剣と杖と先生   作:雨期

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わたし、とても、ねむい


第17話『言葉攻め』

 今日は珍しく茶々丸だけが用務員室へと来ている。エヴァは学園長に呼ばれているのだとか。大方今回の吸血鬼騒動についてだろう。どうせ学園長も何が起こっているか把握している筈だが、形式上聞き取りはしないといけないのかもしれない。

 そして今この学園内にオコジョ妖精? とかいうものが来ているらしく、それがネギ君の助言者として傍にいるらしい。普段のネギ君では考えられない行動を取る可能性もあるので、茶々丸を1人にしない為に俺の傍に置いておくようだ。

 

「今日はこんなもんにするか。茶々丸、かなり待たせてすまないな」

 

「いいえ。1時間も経っていませんのでお気になさらず」

 

「これからどうする? 帰るか?」

 

「寄りたい場所があるのですが、よろしいでしょうか?」

 

「ああ、勿論だ」

 

 食材でも買うのかと思ったが、そうではないらしい。こっちにスーパーはなかったからな。しかし街を歩くと意外と茶々丸が人気なのだと思い知らされる。大抵の人が茶々丸の名前を知っているし、子供達からはまるでヒーローのような扱いを受けている。それもこれも茶々丸の行動によるものだ。

 

「おばあさん、荷物をお持ちします」

 

「風船が木に? 分かりました。取りましょう」

 

「川で猫が流されているんですか!? すぐに助けなければ!」

 

 茶々丸はいい子だ。とても悪い魔法使いの従者とは思えないほど人の為に行動している。川にもすぐに飛び込みそうな勢いだった。でもまあ濡れさせる訳にもいかないので俺が猫を助けておいた。俺が濡れるのはいいんだ。

 

「士郎さん、お洋服が」

 

「予備はあるからいいんだよ。何なら投影するさ」

 

「便利な魔法ですね。目的地へはもうじき着きます」

 

 そういえば人助けばかりしていて忘れていたけれど、行きたい場所があったんだったな。ここは、教会の裏手か。教会にはあまりいい思い出がないな。あいつとか顔も思い出したくもない。

 

「少し遅れてしまいました。皆さん、ご飯ですよ」

 

 皿に山盛りで乗せられたのはペットフード。それが地面に置かれると茂みから続々と猫が顔を出す。こいつらに餌をやっていたのか。

 

「ニャー」

 

「っと」

 

 助けた猫が腕から抜け出してペットフードへ近寄る。初めはおどおどしていたのだが、先住の猫が場所を空けると助けた猫は遠慮なく餌を貪り始めた。どうやら無事受け入れられたらしい。

 

「いつもこんな事をしているのか?」

 

「はい。気が付けば猫も数が……そこにいるのは誰ですか?」

 

「ネギ君と明日菜だろ。隠れてないで出てこいよ」

 

 追跡されていたのは気が付いていた。学校を出てからずっと、どのタイミングで出てくるか分からなかったが、まあ人気のない場所が無難だよな。ネギ君の肩に乗っているのがオコジョ妖精か。魔力を感じる以外はまんまオコジョだな。

 

「油断しました。ですがお相手します」

 

「うぅ、どうしようカモ君。士郎さんまでいるよ……」

 

「一般人相手に魔法はまずいわよ……」

 

「ここはエヴァンジェリンの従者を仕留めるのが優先っすよ。何なら記憶を飛ばしちまえばいいんですし」

 

 全部聞こえているぞ。なかなか物騒だなオコジョ妖精。でも遠慮がちなネギ君にはあれくらいのサポートがいてもいい気はする。

 

「ネギ君、目的はなんだい? 茶々丸に用なら気にせず話すといい。俺は猫に餌をやっている」

 

「あの、士郎さんには無関係ですし、離れていてもらう事は……」

 

「その必要性を感じないんだが、何故か理由を教えてくれるか?」

 

「そ、それは……」

 

 チラリと茶々丸を見る。時間稼ぎはこっちでやるのでさっさと離脱してもらおう。

 

「ネギ君、明日菜。茶々丸のさっきの行動を見ると喧嘩でもしているのか?」

 

「そういうのじゃないのよ。いや間違ってはいないんだけれど、違うって言うか」

 

「違うならさっき街中で話しかけてもいいだろうに。何かやましい事でもあるんじゃないか。若いから色々とあるんだろうけれど、悪さはしちゃいけないぞ。ここで言う悪さっていうのは人に迷惑をかけるような行動なんだが……でも2人が茶々丸が人助けをしている時に出てこなかったのは別に茶々丸の邪魔をするつもりでもないのか」

 

「その、茶々丸さんには用事が……い、いない!? 追いかけないと!! ごめんなさい士郎さん! さようなら!」

 

「士郎さんまたね!!」

 

 ネギ君と明日菜は急いでその場を立ち去った。だが結局2人を茶々丸を見つけられなかったようだ。しかし闇討ちか。ネギ君らしくもないが有効な手段だ。ネギ君の成長を考えるとああいうのが傍にいてもいいかもな。




どういう展開にするか迷いましたので、テキトーに書く指に任せて思考を放棄した結果、うちの士郎君ったら戦闘から逃げやがりました。
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