BLEACH〜十一番隊に草鹿やちるではない副隊長がいたら〜 作:ジーザス
『〈尸魂界〉に緊急要請!こちら筆頭六回生 檜佐木修兵!現世定点1026番北西2128地点にて、
技術開発局2代目局長の涅マユリは、スピーカーから聞こえた応援要請に面倒くさいとばかりに眉を顰める。しかし表情とは裏腹に、〈瞬歩〉で一番隊隊舎に急行し元柳斎に伝えるのだった。
「〈現世〉にて
「「はい」」
ギンと雷蔵は一番隊隊舎から〈瞬歩〉で消え去り、準備を終えた〈穿界門〉を駆け抜けるのだった。
2人は〈穿界門〉を走りながら無駄話をしていた。
「何故副隊長の俺たちがあの場に呼ばれたのかがわかったよ」
「そやねぇ。でもなんで隊長たちじゃなくて、ボクらが派遣されたのかわからへんなぁ」
「隊長格を派遣するほどの虚じゃないからだろう?」
隊長格は単独で
「それにしても
「ボクも知らんかったよ」
「これも
「そやろね。でもまだまだ
「じゃあ、手加減なしで行こうかな」
〈穿界門〉を抜けた2人は少々驚いていた。
「…多いな」
「…そやねぇ」
「楽観的だなギンは」
「あれれ?雷蔵はんも似たような感じやけど?」
「うるせぇよ。《破道の四【白雷】》」
右人差し指から発射された閃光は、檜佐木修兵に噛みつこうとした
飛んできた方角を見た院生は眼を見開く。
「ひゃあ、たいそうな数やなぁ」
「遅れてごめん。救援に来たよ」
「え?あなた方は〈五番隊〉 市丸副隊長と〈十一番隊〉 雷蔵副隊長…」
檜佐木の言葉に後ろの院生の3人は息を飲む。まさか2人の副隊長クラスが来るとは思っていなかったのだ。女性死神にいたっては、今にも泣き崩れそうな表情をしながらも、何処か安心した表情を浮かべていた。
「よく頑張ったな怖かったろうに。でも俺たちが来たからには大丈夫だ。そこで心を落ち着かせておくといい」
「ほな雷蔵はん、どっちが多く狩れるか勝負と行きますか?」
「いいだろう受けて立つ。まあ、お前が負けるのは眼に見えているがな」
「その言葉そのままお返ししますで」
2人は向かい合いながら不敵な笑みを浮かべ、その様子に苛ついたのか
「ほ~う、俺に負け越しているお前が俺に勝つとでも?」
「負け越してますけど本当は互角やとおもてますよ」
「グギャアァァァァ!」
「「五月蠅い」」
2人が同時に斬魄刀を抜刀し、飛び掛かってきた
「今のは俺の方が速かっただろう?」
「ボクのほうが速かったですやん。負けたくないからって、自分の頭数に数えるのはあきまへんなぁ」
これだけの数の
「じゃあ、今のは無しにして始めようか」
「構へんよぉ。ほな行きましょか」
互いに〈瞬歩〉で敵に斬り掛かった。眼に見えて
僅か3分後、残り1体になった
「けっ、同数かよ。大層な口を利いた自分が恥ずかしい」
「それはボクもですやん。まあ、楽しかったからええですけど」
「同感だな。うし、〈穿界門〉開くか。さっさと戻らないと総隊長に怒られそうだからな」
そう言って連れてきた地獄蝶を用いて、〈穿界門〉を開いた雷蔵とギンは、誘導するようにその中へ踏み込むでいく。
「おら一年坊、あとはお前らだけだ」
「「「はい!」」」
修兵に呼ばれた3人は、元気な声と共に覚悟に満ちた表情で〈穿界門〉に飛び込んだ。
これが雷蔵とギンによる恋次・雛森・イヅルの初対面となったのだった。
ちなみに、戻った2人に速攻元柳斎の雷が落ちて頭から煙をあげていたらしい。ギンは煙の出る頭を抱えながら座り込み、雷蔵は床をのたうち回っていたそうな。
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突如、冬獅郎とギンの爆発的に上昇した霊圧を感じ、そちらの方角を見ると空が曇り始め気温が低下していく。
「ギンの野郎、もう始めやがったのか!」
久々に悪態をつき、〈瞬歩〉でその場に急行する。すると血が滲むほど強く斬魄刀を握っていたのだろうか。柄を血だらけにした雛森が倒れている。
「《射殺せ【神鎗】》」
「くっ!」
ギンが《解号》を口にすると、視認するのがやっとの速度で刀身が伸びる。辛くも避けた冬獅郎だったが、雛森へと向かっていく刃を見て叫んだ。
「雛森ぃぃぃ!」
グサッ!
【神鎗】は雛森の身体を貫かず地面に突き刺さった。
「ふう、なんとか間に合ったか。ギン、これ以上暴れるなら俺もそれなりに抜かなければならん」
「雷蔵…すまない助かった」
冬獅郎は心底安堵したかのように息を吐いた。その機会を逃さないかのように、ギンが立ち去ろうとするのを冬獅郎が止める。
「待て!」
「ボクを追うより〈五番隊〉副隊長さんをお大事に。それから雷蔵はん、
ギンはそれだけ言い残し、〈瞬歩〉で何処かへと消えていった。
「ギン…」
雷蔵は友人の名前を呼ぶことしか出来なかった。
/五番隊隊舎治療室/
そこのベッドには気絶したままの雛森が寝かされており、冬獅郎は後悔に彩られた瞳で見つめている。
「…すまない雷蔵、お前がいなかったら雛森は死んでいた。ありがとう…」
「…いや、かなり際どいところだったからな。あいつの《始解》を見てから間に合ったのは、奇跡と言っていい」
ギン、お前は一体何を企んでいる?俺と行動を共にしておきながら、別のことをしようとしている気がする。
「冬獅郎、一体何があった?雛森があんな姿になるなんて余程のことがない限りあり得ない。それから何故雛森とイヅルが牢の外に出ている?」
「藍染が残した手紙を読んだ雛森は自ら牢をぶち破り、イヅルは市丸に解錠されて外に出ていた」
「何故冬獅郎を敵と認識したんだ?」
「あの手紙が改竄されていたのかもしれない。俺は〈双殛〉を使って尸魂界を壊そうと思っていない。俺が首謀者とするように改竄した手紙を残し、それが松本から雛森に渡った」
だが雛森が尊敬していた藍染の字を見間違えるはずもない。改竄されたとすれば、よほどの腕前かあるいは本人がそう仕向けたかのどちらか。
前者は不可能に近いだろう。何故なら人の字を真似るというのは、案外難しい。真似ようとすればするほど字の形は崩れ、自分の癖が顕著に現れる。
それを踏まえると後者しか考えられない。
「あの手紙通りに処刑における〈双殛〉の力が、市丸の狙いであるなら処刑は止めなければならない」
『隊長並びに副隊長各位に通達ご報告申し上げます。殛囚 朽木ルキアの処刑日程について変更になったことをお伝えします。最終的な刑の執行は現在より29時間後、これは最終決定です』
どこからともなく現れた地獄蝶の報告に2人は眼を見開いた。
「明日だと…?馬鹿ないくらなんでも早すぎる。〈中央四十六室〉は一体何を考えている?」
「…焦るな雷蔵。もはや悠長に事態を考えている暇はない。処刑とそれに連なる〈双殛〉の解放、それが市丸の狙いなら、この処刑を見逃すわけにはいかない。行こう雷蔵、処刑を止める」
「…ああ」
雷蔵には気がかりなことが一つあった。ギンの口にした「自分のやりたいようにやる」という言葉が何を意味するのか。それは自分だけで
〈双殛〉が目的にせよ1人でやろうとしているにせよ、止めなければならないのは事実。雷蔵は自分の疑問を一旦棚上げし、冬獅郎と共に五番隊隊舎治療室を後にした。
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〈十一番隊〉の隊士2人は、掃除がダルいのといつも通り喧嘩っ早い性格によることで苛つき、斬魄刀を抜きそうになっていた。しかし登場した人物を見て慌てて仕事に戻る。
「斑目三席ぃぃ~!」
「それと綾瀬川五席ぃぃ!?」
「サボるならもう少し上手くやれ」
「チリ一つでも残したら殺すよ?」
「ははははは、諸君お勤めご苦労!」
自分達の前を通り過ぎてく3人を見て、2人は何が起こっているのか理解できていなかった。
「なんで荒巻があの2人に随伴してんだ?」
「てか荒巻の野郎、誰か担いでなかったか?」
2人の謎はしばらく後になってからになる。
ドカーン!
「ドワー!」
牢屋の天井が崩れ落ち何が起こったのか理解できていない3人。
「ふう~到着。おら織姫ちゃん、仲間に説明してあげな」
「は~い」
荒巻に地面へと降ろしてもらった織姫は、状況が理解できていない石田雨竜・志波岩鷲・茶渡泰虎に説明を始めるのだった。
一角・弓親・荒巻・織姫は、3人を救出した後、雷蔵のところに向かおうとしたはいいが道に迷いどうするか迷っていた。
〈瀞霊廷〉は広大であり、全ての路地を覚えるのは困難である。全ての路地は同じような造りであるため、特徴を見つけるのも一苦労。
「どうする一角?」
「どうにもこうにも壁を上って走るしか…っ!」
自分が立つ位置より高い位置に現れた霊圧に驚いて見上げる。
「へぇ~、檜佐木副隊長と射場さんかよ。いいぜ、相手に不足なしだ。弓親行くぜ!」
「いいよ一角。もう一度暴れようか」
「荒巻、〈旅禍〉連れて先に行け。少々荒っぽくなるからよォ」
5人がいなくなったのを確認後、4人はそれぞれの邪魔にならないように場所を移し戦闘を開始した。
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何か得体の知れないものが現れたかのように感じたが、今は向かうべきところに行くのが最優先。
「冬獅郎、今までのことどんなふうに考えている?」
「…すべてにおいて何者かによる陰謀だと思う。朽木の罪状だけで〈殛刑〉だと?〈尸魂界〉に対する疑問を抱いた輩がそのような刑を受けていないにもかかわらず、それが通るわけがない」
「〈中央四十六室〉がまともな判断を下しているようには思えないか。それは同感だが、妙だと思わないか?」
「妙?何がだ?」
〈瞬歩〉で移動しながらも、背後から感じる霊圧とは違うものの圧力。それが何かは見ればすぐにわかる。
「《
「つまり藍染の手紙は嘘なのか?」
「
「どっちみち本人に聞くしかなかったというわけか…」
藍染がどうなったのかを知っているのは雷蔵を含む3名のみ。もはやどちらも信用できない事態にまできている。
「おっと、〈双殛〉の矛を止めた奴がいるようだな」
「馬鹿な…。斬魄刀百万本に値する破壊能力を、たった一本の斬魄刀で受け止めたのか?」
「黒崎一護、例の〈旅禍〉だろうな。ん?なんだあの手綱のようなものは?矛に巻き付いている?」
次の瞬間に矛は周囲に爆散し、処刑台つまり〈双殛の磔架〉までもがほぼ同時に破壊された。それを足を止めた冬獅郎が呆然と眺めている。
「一体、何が起こっているんだ?」
「あの手綱の伸びている場所にある霊圧からして、浮竹隊長と京楽隊長の2名だな。どうやらあのお二方も処刑に疑問を感じていたようだ。これは、…総隊長はブチ切れてるな。圧がここまできてやがる」
元柳斎特有の重みと熱さの霊圧の余波がここまで届き、肌が焼け付くように感じられる。これだけ離れていても冷や汗が浮かぶのだ。対峙すれば気を失っても可笑しくはない。平然として対峙できるのは誰くらいだろうか。雷蔵にはあの2人だけしか思い浮かばない。
「急ごう冬獅郎。…ところで乱菊はどうした?ここ4日ほど会っていないが」
「…4日酔いだ」
「…は?」
「5日前にどれだけ自分が酒を飲めるのか試したいとか言い出してな。案の定、吐くわ頭痛はするわ爆睡するわ雑務は手伝わないわで、俺の仕事が増えた」
4日酔いなんぞ言葉初めて聞いたぞ冬獅郎。嘆かわしいとばかりにかぶりを振る友人に、同情してやりながら移動を開始する。
「止めろよ。酒飲むと面倒くさいのは知っているだろう?」
「止めたら余計に飲みやがるからできねぇ」
「…あ~、目に浮かぶわその様子」
簡単に想像できるのが悲しきかな。今は寝てもらって必要なときに役立ってもらえればそれでいい。
狛村さんと要は登場させていません。だって原作だったら剣八と戦ってるけどここじゃいないし一角や弓親じゃ勝てないし雷蔵は冬獅郎と行動共にしてるから出せない。
という理由です!待ってくれていた人がいればすみません。2人が何をしていたのかはご自由にお考え下さい。