…………ううっ、体が重たい……寒い……ここは……? あれ、明日菜に、せっちゃん? 他にも魔法を知っとる子が何人も……捕まっとる? ああ、ウチも捕まったんやな。頭がはっきりしてきたわ。これは結界やろか。服は脱がされとる。何かされた痕跡はないから、単純に武器を取られたってところやろ。
「お目覚めかなお嬢さん」
「最悪の目覚めやわぁ。あんたの目的は何や? ウチの魔力?」
「ハハハ、そのようなものは必要ないよ。ただ君達の身柄が欲しかっただけだ。怪我をさせるつもりも毛頭ない。無論、それは君達が抵抗しなければの話だがね」
あくまで人質って事みたいやね。荷物は近くにあらへん。逃げ出すのは無理やないけど、逃げたところで捕まるのがオチ。
「木乃香! 大丈夫!!?」
「ウチは平気よ。明日菜こそ拘束されとるけど平気なん?」
「このくらいなんて事ないわ!」
元気やねぇ……救助が来たみたいやね。ネギ君と、あの男の子は誰やろ。
「小太郎君?」
「のどか、知っているですか?」
「うん。京都でネギ先生と戦った子だよ」
「おっちゃん!! 千鶴姉ちゃん返してもらうで!!!」
「ほう、君も来たか。まあどちらにせよやる事は変わらない。ネギ・スフリングフィールドと神楽坂明日菜、そして「少し黙って下さい」ゴッ!?」
はやっ!? ネギ君と悪魔の距離は10メートルくらいあったんに一瞬で間合いを詰めて顎をかち上げた! 更に顔面へのドロップキック! なんか感じる魔力も普段のネギ君よりも多い感じするし、キレとるんやろな。
「あ、あいつこんな短期間で強なっとるんかいな」
「小太郎君、皆さんの救出をお願い。これはまだくたばっていないから早めにね」
「お、おう!」
「ぐっ、不意打ちには驚いたが、人質救出などさせはしない」
「これで大人しくしていて下さい。封魔の瓶」
ネギ君の放り投げた瓶はおそらくは何かを封印するもの。でも明日菜の悲鳴と同時に無効化された。明日菜は魔法を無効にする能力の持ち主。なんや知らんペンダントを首にしとるし、あれで明日菜の能力を使ったと考えるべきやな。
「ふむ、実験は成功」
ーーメキャッ
「グガァッ!!?」
「何をしたのかは聞くつもりはありません。でも明日菜さんに痛みを与えましたね。魔法が通じないのなら徹底的に殴ります」
うわぁ、顔面パンチ。悪魔も鼻血を滝のように流しとる。更に追加の顔面パンチ。ほんま容赦ないわ。
「人質を取れば、本気で来てくれるとは思っていたが……聞いていた以上に強いとは」
「大丈夫かいな! あっ、あんた確か京都の」
「木乃香やで。君は誘拐する側やった子やね。今回は助けてくれるんやね」
「うっ、雇われとっただけや。しかしネギのやつ何があったんや。強くなりすぎや」
京都やとウチ誘拐されっぱなしやったから何とも言えんけど、エヴァ師匠の試験受けた頃と実力で言えば大差ないと思う。変わったのは気持ちの方。守る為に優しさを捨てたんや。どんなえげつない手を使ってでも守るべきもののを守る覚悟が今のネギ君の強さやと思う。
「てめぇ! 勝手に人質を逃がすんじゃネェ!」
「はっ! 雑魚が3匹きたところで俺の相手には」
瞬間、向かってきたスライムを閃光が貫いた。スライムを消し飛ばし小さなクレーターを作ったそれは矢。放ったのは言うまでもない。
「遅くなった。みんな怪我はないか?」
「士郎さん、ありがとうな」
「とりあえずみんなのタオルと木乃香のパクティオーカードだ。体を隠しておいてくれ」
「ちぇっ、あれくらい俺が倒したかったのに」
「それはすまなかったな。その鬱憤はあいつ相手に晴らしてくれ」
「言われるまでもないわ!!」
小太郎君は悪魔に向かって駆けていった。ネギ君だけでも手に余る状態での援軍。倒されるのも時間の問題やろ。ウチはアーティファクトを呼び出して服を着て、みんなにタオルを配る。
「明日菜、さっきの平気だったん?」
「ちょっとびっくりしただけよ。えいっ!」
平然とペンダントを引きちぎるのは女の子としてどうかと思うわ。これでネギ君の魔法も通じるようになったな。
「ネギ君! 魔法が通じ、後ろ!!!」
「!?」
背後からの凶刃をギリギリでかわすネギ君。当たれば即死やったかも……しかしどうしてこう何度も出てくるんかな、この女は。
「あらら~、外してしもうたわぁ」
「月詠君、君が出る予定ではなかった筈だが」
「ヘルマンはんだけやととても士郎はんに手が回らんやろ。ウチが手伝いますぅ」
「なっ!? あんたそっち側かいな!!」
「? どちらさんでしたっけ?」
「ふざけんなや! 京都で組んだやろ!!」
「弱い人には興味ないもので~。今この場で興味があるとしたら士郎はんに子供先生、それとさっきから殺気をぶつけてくるこのかお嬢様くらいやろか」
「士郎さん、すみませんがあっちをお願いします。僕と小太郎君はあの男を倒します」
「分かった。人質はもういないんだ。無理はしないようにな」
「ウチは明日菜とクーと一緒にみんなを守るよ」
「気を付けてくれ」
可能なら士郎さんの横で戦いたいけど、それは邪魔でしかない。あーあ、もうちょっと力があればなぁ。
「決まったようだね。では私も本気を出そうか」
おっ、悪魔が素顔見せおった。ネギ君は大丈夫かな。変なトラウマが起こったりせんやろか。
「ネギ君、見ての通り私は君の敵だ。全力で向かってくるがいい」
「そうですか。悪魔ですか……関係ありません。僕の生徒に手を出した時点で倒すのは確定なんですよ!!」
「ふふふ、士郎はんとは4度目やねぇ。あ、このかお嬢様達にはこれをプレゼントどすぅ。ひゃっきやこー」
鬼や烏天狗の群れが召喚される。今のウチなら釣り合った相手やろ。誰も傷付けさせへんで。
ヘルマン戦、月詠戦、それぞれ1話とりたいですね