ラブライブ!元総長の新たな人生   作:かいゆー

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みなさん、こんにちは。

かいゆーです。

さて、今回はいよいよ9人の女神がそろう重要な局面に辿り着きました。前回の後書きにはですね、みなさんにキュンとさせるシーンがあると伝えましたが、それと共にオリジナル展開を入れつつ、少しずつ三南先生と絢瀬絵里の関係性が大きく変わっていきます。

どういった関係性になるのかを、ぜひ楽しんでください!

それでは、本編へどうぞ!


21話:私のやりたいことは・・・

彼女たちから逃げるように屋上から降りた私は、廊下を歩きながら頭の中に亜里沙と彼女たちの言葉がよぎった。

 

『これがお姉ちゃんのやりたいことなの?』

 

(亜里沙……)

 

『やりたいからです!』

 

(あの人……)

 

『私ね、μ'sのライブを見てると胸がかあって熱くなるの。一生懸命で、目いっぱい楽しそうで!』

 

(…………っ!)

 

最後に思い出した亜里沙の言葉に、私の心の中にあの2つの感情が再び現れた。

 

悔しさ。

 

 

憎たらしさ。

 

自分の気持ちの中に区切りをつけたと思っていた私は、息をできないほどの苦しさに見舞われる感覚に陥った。この突発的な苦しみは、一体なんだろうか。初めて感じてくる苦痛に、なんだか目眩を感じてくるようになった。これはもしかして、私の精神状態には病的な問題を起こしているのだろうか?

 

それは絶対にありえない。私がメンタル的に弱くなるなんて……生徒会長として務めはじめた時に、他人に自分の弱さを見せまいと決意したはずなのに!なのに、なぜ今ここで?!

 

そう葛藤していたときに、後ろから聞き慣れた声がしてきた。

 

「うちな」

 

「……?」

 

その声に振り向くと、そこには私の親友である希が立っていた。

 

「エリチと友達になって、生徒会をやってきて、ずっと思ってたことがあるんや」

 

(思ってたこと……?)

 

彼女の”思っていること”について、静かに聞いてあげるとーー

 

「エリチは、本当は何をしたいんやろって…」

 

「ええっ?」

 

その言葉に私は何も言わなかった。

 

「一緒にいると分かるんよ。エリチが頑張るのはいっつも誰かのためばっかりで。だから、いつも何かを我慢しているようで、いつも自分の事は全然考えてなくってーー」

 

この後から続けていく言葉を聞くまいと、彼女の下から離れようとした。すると、

 

「学校を存続させようっていうのも生徒会長としての義務感やろ!?」

 

「っ?!」

 

「だから理事長は、エリチの事を認めなかったんと違う!?」

 

彼女の口調はいつもの飄々とした雰囲気ではなく、次第に感情的で強いものになっていった。その感情は私に対する心配の念であって、唯一の友達として私のことを理解したかっただろう。しかし、それに対して邪魔だと感じ、なんとかふりきろうとしたがーー。

 

 

「エリチの・・・、エリチの本当にやりたいことは!?」

 

 

最後に言われた言葉に、私の身体が硬直した。私のやりたいこと……? それは……。

 

…。

 

……。

 

………。

 

…………。

 

……………。

 

踊りたい。

 

私のやりたいことは、人の前で踊ってもう一回感動させたい!。

 

私が生徒会長になっていなかったら、彼女たちのように笑顔で踊りたい!

 

それをしたい!

 

本当にしたい!

 

けど……。

 

もう遅すぎる。

 

高校の最後の学年にあたる私は、そのことを言っても……間に合わない。

 

それに、生徒会長として学校を守ることが第一にしないといけないから、こういったものを今から楽しめるなんてーー。

 

許されるわけにはいかない。

 

「何よ・・・」

 

「えっ?」

 

「何とかしなくちゃいけないんだからしょうがないじゃない!!!」

 

怒りの風船が爆発するぐらい答えると、今まで明るみにしてきなかった本音を彼女に突き出した。

 

「私だって好きな事だけやって、それだけで何とかなるんだったら……そうしたいわよ!でもーー」

 

次に言おうとする言葉に、喉の奥からしゃっくりを出すかのような感覚を覚えた。そんな急激の変化によってーー自分の目からしょっぱいな味をする涙が溢れていくのを感じる。

 

(私が泣いている?。そうか…。親友の前で情けない顔で涙を流しているのか)

 

そう理解した私は、涙が頬に伝うまま、自暴自棄で溜めていた思いを全てさらけ出した。

 

「仕方ないでしょう?!私は生徒会長なんだよ……!。それに、自分が不器用なのは分かってる。だから!」

 

すべて言い切ったか、私は弱々しく彼女の目を見て小さく聞いてみた。

 

 

『いまさらアイドルを始めようなんて、私が言えると思う・・・?』

 

 

自分の情けない姿を出してしました希に、もうこれ以上私が悲しんでいく姿を見せないよう、私は走り去った。

 

 

<自分のクラスにて>

 

気持ちが落ち着いてきたことを感じ、自分の席に座って、その場所で外の窓を見つめた。晴れている。けども、一部の太陽の光を隠せるぐらい雲の数が集まっている。そういった天気の様子は、私の心を反映しているのだろうか。

 

「はあ……」

 

小さくため息をつくと、希に聞かれた質問を思い出す。

 

”私のやりたいこと”

 

そんな答えはすでに出ている。ステージの上で再び踊り、あの楽しかった頃に戻りたい。可能ならば、今流れている時間をあの時代までに巻き戻して欲しい。

 

だけども、そんな願いは不可能だ。すでに過ぎ去ったものに対して未練があっても、その未練が一生晴れるとは限らない。自分自身にそう言い聞かせた。どんなにも抗っても、私が今まで選んできた選択肢によって、この”現在”という結果を招いたから、現実を受け入れなければならない。

 

(私は……今まで惨めな学校生活を送ってきたのだろうか)

 

自虐する思いで心の中にそう呟くと、

 

「ここにいましたか。絢瀬君」

 

(この声は……っ?!)

 

聞き覚えのある声がしてきたことに私は横にふり向くとーー

 

「探してましたよ」

 

そこには、彼が立っていた。三南先生。スクールアイドル部の顧問。

 

寄せてきた彼は私の顔を覗き込み、目の高さを合わせた。まるで子供でも慈しむような表情で見つめられる。

 

「さ、三南先生?! なぜ、ここに?!」

 

私の問いに困ったか、心配してくる口調で話しかけてきた。

 

「なぜって……。それは、あなたが急に走り去ったことに気になり、何かの悩み事を抱えているのではないかと案じて」

 

「私を……?」

 

「そうですよ。先ほど、東條君から詳しくお話を聞かせてもらったですけど、あなたは……色々と苦労されてきましたね」

 

そう言った彼は、すぐ横にある席に座った。

 

「私に同情しようとするのですか、先生?私は、先生からの同情がなんてーー」

 

「あなたは私のよく知っている方と似ている」

 

「っ?!」

 

私の言葉を遮った先生は、しみじみとした口調で話しはじめた。

 

「彼は組織のために良くしようと管理の立場に就き、四方八方と活動をしていた。そのゆえ、管理者としての義務感により、自分のやりたいことをたくさんできなかったことに……悔やんでいたよ」

 

「悔やんでいた…?」

 

「ええ。彼のやりたいことは、何なのか想像できます?」

 

私は横に振った。

 

「句を詠む。つまり、俳句を作ることだ」

 

「俳句ですか……?」

 

「誰よりも俳句を詠むことが好きでね、上手とは言えないほどの内容ではあるが、どう思われようが彼はそんな気にしていなかった。句を詠むことは彼にとって、一番幸せな時間であり、周りの環境だけでなく背負っている役目を忘れるぐらい没頭できた。できれば長く続けてやりたかったですよ、彼は」

 

「……」

 

「しかし、数百人をまとめる側の人間だったから、そんなに余裕のある時間はなかった。結局、俳句を詠めた数は数十個。100個の俳句を詠むという目標が達成されないまま……彼は亡くなった」

 

「?!」

 

「絢瀬君。私はあなたを彼と同じような道のりに歩まないでほしいの。自分の限られている時間を有効に活用しないと、いつ()()()が訪れてくるのかが、分かりませんよ。だから……」

 

彼は私に優しい目で見つめてきて、

 

「やってみないか、スクールアイドルを?」

 

と聞いてきた。その優しい誘いに、私の目がまだ熱くなっていくのを感じ、体が震えはじめた。私はなぜ再び泣かないといけないの? 私は希の前に全ての気持ちを曝け出して、やっと気持ちが落ち着いてきたなのに…。

 

「で、でも……先日先生は……中途半端な形でやめることは人間としてどうなのかって、言ったんじゃないですか? 今さら私がーー」

 

私が必死に言葉を連ねようとしたときにーー

 

 

トン

 

 

「……っ?!///」

 

三南先生は人差し指で私の唇を押し留めた。

 

「絢瀬君。もうこれ以上、自分に対して悪く思わないでください。せっかく、私があなたを元気づけようとしているときに、精一杯拒否しようとするなんて、良くないですよ」

 

私がまだ言いたいことがあるのを察知したか、私の頬を優しくさすり、私の泣きたい気持ちをなぐさめようとしてきた。あの優しい眼差しのままで。

 

「確かに中途半端な形でやめることはよろしくない。でも、時には逃げることが大事です。私たちは人間ですから、機械のように自分達の感情を無視し続けることができません。だからね、自分の気持ちに素直になって、今後何をしたいのかきちんと聞いてあげないといけませんよ」

 

「素直に……?」

 

「ええ。絢瀬君は、自分の心をよく聞いてごらん。あなたの心は……何を伝えようとしているのですか?」

 

「私の……心は……」

 

先生のなぐさめに奮い立たせてくれた私は、涙を拭いた。高ぶっていた自分の気持ちが少しずつ落ち着いてくると、彼にその質問を答えた。

 

「……やりたい」

 

「何を?」

 

「スクールアイドルを!私は…私は…彼女たちと一緒にスクールアイドルをやりたい…!」

 

と小さく呟き、彼は私に微笑んだ。

 

「やっと、見つけましたね。あなたの本当の”武士道”を」

 

「ええっ?」

 

彼にそのことについて聞こうとしたが、先生は

 

「彼女は、あなたたちとスクールアイドルをやりたいのですよ、みなさん」

 

後ろの方に振り向き、教室の扉の方に見てそう言うとーー

 

 

 

そこには、彼女たちと希が立っていた。

 

「み、みんな…?!」

 

「高坂君」

 

「ありがとう、三南先生」

 

そう頷いてくれた彼は席から離れると、穂乃果は私の前に歩み、手を差し伸べてくれた。

 

「生徒会長。いいえ、絵里先輩、μ'sに入ってください! 一緒にμ'sで歌ってほしいです!スクールアイドルとして!」

 

彼女からの誘いを受けた私は、受け入れることに躊躇してしまう。

 

三南先生に”やりたい!“と言ったにも関わらず、私の心の中にはまだ不安が残っている。彼女たちに対して冷たく当たったことで、こんな私を許してもらえるのかを分からなく、否定しようとした。

 

するとーー

 

 

 

『やっと、見つけましたね。あなたの本当の”武士道”を』

 

 

 

(……!!!)

 

ふと先生の言った言葉を思い浮かべた私は、その意味にやっと気づいた。今までやってきたことは、私の本当の”武士道”ではなかった。自分自身に嘘を付き、2年間にも及んで自分のやりたいことを殺してきた。

 

全ては、生徒会長としての義務で廃校を阻止するために。

 

だけど、私は機械ではない。人間だ。自分の感情を永遠に無視することができない。これらの三南先生の言葉を受け止めた私は……。

 

もう一切迷わない。

 

(素直に…自分のやりたいことをもう一度やってみよう。理由はどうであれ、やりたいならばやる!)

 

自分自身にそう言い聞かせると、私は差し出してくれた彼女の手をとり、席から立ちあがった。すると、私の思いが晴れたか、太陽の光が大いに熱くなっていったと感じる。おそらく、迷いの象徴であった雲が消えていっただろう。太陽の光が私と同じく心が晴れていくのを感じると、自然的に笑みがこぼれる。

 

私の顔がさわやかな表情になったせいか、

 

「絵里さん・・・!」

 

穂乃果は歓喜の声を漏らした。

 

「これで8人」

 

そう告げたことりの言葉を、

 

「いいえ。9人や、ウチを入れて」

 

希は訂正した。

 

「え、希先輩も?」

 

穂乃果の質問に彼女が頷いた。

 

「占いで出てたんや。このグループは9人になった時、未来が開けるって。だからつけたん」

 

全員見渡すことができる立ち位置につくと、

 

「9人の女神ーーμ'sって」

 

彼女はそう答えてくれた。希が彼女たちのスクールアイドル部の名付け親であることを知ると、一同驚きを隠すことができなかった。

 

「じゃ、じゃあ! あの名前を付けてくれたのって、希先輩だったんですか?!」

 

その問いに、希はフフフッと笑った。

 

「そうでしたか。東條君は最初からこの活動を見守ってくれたんですね」

 

三南先生はそう言うと、

 

「そうでしたよ、先生」

 

彼女の答えに先生は感慨げに頷いた。希が水面下で彼女たちの活動を応援してきたことに、私は呆れかえた。

 

「まったく、あんたは…」

 

と言い残し、教室から出ようとした。その姿に海未はーー

 

「どこへ?」

 

その質問に私は彼女たちの方に振り向き、鼓舞するように言い放った。

 

「決まっているでしょ? 練習よ! オープンキャンパス本番までに頑張らないと!」

 

すると、全員大喜びで声を上げた。

 

「「「「「「「「やったあ!!!」」」」」」」」

 

 

<数日後、オープンキャンパスの当日>

 

いよいよ、オープンキャンパスを迎えた。今まで練習してきたものを彼女たちと一緒に一般観客の前に披露する。そう思うと、私は何だか少し緊張してきた。長年踊っていなかったか、私の腕が錆びていることに心配している。ステージの裏でゆっくりと深呼吸すると、後ろからーー

 

「絢瀬君」

 

「あ、三南先生」

 

「大丈夫ですか? もうすぐ本番ですよ」

 

彼がそう優しく問いかけると、私は

 

「久しぶりに踊りますので、少し……不安です」

 

正直に答えた。すると三南先生は、今までやってきた練習について述べ、私を元気づけようとしてしてくれた。

 

「大丈夫だと思いますよ、絢瀬君。あなたはここまで練習を積み重ねたので、多少のブランクはあったとしてもきっと成功できますよ。私はそう信じていますから」

 

その言葉に私の心が小さく弾けた。この気持ちは何だろうか。もしかして、優しくしてくれた先生に対して、私は……。

 

いいや。その気持ちを抑えておこう。オープンキャンパスの方を集中しないと。

 

でも、私の本能が…。

 

…。

 

……。

 

まあ、ここだとみんなに見られないから…いいかな…?

 

「先生」

 

「ん? 何ですか?」

 

「ちょっと、しゃがんでください」

 

「しゃがむ?」

 

「はい……」

 

そう告げると、彼は言われるがままにやってくれた。

 

「この高さでいい?」

 

「うん。あと、目も瞑ってください」

 

「目をですか?」

 

彼にそうさせた理由を聞こうとしてくれず、目を瞑ってくれた。そうしてもらったあとにーー

 

 

 

『先生……ありがとう』

 

 

 

と彼の頬にキスした。

 

 

チュッ///

 

「…んっ?!」

 

予想もしなかった行動に、彼は小さく驚いた。

 

うふふ。

 

彼の驚き姿に可愛く思い、身を放した。

 

「みんなに言わないでね。私が先生にキスしたことを」

 

私はそう告げると、私の取った行動に呆れるどころか、先生は微笑み返した。

 

「まったく、あなたという子は。大胆すぎますね」

 

「えへへっ///」

 

彼の困る姿をこれ以上困らせないようと彼の下から離れ、ステージの方で集まっている彼女たちと合流した。

 

「ああ、絵里先輩が来た!」

 

穂乃果は私が来たことに告げると、

 

「ちょっと、どこにいたのよ? 待ってたよ」

 

にこは不満げに聞かれた。それに対して、私は

 

「ごめんね。ちょっと…お礼をね」

 

「お礼?」

 

ことりにそう聞かれると、私は彼女に振り向いて、

 

「うん。私のことを気にかけてくれた人に」

 

そう答えた私は

 

「さあ! 踊りましょう!」

 

と言い、観客の目の前に穂乃果たちと一緒にダンスを披露した。9人になった私たちが踊った曲は……

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

【僕らのLIVE 君とのLIFE】

 

 

〜〜〜〜〜

 

曲が終わり、私たちはこの時を迎えるまでに精一杯の踊りを見せることができた。そしてーー。

 

『うわああああああーーーーーーー!!!』

 

観客たちから盛大な歓喜の声を上げ、パチパチと拍手が沸き起こった。その瞬間、私はもう分かった。

 

このライブは大成功だ、と。そう思い、隣にいた穂乃果と目を合わせた。すると、彼女は私と同じ気持ちで、笑顔を見せた。

 

「「ふふふっ」」

 

お互いにそう微笑み返すと、私はステージ外の横に立っている三南先生の方へ視線を写した。するとーー。

 

 

パチパチパチッ!

 

 

先生は、観客と同じく拍手していた。彼女たちのスクール活動を邪魔したにも関わらず、私を寛容な心で受け入れた。そんな私をずっと気にかけてくれた彼のことが……。

 

 

 

(好きになった!///)

 

 

 




いかがでしょうか?

いやー、きましたねこの急展開! この急展開によって、三南先生はどう受け止めますかね? また、三南先生と高坂穂乃果の関係性は、どうなっていきましょうか?

次回ではですね、三南先生を少しだけ休憩させていただき、小泉平助(生前:藤堂平助)を主役とした話が展開されていきます。

なので、乞うご期待を!

それでは、またな!

※ご評価やご感想をお待ちしています! よろしくお願いします
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