かいゆーです。
さて、この話を投稿してから1ヶ月分の休暇を取らせていただきます。
1月に入ってから投稿の再開を行いますので、ご心配なく。
それでは、本編へどうぞ!
<三南先生の視点>
目的地に着くまでには、2時間ぐらいの移動時間がかかった。新幹線から降りた私たちはすぐに駅から出ていき、歩いて15分ぐらいで、西木野君の別荘地に着いた。
そこには、豪華な南国風のリゾートホテルの見た目を持つ建物がそびえ立つ。
『おお〜!』
「こ、これは……すごいな!」
「全く同感です、平助君」
私と藤堂君は彼女たちと同じ気持ちで、西木野君の別荘の姿に驚く。彼女の別荘はそこまで大きいとは思いもしなかった。
「す、すごいよ真姫ちゃん!」
「さっすがお金持ちにゃ~!」
高坂君と星空君はそう彼女に賞賛の言葉を贈ると、
「そう? 普通でしょ?」
西木野君は当然かのように言葉を返した。
彼女が普通だと言い出したことに、藤堂君はさらに驚く。
「普通? これが?!」
「何か違和感あるの?」
「それは、まあ…。初めて聞くよ、その言葉。こんな大きい別荘を持つことが普通だと」
「そうかな…?」
彼女は首を傾げながらそう不思議に思っている。
(彼女はおそらく、一般人たちの感覚とは少しずれているだろう)
そう考えていた中、1人だけうなっている子がいる。
その子は……。
「ぐぬぬぬ……!!!」
矢澤君だ。
(矢澤君? 何をうなっているのだろう…?)
そう疑問に思った私は、彼女たちと共に西木野君の別荘の中に入った。
中に入ると、自分達の荷物をリビングルームの方に置いた。別荘の中身についてよく知っていこうと、これから彼女たちと共に見学しに行く。
まずは、寝室。
高坂君と星空君と園田君と一緒に確かめに行った。
『うわ〜!』
彼女たちは寝室の広さとベットの大きさに驚いた。すると、高坂君はーー
「ここ取ったーーーー!!!」
我がものを得たかのようにベットに飛び込んだ。
「おおーーー!!! ふかふか〜〜〜! それに広い〜!」
ベットの柔らかさを堪能するよう彼女は転がりまわる。それに続いて、星空君もベットに飛び込んだ。
「凛はこっち〜。海未先輩も早く取ったほうが……ああっ」
星空君は園田君を先輩呼びしたことに間違えてしまう。その間違いを園田君と一緒に微笑む。
「ふふ、間違えましたねえ星空君」
「そうですね、三南先生。凛、やり直しです」
そう述べると、
「うん、海未ちゃん!」
星空君はすぐに訂正した。
そして、高坂君の方に振り向き、彼女にも園田君と同じく下の名前で”穂乃果ちゃん”と呼んだ。しかしーー
「ぐ〜Zzzz…ぐ〜Zzzz…ぐ〜Zzzz…」
高坂君はすでに寝息を立てている。
「寝てる?!」
「さほど、疲れてたんでしょう。新幹線での旅」
そう述べた私は、他のところにいる彼女たちのもとへ向かった。
〜〜〜〜〜
次に向かった先は台所。台所では、西木野君と矢澤君と南君の3人がいる。そこに着いた途端、矢澤君は声を上げている。
「りょ、料理人?!」
「そんな驚くこと?」
「驚くよ、真姫ちゃん。そんな人が家にいるなんて…」
彼女たちは何の会話をしているのかを南君に訊ねてみた。
「何の話をしているのですか、3人とも?」
「あ、三南先生。実はね、真姫ちゃんちには料理人がいるらしいです。それについて、話していました」
「西木野君の家庭には、料理人が?」
このことについて初めて聞いた私は、目を丸くする。別荘だけでなく、専属の料理人がいるとは知らなかった。西木野君の身分は私たちの身分よりもはるかに上であることに改めて実感すると、少しだけ彼女に対して畏怖の念を抱く。
(さすがの医者の家庭に生まれたご息女ですね)
「これはすごいことですよね、先生?」
そう聞いてきた南君に対して、私は微笑みで頷く。
「だよね?」
矢澤君に同じことを聞くと、矢澤君の態度は急に変わる。
「ぐっ。へ、へえ~、真姫ちゃんちもそうだったんだぁ。にこんちも専属の料理人がいるのよね~!だからにこぉ、全然料理なんかやったことなくってぇ・・・」
西木野君の家庭には負けまいと、自分の家庭にも専属の料理人がいるというとんでもないことを言いはじめた。あからさまに嘘であることに見抜いた私は、少しだけ呆れてしまう。
(そこまで見栄を張らなくてもいいのに……)
心の中にそう呟くと、
「へ~!にこ先輩んちもそうだったなんて・・・!」
南君は矢澤君の言った言葉は本当であることに受け止める。すると、南君の言葉にひかかったか、矢澤君は彼女に次のように注意した。
「にこにーでしょ?」
「ええ?」
「にこ先輩じゃなくて、にこにー」
「ああ、そうだった……」
間違えて矢澤君に先輩呼びをしてしまったことに反省すると、
「そうだったんですね、にこちゃん」
すぐに訂正した。
そう受け止めた矢澤君は、本当は南君ににこにー”と呼ばれてほしい。そのゆえ、少しだけ期待が裏切られた感覚をするが、すぐに呼び方の訂正をしてくれたことにーー
「まあ、それで良しとするか」
半ば満足したかのように頭を縦に振った。
〜〜〜〜〜
キッチンを離れたあと、絢瀬君たちがいる大居間に向かった。そこには、絢瀬君に加え、東條君と藤堂君の姿がいる。彼らの間に何やら話をしているのだ。
(何について、話し合っているのだろう…?)
そう気になった私は、彼らの話に参加した。すると、彼らはμ'sの練習場所について話し合っていることに分かった。
「μ'sの練習場所? 外でやったほうがいいではないですか?」
「それ、同じく聞いたんですよ山南さん。でも、外の方でやると迷惑になるって……」
「迷惑…?それは、誰がそう答えたんですか?」
「エリチです、三南先生」
東條君の答えによって、私は絢瀬君の方に視線を移した。その瞬間に、彼女は詳しく説明してくれた。
「ラブライブ出場枠が決定するまであと1ヶ月ありませんので、残りの時間をできるだけ有効に活用したく、この合宿でダンスと歌の練習を両方ともやりたいと思います」
「だから、スッゲーやる気が出ているよ。なあ、希?」
「せやね、平助君!」
彼らの説明を受けた私は、絢瀬君の瞳をまっすぐ見えみた。すると、彼女の瞳の奥からやる気の炎が燃え上がっているのを感じ取る。
どうにかしてラブライブに出場できるようにμ's支えたい。そういった積極的な姿を見せていることに私はーー
ポンポン
我が子のように頭を優しく撫でた。すると、
「ああっ…///」
その動作に彼女は少しドキッとし、私を見上げた
「μ'sのことを第一に考えてくれていて、ありがとうね。絢瀬君」
彼女にそう述べると、絢瀬君は私に感謝するように微笑んできた。
「三南先生は、私にもう一度ダンスをするきっかけを与えてくれました。その恩を返したく、μ'sをラブライブに出場できるように支えていきたいです。そう強く思います」
その答えを受け止めた私は頬がほころび、
「そう言ってくれると、私はとても嬉しいですよ」
さらに優しくそして愛情深く撫でた。
そんな中、小泉君の姿が目に入った。彼女は人間の大きさを持つ植木鉢の後ろに立っていて、なぜ、その所に立っているのかを不思議に思う。
「んん? 小泉君? なぜ、そこに立っていますか?」
そう訊ねると、
「ああ、それな山南さん。お姉ちゃんはあまりこういった大きな家に来たことがないから、ちょっと緊張しているの」
藤堂君は彼女の代弁として答えてくれた。
「そうなんですか、小泉君?」
小泉君の本音を聞きたく、彼女にそう質問すると
「は、はい……。こんな大きなところに来るのがはじめてなので、なんか広いと落ち着かなくて…」
小泉君はさらに後ろの方へ身を縮めた。
「ふふふ。まあ、そのうちに慣れていくと思いますので、そんなに緊張しなくてもいいですよ」
と彼女の緊張する心をなだめようとした。小動物みたいに植木鉢の後ろに隠れようとする姿は可愛く見え、微笑ましく感じた。
〜〜〜〜〜
西木野君の別荘の中身を見てまわったあと、園田君は合宿で行う練習のスケジュールについて説明したく、みんなを玄関前に集合させた。練習と聞いた彼女たちは練習着に着替えているが、高坂君と星空君と矢澤君だけは水着に着替えている。おそらく、練習のスケジュールの中には休憩として海水浴が入っていることに期待しているだろう。
「これが合宿での練習メニューになります!」
園田君は窓に貼り付けた練習メニュー表を指差した。その練習内容を見てみると、次の通りに書かれている。
1日目:朝起床の後にランニングを10km。その後、軽く腕立て腹筋20セットをしたら朝食の時間になる。朝食を済ませた後、精神統一に加え、発声の練習を行う。その後に昼食を摂り、夕食の時間がなるまでにダンスレッスンをする。そして、夕食の後では、最後に遠泳10㎞を行う。
2日目:1日目の練習内容とほぼ同じだが、やる練習の順番は少し変わってくる。腕立て腹筋20セットの後に発声の練習を行い、ダンスのレッスンが行われる。ダンスの後に精神統一をし、最後に遠泳で終わる。しかも、遠泳とランニングはそれぞれは15kmと距離が伸びている。
それらの練習内容を見た彼女たちは、こんなにびっしりと練習計画がなされていることに南君と東條君は声を上げて驚く。
「おお〜!」
「すごい! こんなにびっしり……!」
そんな中、それらの練習内容に対して不満を抱く子がいる。それらの子は、水着に着替えている3人ともだ。
「・・・って海は!?」
高坂君はそう不満げに聞くと、
「え…? 私ですか?」
自分のことを聞いているのかと、園田君はきょとんとしながら答えた。
「そうじゃなくて『海』だよ!海水浴だよぉ!」
海水浴のことを指していると高坂君はそう訂正すると、園田君はその”海”のことについて尋ねられているのをやっと理解した。まあ、確かに”海未”(うみ)と”海”(うみ)は同じ呼び方をしており、無理はない。
「ああ!それなら〜!」
と園田君は笑顔で『遠泳10㎞』の部分を指さした。
「遠泳……10㎞・・・!?」
「そのあと……ランニング10㎞ぉ・・・!?」
園田君にとっての”海水浴”は『海水浴』のことを指しており、それに対して高坂君と矢澤君はドン引きする。
「最近、基礎体力をつける練習が減っています。せっかくの合宿ですし、ここでみっちりやっておいた方がいいかと!」
彼女はそう声高に言い立てると、園田君の打ち出した練習メニューは本当に高坂君たちの能力に基づいて考慮しているのかを藤堂君は聞きはじめた。
「でもよ、お姉ちゃんたちがその練習計画で……本当についていけると思うのか?」
「そうだよ、海未。そこが心配で……」
藤堂君の言葉に便乗する形で絢瀬君はそう尋ねると、
「大丈夫です! 熱いハートがあれば!!」
園田君は一点張りで貫いた。そのやる気さに誉めるどころか、あまりにも呆れるほどの痛い方向に向かっている。その方向に向かっていることに対して、高坂君たちはさらに困惑してしまう。
高坂君たちの困惑する姿に私は同情する。園田君の練習にそのまま付き添うと、みんなはすぐにへたばってしまい、この貴重な機会である合宿を楽しめなくなる。そうさせまいと、私はある行動に出た。
「これは素晴らしい練習メニューですね、園田君」
「ええ?! さ、三南先生?!」
「この練習だと、ダンスと歌の技術はより良くなっていくと思います」
「ああ、三南先生! 私の言う分に理解してくれましたね! それでしたらーー」
彼女“が練習を始めましょう!”と言おうした矢先に、私は次の通りの言葉で遮る。
「ですが、この練習メニューよりもはるかに良い練習メニューを思いつきましたけども……よろしいですか?」
「はるかに良い練習メニュー? それは何ですか?」
「それは……」
彼女たちが私の方に注目し、私の口から言おうとしている言葉に待ち構える。園田君の出した練習計画よりもキツイ練習になるのだろうか。高坂君たちは不安を抱きながら、怯えたような目つきをしている。
彼女たちに振り向いて、優しい表情で微笑みーー
「海で仲間との関係を深めることです!!!」
声高にそう言い上げると、高坂君たちの目は輝き始め、浜辺の方に走った。
「やったー!」
「ありがとう、三南先生!」
すると、高坂君たちの後を追うように、南君と小泉君も浜辺へ駆け走る。自分の目の前から急に離れ去ったことに対し、園田君は彼女たちを呼び止めようとする。
「あっ、あなた達ちょっと?!」
しかし、彼女の呼び止めに応じず、高坂君達はそのまま奥の方へと消えていく。
「さ、三南先生?! なぜ、こんなことをするのですか?!」
その問いに対し、私は冷静に答えあげた。
「園田君。練習することは必要ですが、この貴重な機会である合宿中に楽しめることの方が重要ではありませんか?」
「で、でも…」
「三南先生の言った通りだよ」
絢瀬君は私の答えに賛成し、園田君は彼女の方に振り向く。
「えっ? いいんですか、絵里先輩?…あ」
「あら、先輩と呼んでしまったな海未」
「そうだね、平助君。禁止って言ったでしょ?」
間違えて絢瀬君を”絵里先輩”と呼んだことに、園田君は申し訳なさそうに口を押さえた。
「すみません…」
「μ'sはこれまで部活の側面も強かったから、こんな風に遊んで先輩後輩の垣根を取るのも重要なことよ」
「そうそう。だから、たまにはこういった息抜きが仲間との団結力をより高めることができるぞ」
絢瀬君の付け加えとして藤堂君はそう説明すると、園田君は少しだけ浮かない顔をしつつ、納得してくれたようだ。
そう納得してくれたあと、高坂君達の側から呼び出す声がしてくる。
「海未ちゃ〜ん、絵里ちゃ〜ん!」
その声の主を見てみると、なんと小泉君が声を上げているのだ。最初は、先輩無しで呼ぶのに慣れていなかった彼女は、少しずつ抵抗が無くなっていく。彼女の慣れていこうと努力する姿に、心が和んでいく。
「は〜い!」
絢瀬君はそう言って彼女達に手を振ると、
「さぁ海未、行きましょ!」
園田君に”一緒に楽しんでいこう”という意味を込めて、手を差し出した。その差し伸べられた手を……。
「わ、分かりました…」
取った園田君は、不本意ながら今日一日中海水浴を楽しむことに腹をくくった。
いかがでしょうか。
いよいよ、彼女たちがこの合宿で楽しく過ごしていきますね!その楽しんでいく姿、山南先生と平助君はどう関わっていくのだろうか?
それでは、次回!乞うご期待を!
またな!
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