東方信奪郷   作:子アオ

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第5話『彼女の目的─その2─』

 

依姫「え………なん……で……?」

 

豊姫「やけに驚くわね。あなたのそんな顔を見るのはいつぶりかしら。」

 

アルテミス「豊姫、アンタどういうつもりよ!!」

 

豊姫「それは何に対してかしら?この状況?それとも動機?」

 

アルテミス「全部に決まってるじゃない!!」

 

豊姫「……そうねぇ。」

 

豊姫はもったいぶるかのような笑みを浮かべる。

依姫はそれを不安げな表情で見つめる。

 

豊姫「簡潔に言うと、貴方よ。アルテミス。」

 

アルテミス「……私?」

 

豊姫「オリンとウルの連合軍対エジット軍の世界単位での戦争。貴方はその中でイシスと交戦中に突然こちらに飛ばされた。そうでしょう?」

 

アルテミス「……!!」

 

依姫「……なぜお姉様がそれを?彼女が来た原因については私は何も話さなかったはずです。」

 

豊姫「そうね。まぁ、なんで知ってるかは今は置いとくとして……ターゲット。」

 

依姫「!!」

 

豊姫「さっきも言った通り私の目的はアルテミス。つまり彼女と一緒にいる貴方とも戦うことになる。」

 

依姫「……どうしても、ですか。」

 

豊姫「えぇ。そうね。」

 

アルテミス「……依姫「わかりました。」!?」

 

アルテミスが声をかけるが、依姫は豊姫を見据えて勝負を受諾。

 

依姫「いくらなんでも此度の事は目に余ります。少しきつく灸を据える必要があるでしょう。」

 

豊姫「……決まりね。」

 

依姫「私が勝てば全部吐いてもらいます。アルテミス!!」

 

アルテミス「りょーかい!!」

 

依姫がデッキを取り出すと、アルテミスがその中に入る。

 

豊姫もデッキを構え、バトルの体制に入った。

 

 

豊姫「普段の私と同じと思わない事ね。」

 

依姫「それはこちらも同じこと!!」

 

 

依姫・豊姫「「ゲートオープン!!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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依姫「先攻後攻、お好きなように。」

 

豊姫「……なら先攻で。私のターン。」

 

豊姫「『百識の谷』を配置。ターンエンド。」

 

 

豊姫

R:0 T:【4】H:4 D:35

 

百識の谷:0 Lv1

 

 

依姫「……私のターン。『スプレッド・トータス』を召喚し、召喚時にコアブースト。」

 

依姫「そして増えたコアで彼女を呼びます!!『創界神(グランウォーカー)アルテミス』、お願いします!!」

 

依姫がアルテミスを呼ぶと、バトルフィールドにアルテミスが元の姿で降りてきた。

 

アルテミス「どう?実際に見ると結構可愛いでしょ?」

 

依姫「自分で言いますかそれ……否定はしませんが。」

 

依姫「……コホン。アルテミスが登場した時の効果。デッキを上から3枚トラッシュに置きます。」

 

 

ゴッドシーカー・ネガズボック

機械戦隊マンモガイザー

ダーク・ガドファント

→トラッシュ

 

 

依姫「この中にコスト3以上の機獣スピリットは2体。よってアルテミスにコアを2つ追加。」

 

依姫「ターンエンドです。」

 

 

依姫

R:0 T:5 H:3 D:32

 

スプレッド・トータス:【1】Lv1

アルテミス:2 Lv1

 

 

豊姫「私のターン。ドローステップ。百識の谷の効果でドロー枚数を1増やし、その後手札を1枚破棄。『赤の探索者エドウィック』を破棄するわ。」

 

 

赤の探索者エドウィック

→トラッシュ

 

 

豊姫「メインステップ。『魔界竜鬼ダークヴルム』を召喚。」

 

豊姫「召喚時効果発揮。ライフを1つトラッシュに送り、2枚ドロー。」

 

 

豊姫:ライフ5→4

 

 

豊姫「バーストをセットしてターンエンド。」

 

 

豊姫

R:0 T:4 H:6 D:31

 

ダークヴルム:【2】Lv1

百識の谷:0 Lv1

 

 

依姫「私のターン。」

 

依姫(自分でライフを削ってのドロー……向こうがこちらの射程に入るまでは守るのが得策か……。)

 

依姫「『リーディング・オリックス』をLv2で召喚。コスト3以上の機獣スピリットの召喚によりアルテミスにコアを追加。」

 

依姫「続けて『ポラーナイト・ガルム』を召喚し、アルテミスにコアを追加。アタックステップに入ります。」

 

依姫「このターンはアタックせずにステップを終了。アタックステップ終了時にオリックスの効果発揮。自分のフィールドが白一色ならばドローステップを実行。」

 

依姫「ターンエンド。」

 

 

依姫

R:0 T:3 H:3 D:30

 

スプレッド・トータス:2 Lv2

ポラーナイト・ガルム:【2】Lv2

ネガズボック:1 Lv1

アルテミス:4 Lv1

 

 

豊姫「やけに慎重ね。」

 

依姫「……。」

 

豊姫「あら?無視かしら?お姉様悲しいわ。」

 

依姫「私も悲しいですよ。お姉様ともあろうものがこんな事を。」

 

豊姫「……そう言われちゃ、何も言えないわね。私のターン。百識の谷の効果でドローステップに2枚ドローし、手札の『スターリードロー』を破棄。」

 

豊姫「メインステップ。『魔界竜鬼ダークヴルム』をもう一度召喚し、召喚時効果でライフを削って2枚ドロー。」

 

 

豊姫:ライフ4→3

 

 

豊姫「さらに『双翼乱舞』を使用して2枚ドロー。バーストをセットしてターンエンド。」

 

 

豊姫

R:0 T:6 H:7 D:26

 

ダークヴルム:1 Lv1

ダークヴルム:【1】Lv1

百識の谷:0 Lv1

 

 

依姫「私のターン……よし。」

 

アルテミス「……依姫。」

 

依姫「えぇ。一気に行きましょう。」

 

依姫「まずは『機獣魔神』を召喚。そして──」

 

アルテミス「準備完了!!それじゃあ行きましょう!!」

 

アルテミスが爪先で空を叩くと、そこに魔法陣が出現する。

するとその魔法陣から光が放たれ、アルテミスを覆っていく。

 

アルテミス「これが私の化神!!『月天神獣ファナテック・エルク』よ!!」

 

 

光を払って現れたのは、大きな白銀の鹿だった。

 

 

ファナテック・エルク Lv1 BP9000

 

 

豊姫「……化神、ね。直に見るのは初めてだわ。」

 

 

依姫「ファナティックエルクの召喚によりアルテミスにコアを追加。これでアルテミスはLv2に。」

 

依姫「さらにファナテックエルクの召喚時効果!!ダークヴルム2体をデッキの下に!!」

 

ファナテックエルクが、二筋の光線を放つ。

その光線はダークヴルム達を見事に射抜いて、フィールドから消し去った。

 

依姫「機獣魔神の右にファナテックエルクを、左にはポラーナイトガルムを合体(ブレイヴ)

……では参ります。お姉様、お覚悟を!!」

 

豊姫「……。」

 

依姫「アタックステップ開始。ここでアルテミスの効果が発揮します!ファナテックエルクに白のシンボルを一つ追加し、このターン中はブロックされなくなる!!」

 

アルテミス「いっくわよォーーー!!!」

 

ファナテックエルクが飛ぶ。狙うは豊姫のライフ。

 

依姫「ブロッカーもコアもない!!終わりです!!」

 

豊姫「………馬鹿ね。」

 

依姫「!?」

 

豊姫「バーストがあるじゃない。」

 

豊姫が指を鳴らすと、伏せていたバーストが開いた。

 

豊姫「相手のスピリットのアタック後に『煌星銃ヴルムシューター』を発動。1ドローして召喚。」

 

豊姫は人間サイズで出現したヴルムシューターを持ち、デッキからカードを引く。

 

依姫「たとえブレイヴを召喚したとしても、ブロックされない以上防ぐことは「ヴルムシューターの効果発動。【装填(リロード)】」!?」

 

豊姫「私が【煌臨】を使う時、条件が合っていればヴルムシューターを煌臨元として選択できる。来なさい。」

 

豊姫は後ろにヴルムシューターを投げ捨てる。すると、

ヴルムシューターが落ちるはずの地面からマグマが吹き出した。

 

アルテミス「何あれ!?」

 

 

 

豊姫「──世界を救う希望の光。敵を滅ぼす絶望の炎。『超神星龍ジークヴルム・ノヴァ』、煌臨。」

 

 

マグマの中から現れたのは赤と白の龍。

地面に降りた龍が1度吼えると、大地のあちこちに亀裂が走った。

 

 

ジークヴルム・ノヴァ Lv1 BP12000

 

 

依姫「ジークヴルムノヴァ!?」

 

豊姫「この子の煌臨時効果を発揮するわ。トラッシュのコアを全てノヴァに戻した後、『ヴルム』に煌臨しているため、自分のライフを全回復。」

 

依姫「なっ……!?」

 

アルテミス「いきなり出てきてライフ回復!?」

 

突然すぎる出来事に、依姫も化神になったアルテミスも硬直する。それを他所に、豊姫は笑顔を作った。

 

豊姫「さて、依姫。フラッシュ、あるかしら?」

 

依姫「え?……い、いえ、ありませんが……。」

 

豊姫「そう……なら私の番ね。『煌星第一使徒アスガルディア』の【アクセル】。相手のBP12000以下を全て破壊し、その効果を発揮させないわ。」

 

数多くの流星が降り注ぎ、待機していた依姫のスピリット達に襲いかかる。

爆煙が収まる頃には、その場所は更地となっていた。

 

アルテミス「うげげっ!?」

 

依姫「ファナテックエルクは機獣魔神を含めてのBPが13000……ギリギリ助かりましたか……。」

 

豊姫「あら、そうなの。ならそっちは何も無さそうだし、続けて『クェーサーレイン』も使うわ。『ヴルム』がいる時、BP20000以下のスピリットを一体破壊。」

 

豊姫がマジックの使用を宣言すると、ノヴァが翼を広げ、その翼から光線を乱射する。

 

アルテミス「ちょっ……!?」

 

光線のうち何本かがファナテックエルクに直撃し、爆発。

しばらくすると、アルテミスが爆煙の中から飛び出してきた。

 

依姫「大丈夫ですか!?」

 

アルテミス「ケホッケホッ……なんとか。」

 

豊姫「さ、どうする?異魔神ブレイヴ以外は誰も居ないみたいだけど。」

 

依姫「……ターンエンドです。」

 

 

依姫

R:【4】T:5 H:2 D:29

 

機獣魔神:0 Lv1

アルテミス:5 Lv2

 

 

豊姫「私のターン。ドローステップに百識の谷の効果で捨てるのは『エクスティンクションウォール』よ。」

 

豊姫「メインステップ。手元の『煌星第一使徒アスガルディア』を召喚。バーストをセットしてアタックステップ。」

 

豊姫「ジークヴルムノヴァでアタック。」

 

ジークヴルムノヴァが吠える。すると、周囲に雷が落ち始めた。

 

豊姫「アタック時効果発揮。ゲーム中に1度だけ、お互いの手札を全て捨てられる。」

 

豊姫が手札を全て手放すと、雷が依姫の手めがけて落ちる。

雷が依姫の手に直撃し、手札のカードは全てトラッシュに落ちた。

 

依姫「ッ……アルテミス!!」

 

アルテミス「りょーかいっ!!」

 

アルテミスが依姫の前に躍り出て、弓を持った手にコアを3つ握る。

 

依姫「アルテミスの【神技(グランスキル)】!!フラッシュでアルテミスのコアを3つ消費することで、そのバトルでのアタックによるライフダメージを0にする!!」

 

ジークヴルムノヴァは2人の目の前に降りると、手を振りあげ、叩きつける。

アルテミスはノヴァの攻撃に合わせて弓で空を切る。

すると、一瞬だけだが光の壁が形成され、ノヴァの攻撃を相殺した。

 

豊姫「厄介ね……アスガルディア、行きなさい。」

 

依姫「ライフで受けます!!」

 

アスガルディアは持っていた剣で依姫を攻撃し、ライフを奪う。

 

依姫:ライフ5→3

 

依姫「くっ……!!」

 

豊姫「ターンエンド。」

 

 

豊姫

R:0 T:5 H:0 D:24

 

ジークヴルムノヴァ:【4】Lv2

アスガルディア:1 Lv1

百識の谷:0 Lv1

 

 

依姫「私のターン。ドロー!!」

 

依姫(!……これならまだ……!)

 

依姫「……ターンエンドです。」

 

 

依姫

R:【12】T:0 H:1 D:12

 

アルテミス:2 Lv1

 

 

豊姫「私のターン。百識の谷の効果で2枚ドロー。その後に手札の『百識の谷』を破棄。」

 

豊姫「メインステップ、『赤の探索者エドウィック』を召喚。召喚時効果は使わないわ。」

 

豊姫「アタックステップ、エドウィックでアタック。」

 

依姫「……ライフで受けます。」

 

 

依姫:ライフ3→2

 

豊姫「続けてアスガルディアでアタック。」

 

依姫「フラッシュタイミング、『機械戦隊シールドコング』の【アクセル】!!このバトルを即座に終了させます!!」

 

アスガルディアの前に氷の壁が形成され、行く手を阻む。

アスガルディアが後退すると、氷の壁は崩れ去った。

 

依姫(でも……。)

 

豊姫「……ジークヴルムノヴァ、アタックよ。」

 

依姫「(ダメか……。)ライフで、受けます……。」

 

 

ノヴァの一撃が、依姫の最後のライフ2つを刈り取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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豊姫「随分とあっけなかったわね。」

 

依姫「ぐっ……!」

 

痛みで立てない依姫を見下ろす豊姫。

依姫は彼女を見上げるのが精一杯だった。

 

依姫(体が……ほとんど動かない……。)

 

アルテミス「ちょっと大丈夫!?依姫!?聞こえる!?」

 

聞こえはするが答える余裕はない。

依姫を見下ろした豊姫が口を開く。

 

豊姫「アルテミスはこんな所……か。彼に聞いてたほどじゃなかったわね。」

 

依姫(……彼……?)

 

豊姫「じゃあ、私はもう行くわ。そのダメージ、中々とれないから2週間近くは安静なさい。」

 

豊姫はそう言って扇子を振ると、瞬く間に消えてしまった。

 

「依姫様!!大丈夫ですか!?」

 

豊姫が消えてすぐ、後ろの方から声が聞こえてきた。

言うまでもなく兎達である。

 

依姫(皆……か……。)

 

なんとか振り返って後ろの方を見ると、兎達が駆け寄ってくるのが見える。

その後ろの建物も、もう火元は残っていないようだった。

 

依姫(火は消えたのね……よかった……。)

 

「依姫様どうされたんですか!?アルテミス様、一体何が!?」

 

アルテミス「後で説明するから、とりあえずは彼女を運んでちょうだい!!」

 

「わかりました!!」

 

依姫(やば……もう……限……か………。)

 

兎達に運ばれる中、依姫は意識を手放した。

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