BLEACH〜十一番隊に草鹿やちるではない副隊長がいたら〜 作:ジーザス
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「おい
「うっせぇぞ剣八!俺一人のための時間よこしやがれ!」
「んだと?副隊長の分際で隊長に歯向かってんじゃねぇぞこら!」
「やかましい!歯向かわれたくなかったら書類整理しやがれってんだこの脳筋野郎!」
雷蔵・剣八と呼ばれた2人は、道場の真ん中で互いが額に青筋を浮かべて言い合っている。
此処は十一番隊隊舎の一角にある道場。十一番隊は喧嘩っ早く揉め事がない日がないほど荒れているので、よその隊から疎まれている。その中でも雷蔵と呼ばれた青年は、揉め事を唯一起こさない人物として名前が知れ渡っていた。
「毎度毎度、それしか言わねぇなおい!言い返す言葉はそれしかねぇのか!ああん?」
「うっせえぞ剣八!だったら言ってやらぁ!てめぇも喧嘩ふっかけることしかしねぇなおい!」
「てめぇ言いやがったな!?今日という今日は許さねぇ。ぶち殺してやらぁ!」
「上等だ剣八ぃ!返り討ちじゃこらぁ!」
模範稽古にも関わらずヒートアップする2人にため息をついてまたかとばかりに嘆く者、「やっちまえ」と
大まかにこの2パターンに分かれている。
「相変わらずだね隊長と副隊長は」
「しゃあねぇだろ。あのお二方は考え方がまるっきり反対なんだからよ」
そう言いながら道場の柱に寄りかかって2人の喧嘩を見ているのは、第五席の綾瀬川弓親と第三席の斑目一角である。2人ともなぜその地位にいるのか不思議なほどの実力の持ち主だが、トップ2が尋常ではない強さなのでその地位に留まっているのだった。
「毎回思うけど、よくこれでまとまるよね十一番隊」
「副隊長の手回しが良いんだろ?俺はあの人を尊敬してるぜ」
良いことを言った次の瞬間、一角は吹き飛んできた剣八によって吹き飛ばされていた。
「ボサッとすんじゃねぇパチンコ頭!常に警戒してろボケっ!」
「俺はパチンコ頭じゃねぇぞこらぁ!」
先ほどの発言は何処へやら、完全にキレた一角は木刀を手にして雷蔵へと突っ込んでいく。その後ろに剣八も続いた。
「2人がかりかよ上等だ。2人ともまとめてぶっ倒してやる!」
「「おらぁ死ねぇぇぇ!」」
完全にハモって木刀を振り下ろす。その重みを受けたまま雷蔵は耐え続ける。
「ぐぬぬぬぬぬぬ!」
「げはははははは。よく耐えるじゃねぇか面白れぇ!」
「おおおおおおおお!喰らえ《破道の三十一 【赤火砲】》!」
雷蔵は埒が明かないと見るや《鬼道》を使ったのだが…。
ドカァーン!
「「ギャアァー!」」
右手で放ったものの威力を考えずに唱えたため、とてつもない威力で暴発し衝撃が3人を襲った。
「苦手なら使わなければいいのに」
苦笑気味な弓親は、爆発によって炎上を起こした道場の鎮火作業に走り回っている隊員たちを見守っていた。
訂正しよう。
雷蔵が揉め事を起こさないのは、十一番隊隊舎以外でである。
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鎮火作業が終わったあと、3人は道場の縁側でよく冷えた麦茶を片手に話をしていた。
「雷蔵さんは《鬼道》苦手なんすから、あんな場面で使わないで下さいよ。あの威力半端ねぇっす」
そう、雷蔵は剣の腕は確かなのに《鬼道》が大の苦手なのだ。
本人曰く「剣の方が性に合っている」ということらしいが、隊員たちは「いや違う。そうじゃない」と口を揃えて言う。だが本人は全く気にしていないというのが現実だ。
「お前らが2人でかかってこなかったら使わなかったよ。だがある意味いい戦闘方法だな。接近戦が得意な奴らに敢えて爆発させることでダメージを与えられるんだ」
「自分がダメージを喰らうんだったら意味ねぇだろうが」
「よく言えるな剣八。喧嘩吹っかけてきたのはてめぇなのによ」
なんだかんだ言って2人は仲がいいのだ。喧嘩するのはお互いに互いの力を認め合っているからであり、こいつに負けたくないという思いがある故だ。その喧嘩にいつも巻き込まれている一角からすれば迷惑な話だろうが、自分の腕の見せ所でもあるので文句は言わないし、むしろありがたく感じている。
「隊長、緊急の連絡です」
話をしていると隊員の1人が走り寄ってきた。
「…あんだよ?」
「総隊長がお呼びです。『至急一番隊隊舎まで来い』とのことです」
「どうせジジイの雷が落ちるんだろ?おい雷蔵、てめぇが行ってこいや」
「あ?呼ばれてるのはてめぇだろうが」
「面倒くせぇ」
「てんめぇ…」
なんとも情けない理由に、雷蔵は怒りを露わにして拳を握るが一角に止められる。
「ちょっと雷蔵さん、抑えて下さい。いつものことじゃないですか」
「そろそろ我慢の限界だ!いつも俺にばっかり雑用やらせやがって。俺はてめぇの下僕じゃねぇんだよ!」
「てめぇは副隊長だろうが。副隊長ってのは隊長のできない仕事の尻拭いをするのが仕事だ。なあ、やちる?」
「剣ちゃんの言う通り行ってこいや〜」
「やちる、てめぇもかぁ!」
いつの間にか剣八の肩に乗っかっていた草鹿やちるが、剣八の言い分が正しいかのように言い放ってきた。
「はぁ、…もういいよ。俺が行ったらいいんだろ?行ってやるよ」
「さすがらっすん!」
「その字名やめろ!」
言い返しながら一番隊舎へと向かっていく雷蔵の背中は、少しばかり寂しそうだった。
「じゃあ、俺もどっかふらついてくる。一角、てめぇが面倒見とけ」
「ええ!俺がっすか!?」
「三席だろうが。隊長と副隊長がいなかったら次のてめぇしかいねえんだよ」
適当に言い放ち、《瞬歩》で縁側から消えた剣八に届かない手を中途半端に伸ばして愕然とする一角もなんだか寂しげだ。
「隊長から無理矢理隊を任せられること通算741回。ちなみに隊長と副隊長が喧嘩した回数は485394回、一角が巻き込まれた回数242697回。道場が潰れた回数全壊が542回半壊が254回、一部崩壊が742回だね」
「…いちいち数えなくてもいいんだよ弓親。…それに任せられるってことは、それだけの実力があるってことだ。てめぇら隊長たちがいない間に修行すっぞぉ!」
「「「「「「おおおおおおおおおお!」」」」」」
乗せられていることも知らず、やる気満々に隊をまとめ始める一角に弓親は同情し始めていた。
「問題を有り得ないくらい抱えてるけど、それはそれで楽しいかな。これこそが十一番隊の娯楽といったところだね」
「おーい弓親ぁ、お前も混ざれよぉ!」
「今行くよ」
弓親の微笑みは今の生活に満足している者の表情だった。
原作は仮面編までしか読んでいないので知識がまったくありません。矛盾や変な説明になっていた場合はご指摘いただけると嬉しいです。
雷蔵・・この物語の主人公で十一番隊副隊長 剣八と同等の剣の腕前を持つ男の死神。鬼道は大の苦手。
苦労人だが面倒見は良く隊士からの信頼は厚い。容姿は普通で茶髪に切れ長で甘さを程よく抜かしたシャープな顔立ち。
喧嘩っ早い十一番隊の中でも揉め事を唯一起こさないある意味珍しい人。
ヒロインは未定なのでリクエストがあれば考慮してみようかと思います。