第5話 赤き狩人
端末に着信がくる。
「ドリー、機体の設計が出来ました。」
「おう、分かった集めとくな。」
「おい、アディ機体の設計ができたとよ。」
「分かった、今行こう。
ラウ君設計ができたそうだよ行こう。」
「はい、今行きます。」
ここグラナダにあるジオニック社には
社員が住み込みで働けるよう社員の各個室がある。所帯を持たない僕らは当然住みこんでいる。
「おっ来たな、よぉアディ、 ラウ。
3日ぶりか?」
「あぁ、そうなるね。
クエルはどうしたんだい?」
「あいつは連絡があって以来死ぬように寝てる。データは送られてきた。」
「ふふっ、まぁ彼らしいね。で早速だけど
そのデータを見ようか。」
「アディさん準備出来ました。
映しますね。」
前の大型スクリーンに白黒の線で書かれたMSが映し出される、MS-14SJ
「ゲルググSJ」
Jは ドイツ語(イエーガー)で意味は「狩人」
「赤き狩人 」 彼にはとてもお似合いの
名前だ。
「な、何だこのスラスター推力は…。」
「178,500㎏…元のゲルググは61,500㎏
だったはずです…。」
「クエルのやつ、本当に3倍近くにしたのか…。この機体ならガンダムでも…。」
「ええ、対艦戦なら劣っていますが…MS戦となると、ジオングを上回っていますね。」
「そうだね、特にこの姿勢制御バーニア
24基がね。これだけあればとてつもない
動きが可能になるだろうね。 」
「ドリーどれぐらいで製造出来るものかな?」
「部分部分ではあるが1から造るからな…2週間はかからないと思うぞ。」
「了解っ、ハンガーに依頼よろしくね。」
「分かった。」
型式番号:MS-14SJ
所属:ジオン公国軍
開発:ジオニック社
生産形態:シャア専用機
頭長高:19.2m
本体重量:40.5t
全備重量:80.3t
出力:1,490kw
推力:178,500kg(21,000kg×5、24,500kg×3)
姿勢制御バーニア数:24基
センサー有効半径:6,300m
装甲材質:チタン合金セラミック複合材
《武装》
大型ビームバトルライフル
腕部小型収束ビーム砲×2
頭部バルカン砲×2
ビームサーベル
第6話 性能テスト前編
ソロモン宙域戦況報告
12月24日:地球連邦軍、ソロモン攻略戦を開始。モビルアーマービグ・ザムの攻撃によりティアンム中将(提督)が戦死し、ワッケイン少佐(ルナツー司令)ら以下多数が戦闘により戦死する。翌日制圧完了。ドズル・ザビ中将戦死。
以上
「雲行きが怪しくなってきましたね。」
「これはア・バオア・クーが攻められるのも
時間の問題だよ。」
「ここにも来るんでしょうか。」
「来るだろうね。多分アナハイム社辺りに
吸収されるかな。」
「僕らの技術が連邦に奪われる…」
…………
ジオン公国閣議にて試作サイコミュMS
MSN-02 ジオングの出撃許可を発令
ジオン公国国民に本機をニュータイプ神話の
体現として大々的に発表する…
…………
「アディ、機体が完成したとよ。」
「ほ、本当か!直ぐにハンガーにむかうよ。ラウ君機体が完成したみたいだ!
ハンガーに行くよ!」
「は、はい今行きます!」
車に乗り込みハンガーへ向かう
月面都市であるグラナダだが道路で各ブロックが繋がっている。
「連邦がア・バオア・クーに攻めてきたら
シャア大佐はジオングで出ることになるんでしょうか…」
「だろうね民衆の前であれだけ言うんだ
使わないわけに行かないだろうしね。」
「そうですが…」
重い音をたててハンガーの門が開く、
「社員証を見てせ下さい。」
「どうぞ。」
「…お通り下さい。」
ハンガーの中では作業の効率化の為無重力になっている。その中ではMSが並んでおりそこら中で機械音が鳴っている。
浮きながら進んでいくと一際目立つ赤色のMSがあった。
「おおっ来たか」
作業服のメカニックといる2人組の男が
手を振っている。
「ああ、久しぶりだね」
「アディ、ラウ見てくれよこれが完成した
ゲルググSJだ。」
「ああ、美しいね…」
「この機体は設計上と同等の性能が出せることが確認されています。試験飛行はいつでも行けます。」
「そうか、ビームバトルライフル(BBR)は
どうなんだい?」
「MIP社から届いているので使えます。」
「それじゃあこれで1段落つけたな。」
「ええ、取り敢えずはね。」
「試験飛行、15分後に行けるかな?」
「テストパイロットは居るので行けるかと。」
「よし、それじゃあよろしく頼むよ。」
「君!アミダを呼んできなさい!
10分後には搭乗!13分後にはゲルググSJをカタパルトに移動!」
「了解!!」
ここは壁の先に宇宙が広がっているため
試験飛行は容易にできる。
「アミダ、試験飛行だよ。8分後までに搭乗してね、12番格納庫だよ。」
「了解っ!」
指定された12番格納庫には赤色の改造されたゲルググ?が固定されていた。
「アミダ、操縦システムはゲルググと同じだ、推力が178500㎏だから、ザクIIの4倍強ある。」
「はぁ!!4倍…」
「踏み込み過ぎないように気を付けろよ。
下手したらGで失神するぞ」
「了解…」
………
「13分経過、操縦をアミダに委託。
カタパルトデッキへ。」
「ラジャーカタパルトデッキに移動完了。」
「確認、カタパルトデッキ接続完了、
発信許可。」
「行きます!」
グッと体にGが掛かる。
そして浮遊感
「発進成功、熱核反応炉、メインカメラ、
スラスター異常無し。」
「確認、出来る限りの速度で飛行してみてくれ。」
「了解。」
レバーをぐっと倒す…
その瞬間今まで感じたことの無いGが掛かる
「ぐぅうう、こんな速度おかしいだろ!」
「640km/hを記録、ザクIIの4倍の速度。」
「くっそぉー!対Gスーツが機能してないぞ!」
「パイロットが危険と判断、減速してください。次にBBRのテストです、前方の標的に
射撃してください。」
「了解。」
「ロックオン、発射!」
ドゥーンという重く響く音と共に
黄色く太い光の線が輝き、
標的のデブリが溶かされ吹き飛ぶ。
「これは…とんでもない威力だな。」
「威力のデータ記録完了。
ビームサーベル、頭部バルカン
腕部小型収束ビームガンの性能テストを
行ってください。」
「ビームサーベル稼働確認、
頭部バルカン稼働確認、
続いて収束ビームガン…稼働確認。」
「記録完了、オールクリアです。
帰還してください。」
……caution……
「敵機かっ!」
…………
「ゲルググSJより敵機信号をキャッチ!」
「なんだとっ!数は!」
「3機、偵察機だと思われます!」
「母艦はあるのか?」
「いえ、母艦は見当たりません。
ミノフスキー粒子も確認されません。
相手は気付かれてると思っていないようです。」
「…ゲルググのセンサー範囲を知らないのだな、ドムを出撃させろ!
ゲルググSJの情報を持ち帰らせるな!
ミノフスキー粒子散布!」
「ゲルググSJも戦闘に加えさせなさい。
いい実戦テストになる。」
「了解しました。」
…………
「アミダ!ドム2機と敵機の迎撃に参加。
できるだけ接近戦は避けよとの指令で
す。」
「了解。」
第7話 性能テスト 後編
ジム偵察型か…機体性能はさほど高くは無いはずだが…
……
「アミダ、来たぞ敵機は!」
「デブリの裏に3機、偵察仕様のジムです」
「逃げられると厄介だ。早急に消そう。
ドムで突っ込む、BBRで支援しろ
接近してきた敵機には各自
対処!。」
「了解。」
ドムが先行するのを見届けてから
軽くレバーを押し込む、それでも通常の
ザクよりも速い。
「本当この機体は化け物だな…」
…「敵機確認、仕掛ける!」
ピンク色の光と連続した銃声が響く
「来たか、」
一機こっちに向かってくる
「おっ!」
ビームスプレーガンを躱す
「この機体反応速度えぐいな。」
バルカンを掃射するが弾かれる
「強化装甲…よりにもよって隊長機かっ」
「ぐっ!」
光と光がぶつかり
「性能が違いすぎるんだよ!」
推力の差が大きすぎる為
相手のジムは吹き飛ばされる
「もらったぁ!」
もろにBBRを食らったジムは原型を留めていなかった。
「はぁ はぁ ほんとに凄いなこれ…
これならガンダムも…」
………
「アミダこっちは片付いたぞ。」
「こっちも終わりました。」
「センサー範囲内に敵機なし帰還する。」
…………
「戻ってくるぞ。ハッチオープン。」
「了解、ハッチオープン。」
「これで実践データがとれたね。」
「ああ、改善点が見つかるかもな。」
「それにしてもあの威力は凄まじい。 」
「あんなものが連邦の手にもし渡ったら
大変な事になるぞ。 」
「…次の戦いはア・バオア・クーだろうね、 大佐はジオングで出る。
危険だ…。」
「連邦がジオニック社があるここを見過ごとは思えん。」
「まぁとりあえず今は戦況を見守るしかないさ。」
「まぁな…」
「ラウ君!行くよ!」
「はい!」
「データの受け取りは終わったかい?」
「ええ、一通りは。」
「よし、帰ろうか。」
ジオン公国はこの時、
敗戦への道を辿っていた……