さて、前回の話によると、三南先生は辞職をすると告げました。彼はなぜ、その言葉を言ったのかを詳しく見ていきましょう。
また、穂乃果と凛とにこのテスト勉強は、赤点を回避することができるだろうか?
それでは、どうぞ!
「その時は…全責任を負って辞職します」
「…?!」
彼の答えに、私は驚きを隠すことができなかった。
「辞職…ですか?!」
「ええ」
そうと決意を固めるように答えくれた三南先生に対し、開いた口が塞がらなかった。
なぜ、「辞職する」という言葉を出したのだろうか? そこまでの責任を求めようとしていない。私は、ただスクールアイドル活動を学校の存続に賭けることが、重大なリスクであることを暗に指摘しようとしていただけだ。その意図をしっかりと読み取れば、私の活動の方に手伝っていただけると思っていた。
だが、その言葉を出した先生の顔に、本当にここまでだ!という覚悟の念を見せてくれた。その心構えを見せてくれると、私は彼のキャリアを惨めにしようとする悪い生徒に思えてきた。そう思うと、申し訳ない気持ちが芽生え、やってはいけないことをやってしまったようなものをやったという後悔の念が入り混じった。
「…」
「な、なぜ…辞職しようと思っていますか? 私はただ…三南先生に全責任を取ってもらうと思っていなく…」
私はそうと訂正すると、彼は私にくすくす笑い、手で制した。
「それはね、私がこの考え方を持っているからです。それは何のことか、分かります?」
「…いいえ」
と首を横に振った私に、三南先生は小さな息を吸い、吐き出した後にこう答えてくれました。
「”武士道”という考え方ですよ」
「”武士道”?」
「ええ。私はこの信念を持って、生活しています。自分が決めたものごとをやり抜くことに心がけており、成功しようかしないかは関係ありません。まず、実際にやってみないと分かりませんから…やる前に、これが失敗すると言って臆病になるのは、断じては許されません。これは”武士道”の本質に背いています。そのため、私は彼女たちのスクールアイドル活動と関わっていくうちに、この活動に自分の身を全て賭けようとする彼女たちの気持ちに惹かれました。その輝かしい姿勢に、私も彼女たちの行く末を見守っていきたいという気持ちを持つようになりました。そのため、彼女たちにもし悪いことが起きようとするなら、私は…自分の人生を懸けて守ることに決めました…!」
「!!!」
三南先生の強い眼差しと迫力のある言葉に受けた私は、その場で何にも言葉を返すことができない。それほどの固い決意を感じ取った私は、どれだけ説得しようが結果は変わらない。彼は、スクールアイドル活動を自分の教師としての義務ーーいや、使命で賭けており、もはや他人の言葉に惑わされない大きな岩石になっている。
それに対して私は小さくため息を漏らし、説得できなかったことに残念がる。
「そうなんですね。そこまで、彼女たちのスクールアイドル活動を手伝おうとしていますね。三南先生の強い意志に対して、私はもう何にも言い返せません」
「…」
「…分かりました。私は、彼女たちのスクールアイドル活動に対して一切の妨害はしません。ただし、彼女たちの活動が音ノ木坂学院の存亡を解決することに関しては認めませんので、私は…私なりの活動を続けます。あなたの仰った”武士道”は…私にもあります」
私はそうと告げると、三南先生は
「それじゃあ、楽しみですね。あなたの”武士道”を」
「…っ!」
彼はそう私に微笑んでくれると、より一層三南先生に対する悪い印象が薄々と消え始めた。話す前に、先のことを考えない先生だと思ったが、なんか話してみると色々と自分の抱え込んでいる彼女たちを第一に考えているとても優しい方だと思うようになった。もし、私は三南先生と彼女たちよりも少し早く出会えたら、私の生徒会活動を手伝ってくれるだろうか。
たぶん、手伝ってくれるに違いない。そう思うと、この出会う時間の遅さに対して、少しいじわるだなと思いはじめた。
「それでは、お茶を美味しく頂いたので、これにて失礼しますね」
「ええ。あ、その前に亜里沙を呼びますので、少しお時間を…」
「ふふっ、かしこまりました」
私はすぐに亜里沙を呼び、2人で三南先生を自分達の家の玄関から見送った。
<次の日、音ノ木坂学院のスクールアイドル部室にて>
私はスクールアイドル部室の中に入ると、東條君はテスト勉強用の教材を机の上にドスっと置いているところだ。
「今日のノルマはこれね!」
彼女は、高坂君と星空君と矢澤君に向けてそう言うと、彼女たちは
「「「鬼…」」」
恨めし気な目で見ながら呟いてしまい、東條君はその言葉の聞き逃れなく、手をあげた。その手は、彼女たちが最も嫌がる罰である。
「あれ?まだワシワシが足りてない子がおるん?」
脅迫げに述べるとは、彼女たちは一切に素直になって言葉を改めた。
「「「まっさかー♪」」」
彼女たちの放った言葉が同時に答えると、何だか少し滑稽に思った。すると、同席していた園田君は鞄を持って急に立ち上がった。
「ことり。穂乃果の勉強をお願いします」
「ええ? いいけど、海未ちゃん」
「ありがとう」
園田君はそうと小さくお辞儀し、私に対して「失礼します、三南先生」と挨拶し、部室から出ていった。
「んん」
南くんが園田君が急に去っていたことに疑問を思っている中、西木野君は彼女に問いかけた。
「海未先輩はどうしたのですか?」
南君ははっきりとした答えは分からなく、
「さあ…?」
と返事した。これに対して私は、
「園田君は弓道部との用事がありますか、南君?」
「ああ、いいえ。今日は何にも…」
「そうですか…」
何の用事もなく高坂君たちの勉強会から去っていくことに不思議に思い、彼女の後を追いかけることにした。
「私は、園田君を探しますので、貴方たちは引き続き勉強を」
彼女たちの勉強会を残した私は、園田君を探し始めた。
数分ぐらいかかっただろうか。ようやく園田君を見つけることができたた。彼女は今生徒会室の前に立っている。
「園田君」
「あっ、三南先生」
私の方に振り向いた園田君は、私がここ来るのを驚く。
「なぜ、先生はここに…?」
「それは、園田君は急に出て行って…ちょっと話を…」
「そうなんですか…」
「何かありましたか、園田君?」
彼女は少しだけの間を黙り込んだあと、部室から出て行ったことに関する心情を告白してくれた。
<告白後>
「そういうことが起きたのですか」
「はい…」
「なるほど…」
園田君が出て行った実情を聞いた私は、なぜ生徒会室の前に立っている理由が分かった。先日、生徒会長に自分達の踊りは人を惹き寄せないと言われたことに疑問を思っていた。μ'sのファンが増えている現状の中で、なぜその事を言われるのかが納得できていなかった。それで、生徒会長のことをよく知っている東條君に話を聞きに行くと、そこには恐るべき事実があった。
「彼女は、ロシアの小学生入門のバレエ大会に出場した経験に加え、本場の踊りに関する技術を持っていた。けれど、惜しくも優勝を掴み取ることができなく、そのため、彼女は貴方たちの踊りが人を引き寄せることに…不満を持っていたのですね」
「はい、そういうことです」
「……不覚でしたね」
「ええ?」
「実を言うと、私は昨日、彼女の家に訪れました。成り行きでね。それで、彼女は私を説得しようとしていたのですよ、スクールアイドル活動を辞めさせようと。私は、この活動に成すべき意味があるのを伝え、彼女が私たちの活動の妨害をしないと約束してくれました。だが、スクールアイドル活動をなぜ認めないことについて聞き出そうとしなかったのは、私の不注意です…」
自虐的に述べた私は、園田君は横に首を振った。
「いいえ! 三南先生は、スクールアイドル活動を続けさせようとしたことに感謝しています! 」
「……そうですか?」
「はい!…なので、私は生徒会長をーー」
「その前に、やるべきことはありますよね」
「ええっ?」
三男先生は私の方にゆっくりと歩き、両肩に彼の手がポンっと乗っかった。
「テスト勉強。赤点を一個でも取ったら、ラブライブに出場できませんよ。そのために、私たちは…それを乗り越えないといけません。なにせ、あと5日しか残っていないです」
「ああっ?! そうだった!」
自分のすべき順番を間違っていたことに気づいた園田君は、ハッとした表情を出した。
「ありがとうございます、三南先生!生徒会長の件については、テストの後にお伺いします!」
「どういたしまして」
とお礼を述べたのちに、彼女はすぐに部室の方へ戻った。そして、高坂君たちの勉強への指導を再開した。
<テスト結果>
期末試験が終わって数日後、テストが返却されていよいよラブライブにエントリーできるのかどうかの結果発表を待ち構える。
まず、矢澤君。彼女の苦手な数学Ⅱは何とか赤点を回避した。点数は47点。よろしくない点数ではあるが、彼女なりに頑張ってくれた。
次は、星空君。彼女の英語も同じく赤点を回避した。点数は50点。まずますの結果であるので、よく努力してくれた。
そして…高坂君。彼女の数学はいかに。彼女からの点数結果を聞くために、私たちは部室の方で待っている。
「穂乃果ちゃん…大丈夫かな?」
「南君、そう悲観的に考えないで。きっと大丈夫だと思いますよ」
私は南君の心配する気持ちを和らげると、高坂君は、やっと入ってきた。
「どうだった?」
「今日で全教科は帰ってきましたよね?」
「穂乃果ちゃん!」
西木野君に加え、園田君と南君は同じ気持ちで心配していった。
「ちなみに凛はセーフだったよ!」
星空君は笑顔でピースサインを送ると、さらに緊張感が高まっていた。
「まさかあんた私たちの努力を水の泡にするつもりじゃないでしょうね?」
矢澤君はそう強げに質問すると、皆一斉にーー
「「「「「「どうなの!?」」」」」」
と高坂君に迫ってきた。風船が破れるぐらいの緊張感が流れている雰囲気の中で、果たして結果は…
「う、うん。もう少しいい点取れると思ったんだけど…じゃーん!」
高坂君の数学は…53点だった。つまり、皆30点未満の赤点を回避したのだ!これで、ようやくラブライブにエントリーできるのだ!
「「「「「「「やったー!」」」」」」」
「よく頑張った穂乃果ちゃん!」
「ええ!よく頑張りました!」
「ありがとう!海未ちゃんとことりちゃん!」
「はあ…よかったにゃ〜」
「凛ちゃんもよく頑張ったね!」
「本当に…教えた甲斐が実ったわ…」
「まじで…だめかと思ったわ…」
彼女たちの喜ぶ姿に、私は
パチパチ!
祝福の拍手をした。
「みなさん、よく頑張りましたね。私は…とても感動しました」
彼女たちにそうニコッと微笑んだ。
「だけども、正念場はこれからですよ。ライブライブへのエントリーを申請し、踊りをより一層に励まないといけませんので、一刻も早く理事長室に行きましょう!」
「「「「「「はい!」」」」」」
「それではーー」
「ちょっと、待ってください! 三南先生!」
「んん?」
その声を上げた高坂君の方に視線を移すと、彼女は何やら私に”されて欲しい”ことに求めようとしている。体を少しクネクネしており、あまり高坂君らしくない態度を取っているように見えた。
「どうしたのですか、高坂君?」
「理事長室に行く前に…1つ三南先生にして欲しいことがありまして…」
「1つ?」
「うん…」
「それは…?」
「そ、その…なでなでして欲しいです」
「……っ!」
「「「「「「ええっー?!」」」」」」」
彼女の放った言葉に恥ずかしく思ったかを、顔を向いて両手で隠した。
「ほ、穂乃果?! な、何を言って…?!」
「だって! 勉強を結構頑張ったから、三南先生からの褒美をーー」
「褒美って、なでなでですか?!」
「ダメなの?!」
「いええ、ダメというか…」
「なぜ、穂乃果ちゃんは先生になでなでしてもらいたいの?」
南君の質問に、高坂君は自分達の座っているところを振り向いて、両手を離した。両頬は真っ赤である中、彼女はゆっくりと言葉を並べた。
「それはね…私…三南先生に褒められることが…なんかとても嬉しくて…自分のやっていることに全て肯定してくれるの。だから、私は苦手な数学を克服できたから、その…赤点を取ってなかったことにちょっとした特別な褒美をね…それに三南先生のなでなでは…とても温かいから///」
「「ああ…」」
2人は彼女の言っていることに関して理解を示した。けども、その褒美を三南先生はしてくれるのだろうか。その答えは…
「左様ですか…高坂君」
「はい?」
「こっちに来て」
彼女は私の目の前にやってくると、私は…
『本当に欲の深い子ですね』
ポンポン
「///?!」
彼女の頭をまるで我が子かのように撫でると、彼女の耳は赤くなりはじめた。皆の前で私に撫でてもらっていることに恥ずかしく思っているか、彼女の心臓の音がバクバクとするのを聴こえそうだ。
「高坂君は、本当によく頑張りました。貴方は赤点を回避するように、きちんとやり遂げましたね。私は、とても誇らしく思っています」
「さ、三南先生…///」
彼女の呟きに微笑んだ私は、
「今後とも、部活動だけでなく勉学にも励むのよ。分かりました?」
「は、はい///!」
と彼女は声高らかに返事をし、彼女の頭から手を離した。
「ありがとうございます、三南先生!穂乃果は、これからも精進していきます!」
「ええ、期待していますよ」
彼女が私の期待に応えてくれるのを信じ、頭をゆっくりと頷いた。すると、突然…
「三南先生…」
「ええ?」
その声をした園田君を見ると、体は震えていました。何か悪い予感をした。もしやーー
「わ、私にも…なでなでをしてください///!」
「ええっ?!」
「こ、ことりも///!」
「み、南くんも…?!」
「わ、私もお願いします…///」
「凛も!///」
「小泉君…と星空君…」
「べ、別にしなくてもいいけど…私も欲しいな///」
「西木野君まで…」
「ぐぐぐ…」
「んんっ? や、矢澤君…?」
「な、なぜにこにもしないの、先生?!私は3年だから、穂乃果より私の方が先じゃないですか///!」
「ああ…」
『じーっ…………///』
彼女たちの眼差しは宝石のよう輝き、子犬のようになでなでを欲しがっている。彼女たちの欲しがるあまりの姿を見た私は…
「…くすっ、仕方がないですね。順番ですよ」
と彼女たちにも高坂君と同じくやったなでなでをした。困った子たちですね。
いかがでしたでしょうか?
三南先生の彼女たちに対する想い……熱かったですね。
それに穂乃果……もう積極的に三南先生へのアプローチをかけましたね笑笑。まあ、今後どうなっていくかを気になりますね。
次回! テストを合格したあとに、彼女たちに災難が降りかかった! その災難を乗り越えることができるだろうか?!
それでは、 またな!
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