BLEACH〜十一番隊に草鹿やちるではない副隊長がいたら〜   作:ジーザス

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今週の水曜日にお気に入りが1000件突破しました!自分の投稿作品の中で断トツの多さです。この作品を見てくれている読者の皆様に感謝を!



そろそろ作品の名前を変更するべきかなと思い始めました。作品名がダサくてなんか見ていると悲しくなるので感想と共に提案して貰えるとありがたいです!

作品名を提案してくれる方は「」をつけてわかりやすくなるようにお願いします。

1話から16話を修正しましたので読みやすくなったかなと思います。よろしければ読み直しお願いします。


今回は少しほのぼの系とシリアス系になっていますのでお楽しみに。

ではどうぞ~


17

『ちょっと隊長!また昼間っから酒なんか飲んで!』

『飲まねぇとやってらんないんだもん』

 

女性死神に怒られているのは、隊首羽織を着ながら酒を飲んでいる男だ。シブいと言われそうなヒゲを蓄えた男は、面倒くさそうに返事をする。

 

『まったく平和だからってこんな量飲むだなんて』

『乱菊ちゃんはいい奥さんになるぜ』

『酔っ払ってるから誘っても良いだなんて思わないで下さい!』

 

酔っ払いの対処法を心得ているからなのか。隊長への扱いは手慣れている。乱菊は若いこともあり、そして何より美人であることが隊長のおもりの手際がいい理由である。

 

飲み会に誘われた回数はいざ知らず。隊長の介護をした回数もいざ知らず。

 

だからこそこうやって冷静に対応できるのだ。

 

『ごめん下さい』

『あ、誰か来たみたい。ちょっと日番谷三席(・・・・・)開けてきてよ』

『…了解しました松本副隊長(・・・・・)

 

書類整理をしていた手を止め、面倒くさそうに腰を上げて冬獅郎は十番隊隊舎の扉を開けに行く。

 

戻ってきた冬獅郎の後ろには茶髪の青年が立っている。その少年の腕には少し大きめの小箱が抱えられており、何やら甘い香ばしい香りが漂ってくる。

 

『ん?おう、雷蔵じゃねぇか飲め飲め!昼間からの酒は美味いぞ』

『いいえ、勤務中なので遠慮します』

『雷蔵さん、抱えているその箱は何ですか?』

『ああ、これ?俺が作った焼き菓子。〈現世〉の焼き菓子を真似して作ったんだけど、集中しすぎて大量に残ったから持ってきた』

 

箱を書類が置いていないまた別の机に置いて、箱を開けると出来たてなのだろうか湯気が立ち上っている。それとともに甘い香りが鼻をついて小腹が空いてしまう。

 

『良い香りですね。何を使ったんですか?』

『〈現世〉ではハチミツと言うらしい。知り合いが短期で行ってたんだけどそこで出会ったらしい』

 

1つを持ち上げて乱菊の口に押し込んでやる。

 

『はああぁぁぁぁぁ~なんと美味しい食べ物なんでしょう。甘い中にも香ばしいのが、さらには僅かな苦みがあるから飽きない。なんと素晴らしいバランスでしょう。あ、そうだ雷蔵さんもどうぞあ~ん』

『おいおいこんなところで。まあいいけど』

 

『うふふふふふ』やら『ふふふふふふ』やら、2人だけの世界に入っている乱菊と雷蔵を見て隊長はジト眼で、冬獅郎は甘ったるい雰囲気について行けないのか僅かに赤面している。

 

『仲良いなお前ら』

『『そうでしょうか?』』

『ハモった…』

『てめぇら、もうそのままゴールインしちまえ。爆発しやがれってんだ』

 

嫉妬なのかそっぽを向いてしまった隊長に、。2人は顔を見合わせて笑みを浮かべる。

 

『いい大人が拗ねても可愛くないですよ隊長』

『そうですねそんなにヒゲを生やした親父が拗ねても可愛くないですよ志波隊長(・・・・)

『2人して同じ事言いやがる。もはや兄妹だろ』

『あながち間違いではありませんね。同じ釜の飯を食った中ですし、俺にとっては妹的な存在ですから』

『惚気やがって』

 

女性と仲良くなってもまったく進展しない一心は、2人が楽しそうに話している姿を見るといつも拗ね始める。そしてそれを情けなさそうに見ている冬獅郎という絵面が完成するのだ。

 

『私にとっても兄みたいな存在ですから』

『2人して隊長を落ち込まさないで下さい。これ立ち直るのに時間かかるから、残った仕事を俺がやる羽目になるんです』

『今さらっと隊長をもの扱いしたぞ冬獅郎』

『普段から真面目に働かず、三席の俺に書類整理させていることへの嫌みです』

 

毒舌は相も変わらず健在のようだ。斬魄刀の能力と一緒で冷たい言葉を氷柱にして落ち込んでいる一心に突き刺す。一心は3人には理解できない謎の言語を発しながら、右の人差し指で床をつついている。

 

隊長でありながらこのような情けない姿は、同情してくれという一心なりの精一杯の合図なのだ。3人はそれを知っているからか気にせず会話に花を咲かせる。

 

『まあそういうことで俺は帰るわ』

『雷蔵さん、今度休みにデートしましょうよ』

『俺はいいがギンはどうする?』

『たまには2人だけで』

『了解。あとこれやるよ』

 

雷蔵は紙で包まれた小さな何かを乱菊に投げ渡した。それをキャッチした乱菊は不思議そうに首を傾げている。

 

『誕生日プレゼント。今日はお前の誕生日だろ?ギンにもらった最初で最高のプレゼントなんだから、忘れたりしたらあいつがかわいそうだぞ』

『あ…』

 

乱菊の脳裏にはギンが言った言葉が流れてきた。

 

【ほんならボクと乱菊が出会った日が乱菊の誕生日や】

 

忘れてはならない言葉を今日は忘れていたのだ。いつもなら忘れないのに何故か今日に限っては忘れていた。

 

『それなら来てくれても良いのに…』

『あいつも忙しいんだよ許してやれ』

 

拗ね始める乱菊の頭を優しく撫でてやるとあっという間に機嫌を直してくれた。

 

『じゃあまた非番の日にな』

『うん!』

 

嬉しそうに乱菊は笑みを浮かべて雷蔵を送り出した。胸に雷蔵がくれたプレゼントを抱きしめて。

 

 

 

 

雷蔵が渡したプレゼントの中身は香水であった。

 

それを見た乱菊は「顔を紅くしながらも心底嬉しそうに悶えていた」と、目撃した〈十番隊〉の女性死神が友人たちに良い回っていたらしい。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

井上織姫という名の少女に治療してもらった一角を、他から離れたところに連れてきて、説教を喰らわす。

 

「なんでここに連れてこられたかわかるか?」

「…はい」

「誰にもばれたくないというのは理解できる。だがな、使わずして死んでいいわけじゃないんだよ。お前はなんのために命を捨てる?」

「隊長のためです。俺の命は隊長貴方のためだけに使いたいんです!」

 

一角は雷蔵に自分の想いを全力で伝えている。どれだけ雷蔵を尊敬しているのかを伝えるために。

 

「俺は俺を変えてくれた隊長に…」

 

パアン!

 

高い音が周囲に響き治療を終えた者・治療最中の者・治療者本人、それ以外の者が振り向く。

 

一角は自分がビンタされたことにすぐには気付かなかった。はたかれるようなことを口走ったつもりはなかったのだ。左頬が熱を帯び始め、左手で触れて痛みを感じたことで、ようやく自分がはたかれたことに気付いた。

 

「隊長…」

「誰が俺のために命を捨てろと言った?いつ自分の命を無駄にしろと言った?俺がお前に教えてきたことは一体何だったんだ。俺がお前に教えたのは死に場所か?」

「俺に教えてくれたじゃないですか!『自分の命を捨てて良いのは大切な何かを守るとき』だって!」

 

一角の心からの叫びに恋次は数週間前のことを思い出していた。

 

 

 

『断る』

『どうしてですか!?一角さんしか他にはいないんです!』

『俺が隊長になったらあの人とは戦えなくなる。同じ戦場で同じ敵を前にすることは出来ねぇ。それだけは絶対に嫌なんだ』

『そこまでですか?』

『俺という死神を根底から変えた人だ。試合を見ただけで俺は変わらされた。てめぇが朽木白哉を超えることが目標なら俺の目標はただ一つあの人(・・・)の下で死ぬことだ。解ったなら二度とその話をするな』

 

 

 

「…お前が俺のために死んだとしよう。俺が喜ぶと思うか?」

「っ!それは…」

「確かに己の命を捨てて良いのは、大切な者を守るときだと言った。だがそれには別の意味がある。『庇われた人がその先笑顔で生きていけるような死に方をしろ』というな。俺は命を粗末にするような、周りの気持ちを理解せずに死んでいくような輩が一番嫌いだ」

「じゃあ、俺が今までしてきた意味は何だったんですか!?」

「それを俺に聞いてどうするつもりだ?」

 

その質問には答えず雷蔵は去って行った。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

翌日、一護が通う高校の校舎の上に冬獅郎が座り込んでいた。

 

「どうした?浮かない顔して」

「雷蔵…昨日の奴らだが」

「ああ。あいつらは《最上級大虚》でもなければ《中級大虚》でもない。俺たち隊長格が【限定解除】無しじゃ《最下級大虚》すら倒せないのは痛いな」

「つまりそれが今の破面の最低戦力ということか」

 

霊圧の濁り具合からして奴らは未完成。

 

おそらくこの程度でどこまで戦えるのかという分析、あわよくば情報収集できれば尚良しといったところだろう。そんな奴らは【限定解除】無しの冬獅郎たちが、ギリギリ倒せるほどの戦闘力の持ち主ということになる。

 

今回は【限定解除】して霊圧が膨れ上がったことで油断させ、隙を突いて倒すことが出来た。だが最初から全力勝負であったならどうなっていたのかわからない。

 

「…雷蔵、俺は今すぐ井上とかいう奴の家に帰る」

「連絡を映像で取り合うのか。通信機では伝えにくいことも話せるから賢い選択だな」

「あとは頼んだ」

 

校舎の屋上から飛び降りていった冬獅郎を見送らず、雷蔵は寝転がりながら空を見る。昨日にあのような戦闘があったのかと疑ってしまうほど、柔らかな日光を太陽は降り注がせている。

 

あれから一角はどこかへと雲隠れして霊圧を補足できていない。時を同じくして黒崎一護の霊圧も感じなくなった。どちらも事件に巻き込まれたわけではないだろうが、こうもバラけてしまうと上手く統率できなくなってしまう危険性がある。

 

かく言う雷蔵も非常に深刻な事態に陥っている。斬魄刀が《雷天》が反応しないのだ。《始解》や《卍解》もできて、技も同じように使えるが呼びかけに応えないことが心配である。それに僅かに感じる体内の異物感(・・・)の正体が何なのかわからない。

 

声はしない何か(・・・)が近付いてくるような気がするのだ。それも一日毎にではなくもっと速く。冬獅郎と話していたときより今の方が近くに感じる。

 

もしかしたら《雷天》が反応しないことと、何か関係があるのかもしれない。

 

「確かめに行くか…」

 

〈現世〉においても、何よりもっとも信用できる人物のいる場所へと足を向けた。

 

 

 

その人物は現在、駄菓子屋を営んでいる。そこの店長ということになっているが、それは表の顔であり裏の顔は闇が深い。何故なら〈現世〉に来た死神に、いろいろ必要なものを裏ルートで手に入れているのだから。

 

「こんにちは。店長はいるかな?」

「いるけどあんた誰?」

「俺は…「ジン太殿、どうされた?」…」

 

突如、店から出てきた大男を見て雷蔵は懐かしさを感じていた。

 

「この人がいきなりさ、店長に会わせてほしいって言うんだ。怪しく思って聞いてた」

「怪しい?…むっ、これはこれはお久しぶりです。100年ぶりですかな?」

「ええ、お久しぶりです大鬼道長」

 

 

 

中へ案内され、一室で正座をしていると目的の人物に会うことが出来た。

 

「…お久しぶりっスね雷蔵サン」

「100年ぶりだな喜助。相変わらず何も変わらない不思議な奴だ」

「怒らないんですか?」

「怒る?何に?」

 

マイナスの感情を一切見せない雷蔵に、さすがの喜助も不気味になってそう問いかけた。100年前に何も言わず去っていったというのに。一護から伝言を聞いていても、疑わずにはいられなかったのだ。

 

「何も言わずに失踪したことについてっスよ」

「今更言ったところでだろ?それにお前が俺に何も言わなかったのは、巻き込みたくなかったからだろ?それを知ってからは、怒る気にもなれなかったよ。嬉しいとも思ったさ」

「…気付いていらっしゃったんスね」

「親友だからな。と言ってはいるが、気付いたのは藍染の裏切りのときだ」

 

本当に雷蔵は鈍感である。100年経ってようやく友が隠していた理由を知ったのだから。それだけ隠し方が上手かったのかもしれないが、雷蔵が鈍感だったという方がしっくりくる。

 

「それで用とはなんでしょうか?」

これ(・・)について調べてほしい。できれば早急に」

 

ポケットから取り出した液体の入った小瓶を渡す。すると喜助は深刻そうにその小瓶を受け取った。

 

「…何か可笑しな事でも?」

「異常といえば異常だな。だがそれがなんなのかわかれば対処法を見つけられるはずだ。念の為に涅にも調べさせているが、研究を優先しそうですぐに結果が出るか微妙だ」

「アタシもすぐに出るかわからないっスよ?」

「出ないなら出ないでいい。蝕まれる(・・・・)のが先か対処法が見つかるのが先か」

 

この部屋には喜助と雷蔵しかいない。なのに存在感が3つ(・・・・・)、それも雷蔵の中(・・・・)から。それに気付いているのか喜助の表情も浮かない。

 

「…早急に取りかかった方が良いみたいっスね」

「そうしてくれると助かる。それじゃあ俺はこれで」

「あれ、もういいんスか?」

「もう1人会わないといけない人物がいるからな」

「わかりました。何かわかれば連絡します」

 

部屋を出て店を出るときに、壁から少し顔を覗かせた少女から微妙な視線をもらった。雷蔵は気にせず、もう一つの目的地へと足を向けた。

 

 

 

「柚子も夏梨も寝たことだし俺も休むか」

 

ピンポーン

 

「ん?こんな夜更けに誰だ?」

 

そろそろ日を跨ぐという頃に、インターホンを鳴らすような迷惑者は誰なのか疑問になる。とはいうものの、来訪者を待たせる訳にもいかず玄関へと向かう。

 

「はいはい、どなたですか?っと…こりゃ驚いたな」

「久しぶりだな黒崎。いや、志波(・・)一心」

 

ドアを開けた先に立っていたのは、かつて酒を飲み合う間柄だった友人の姿だった。

 

「来ていたのか」

「嘘は相変わらず下手だな。《破面》と戦っている余波や霊圧を感じていたはずだ。たとえ死神の力を使っていなくても、長年の癖と才能で」

「俺に才能なんてねぇよ」

「よくそんなこと言えるな。〈十番隊〉隊長(・・・・・)だったあんたが」

「よせやい、もう20年以上前の話だ。その頃とは天と地の差があるぐらい力は衰えている」

 

一心はとある事故でにより、〈現世〉で生活している。事故ではなく、陰謀によるものだと浮竹の捜査で判明していた。

 

「家に入るか?」

「いや、いい。黒崎一護の妹2人に迷惑をかけるわけにはいかない」

「寝てるから起こさない限り迷惑じゃないんだがな」

「気配りの問題だ。それよりあんたも出くわしているんだろ?」

「…ああ、奴ら急激な進化を遂げている。もうあまり時間はない。多く見積もっても2ヶ月ってとこだろう」

「何?」

 

冬獅郎からもらった情報では、4ヶ月の猶予があるということだった。なのに一心は2ヶ月、つまり予定の半分程度の時間しかないと言っているのだ。

 

「〈崩玉〉は魄内封印から解かれた今でも、強い睡眠状態にある。目覚めるには時間がかかるだろうと涅は言っていたが?」

「開発者本人がそう言っているんだ間違いない。本来であれば手にした者にしかわからないらしいが、開発した者は手にした者と同じ(・・・・・・・・・・・)ということだろう」

「…なるほどな。それとようやく藍染の真の目的が判明した。それは《王鍵》だ」

「…《王鍵》だと?」

 

《王鍵》。文字通り《王家の鍵》を示す。それは〈尸魂界〉の中のまた別の空間に存在する〈王宮〉へと続く空間を開く鍵である。〈王宮〉には《霊王》と呼ばれる王がいる。〈尸魂界〉にあって、【象徴的】でありながら【絶対的】な存在とされている。

 

「それが何だと言うんだ?」

「問題はそこじゃない。浮竹隊長は藍染が失踪する前、不自然な記録を残していたのを発見したらしい」

「…《王鍵》の在り処を示した文献ではないと?」

「然り。あいつが覗いていたのは《王鍵の創世法》だ」

「《創世法》に問題があると言いたいのか?」

「それも無きにしも非ずだろうが、一番の問題は材料(・・)だ。『10万の魂魄と半径1霊里及ぶ重霊地』と聞いて、どういうことかわかるか?」

 

あまりにも奥が深い話に、さすがの隊長だった一心も脳が追いついていないらしい。難しい顔をしながら腕を組み、自分なりの回答を出そうとしている。

 

「…10万の魂魄という時点で、取り込むこと自体不可能だと思うが。がどちらかというと、その《重霊地》が問題なんだろ」

「その通り。そもそも《重霊地》とは『現世における霊的特異点』を指す。それは『時代と共に移り変わり、その時代においてもっとも霊なるものが集まり易い霊的に異質な土地』を呼称する。ここまでくればどこを藍染が狙っているのかわかるだろう?」

「空座町か…」

「ご名答」

 

喉から絞り出した言葉に一心も信じられない。いや、信じたくないとばかりに頭を抱える。自分の子供が生きている町。妻が生きていた町。自分が生きているこの町が狙われていると知れば、たとえ隊長だった死神だとしても、到底受け入れられる話ではないだろう。

 

「…これは喜助による情報だが、『隊長格に倍する霊圧を持つ者と一時的に融合することで、一時的に完全覚醒状態と【同等】の能力を発する』らしい。これが本当なのかは、それを目の当たりにしないとわからない。だがあいつが言うのであれば間違いは無いだろう」

「…そうか。もう過去に囚われていては、〈尸魂界〉も〈現世〉も護ることは出来ない。受け入れるしかないのか…」

 

俺は自分の中にある存在(・・)、異物の正体が何か大方の見当はついている。むしろそれ(・・)でなければ《雷天》が反応しないことに説明がつかない。

 

「受け入れる?何をだ?」

「いや、なんでもない。ちょっとした悩み事だ」

「そうか、ならいい。おっと、浦原から連絡が来たぞ。なんで俺と一緒にいるのを知っているのかが不気味だが。わざわざ俺に連絡をよこしたのかわからんぞ」

「読み上げてくれないか?」

 

大体の予想はついている。あとはそれが真実なのかどうかを確かめるだけだ。送られてきた情報に目を通した一心は、眼を見開き信じたくないとばかりに狼狽している。

 

「お、お前何があったんだよこ、これあいつ(・・・)のせいと書いてあるぞ。俺は信じたくねえいや、信じねぇぞ!」

 

送られてきた情報を雷蔵に見せてくる一心の狼狽は尋常ではない。原因の名称が、一心にとって無視できない文字が記されていたからだ。

 

「…やはりか。あいつ(・・・)を絶対に攻めるなよ?一心。あいつ(・・・)だってそうなりたくてなったわけでも生み出したくて生み出したわけでもないんだからな」

「…俺はあいつ(・・・)にどんな顔をして会えばいい?お前になんと言えばいい?」

「謝るな。お前のせいでも、ましてやあいつ(・・・)のせいでもない。…喜助に言っておいてくれないか『1ヶ月後に戻る』と」

「それはいいが、お前はどうするんだ?」

「〈尸魂界〉に戻って力を付けてくる」

 

雷蔵は〈穿界門〉を開きながら笑顔で伝えると中に入っていく。

 

それを見送る一心の眼には涙が溢れていた。

 

「クソが、そんな悲しい笑みを浮かべるんじゃねぇよ!俺は俺なりに償わせる。だからお前は強くなって帰ってこい雷蔵!」

 

一心は携帯をこれでもかと思うほど握りしめ、雷蔵が開いた〈穿界門〉が消えていくまで見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原因 黒崎一護

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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少し文字数が多くなってしまいましたねそれだけ書けたということにしておきます。最初はほのぼの系なのに最後の方はかなりシリアスになっています。伏線を張れてますよね?大丈夫ですよね?

20年前の乱菊の方が今より可愛く感じるのは作者だけでしょうか?あんなのがもし現実にいたら卒倒してしまう気しかしないですね。

感想で名前を間違っているという指摘があり、「回想部分なので大丈夫です」と返事をして皆さんにあらぬ誤解を与えてしまいました。恋事とルキナは恋次とルキアと別人だということをお伝えしたかったんです!

本当にすみませんでした!

2人が雷蔵にとってどんな存在だったのかは藍染との決戦の終わりぐらいに明かされる予定です。そして雷蔵の正体、「葛城家」がどうして滅んだのかもその時に説明できたらなと思っています。
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