セレスティア・オルドローズ。
アインズ・ウール・ゴウン一のドジっ子であり、ユグドラシルのプレイヤーからは存在自体が疑われていた人である。
「セレスティア様、お加減の方はいかがでしょうか?」
「うん……ちょうど良い。あ、もう少し上の方」
「こちらでしょうか?」
「んむぅ……最高……」
「ありがとうございます!」
そんな彼女がナザリックにあるスパ・ナザリックで最高の待遇を受けていた。
蕩けきった表情でマッサージを受けるセレスティアと、その体を包み汚れを吸収するスライム、そしてスパで働く異形の者。
「はぁ~~~~~……」
「至高の御方にお喜び頂けて何よりで御座います」
「ずっとここにいたい……でもモモンガさんに怒られるぅ……ん?」
「《セレスティアさん?!今どこにいるんですか!!》」
「《スパ・ナザリック!超気持ち良いよ!!モモンガさんも来なよ!!》」
スタッフは至高の御方々の会話を聞いてはいけないだろうと気を利かせて退出する。
セレスティアは体を起こして
「《いや揉んで貰う体が無いし……じゃなくて!!つーかアンタこんな非常事態に何くつろいでんだ!!!》」
「《こんな時だからこそ、よ。余裕がないと何事も冷静に考えられないわ(キリッ)》」
「《はぁ……とりあえず俺はこれから
「《私はどうしたらいい?っていうか、そうだ!モモンガさん!!暇つぶしに外行こう外。
「《それセレスティアさんが行きたいだけなんじゃ……》」
「《固いこと言わずに!ね!》」
セレスティアはモモンガを説得しつつ、すでにスパを出る準備をしていた。
指輪に登録してあった外出用の防具に切り替え、側付きのメイドに勘付かれる前に、とLv.100の素早さを活かして迅速かつ確実に、そして無駄に気配を消してスパを出たのであった。
そして普段ならば発揮するドジもこの時だけはユグドラシルでプレイして外に出ていた時同様に何故かミスをすることなく無事に脱出できたのである。
「《よし、脱出成功!》」
「《何やってんだ》」
スキルの無駄使いだな、と小さく呟いたモモンガの言葉を無視してセレスティアは歩を進める。
指輪で転移しないのは偏に何となく緊張感を味わいたいからというなんともしょうもない理由であった。
《伝言》を繋いだままの状態でこっそり会話をしながらセレスティアは順調にモモンガのいる私室へと向かっていたのだが……。
「セレスティア様ではありませんか!このような場所で供も連れずに一体何を……?」
モモンガの執務室から出てきたデミウルゴスに呆気なく見つかってしまったのである。
自身のほうへ向かって来る悪魔にセレスティアは慌てつつも支配者としてのロールを崩さないよう気をつけながら聞き返した。
「デミウルゴス!ごほん……、むしろ何故お主が此処に?」
「アルベドと一緒にモモンガ様へ奏上させていただくナザリックの防衛に関しての相談をしておりました。セレスティア様は……そういうことでしたか!」
え、どういうこと?
思わず飛び出しそうになってしまった言葉を飲み込み、セレスティアは鷹揚に頷く。
とんでもない誤解が生まれていそうな予感、というか確信できるがどうしようもないため諦めて口を開いた。
「モモンガの部屋に行く途中じゃ。供は不要」
「ですが……」
「
「……承知致しました」
「デミウルゴス、現在第一階層は誰が守護しておる?」
「はっ。第一階層から第三階層までは各階層守護者の配下が順番に見回りをしておりますが、現在は私の配下である三魔将が詰めております」
「そうか、相分かった。お主も持ち場に戻るが良い」
デミウルゴスの返答に内心面倒だな、と思いながらセレスティアは跪いたままのデミウルゴスを通り越してモモンガのいる私室へと向かった