情で血界を睨んだ。

 

「ちくしょう……!オイラと同じはずなのに何が違って両手に花の状態なんだよ……!」

 

「お前みたいにオープンじゃねぇからだよ。それと周りが変な目で見てきたからやめとけって」

 

上鳴が峰田の肩に手を置いて落ち着かせた。

更に周りの人達が峰田を見て、怪しんでいたが何とか誤解を解いた。

皆がそれぞれの目的の物を買いにばらけて行動し、15時に集まることになった。

血界は耳郎達と行動することになったが、完全に荷物持ちになっていた。

 

「なぁ、何で俺荷物持ちになってるんだ?」

 

「いいでしょ?適材適所だって」

 

「すいません、血界さん。私の分も持って貰って」

 

八百万は申し訳なさそうにするが耳郎は気にした様子はない。

 

「気にすることないよヤオモモ。血界だって両手に花の状態でいい気分してるんだし」

 

「うーん……両手に花って八百万はわかるが耳郎はなぁ」

 

「何?なんか文句でもある?」

 

血界の含みのある言葉に耳郎は少しムッとしてしまう。

地雷を踏んだと思った血界は少し顔を引攣らせながら、正直に言わないと嘘をついたとバレて制裁を食らうと思い、正直に思ったことを話す。

 

「あー……、時々何故か暴力振るう凶暴少女?」

 

「ふんっ!」

 

正直に話した途端、耳郎のイヤホンジャックが血界のコメカミに突き刺さった。

 

「たわばっ!?」

 

持っていた荷物を落としそうになるが持ち前の身体能力で何とか持ち堪える。

 

「行くよ!ヤオモモ!」

 

「じ、耳郎さん!?」

 

耳郎は八百万の手を引っ張って次の店に向かっていく。

 

「ま、待てよ……俺を置いていくのか?」

 

「次行く店はランジェリーショップ!付いて来る気!?」

 

それを言われた血界は固まってしまい、その隙に耳郎達は言ってしまった。

 

「はぁ……何で耳郎は俺に暴力を振るうんだ?」

 

訳がわからないと言った様子で荷物を持ち直す血界は2人を待つ間どうしようかと考えているとCDショップの広告ポスターが目に入った。

そこには多くのアイドルポスターが貼ってあり、その中に凛のユニットである『ニュージェネレーションズ』のポスターがあり、血界はそれを見て嬉しそうになる。

 

「凛達も頑張ってるんだな」

 

一時期、凛達の方でもトラブルがあり、血界達も関わったことがあった。

その話はまた次の機会にするとして、凛達はそのトラブルを乗り越えてアイドルとして頑張っている。

血界はその事を思い出し、相澤との件を気にしていたが迷って立ち止まっている場合ではないとやる気を出す。

 

「俺の必要な物はもう買ったし、フードコートで待ってようかな」

 

血界は耳郎に何と言って謝ろうか考えながら、フードコートに向かった。

 

 

ランジェリーショップに着いた耳郎達であったが耳郎はとても落ち込んでいる様子だった。

 

「はぁ、またやっちゃった……」

 

血界に悪口を言われて、ついカッとなって暴力を振るってしまったことと、こんな風に暴力を振るってしまうからあんな印象が付いてしまうんだ、のジレンマに陥っていた。

 

「何であんなことしちゃうんだろ……」

 

「フフ…」

 

落ち込む耳郎を見て、八百万は少し笑ってしまった。

 

「どうしたの?」

 

「だって耳郎さん。とても可愛らしいですもの」

 

恐らく血界のことで悩む自分を見て、言われているとわかると耳郎はわかりやすく顔を赤くした。

 

「う……」

 

「耳郎さんが手を出したのは悪いことですが、血界さんも悪いですわ。耳郎さんの気持ちをちっともわかっていないですし」

 

「まぁ、あれはアイツがただ単に鈍いだけだから」

 

自分の代わりにプリプリと怒ってくれる八百万にホッコリしながら礼を言うと、スマホにメッセージが入り、見ると笑みを浮かべた。

 

「ヤオモモ、フードコートでお茶でもしようか」

 

「フードコート!前回お買い物した時は行けなかった場所ですわね!確かシェフ達が並んで料理を振舞ってくれる所と氷麗さんから教えてもらいましたわ!」

 

「う、うん。合ってはいるけど………氷麗、純粋なヤオモモを揶揄ってるな」

 

八百万は初めてのフードコートを楽しみにしながら、耳郎は血界をどうやったら許してやろうか、と好きな相手を揶揄ってしまう悪戯心を持ちながら血界が待つフードコートへと向かう。

 

 

相澤は346プロの高級なインテリアで固められた応接室である人物を待っていた。

急な約束を取り付けることができたのは相澤自身も驚いたが聞くことがあるため気にしないことにした。

扉が開き、血界の育ての親であり話の用があった人物、緑川 血糸が入ってきた。

 

「お待たせしました」

 

「いえ、お忙しい中お時間をいただき、ありがとうございます」

 

相澤は社会人らしく頭を下げて礼を言う。

普段ならば昔の可愛がり(という名の地獄の特訓)を思い出し、震えているころだが今回は雄英の血界の担任として血糸に会っていた。

血糸もそれを理解しており、後輩としてではなく血界の保護者として相澤の前に座る。

 

「それで話とは?」

 

「貴方のお子様である血界・V・ラインヘルツ君についてです。失礼だとは承知しておりますが彼の過去を調べさせていただきました。5年前、彼はヴィランに襲われ、重傷を負い記憶を無くしている。その後は貴方が引き取り、育ててきましたね」

 

「そうです」

 

「……ラインヘルツ君は授業中に自己犠牲の精神が顕著に見られます。先日、個人面談を行いましたがその原因となることはわかりませんでした。育ての親である貴方なら何か知っているのではないかと思い、本日訪問させていただきました」

 

「…………」

 

「何か知っているんですね」

 

質問に黙ってしまった血糸を見て、相澤は血界について何か知っていると確信し、血糸を見る。

 

「………」

 

「………」

 

相澤は血界のことを聞くまで動く気は無いだろうと思った血糸は悩む。

血界の過去は他人どころか本人にすら話せない。

どうするべきかと悩んでいるとスマホに着信が入る。

 

「失礼します」

 

血糸が相澤に断りを入れてから席を立ち、スマホを手に取る。

着信は346プロヒーロー事務所のメディスこと千川 マヒロだった。

 

「どうした?」

 

『血糸さん!血界君がショッピングモールであるヴィランと交戦したと通報が!!』

 

「!!」

 

血糸の顔は驚愕に染められ、慌てて部屋を出ようとすると相澤が呼び止めた。

 

「先輩!何かあったんですか?」

 

「相澤、血界のことは後日詳しく話す。今はあの子の下に行かないといけないんだ」

 

いつも冷静沈着な性格の血糸が目に見えて焦っていること只事ではないとわかった相澤は大人しく引き下がる。

 

「………わかりました」

 

「助かる」

 

血糸は血界の下へ急いだ。

 

 

血界は耳郎に謝罪のメッセージを送信して、一先ず安心だと思いながらコーヒーを飲んで落ち着いていた。

 

(そういやこうやって雄英のみんなと出掛けるなんて初めてだな。耳郎達とは何度もあるけど……)

 

血界はそんなことを考えながら、ふと前の席で食事を楽しんでいる父親と母親、男の子1人の家族が目に入った。

皆が笑顔で微笑ましか見ていると突然頭に鋭い痛みとノイズがかかった光景が頭をよぎった。

 

「い"っ…!?なんだ今の?」

 

よぎった光景は相澤との面談で見えた光景。

何故今になって再び見たのか訳がわからなかった。

頭が疑問で一杯になりそうな時に血界に声をかける者が現れた。

 

「相席してもいいかな?」

 

「え?」

 

血界に声を掛けたのは生気の抜けた老人のような白髪を持つ男だった。

血界は男を見た瞬間、何も感じなかった。

目立つ外見にも関わらず、凄くあやふやな感覚でしか目の前の男を認識できなかった。

 

「相席しても?」

 

「えっ、あっ、はい。どうぞ……」

 

再度声を掛けられ、意識を戻した血界が了承すると男は血界の前に座る。

男は人気フードチェーン店のコーヒーを飲むと苦虫を潰したような顔になる。

 

「うーん……やっぱりコーヒーは高くても本物を飲んだ方がいいね」

 

「………」

 

男に何故か不気味な印象を持ってしまった血界は男の独り言に黙って、男の様子を見る。

コーヒーを置くと男は血界に話しかける。

 

「今日はいい日だ。大切に想う者同士が平和を謳歌している。そうは思わないかい?雄英高校1年A組血界・V・ラインヘルツ君」

 

「(体育祭で知ったのか?)……そうですね」

 

男は周りの家族連れを見渡して更に話を続ける。

 

「だが、彼らはその平和は何を礎にして作られたか知らない。誰が血を流し、幾多の亡骸によって作られたか知らない!……無知は罪だ。平和を謳歌している人間達は今一度改めて自分達が犯してきた罪を認識するべきだ」

 

「………何が言いたい?」

 

気味の悪いことを話す男に血界は語尾を強くして、睨む。

 

「君はどうなんだろうねぇ、血界君。君は自分が犯した罪を理解できているのかな?いや、できているはずがない。だって君は………5()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

男は自分と親しい者しか知らないことを言われて驚愕する血界を見て、怪しい笑みを浮かべた。

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