今回の話は、オリジナル展開を入れてにことの話をしていきます。
それでは、どうぞ!
「あなたは……昔スクールアイドルをやっていましたでしょうか?」
その言葉に聞かれた私はぎょっとし、身を引いてしまった。
「ど、どうしてそのことを分かったんですか?!」
「あなたが集めてきたスクールアイドルに関するグッズを見てみると、大部分観賞用として購入されていますね。でも、中には踊りの練習と曲作りの資料になっているものがあるには違いないと思いまして。小泉君が持ち出したDVDボックスのように、他校のスクールアイドルのライブ映像が保存されたDVDをお持ちでしょう?」
「……っ!」
「それに、先ほどの”キャラ作り”はあくまで私の推測ですが、ライブでの経験を積んだ上で作り出したものではないか…と」
先生の予想はほとんど当たっている。この先生は何者なの?昨日の店であの
でも、今さらなぜそんな穏やかな表情で話しかけてくるの?この先生の性格はあまり掴めない。
「そ、そうですよ…私は昔スクールアイドルをやっていました…」
「やはりですね。でも、どうしてあなたは辞めたんですが?」
とそう質問されると
「私は辞めていません!…みんなが辞めました」
思わず声を荒げてしまった。
「?」
「一人やめ、二人やめ・・・。いつの間にか、部室は私一人だけ。2年間ずっと一人だけ。みんなはついていけないって言われて、本当に物凄いショックを受けました」
私の話を語っている中、先生は黙ったまま話を聞いている。
「確かに、私は彼女たちに”完璧”を追求しすぎたけども…。でも、私はただ、他のスクールアイドルたちと輝ける場所に行きたかっただけです!本当は…本当はずっと、彼女たちと一緒にスクールアイドルを続けたかったけども…そんな急に私から離れるなんて…」
「だから、あなたは高坂君のμ’sを侮辱し始めましたね。彼女たちの活動を見ると、あなたは許せなかったでしょう。自分の運悪さに…そして、仲間の裏切りに遭ったあなたは、どうして彼女だけが楽しそうに…っと」
私がやってきた行動の理由を指摘されると、
「そうですよ!だから、にこは彼女たちのことを本当に許せなくて、”アイドルを穢している”とか”解散しなさい”などの酷い言葉を言いましたよ!どうして、私だけがこんな目に遭わないといけないの…!私だって…」
怒りに満ちた声で答えたら、私の目は潤い始める。抑えられてきた悲しい気持ちが溢れ出て、今にも爆発しそうな感じする。流れ落ちる涙を見せないように、私は地面の方に俯いた。
先生に私が泣き出す姿を見せたくない。だって、情けないもん。2年間、孤独を耐えた私はここで泣き出すなんて……今ままで我慢してきた意味が無になるじゃないか!
「私のことを全て教えましたから、先生はもう外に出ー」
そう言おうとした瞬間。
「あなたは本当にいけない子ですね」
ぎゅっ。
突然、温かい腕が私を包み込んできた。
「///?!」
あまりにも唐突なことで、発する声も出なくなってしまう。先生は私を抱きしめた。まるでお父さんかのように。
「強気を見せても、私の目にはバレバレですよ」
昨日の店で発した冷たい声とは違って、温かい声で私を慰め始める。
「あなたはここまでよく我慢してきましたね。でも、これ以上我慢する必要ありませんよ」
(なんで?先生は私の何を理解ー)
「私も昔、あなたと同じ境遇を過ごしたことがあるからです。自分が掲げた理想を仲間に伝えたら、彼らはそのことに否定されて、私だけグループ内に”孤立”してしまいました。私もあなたと同じく、彼らと同じ場所で戦いたかったです。でも、先進的な理想のために、誰にも追い付けてくれなかった。だから、あなたの孤独は痛いほど経験したことがあります」
複雑そうに彼の経験を語っていると、先生は私よりもきっと長い間に孤独を経験してきただろう。そう思うと、私の孤独さをちっぽけに見えてしま……いいえ、見えない。先生は私と同じく他人に見捨てられる経験を持ち、孤独というものはとても強い不幸なものであることを理解している。
『もし、先生と早く会えば…私はこんなに一人で悲しむ必要がなくなる。先生と同じ悲しみを分かち合えば…私はきっと…』
そう想ったら、私はもうそろそろ限界に達する。私の背中が震えていることを感じた先生は
「泣きたいなら、私の胸に思う存分に泣いていいですよ。抑えられてきた痛みと悲しみを私にぶつけなさい。あなたの気持ちを、私はしっかりと受け止めますから」
優しく私の頭と背中を撫でてくれ、私は子供のように先生の胸の中に泣き始めた。
「先生!!うわああああ!!」
「よしよし。大丈夫ですよ。先生はいますよ」
「にこは本当に辛かったです!!2年間私1人だけ!!」
「そうですよね。2年間孤独にいることは、堪え難いものです」
泣いてしまったけども、あまり情けなく感じなかった。先生の胸の中はとても暖かくて、私はずっと…この人の腕の中にいたい。
私が泣いた後、気持ちがだいぶ楽になった。
「もう、落ち着きましたか?」
「は、はい」
先生の腕から離れて、涙を制服の袖で拭いた。
「それでは、あなたの気持ちを聞きたいです」
「にこの、気持ち?」
「はい。あなたは、まだスクールアイドルをやりたいですか?」
「それは…彼女たちと一緒にやるということですか?」
「ええ」
その質問に私は「やりたい」と答えたかった。でもーー
「でも…」
「でも?」
私は苦々しく不安げに先生の問いに答えた。
「彼女たちの活動に酷いことを言ってしまって…。私を歓迎してくれるのか心配をー」
「心配する必要はありませんよ。高坂君はきっと大喜びであなたを迎え入れますよ」
「大喜び?どうして?」
「だって、仲間を作って楽しい思い出を作るこそが彼女の性質なんですから」
そう優しく言われると、私は少しだけ笑顔になった。
「あ、ありがとうございます。でも、まだ少しだけ不安なので時間をください。私の気持ちを整理したいです」
「はい、分かりました。それでは、失礼します」
と先生は部室から出て行った。
それから数日後……。
「にっこにっこにー。はい!」
「「「「「「にっこにっこにー!!」」」」」」
「もう一回!にっこにっこにー。はい!」
「「「「「「にっこにっこにー!!」」」」」」
「全然ダメ。もう一回!釣り目のあんた!気合入れて!!」
「真姫よ!!」
「「「「「「にっこにっこにー!!」」」」」」
私は彼女たちに「にっこにっこにー」を教えている。
先生が言った通りに、彼女たちは私を迎え入れてくれた。私の侮辱行為を許してくれて、すぐにμ’sのメンバーとして彼女たちの練習と多く参加する日々が増えるようになった。そして、スクールアイドル研究部は合併されることなく、私は部長の座に就かせてもらった。
私をμ’sに入らせてもらって…そして、私の背中を後押してくれた先生に…どれほど感謝すればいいか分からない。あの方は、私に大きな恩恵を与えてくれた。たまに、部活のミーテイングで怖い顔をして私を叱ってくれるけども、私のことを理解してくれるーー。
”とても大切な方である!”
「はい、ラスト一回!」
「「「「「「にっこにっこにー!!」」」」」」
私の目が一瞬涙で潤み、後ろを向いて涙を拭いた。
「全然ダメ!あと三十回!!」
と練習を追加させると、
「ええ~!!」
不満そうに彼女達が文句を言うが、
「あなたたち。まだ、始まったばかりだから、”矢澤君”の特訓をしっかりと受けますよ」
「そうだよ!まだまだこれからだから!!」
先生と穂乃果はそう言って他の人たちを鼓舞した。
「にこ先輩!よろしくお願いします!!」
その言葉を聞いた私は前に振り向いて
「よーし!頭からいっくよー!!!」
と元気よく笑顔で言った。
『先生…私はやっと笑顔で輝ける場所を見つけました!本当に、ありがとうございます!』
いかがでしょうか?
ようやく、にこちゃんが仲間に加わりました!いや〜、三南先生は怖い顔をしますが、とても優しい方なんですよね。
それでは、次回! またな!