剣と杖と先生   作:雨期

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毎日更新の為に時々中途半端かつ短くなります。要するに今回はそうです。申し訳ありません。


第11話『飯は活力』

 う、うーん、ここは……そうだ! 僕達は魔法の本を探して図書館島の奥へ皆さんとやってきて、メルキセデクの書を見つけたと思ったらゴーレムの出した問題を間違えて地下へ落とされてしまったんだ。

 皆さんも周りで倒れている。見たところ怪我はないみたい。皆さんを起こして異常はないか確認したけれど、何事もないようで良かった。

 

「ちょっとネギ、何とかならないの?」

 

「うぅ、すみません明日菜さん。魔法封印中ですから力になれません」

 

「あー、そうだったわ……」

 

 こんな目に会うって事前に分かっていたら魔法の自己封印なんて施さなかったのに……

 

 皆さんが地下を調べて分かったのは、勉強する為の道具が一式揃っている事、最低限生活する為の道具が揃っている事。テストは4日後。ここで勉強しながら脱出手段を見つけ出すしかない。そしてもう1つ、まさかの出会いもあった。

 

「あれ? 人がおるよ」

 

「本当でござるな。こんな場所にいるとはさては不審者でござるか」

 

「腕が鳴るネ。どんな人でも相手になるアルヨ」

 

「ちょっと待って下さい……士郎さん!? 士郎さんじゃないですか!!」

 

「ん? おぉネギ君と、そっちは生徒の子達か。なんでこんな場所に? 初めましての子が多いな。衛宮士郎だ。用務員をやっている」

 

 つい先日用務員として麻帆良にやってきた衛宮士郎さんがそこにいたのだ。見知った大人の姿に安堵を覚えた。そして士郎さんがどうやってやって来たかによっては脱出出来るかもしれない。そう思っていたのだけれど、士郎さんも士郎さんで落下してきたみたい。ぜひ皆さんと自己紹介を交わした士郎さんはここまで来た経緯を教えてくれた。

 

「図書館島の罠の点検を頼まれたんだ。かなり数も多いし、建物自体が老朽化している部分もあるから気を付けてほしいとは言われていたんだが、まさか落っこちるなんて……みんなもそうなのか?」

 

「あ、はは……そうです」

 

「遅い時間に図書館島にやってきたのは感心しないけれど、勉強の為だろ? 幸い勉強道具は揃っているし、脱出手段は俺が探すからそれまで勉強しているといい」

 

「用務員殿、拙者達も探すのを手伝うでござるよ」

 

「士郎でいい。探すのは俺だけでも十分だ。それとも君は勉強せずにテストでいい点が取れるのか? 今回のテストで最下位だとネギ君がクビになるという噂を聞いたが、それを逃れる為にここに来たんだろ?」

 

「うっ、おっしゃる通りでござる……」

 

「なら頑張るんだ。料理も俺が作るから」

 

「えー! 士郎さん男の人なのに料理出来るの?」

 

「まき絵だったな。それは偏見だぞ。男だって家事はする」

 

「そうアルヨ。寧ろ一流の料理人は男の方が多いネ」

 

「うち士郎さんのご飯楽しみやわぁ」

 

 この前のお茶とお菓子が思い出される。とっても美味しかったなぁ。あれだけ美味しいものが作れる人の料理が今日から食べられるなんて、地下に落ちてきて初めて良かったと思えた。

 

「そういえば士郎さん、質問があるのです」

 

「なんだ夕映」

 

「上ではのどかとパル、2人の生徒が待っていた筈ですが、ご存じありませんです?」

 

「あー、ごめん。こんな時間に出歩いてるから注意しようと思ったら逃げられた」

 

「いえ、士郎さんは悪くないですよ」

 

 よーし、士郎さんに任せる事になっちゃうけれど、今は皆さんに勉強を教えて成績を上げてもらおう!

 

 

ーーーーーー

 

 

 一方学園では朝からエヴァンジェリンが学園長室の扉を破っていた。

 

「クソジジイ!!! 人のものを勝手に軟禁しおって!!! 殺されたいか!!!」

 

「お、落ち着くんじゃ! あれは衛宮君の個人の意思で」

 

「そんな事は分かっている! 止めろ!!」

 

「理不尽!?」

 

 エヴァンジェリンの後ろに控えている茶々丸もただ立っているように見えていつでも攻撃可能である。つまりは学園長大ピンチ。

 

「ど、どうしてそこまで怒っておるのじゃ? 衛宮君が不在になるのは数日。従者の1人がおらんだけで動揺するなどお主らしくもない」

 

「馬鹿か!? 馬鹿なんだな!! 士郎は、士郎の作る飯は旨いんだぞ!!」

 

「ふぉっ?」

 

 士郎は前の世界では100人あまりのシェフとメル友だった経歴もある。その料理の腕前は数日でエヴァンジェリンを虜にするほどだった。

 

「それをあのガキ達にくれてやるなど……!」

 

「えー、料理ならば茶々丸君が」

 

「私では士郎さんには遠く及びません。常に教わるばかりです。私も士郎さんが不在なのは辛いです」

 

「…………つまり士郎君のご飯を独り占めしたいだけという事じゃな……」

 

 

ーーーーーー

 

 

「みんなー、今晩はカレーだぞ」

 

『やったー!!』




士郎君は料理で平和を目指すべきだったとはよく言われる事。
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