剣と杖と先生   作:雨期

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図書館島編、特に何もありません!!


第12話『脱出! 図書館島!』

「ズズッ……うん、いい味だ」

 

 今日の朝食は白米、味噌汁、浅漬けに秋刀魚の塩焼きと和食でいく。実は昔は得意だった和食も戦場では作る機会もなかったので、腕がかなり落ちている。なので今はリハビリ中といった感じだ。

 既に地下に落ちて3日が過ぎている。脱出の為の避難通路は滝の裏にあるのは確認済み。抜け出すのはもう可能だ。期末テストまで時間がない。抜け出すなら今日か。

 

「士郎さん、おはよー」

 

「おはよう、まき絵。先に顔を洗ってこい」

 

「はーい」

 

 1人起きた事だし、みんなも続々と起きてくるだろう。全員が席についてから配膳を行う。食事は弁当でもない限り出来立てが旨いもんだ。

 

 この3日、同じ釜の飯を食べているからか全員に飯限定の連帯感が生まれている。誰かが醤油を求めて手を伸ばすと誰かが手渡し、誰かが味付けのりを探すと誰かが余っているものを渡し、誰かの茶碗が空になると誰かがおひつごと渡す。ちなみに今日は土鍋炊きだ。ご飯が旨い。

 

「んー……」

 

「ネギ、あんた秋刀魚食べるの下手ねぇ」

 

「俺がほぐしてあげようか?」

 

「自分でやってみます」

 

 ボロボロになるけれど、何事も経験だ。自力で頑張るなら応援しよう。

 食後、お茶を飲んでいる時に脱出について口にする。もういつでも抜け出せるのを聞くとみんな喜んでいた。流石にずっとこんな場所にいるのは疲れるもんな。

 

「でもちょっと残念やなぁ。もう3食士郎さんのご飯って訳にはいかんのやなぁ」

 

「そのデメリットは大きいです……」

 

「士郎殿、拙者休みの日には山籠りをしているのでござるが、一緒にどうでござろう?」

 

「はは、考えておくよ」

 

 これだけ惜しんで貰えると料理人冥利に……いや俺は料理人じゃないだろ。嬉しいけれどさ。エヴァもあんまり口にはしないけれど、喜んでいた。そういえばエヴァは大丈夫かな?

 軽く雑談をしていると何かが大きな音を立てて落ちてきた。あっ、学園長の石像だ。追い出しに来たのか?

 

「キャー!? あの石像だー!!」

 

「落ち着くネまき絵。士郎さんの言っていた脱出経路に向かうアルヨ」

 

「ちょっと! あれ、肩に魔法の本乗ってない?」

 

「本当です! よーし、僕が」

 

「いや、俺が何とかしよう。足止めはやるからみんなは逃げるんだ」

 

「士郎殿、拙者とクーも」

 

「テスト前に怪我なんてしたら大変だろ。楓も古菲も強いのは分かるけれど、逃げるんだ」

 

『ふぉふぉふぉー、逃がさんぞー』

 

 ノリノリだな学園長。剣を振りかぶってくる石像の足下に走って近寄り、肉体を強化して軸足を蹴飛ばす。倒すのには到らないが、バランスを崩してふらついている。

 

「み、皆さん! ここは士郎さんに任せましょう!」

 

「士郎さん! 怪我なんかしたら駄目だからね!!」

 

「明日菜も急いで転ぶなよ!」

 

 全員が滝の裏に向かい、やがてその気配はなくなる。出ていったか。

 

「学園長、俺も行きますね」

 

『うむ。本は持ち出せんからそれはあの子達に伝えておいてくれんかの?』

 

「分かりました」

 

『それとエヴァがカンカンじゃ。フォローしてやってくれ』

 

「問題ありません」

 

 冷蔵庫には最中、羊羮、プリンにシュークリーム等々、多くのデザートを入れてある。それを持って出口へと向かう。

 

「そうそう、あの噂って本当ですか?」

 

『噂は大抵が噂じゃ。そういう事じゃよ』

 

 

ーーーーーー

 

 

 地下からエレベーターで地上へ上がる。久しぶりの日光に目を細める。

 

「士郎さん! 無事やったんね!」

 

「ああ。でも本は持ち出せなかったよ。どうやら持ち出し禁止みたいだ」

 

「えー、残念です。折角貴重な魔導書が読めると思ったのに……」

 

「あっ、そうだ。みんなにお土産。これで今日の勉強頑張れよ」

 

 全員分用意しておいた最中を手渡す。さて、俺も帰るか……帰る前にやる事があるみたいだ。

 

「おい、遅いぞ」

 

 みんながいなくなってから顔を出すエヴァと茶々丸。とっても不満そうです。エヴァはともかく茶々丸もこういう顔をするんだ。

 

「ただいま」

 

「もがっ!?」

 

 何か言いたげなエヴァの口に最中をぶちこみ黙らせる。咀嚼している時には幸せそうな顔をしていたのに、顔が弛んでいたのに気が付くとすぐ真剣そうな顔をする。食べ物でそんな百面相をしているのをみると、セイバーを……何でもない。

 

ーーギュッ

 

「!? 茶々丸!? なんで腕にしがみついて」

 

「士郎さんを逃がさない為です」

 

「は、はははははっ!! いいぞ茶々丸!! 士郎の顔を見ろ! 真っ赤だ!!」

 

「はい、大変愛らしいです」

 

「愛らしいって、男に言う言葉じゃないだろ」

 

ーーギュッ

 

「エヴァ!?」

 

「罰だ。今日はこのまま帰って貴様に恥ずかしい思いをさせてやる」

 

「……お前も顔、赤いぞ」

 

「五月蝿いな!」

 

 両手に花、なんだけれど恥ずかしい……これからはなるべく2人から離れないようにしよう。あっ、チャチャゼロもいるから3人か。

 そうそう、テストは無事に学年一位だったみたいだ。やれば出来るじゃないか。




今更だけれども、このネギま×Fateが一番流行ったのは約10年以上は前なんですよね。その頃に二次創作ssを見ていなかった人にとってはこの組み合わせは新鮮なのかな?
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