ラブライブ!元総長の新たな人生   作:かいゆー

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みなさん、こんにちは。

かいゆーです。

今回の話は、アニメの『ワンダーゾーン』の回に突入するのですが、アニメの展開とは違ったオリジナル展開になっていきますので、ご了承をお願いいたします。

それでは、本編の方へどうぞ!



22話:秋葉原での出来事

<小泉平助、自分の部屋にて>

 

「はあー?! 山南さんが?!」

 

俺がそう声を上げると、電話の奥から山南さん(三南三郎)がため息交じりに答えてくれた。

 

『ええ。どうやら、私が対応した者たちは、たまたま音ノ木坂学院のオープンキャンバスを見にきていて、私の姿を偶然見かけたらしいです。それで、彼らを大怪我させたことに、慰謝料を求めようと私に対して訴訟を起こそうと……』

 

「で、でもよ。山南さんが生徒会長と彼女の妹を守ったでしょう…? それに、その場で目撃した人たちがおったやろ? あいつらが訴訟を起こすなんて、そんな…」

 

『まあ、今の時代は暴力で解決してはいけないので、彼女たちを守ろうと反応したことに非があります』

 

「山南さん……」

 

先生としての役割で、生徒会長を手を出そうとする輩から守ろうとしたが、その輩たちを殴ったという一線を超えたことに責任を感じた。山南さんはそう自覚し、当面の間、お姉ちゃんたちの顧問としての活動を休止するつもりだ。

 

彼がいない間、誰がお姉ちゃんたちの活動を管理するだろうか。無論、それは言うまでもない。

 

『それでね、藤堂くん。私がその問題を対応する際に、私の代理として彼女たちの部活動を管理してもらいませんか。このことについては、彼女たちにもう伝えておりますので、不在の間によろしくお願いします』

 

そう。俺にだ。三南さんは、俺に彼女たちの活動を管理してもらいたく、その件で彼からの電話がかかってきた。その願いに対して、俺は

 

「んん……。山南さんはどのくらい練習に来れないと思う?」

 

と聞いてみた。山南さんの代理としてどのくらい期間で、務めないといけないのかを把握したい。

 

『そうですね。何事も問題なく和解することができたら……1週間。でも、もし裁判まで起こすことになると、3週間ぐらいでしょうか』

 

山南さんは、長引き可能性と短く終わる可能性も含めて、答えてくれた。

 

「要するに、1週間以上いなくなるだね」

 

『ええ』

 

1週間。その1週間、俺はお姉ちゃんたちのアイドル活動を管理しなければならない。そう思うと、生前、新撰組の八番隊組長としてまとめた時よりも、責任感の重い役割だと感じる。

 

そう感じた理由は、生前、自分の組に所属している隊士たちを管理しているとき、みな男ばかりだったからだ。そのため、彼らの気持ちを汲み取り、どのように指導していけばいいのかを見当つきやすい。また、新入り隊士にも気を遣って、規律の厳しい場所である新撰組を居心地が良い場所だと感じさせるよう設けることがあった。

 

結果、離隊しようとする隊士が少なく、近藤さんから新入り隊士の教育係として任せられることが多くあったのだ。

 

だけど、今回は女の子たち。しかも、俺のお姉ちゃんがいる。年上の姉を含め彼女たちをまとめ上げる事ができるのだろうか。今まで経験してこなかったものだから、正直少し不安である。

 

でも、俺は山南さんと彼女たちの活動を見守ることに約束したから、その約束を破るなんて男として情けない。そう思うと、まずやってみないと分からない話だから、あまりネガティブに考えないことにした。

 

「まあ、1週間ぐらいなら大丈夫かな。おう、やってやるよ山南さん」

 

彼の頼みを許諾したことを伝えると、山南さんはとても嬉しい口調で感謝してくれた。

 

『それを聞いてうれしいです、藤堂くん。本当にありがとうございます。ご迷惑をおかけしますが、彼女たちのことを頼みましたよ』

 

「任せな、山南さん! 八番隊組長であった俺が、そんな難しい問題ではない!」

 

『ふふっ、期待しています。そうと決めたなら、藤堂くんに音ノ木坂学院に入る許可証をあげないと。明日、小泉くんに渡すので、彼女から受け取ってくださいね』

 

「あ、分かった」

 

『では、お休みなさい。藤堂くん』

 

「ああ。お休み」

 

と電話の音を切って、俺はすぐに寝床についた。よーし! 山南さんから頂いた役目、しっかりやりこなすぞ!

 

 

<数日後、音ノ木坂学院にて>

 

こうして、数日間は何とかお姉ちゃんたちの活動を取りまとめた。分からないことはあったけども、八番隊組長としての経験でうまく彼女たちのスクールアイドル活動を管理することができた。数日間渡って、俺は他の新しい2人メンバーたちと仲良くなれた。

 

にこ先輩と同じ3年生。東條希と絢瀬絵里。

 

希先輩に対しては、なんか掴みどころのない性格を持っていて、正直に言うと何を考えているのかは分からない。それに、彼女の個性である関西弁で話しかけてくるから、なんかフレンドリーな人だと印象を受ける。

 

でも、どこか腑に落ちない。これに関して、言葉でどう表すかは難しいけど……。なんか、希先輩は無理矢理に自分の寂しさを隠そうとしている、みんなから。

 

とはいえ、俺はこのことについて深掘りしない。希先輩と出会って、まだ日が浅いから、彼女のことをよく知った後に聞いてみよう。

 

そして、絵里先輩。

 

絵里先輩は、元々スクールアイドル活動を認めていなく、一時期活動の妨害をしていたらしい。お姉ちゃんたちの活動をやめさせようとしたにも関わらず、なぜμ'sの新たなメンバーとして迎え入れたのだろうか。

 

そう疑問に思いながら、絵里先輩とお話をする機会を設けた。会話を通して、先輩はとても勘違いされやすい人だと分かった。お姉ちゃんたちに対して、厳しい口調で指摘することがあったが、彼女の意図をしっかり読み取れば、このグループのことをよく考えいていると思う。そうだとしたら、土方さんとよく似ているなと感慨げに頷ける。

 

それに、やけに山南さんのことをよく聞いてくる。俺が山南さんについて知っていることを話すと、先輩の目は星のように輝き、うっとりする表情でうんうんと頷いてくる。この様子は……もしや? まあ、急ぐ必要はないから、今度詳しく聞いてみよう。

 

といったことで、彼女たちとの関係はより少し仲良くなれた。だけど、俺には1つの問題がある。それは……。

 

 

「ええー? 今日もまたことり先輩が?」

 

「はい。何やら家庭の用事があると言われまして…」

 

海未先輩はそう答えるとは、俺は頭を掻いた。

 

「しょうがないなー。まあ、いつも通り屋上でダンスの練習をしようか?」

 

「そうですね。では、私が彼女たちにそう伝えますので、あとからお会いしましょう」

 

「おう、分かった」

 

と海未先輩は俺にお礼をし、部室から出ていった。

 

そう。俺が抱えている問題は、ことり先輩との関係が親しくなってないことを指す。

 

山南さんに彼女たちの活動を管理してほしいと頼まれたときに、なるべく全員と良好な関係を築けるように心がけた。先ほど説明した希先輩と絵里先輩の件のように、俺は何とかして相手のことをよく知ろうと努めた。

 

だけど、近頃、海未先輩の幼馴染であることり先輩は、スクールアイドルの練習にあまり顔を見せてくれない。「家庭の用事がある」や「医者の用事がある」など、練習の途中または練習する前に退出したことが幾度もあり、あまり仲良くなろうとするチャンスがなかなか巡ってこない。

 

そのせいで、山南さんから承った役目をしっかりと果たせていないと痛感する。

 

(はあーーー。今日もダメか)

 

ため息げに心の中でそう呟いた。

 

 

キーンコーンカーンコーン。

 

「ああ、チャイムが鳴っている。すぐに行かないと」

 

自分の気持ちを切り替えようと席から立ち上がり、屋上の方へ向かった。

 

 

<屋上にて>

 

1時間ぐらいの屋上での練習を終えた後、休憩時間に入った。みんなが水飲みや汗を拭いたりする中、穂乃果先輩と海未先輩と凛姉ちゃんは、ノートパソコンを使って何かを検索しているようだ。

 

「おお? 何をしているの?」

 

彼女たちに尋ねてみると、穂乃果先輩は”今日のスクールアイドルランキング”というウェブサイトを開いている。

 

「今日はどうかな……。あ、あった!」

 

「おおー! μ'sのランキングが上昇しました!」

 

「しかも50位にゃ!」

 

海未先輩と凛姉ちゃんは自分たちのクループが上位50位に入ったことに嬉しく思い、高坂先輩も彼女たちと同じ気持ちになった。

 

「ええ50位!? 何これ何これすごおい!」

 

「夢みたいです」

 

その声をしたお姉ちゃんの方に振り向くと、自分たちのグループが急激に上がったことに嬉しい表情を見せている。その表情を見た俺は、

 

(お姉ちゃんの喜ぶ姿……。あの姿をずっと続けてほしいな)

 

思わず笑みをこぼれた。

 

「すごいわね!」

 

絵里先輩も同じくグループのランキングが上昇したことに驚くと、その上昇した理由は海未先輩が語り出した。

 

「絵里先輩が加わったことで女性ファンもついたみたいです」

 

「ええっ?」

 

「おお?」

 

海未先輩の説明を受けたみんなは、俺も含めて絵里先輩の方へ注目した。

 

「確かに…! 背も高いし、足も長いし、美人だし! 何より大人っぽい!流石三年生!」

 

穂乃果先輩がそう褒め称えると、絵里先輩は照れ隠しでそっぽを向いた。

 

「もう、やめてよ…///」

 

すると、にこ先輩の方を見ると……。なんでこういった格差社会になっているかを不思議に思う。それを感じとったにこ先輩は、穂乃果先輩を睨む。

 

「んっ? ナニ?」

 

「いや…なにも」

 

「フン!」

 

にこ先輩は、後輩たちに大人っぽいではないことに不満に思い、腕を組みながら目を逸らした。その様子を見た俺は、口を手で覆って小さく笑った。

 

(まるで、不機嫌な小学生だな)

 

そう思っている中、希先輩は俺たちに絵里先輩の知らない面を打ち明けた。

 

「でもおっちょこちょいなとこもあるんよ。この前なんて、おもちゃのチョコレートを本物と思って食べそうになったり〜」

 

「ちょっ、希?!」

 

その意外な面が打ち明けられたことに対して、絵里先輩は恥ずかしそうに希先輩の話を止めようとした。

 

「へえー。そんな面があるんだ、絵里先輩。なんか、放っておけない天然なお姉ちゃんみたいだな」

 

「天然ではないよ、平助くん! もう……」

 

俺が言った言葉が的中したか、彼女は頬を膨らました。

 

「じゃあ、にこはどうなの?」

 

にこ先輩への印象について、そう聞かれた俺は

 

「にこ先輩は……。まあ、お姉ちゃんというかうるさい妹かな」

 

と答えた。不服に思ったにこ先輩は俺に寄ってきた。

 

「妹?! しかもうるさい?! どういうことなの?!」

 

「だって、よく声を上げるし、高校生とは思えない幼稚なこともやるし……。なんか、じゃじゃ馬娘みたいな」

 

「はあああー?!」

 

「ちょっと、そこの2人。いい加減にして。それよりも気にしないといけないものがあるでしょう? μ'sのランキングが上がったことは嬉しいけど、トップ20位に到達できよう、策を練ないと」

 

真姫先輩は俺たちの会話の中に介入し、考えておくべき話題を振ってくれた。

 

「あ、確かに。お姉ちゃんたちがトップ20位に上るには、より多くのファンを集めないとな」

 

「今から短期間で順位を上げようとするなら、なにか思い切った手必要ね」

 

絵里先輩は俺の言葉に同意すると、一瞬の沈黙が流れた。俺はあまりスクールアイドル世界における厳しさについて、よく知らないけども、組織の知名度を上げる難しさについてよく知っている。新撰組も同じ境遇にあった。

 

新撰組は会津藩のお預かり浪士組である前に、知名度の低い烏合の衆に過ぎなかった。それに、色々と悪評が立ち、俺たちに仕事を振ろうとするものはいなかった。そのため、汚名挽回とともにどこかの藩に所属できる組になるよう努力し、何とか会津藩のもとに置かれることができた。その辿った道のりを思い出すと、しみじみに思える。

 

(ああー。あれはいい時代だったな)

 

そんな中、にこ先輩は何かを提案してきた。

 

「その前に、しないといけないものがあるんじゃない?」

 

「「「「「「「ええっ?」」」」」」」

 

「しないといけないもの?」

 

俺がそう尋ねると、にこ先輩は俺たちをとある場所に連れていった。それは、秋葉原。サブカルチャーの聖地。

 

 

「・・・あの~、すごく暑いんですが」

 

「我慢しなさい!これがアイドルに生きる者の道よ!有名人なら有名人らしく街で紛れる格好ってものがあるの」

 

にこ先輩はそう答えるた。なぜ、穂乃果先輩が暑がっているのか。その理由は、にこ先輩も含めお姉ちゃんたちは季節外れのコートに、マフラー、そしてサングラスとマスクを身につけているからだ。真夏の炎天下のもとで、こういった熱中症を引き起こす服装を着るなんて、とてもおかしい。

 

「でもよ…。これは余計に目立つじゃないか? この格好」

 

そう突っ込むと、にこ先輩は一切考えを変えようとせず、次々と言葉を並べた。

 

「たとえプライベートでも常に人に見られていることを意識する。トップアイドルを目指すなら当たり前よ!」

 

(そう思うなら、人斬り集団と謳われた新撰組の象徴である浅葱色のだんだら羽織を着ながら、町中を歩いてみな。それだと、”悪い意味”で人に見られるよ、お前)

 

と呆れる思いでため息をついた。すると、どこからか凛お姉ちゃんとお姉ちゃんの叫び声を聞こえてくる。

 

「すごいにゃあああ〜〜〜〜!」

 

「うわあああ~~~~!」

 

「うん? これは…お姉ちゃん?」

 

声をしてきた方向に向かうと、そこにはスクールアイドルのグッズが並んでいる店があった。店の中に、お姉ちゃんと凛お姉ちゃんは、何かを手に持って喜ぶの声をあげている。

 

「なにを見てるんだ、お姉ちゃん?」

 

「ああ、平助くん! これ!」

 

お姉ちゃんが手に持っているものを見せると、A-RISEというトップスクールアイドルの缶バッジだ。

 

「おおー! A-RISEだ!」

 

「すごいでしょう、平助くん! まさか、こんなものが売っているなんて」

 

「それはすげーよな」

 

そう感動していると、後からぞろぞろと他の先輩たちが入ってきた。

 

「ここは…?」

 

「近くに住んでるのに知らないの?最近オープンしたスクールアイドルの専門ショップよ」

 

にこ先輩は穂乃果先輩にそう説明した。

 

「こんな店があったとは…」

 

「まあ、ラブライブが開催されるぐらい人気があるし」

 

「とはいえ、まだアキバに数件あるくらいだけど…」

 

希先輩のフォローとして、にこ先輩は絵里先輩に答えた。

 

そんな中、凛お姉ちゃんは穂乃果先輩と絵里先輩にあるものを見せた。

 

「ねえ見て見て! この缶バッチの子可愛いよ! まるでかよちん。そっくりだにゃ〜」

 

「お姉ちゃんそっくり?」

 

その言葉を聞いた俺は、先輩たちの間をくぐって見てみた。

 

「どれどれ……ああっ!!!」

 

「っていうか、それ…!」

 

「花陽ちゃんだよ!」

 

俺も含め先輩2人がそう指摘すると、凛お姉ちゃんは驚きの声をあげた。

 

「えええー?!」

 

「それ、どこで見つけたの?!」

 

俺の問いに答えるよう、凛お姉ちゃんは店の奥の方に指差した。その場所に行ってみるとーー。

 

”人気爆発中”のμ'sのグッズが置かれている棚があった。その棚を見た俺たちは、驚きの顔を隠すことができなかった。

 

「嘘お!? ううう海未ちゃん、これ私たちだよ!?」

 

穂乃果先輩はそう声を上げると、

 

「おおお落ち着きなさい!」

 

海未先輩は彼女を落ち着かせようとしたが、先輩自身も慌てふためている。

 

「みみみμ'sって書いてあるよ?! 石鹸売ってるのかな?!?!」

 

「ななななんでアイドルショップで、せせせせせ石鹸売らなきゃいけないですか?!」

 

「ていうか、穂乃果先輩は石鹸を集める趣味とか持ってるの?」

 

穂乃果先輩にそう問い出すと、後ろに立っていたにこ先輩は棚の方をもっと近寄りたいか、俺たちを押しのけた。

 

「どきなさあああああい!!!あれ?!私のグッズが無い!なんでえ?!どういう事おお!」

 

にこ先輩は自分のグッズを見つけるよう探し物狂いで一個一個確認した。その行動は数秒ぐらいかかり、やっと見つけることができた。

 

「あー!!あったー!!すごい・・・ううっ・・・!」

 

自分のグッズも売っていることを知ると、涙目になった。

 

「こうやって注目されているのが分かると勇気づけられますよね!」

 

「ええ。ああ、これを三南先生に見せたかったな」

 

「せやね」

 

海未先輩は自分たちの知名度が少しずつ上がっていることを実感すると、絵里先輩と希先輩は謹慎中の三南先生にこのことについて知ってほしいと少し残念そうに呟いた。彼女たちの気持ちは、他の先輩たちと同じである。俺のお姉ちゃんも含めて。

 

「先生はきっと大喜びになるだろうな」

 

真姫先輩はそう告げた。

 

「うん…ぐすっ。うれしいね」

 

お姉ちゃんが泣き出す音を聞くと、

 

「もう、お姉ちゃんったら。すぐに泣かないでよ。俺ももらい泣きそうになるんじゃないか」

 

自分の目も熱くなるのを感じてくる。

 

「2人ともは、すぐこういったものに感動しやすいね。本当に似ているにゃ〜」

 

(それはそうだ。姉弟だもん)

 

心の中でそう言うと、穂乃果先輩は何やらあるものを注目していた。

 

「んんっ? どうした穂乃果先輩?」

 

「平助くん。これって……?」

 

彼女が注目しているものを見せると、メイド服をしたことり先輩のプロマイドが展示されている。

 

「ことり先輩か……? しかも、なんでメイド服で」

 

そう疑問に思ったとたん、聞き覚えのある声が店の外から聞こえてきた。

 

 

「すみません」

 

「「「「「「「「「うんん?」」」」」」」」

 

店の外の方に歩くと、そこにはプロマイドと全く同じ格好したことり先輩の姿がいる。

 

「あの、ここに私の生写真があると聞いて・・・。あれはダメなんです!今すぐ無くしてください!」

 

ことり先輩は店員の方にそう願っていると、穂乃果先輩は彼女を呼びかけた。

 

「ことりちゃん?」

 

「ひゃあ?!」

 

可愛らしい小動物のような声を出したことり先輩は、俺たちに背を向けながら硬直した。

 

「ことり…? 何しているんですか?」

 

海未先輩に質問されたことり先輩は、答えもせず数秒の沈黙がその場に流れた。すると突然、ことり先輩が動き出した。

 

「ことり!?ホワッツ!?ドーナタデースカ!?」

 

この状況から逃げようとした苦肉の策であるか、回収ボックスの中に入っているガチャポンの蓋を眼鏡のようにしてカタコト言葉で答えた。それを見た凛姉ちゃんはーー。

 

「ええ?! 外国人?!」

 

と声をあげた。それに対して、俺は

 

「んなわけあるか、凛お姉ちゃん?!」

 

ツッコミを入れた。

 

「ことりちゃんだよn」

 

「チガイマース!」

 

穂乃果先輩がもう一度問いかけるたが、ことり先輩は彼女の言葉にかぶせて否定した。

 

「ソレデハ、ゴキゲンヨ~ウ・・・。ヨキニハカラエミナノシュ〜…。さらば!!!」

 

少しずつ俺たちから身を引き、ある程度距離を取った瞬間、ダッシュで逃げ出した。彼女が逃げ出す姿に、穂乃果先輩と海未先輩は追いかけようとしたが、俺はーー。

 

「待って待って待ってーーー!!!」

 

「「へ、平助くん?!」」

 

心の中に潜んでいた本能のせいか、俺は先にことり先輩を追いかけ出した! おそらく、人が逃げ出す姿を見ると、京の周りを巡察していた新撰組の八番隊組長としての記憶がふとしただろう。そのゆえ、俺の体がとっさに反応してしまった。

 

「はああ! はあああ! はあああ!」

 

「どこに逃げようとしているのだ?! 新撰組の八番隊組長の藤堂平助から逃げられるとは思うなよ!!!」

 

「えええ?! し、新撰組?! ど、どういうこと?!」

 

当時の感覚に戻ったか、不意に生前の正体を明かしてしまった。しかし、俺はそのことについて一切気にしていなく、彼女の逃げていく姿をただひたすら追いかけた。そのことしか考えていなく、何とか距離が掴めてきた。

 

あと数十センチ。あと数十センチぐらい捕まえようとするとーー。

 

 

ブぉオオオーーーー!!!

 

 

「うわっ?!」

 

ことり先輩と俺の間に軽トラが通行してきた。そのせいで、ことり先輩を見失い、その場で立ち尽くす。

 

「くっそおおおーーー!!! 見失った!」

 

悔しそうに叫ぶと、数秒後に電話がかかってきた。

 

「んん? 電話?」

 

電話の相手を見ると、お姉ちゃんからだ。

 

「もしもし、お姉ちゃん?」

 

『ああ、平助くん?! 大丈夫?』

 

「大丈夫って、ああピンピンしているよ。でも、ことり先輩を……」

 

そう落ち込もうすると、お姉ちゃんの口からどんでもない吉報を口に出した。

 

『そのことは、もう希先輩が捕まえたの』

 

「ええー?! 希先輩が?!」

 

いつの間に、希先輩は捕まえたのだろうか?! まるで、監察方の山崎くんみたいな早い捕獲だ、と思った。

 

『だから戻っておいで』

 

「おう、すぐ戻るよ」

 

と電話を切り、お姉ちゃんたちのもとへ戻った。希先輩……。侮れないな。

 

 




いかがでしょうか?

今回はですね1万字近く書いてしまったので、ちょっとボリュームのある回になったのではないかなと思います。

それと共に、平助君はやってしまったのですね。自分の生前の正体を不意に明かして……。これはどうなっていくのだろうか?

次回ではですね、南ことりはなぜ練習の方にあまり顔を出していないのかについて問い出すシーンから始まります!

なので、乞うご期待を!

それでは、またな!

※ご評価やご感想をお待ちしています! よろしくお願いします
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