今回の話は、絢瀬絵里の気持ちをメインにフォーカスしていきたいと思います。
この話を入る前に、私事ですが……。なんとFGOのイベントガチャで、山南啓助を引けました!!!
これはもしや、山南さんに対する尊敬が反映され、私のカルデアのところに来てくれたのでしょうか?! 本当に嬉しかったです!
その記念で、ちょっと特別な回を書きたいと思います! いつ投稿されるのかは、活動報告に予告します!
それでは、本編へどうぞ!
<数時間後>
「そんなことが起きましたか?」
「はい…」
「それは…よほど深刻な状況になっていますね」
「「「「「「「うん…」」」」」」」
皆顔を下に向いたまま、難しい表情をしていた。一体どうして、この状況になっただろうか。
実は数時間前、理事長室で理事長からどんでもない言葉を発したからだ。
それは…
『音ノ木坂学院は来年度より生徒募集をやめ、廃校とします』
その言葉に打ちひしがれた高坂君たちは、一瞬頭が真っ白になっていった。学校の長である理事長の口から、この言葉を放つなんてーーなぜだろうか。彼女たちは音ノ木坂学院の注目を集めよう必死にスクールアイドル活動を励み、今ではμ'sのファンを獲得することができたのだ。μ'sは音ノ木坂学院の出身であることを知ると、ファンたちはより一層音ノ木坂学院への憧れが高まり、入学しようとする気持ちが芽生える可能性はある。
けれども、理事長はその言葉を告げたことで、もう音ノ木坂学院の廃校は決定的になるのだろうか。
いいえ。実は、そうではなかった。詳しい話によると、廃校が決定的になるのは、音ノ木坂学院のオープンキャンパスの結果がもし悪かったときだ。その場合だと、生徒募集を本格的に廃止する。だけども、その結果を覆すことができれば、学校の存続を図ることができる。
ただし、そんな余裕はない。オープンキャンパスは2週間後の金曜日に開催される。それまでに、オープンキャンパスで見せる踊りを完璧にしないといけない。
あまり時間のない現況の下で、彼女たちのダンス披露は成功するのだろうか。そこで失敗したら、後戻りはできない。何とかして成功しなければならない。けれども、緊迫感が漂っているの中、彼女たちは今すぐ踊りの練習を取り掛かることにやる気が出ていない。そんな状況が長引くと、練習する時間が短くなる恐れがあり、私は彼女たちに活を入れた。
「ここで悩むより、まずは踊りの練習をしましょう…!」
「「「「「「「さ、三南先生?!」」」」」」」
「貴方たちの気持ちはよく分かります。自分達の失敗する姿を想像し、恐れることは当たり前のものです。けれども、その恐れにおののくまま、時間を過ぎようとしてはいけません。一刻一刻の時間は貴重なものであるため、今すぐに行動に移しましょう」
私の言葉に彼女たちはお互い見合わせながら、うんうんと縦に降った。
「そ、そうですね! まず練習して、どううまくダンスの披露を成功できるかについて、後で考えましょう!」
「う、うん!」
「そうだにゃ!」
「何もしないで、ここでずっと座るのはゴメンだから、そうしよう!」
高坂君の意見に1年生たちは皆そう同意すると、
「そうだね! やろう!」
「うん!」
矢澤君と南君も同調した。しかし、おかしなことに園田君は、私の言葉に活気を感じていなかった。まだ、ダンス披露の成否について気にしている。
「…」
(園田君…?)
私は彼女の方にそう問いかけようしたときに、高坂君は席から立ち上がり、部室のドアを開いた。
「では、練習しよう!」
「「「「「おおー!」」」」」
園田君以外のみんなの掛け声が同じく揃えると、高坂君の後を追うように1年生から3年生の順番で部室から出ていた。彼女たちが出て行ったあとに、私と園田君は部室の中でまだ残っていた。
「…」
「…」
2人の間に沈黙が流れた。その沈黙を破ろうと私は彼女に声をかけた。
「園田君」
「あ、はい。なんでしょうか?」
「大丈夫ですか?何か…心配していることはありますか?」
「あ、ああ。いいえ、何にも…」
「……本当に?」
「はい…本当です…」
「……」
私に嘘をついているのを知っているという顔ばせをすると、彼女は
「……っ」
下に俯いて、横に振った。
「……何か、気になることがありましたか?例えば……生徒会長のこととか?」
不安に思っている理由を、”生徒会長”の件に関連しているのかを聞き出すと、
「……はい」
彼女はそう答えてくれた。やはり…。先日、生徒会長に会おうとしていた際に、園田君は浮かべない顔をしていた。おそらく、生徒会長の踊りの方がより上手かったことに気づいたため、謝ろうとしていただろう。それを私が邪魔したために、心残りだったかもしれない。
「そうですか……。それは、なぜですか? もしかして…先日、生徒会長への謝罪をできなかったことですか?それでしたらーー」
「いいえ、違います」
彼女の口から意外な答えを受けた私は、あっけにとられた。
「…あっ? そうなんですか」
「はい。実は……」
「実は…?」
彼女の口から、重々しくこの言葉を並べた。
「……生徒会長にダンスの指導をーー」
<屋上にて>
「1、2、3、4、5、6、7、8・・・!1、2、3、4、5、6、7、8・・・!」
オープンキャンパスに向けてのダンス披露の練習が行われていた。彼女たちは、この踊りがオープンキャンパスで成功する!という思いで練習に臨んでいる。しかし、ダンスのリズムを確認している園田君の表情は沈んでいた。
「…」
踊りの練習が終えたあと、みんなは満足の表情を浮かび上げていた。
「おおっ! みんな完璧!」
そうと述べた高坂君はみな納得していた。
「よかった。これならオープンキャンパスに間に合いそうだね」
南君の意見に対して、西木野君は疑問に思っていた。
「でも、本当にライブできるの? 生徒会長に止められるんじゃない」
彼女の浮かんだ不安を、南君は払拭した。
「それは大丈夫。部活紹介の時間は必ずあるはずだから。そこで歌を披露すればーー」
「まだです」
「ええっ?」
南君の言葉を遮った園田君は、冷たく告げた。
「まだタイミングがずれています」
「「「「「……」」」」」
彼女の無機質な声を受け取った彼女たちは、もう一回踊りの練習をすることにした。
しかし、幾度もなく練習しても、園田君は満足していなかった。その表情に対して西木野君は不満を持ち、彼女の前に歩いた。
「何よ。何が気に入らないの? ハッキリと言って!」
彼女の質問に、園田君は
「感動できないです…」
「えっ?」
「今のままでは…失敗します」
「失敗…?」
「それ、どういうことなの?」
矢澤君は園田君にそう迫ると、私は彼女の思っていることを代弁した。
「それはね、貴方たち。園田君はーー」
<数十分の説明の後>
「「「「「生徒会長がバレエを?」」」」」
「そうなんです。生徒会長は小さい頃からバレエをやっていました。彼女は私たちとは違って、踊りについてどう言ったものかをはっきり理解していたのです。相手をいかにどのように感動させるかについて技術を持っていて、私たちの踊りはまだまだであることに気付かされたのです」
「それでね、園田君は生徒会長にダンスを教わってほしいと考えていたのです」
「「「生徒会長に?!」」」
1年生たちはそう驚くと、園田君はうんと頷いた。
「いいでしょうか、生徒会長に教わって?」
園田君はそう問い出すと、それについて複雑な表情を示し始めた。
「私は反対。潰されかねないわ」
「そうね。3年生はにこがいれば十分だし」
西木野君と矢澤君はそう述べると、
「生徒会長はちょっと怖い…」
「凛も楽しいのがいいな」
残りの1年生たちも、生徒会長に教わることに反対した。圧倒的に不利な状況に追い込まれた園田君は、残念がっていた。
「そうですよね。なら、この話をーー」
「待ちたまえ、園田君。結論を早まってはいけませんよ。まだ、意見が述べていない方はいます」
「まだ?」
「ええ。高坂君。貴方はどう思いますか?」
「んん…」
彼女は数秒ぐらい考えていて、すぐに意見を出した。それはーー
『私はいいと思うけどな』
「「「ええっ?!」」」
「何言ってんのよ?!」
1年生たちと矢澤君の驚きを隠せなかったことに、高坂君は止まることがなく理由を述べた。
「だって、ダンスが上手い人が近くにいると、もっと上手くなるためにその人にダンスを教わりたいでしょ?」
「そうですが…」
「なら、私は海未ちゃんのアイデアに賛成する!」
「穂乃果ちゃん…」
「まあ、試しに頼んでみようよ!」
「んんん…」
悩む姿を見せている南君にも聞いてみた。
「南君は?」
「私も…賛成かな」
「ちょっと待って!やばいことになると思うよ!」
「でも、絵里先輩のダンスちょっと気になるし」
「ああ、それ私も!」
小泉君はそう同意すると、明日すべきことが決まったのだ。
「よーし!明日、生徒会長に聞いてみて、ダンスのお願いをしよう!」
高坂君はそうと声高らかに述べると、矢澤君はまだ不安に思っている。
「どうなっても、知らないよ…」
そんな彼女を安心させるように、肩にポンと叩いた。
「まあ、実際にやってみないとわからないので、そこまで心配しなくてもいいと思いますよ、矢澤君」
「……んん、分かりました。三南先生」
彼女にはまだ不安を残っているが、少しずつ安心感を感じはじめた。ダメ元で試すことに、何の問題が起きない。そうと願う。
<放課後、絢瀬絵里の家にて>
学校で作った原稿を、実際のオープンキャンパスで発表するかのように発表の練習を取り組み始めた。そのために、妹の亜里沙と彼女の同級生を自分の部屋に招き、私のスピーチ原稿を聞かせてあげた。その後にどう感じ取ったかを感想も聞いて、より良いものをしていこうと考えていた。
だけどーー。
「うわあっ! 体重増えたっ!!!」
「?!」
突然の起き上がる声に驚いた私は、一旦スピーチの練習を中止した。声をあげた子を見るとーー
口の周りによだれが垂れていて、私はスピーチをしている間に居眠りをしていたのだ。
「ああ、すいません…」
それに対して私は、
「ううん、いいよ。退屈だった?」
と聞いてみると、
「ああ、いいえ!とても面白かったです!後半、とても引き込まれました!」
亜里沙の同級生は私に気遣ってもらったか、そう訂正してくれた。
「オープンキャンパスまでに直すから、遠慮なく言って」
と言った途端、亜里沙はーー
『亜里沙は…あまり面白くなかったわ』
「…っ!」
「あ、ちょっと!」
彼女の同級生は小声でやめさせようとしたが、それに関係なく亜里沙はまだ続けていた。
「なんでお姉ちゃんこんな話をしてるの?」
その質問に私は、
「学校を廃校にしたくないからよ」
と素直に答えた。しかし、亜里沙は納得いかなかった。
「私も音ノ木坂は無くなってほしくないけど、でも…これがお姉ちゃんのやりたいことなの?」
その言葉に、私はその場で呆然とした。
私のやりたいこと……。これは、本当に私のやりたいことなのか? 私は生徒会長として立候補した時に、学校の廃校を阻止することに目標として掲げた。その目標に向かって、自分の好きなことやしてみたかったことを自分の中に殺した。そのゆえ…学校の存続を図ることが私のやりたいことだと意識しはじめた。
しかし、自分の妹に……自分の気持ちを抑えていることに気付いたゆえ、生徒会長として学校の廃校を止めることが私のやりたいことではないと釘を刺してきた。それに対して、私は……。
何も言い返すことができなく、スピーチ原稿の練習を終えた。
<翌日>
「嫌でしょ? 自分の学校が廃校になったら」
私はその時のことを希に話すと、彼女は
「それはそうやけど、廃校を阻止しなきゃって無理しすぎてるんやない?」
タロットカードを片付けながらそう言った。それに対して、私は無理していることを否定する。
「そんな…無理なんて…」
そう呟きながら、長椅子に腰を下ろした。
「私は…ただ学校を存続させたいだけ。それが……私の…」
「…?」
「武士道なの」
「ぶ、武士道?」
私の無意識なままに放った言葉を希は不思議に思っていた。その様子を見た私は
「ああ、いや! その…なんていうか…」
「……その言葉…誰に教わったの?」
「…っ。三南先生」
「三南先生?」
「ええ。先日、柄の悪い人たちに絡まれてね、その場にいた三南先生に助けてもらったの。そのお礼として、私の家でもてなし、少しだけ先生と話をする時間が出来た。彼女たちのスクールアイドル活動をやめさせない理由を聞いてみたら……先生は、『私は武士道という考え方があるからだよ』と答えてくれた。正直、なに言っているのかを分からなかったけど……先生は、『自分の決めたものごとに対して、成功しようかしないかは関係なく、それをきちんとやり遂げることが武士道である』と教えてくれたの。先生の言葉は印象的でちょっと無意識に…」
「つられたの?」
「うん…」
「なるほどね…」
「……」
私が思ったことを言ったあとに、希は私に向かってこう尋ねてきた。
「『自分の決めたものごとに対して、成功しようかしないかは関係なく、それをきちんとやり遂げることが武士道である』か…。それは…エリチの武士道なの?生徒会長として、学校の存続を図るのが」
「……っ?!」
その質問に、私は彼女の方に顔を上げた。
「なにを言いたいの?」
「まあ、エリチの妹とほぼ同じことを言うけど……。エリチの生徒会長の活動は、自分の通っている学校での楽しさを味わうチャンスを無くそうとしていると思うよ…」
「ええっ…?!」
希の冷たい言葉に、私は地面のほうに俯いた。亜里沙と希の言っていることは、正しいのかな? 私は…学校を楽しむべき生徒として、その楽しむ機会を無くそうとしているのだろうか。私には、「はい」か「いいえ」と一瞬判断できない。私の心の中にどちらが正しいのかがせめぎ合っていて、気持ちはより苦しくなりはじめた。
より一層悪化する前に、生徒会室のドアにノックされた音がした。
トントン
「んん?」
ドアを開けると、そこにはスクールアイドル活動を率いている2年生たちがいた。彼女たちは、生徒会に何の所用があるのだろうか。
「生徒会長!私たちに……ダンスを教えてください!お願いします!」
その願いを聞いた私は…言葉を表すことができず、ただ彼女たちを見つめていた。
いかがでしょうか?
絢瀬絵里の葛藤する気持ちは、誰にもあると思います。自分の義務によって、それがやりたいことだと思っても、他のみんなからそうではないと見抜かれる。そんなはっとさせる瞬間はありますよね。
次回!絢瀬絵里は彼女たちのダンスを教えることに承諾し、いったいどういった展開がされるだろうか。
それでは、 またな!
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