かいゆーです。
今回の話では、なぜ南ことりがメイド喫茶で働き始めるのかについて話しはじめます。タイトル通りに南ことりの悩みは一体何だろうか、詳しく見てみよう。
それでは、本編の方へどうぞ!
ことり先輩を捕まえた俺たちは、とあるメイド喫茶店に行った。そこで、逃げ出した理由に加えて、最近の練習の方に顔を見せていない理由も含め、ことり先輩に問い出すと……。俺たちは、予想だにもしない事実を知ることになった。
「「「「「「「「「ええーー?!」」」」」」」」」
「こ…ことり先輩がこのアキバで伝説のメイドーー。ミナリンスキーだったんですか?!」
お姉ちゃんの問いに、ことり先輩はゆっくりと頷いた。
「そうです…」
「マジかよー?! ミナリンスキーって、予約を取らないと会えないめっちゃ人気のあるメイドじゃん!」
ミナリンスキー。それは、俺の友達の間によく話題になる人物だ。2ヶ月前に予約を取らないと、なかなか会えない人だと耳にする。それほどの絶大な人気を持っているメイドさんの正体は、お姉ちゃんの先輩であることに思いもしなかった。
(まさか、この場で会えるなんて……)
そう思いながら、穂乃果先輩はことり先輩に向かっていきなり問いはじめた。
「ひどいよことりちゃん!そういう事なら教えてよ!」
穂乃果先輩にぐいぐいと詰め寄ってくるのを感じたか、ことり先輩の体は小さくなっている。これ以上、あまりことり先輩を困らせないよう間を割って入ろうとしたが、
「言ってくれれば遊びに来てジュースとかご馳走になったのに!」
と無関係なことを言い出し、
「「そこ?!」」
俺とお姉ちゃんは同時に突っ込んでしまった。
(いや、なぜそのことを聞くかな。それよりも重要なことがあるだろうか)
とそう思いながら、少しだけため息をついた。
「じゃあこの写真は?」
「店内のイベントで歌わされて…。撮影禁止だったのに…」
絵里先輩は店内で飾っておる写真を指摘すると、ことり先輩はそう答えてくれた。
「なんだ。じゃあアイドルってわけじゃないんだね?」
穂乃果先輩は安心したかのように、ことり先輩の側に座る。
「うん。それはもちろん」
「これって……山南さんも知っているの? ことり先輩がメイド喫茶のアルバイトを」
そのことについて聞くと、
「ううん。伝えていない」
彼女は横にふった。
「でも、なぜです?メイド喫茶のアルバイトをやりはじめるなんて…」
海未先輩は俺たちが最も聞きたかったことを尋ねると、ことり先輩は口を重々しく説明してくれた。
「自分を変えたいなと思って…。私、穂乃果ちゃんや海未ちゃんと違って、何もないから」
その”何もない”という言葉に引っかかった穂乃果先輩は、さらに詳しく尋ねた。
「何もない?」
「穂乃果ちゃんみたいにみんなを引っ張っていく事が出来ないし、海未ちゃんみたいにしっかりもしてない」
そう落ち込む姿に、穂乃果先輩と海未先輩はそれについて否定した。
「そんな事ないよ!ことりちゃん歌もダンスも上手だよ!」
「それに衣装だってことりが作ってくれるじゃありませんか」
「少なくとも、2年の中では1番まともね」
真姫先輩は2年の先輩たちが言い放った言葉のフォローとして、付け加えた。しかしそのフォローがあってもなくても、ことり先輩の表情は一向に変わらなかった。
「ううん。私はただ、穂乃果ちゃんや海未ちゃんについて行っているだけだよ」
そう言って首を横に振り、下に俯いた。その姿を見た俺は、心が痛くなるのを感じた。周りの人に明るく接することり先輩が、こんな落ち込むなんて……。想像することができなかった。これほどの重大な悩みを抱え持っているのを知ると、俺は何とかして彼女を笑顔にしたい! その気持ちが強くなりはじめ、彼女の悩みをどのように解消できるかを考え込みはじめた。
(何とかしないとな、この悩み。んんん……)
しばらくの間、俺たちはことり先輩がバイトするメイド喫茶で時間を潰す事になった。残念ながら、彼女の悩みを解決することができなかったが、より少しずつ彼女のことを知ることができたと思う。ことり先輩がメイドとして働く姿はとても可憐で、先ほど落ち込んでいた様子とは違ってキラキラしていた。その姿を見ると、もう頭の中から永遠に離れることができないだろう。そのくらい、彼女は……天使みたいだ。
(輝いているな、ことり先輩。本当に綺麗)
そう感慨げに思うと、彼女の働く姿をずっと見てみたいという気持ちが占めた。その気持ちがなっていくと、心の中に小さく弾けた。その弾ける音は、小鈴が美しく鳴る音のようだ。
その音が鳴ったことに感じた俺は、ことり先輩に対して……少しだけ眩しく見てしまう。
(この気持ち……もしかしてな)
そんな気持ちはあるわけはずがないとそう自分に言い聞かせ、なるべく無視しようとし、夕日が沈みはじめるまでにメイド喫茶で過ごした。その後、先輩はまだバイトがあるからと言い、店の外で別れることにした。
「じゃあねことりちゃん!」
「うん!あ…この事はママには内緒だから学校ではシーッ」
「うん。分かった」
こうして俺たちはその場で解散し、それぞれの家に帰ることになった。
「んんん……」
「どうしたの平助くん? そんな難しい顔をして」
お姉ちゃんは俺の真剣に考え込んでいる顔を気になり、聞いてきた。
「ことり先輩の悩み。どう解決できるのかなって」
「たぶん、大丈夫だと思うよ。そんなに重大な問題ではないと思うが」
「そうだけどよ…。俺は山南さんに顧問の代理として任せてもらっているから、お姉ちゃんたちのスクールアイドル活動に支障がきたさないように管理しないといけないから……結構責任重大な役割だよ。それにことり先輩の悩みを放っておくのは……いやだから」
そう弱々しく告げると、凛お姉ちゃんは俺に活を入れてくれた。
「でも! 平助くんにそう頼んでいるということは、ことり先輩の抱えている問題などを容易に解決できるのではないかと三南先生に見込まれているじゃないかにゃ?」
「そう思う、凛お姉ちゃん?」
「うん! だって、そうじゃなかったら、顧問の代理を平助くんに任せないと思うよ!」
そう元気付けられると、何だか少し前向きに捉えることができた。
「そうか…。こういった問題が起きることを予想し、俺に対応してほしいのか。うんうん。そうだね」
自分自身を納得できるように頷くと、明日やるべきことは思いついた。
「よーし! 明日、ことり先輩の問題についてどう対応するか、絵里先輩からアドバイスを聞いてみる! そうしたら、何とか先輩の悩みを解消できると思う」
絵里先輩から助言をいただく事にした理由は、彼女はμ'sの副長にあたる役割を持っているからだ。絵里先輩と一緒なら、ことり先輩の悩みをすぐに解決できるだろう。そう思っている。
「うん! そうだね、平助くん!」
「ありがとう、凛お姉ちゃん!俺すげースッキリした!」
そうお礼を述べると、凛お姉ちゃんは笑顔で答えてくれた。
「いいって、いいって! 平助くんは私たちの可愛い弟だから、もう1人のお姉ちゃんとして心配しないと!」
「あああっ!可愛いと言ったな!俺のことを可愛い弟と呼ぶなよ! せめて、かっこいい弟と呼んでよ!」
「い〜や〜だ!平助くんは大人になっても”可愛い弟”とずっと呼び続けるにゃ!」
「もおおおおー、勘弁してよ!!!」
「テヘヘっ〜!」
とこんな感じでつつまじい会話をしあいながら、日が暮れる。
<翌日、スクールアイドル部室にて>
「私からのアドバイス?」
「うん。俺は、ことり先輩の悩みをこのままで放っておきたくない!だから、今すぐその悩みを解決し、メイド喫茶で見たことり先輩の元気な姿を……もう一回見たいの!」
そのように絵里先輩に告げると、俺の純粋な心に響いたのか、彼女の笑みがこぼれた。
「ふふふっ、そうなんだ。平助くんは……もしかして、南さんのことが気になるの?」
その不意な質問に、俺は
「はああ?!/// そ、それはーー」
慌てながら”違う”と否定しようとしたが、
「ごめん、ごめん。平助くんの反応を見て、ちょっとからかいたいだけよ」
絵里先輩は冗談まじりに答えた。
「もう、あまりからかわないでよ 。恥ずかしいから…!」
「ごめんね。んんん、そうだね…。先ほど平助くんがいいヒントをくれたから、それでやろうかな」
「ええ? 俺がヒントを?」
「うん。それは何なのか、みんなが集まってからのお楽しみ♪」
と言われるがままに、絵里先輩は隣接する広い部室の方に行った。そこで、今日の練習メニューなどを準備するだろう。
でも、俺は絵里先輩になんか良いヒントをあげたのだろうか。俺は絵里先輩からアドバイスを頂こうとしていたが、果たしてことり先輩の悩みを解消できるポイントがあったのかな。
「んんん。まあ、お姉ちゃんたちが集まってからの話だから……。それまでに、待っとくか」
そう決めた俺は、お姉ちゃんたちが来るまでに待つことにした。
<数十分後>
お姉ちゃんたちがみんな揃うと、絵里先輩は彼女たちの前に立った。ことり先輩の隣に俺が立ち、今から今後のスクールアイドル活動展開について、発表する。
「みんな。ありがとう、集まって。では、今後の活動について発表する。μ'sのスクールアイドル活動を幅広く展開していくために……アキバでライブをしたいと考えている」
その発言にみんなは驚く。俺も含めて。
「ええっ?! それって……」
「路上ライブ?」
穂乃果先輩とことり先輩はそう尋ねると、
「アキバって言えば、A-RISEのお膝元よ!」
にこ先輩はそう答えた。アキバ、つまり秋葉原のことを指す。秋葉原はサブカルチャーの聖地ではあるが、近年スクールアイドルの聖地として普及されている。スクールアイドルの聖地として知れることができたのは、A-RISEによってだ。そのA-RISEの勢力が大いに占めているところで、路上ライブをするなんて、何かの意図があってそう提案しただろう。
「それだけに面白いね」
「でも、ずいぶん大胆だな」
希先輩はアキバでのライブをすることに好意的に反応したが、真姫先輩は少しだけ疑問に思っている。彼女の気持ちは俺と同じだ。
「俺は真姫先輩と同じ意見だ。なぜ、そこで路上ライブを?」
「いいことを聞いたね、平助くん。アキバはアイドルファンの聖地。つまり、そこで認められるパフォーマンスができれば、大きなアピールになる」
その説明を聞いた俺たちはすぐに納得した。アキバでのパフォーマンスをすることで、より多くのファンを獲得することができ、それによって少しずつμ'sの人気度を上げようとするのが、絵里先輩の考えだした案であろう。そう考えると、ふとした出来事を思い返す。
(そういえば、先日訪れたスクールアイドル店は、お姉ちゃんたちのグッズの棚は1つしかなかったよな。なら……そういった一か八かの賭けに賛成するぜ! でも……これはどうことり先輩の悩みを解決できるのかな)
そう思うと、絵里先輩の口から思いも寄らないことを言い出した。
「そこで、今回の作詞をアキバのことをよく知っている人に任せようと思う」
「んん? アキバのことをよく知っている人?」
穂乃果先輩の質問に絵里先輩は頷いた。
「そう。南さん、どう?」
「えっ?! 私?」
「うん。あの町でずっとアルバイトしていたんでしょ? きっとあそこで歌うのにふさわしい歌詞を考えられると思うの。これは平助くんが出した案だよ」
絵里先輩はことり先輩に作詞用のノートを渡しながらそう言うと、この案を出したことになったという事実を俺の名前を上げた。
「ええ?! お、俺が?!」
「そうよ。だって、平助くんは南さんの笑顔をまた見たいでしょう? なら、アキバのことをよく知っている彼女に作詞をさせてもらうのがいいアイデアじゃないか、って」
「でも、それはーー」
”俺が出した案ではない”とそう告げようとしたが、凛お姉ちゃんの突然的なちょっかいに言葉が遮られた。
「おお〜! 平助くんはそんなにことり先輩の笑顔を見たく、気になっていたんだ〜。だからか〜。うんうん、お姉ちゃんとしてとても嬉しい〜!」
「ちょ、ちょっと!///そ、それはその…ことり先輩の悩む姿を……あまり見たくないからーー」
「それが”気になる”という意味だよ〜!もう分かっていないにゃ〜!」
と俺の頭を掻きむしった。
「お、おい///! や、やめてよ!///」
凛お姉ちゃんは俺の頭を掻いている中、俺はことり先輩の方に視線を移した。すると、先輩はーー。
「……///」
と耳を赤くしながらノートで顔を隠した。
(ううっ! やべー……。ことり先輩を余計に困らせたんじゃないか、俺は!)
心の中にそう悪く思っていると、他のみんなはことり先輩が作詞することに賛成した。
「それいい! それ凄くいいよ!」
「やったほうがいいです。ことりならアキバにふさわしい良い歌詞が書けますよ!」
「ちゃんといい歌詞作りなさいよ」
「期待してるわ」
「頑張ってね!」
彼女たちからの期待に大きなプレッシャーとして感じたことり先輩は、困った顔で頷く。
「う、うん…」
その顔を見た俺は、ただ謝ることしかできなかった。
(ごめん、ことり先輩。こんなことになって……)
いかがでしょうか?
ことりのメイド服は本当に可愛いですね。それに、平助君。君はもしかして〜……?
まあ、彼らの関係はどうなっていくのかを詳しく見ていこう!
次回ではですね、三南先生は登場するのですが、平助君にことりの悩みを解決する方法をアドバイスしていきます。さて、どんなアドバイスになるのでしょうか?
なので、乞うご期待を!
それでは、またな!
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