BLEACH〜十一番隊に草鹿やちるではない副隊長がいたら〜   作:ジーザス

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「ん?」

 

俺は知った霊圧が揺れたのを感じその方向を見る。

 

死んだ…わけではなさそうだな。〈魄動〉は消えていないし、微弱ながらも霊圧は感じる。

 

「負けたか一角。あいつを倒せるということは、〈旅禍〉の中には第三席以上の実力を持つ輩がいるらしい。おそらく黒崎一護だろうが、その程度では〈瀞霊廷〉には勝てないぞ」

 

雷蔵は隊首羽織を翻し、何処かへと消えていった。

 

 

 

 

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俺は負けたのか?クソ、身体が言うこときかねぇぜ。隊長には悪いことしたな。顔に泥塗っちまった。

 

「ん?」

 

そこで俺は気付いた死んでいないことに。瞼を開けると〈瀞霊廷〉の青空が見える。それも先程と変わらない色で。どうやら気絶していたのは、僅かな時間だったようだ。

 

「死んでねぇ…」

「よお、起きたか?」

 

声がした方を向くと、先程まで戦っていた一護が俺の斬魄刀を持って、自分が壊した塀の瓦礫の上に座っていた。

 

「しかし、よく効くなこの血止め薬。俺とあんたに使ったら空っぽになっちまった」

 

言葉通り俺に柄の下部分を俺に向けてくる。負けた相手に情けをかけられれば、普通なら憎悪が湧いても可笑しくはない。今までの俺ならそうだっただろうが、どうやら今の俺は少し違うらしい。

 

怒りは露程も感じず何故か心地良かった。

 

「じゃべれるならそのままでいい、俺は質問したいだけだ」

「んだよ自己紹介はしたぜ。血液型でも教えてやろうか?」

「バーカ、そんなんじゃねぇよ。ルキアについて知りたいだけだ」

 

その名前を聞いて驚いた。こいつはまさか助けるつもりか?あの重罪人を。

 

「助けに来たのか?」

「当たり前だ」

「何人でだ?」

「5人と1匹」

「1匹ってなんだよ!それ戦闘できんのかよ!ギャハハハハハハハ、できるわけねぇ~だろそれだけで!」

 

ブシュー!

 

「グオォォォ!笑いすぎて血がァァァ!」

「…アホだろ」

「…ふう。まあいい。こっから真っ直ぐ南に行くと、〈護廷十三隊〉各隊の詰所があるんだが、そこの西の端に真っ白い塔がある。おそらくそこにいるはずだ」

「…聞いたのになんだけどよ。それは教えてもいいのか?」

「〈旅禍〉に負けた俺は用済みだ。どうせ処罰を受けるだろうからな。それから俺の隊の隊長には気をつけろ。今のお前じゃまるで歯が立たねえ」

 

俺の言葉に一護は眼を見開く。

 

「…それだけ強いってことか?」

「俺は〈十一番隊〉第三席。俺の上には別次元と言っていいほどかけ離れた実力者が本当は(・・・)2人いる」

本当は(・・・)?」

「『隊長』はどこかを放浪している。今の『隊長』は『代理』だ。正式な地位は副隊長。どちらにせよ手に終えない人だ」

「その代理より強いのが本当の隊長か…」

「俺のところは少々特殊でな。本当の『隊長』は戦いで得た役職だ。それより気ぃつけろよ一護。お前らの中で誰が一番強いか俺は知らねぇが、隊長は簡単に倒せる人じゃねぇ。俺が思うに〈瀞霊廷〉10本の指に入るはずだ。俺でも《始解》させることは一度も出来なかった」

「あぁ、ありがとな。頑張ってルキアを助けるぜ」

 

そう言い残し一護は俺の前から姿を消した。

 

「ありがとうか…けっ、戦闘が終わっても嫌な奴だ。本当に気ぃつけろよ一護。あの人は人をあまり殺さねぇが、原始的な恐怖を覚えさせる人だ…」

 

それだけ言葉にして再び俺の意識はそこで途切れた。

 

 

 

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四番隊綜合治療詰所/第一治療室

 

 

「何か言うことはないかネ?斑目君」

 

一角は搬入されてからの治療後。〈十二番隊〉隊長 涅マユリから脅迫を受けていた。一護との戦闘後、出血多量で倒れているところを治療班である四番隊隊士に発見されたのだった。

 

ここに搬入され治療を受けたのも束の間。涅マユリが押し入っているという経緯である。

 

「俺は何も知らないんですよ。〈旅禍〉の目的も行き先も」

「では何かネ?君は何も情報を得ずに逃がしたと?」

「その通りです。ついでに言うと〈旅禍〉の声も顔も知りません」

「そうかい。では頭に直接聞くことにしようかネ!」

 

マユリが左腕を振り上げ掴みかかろうとした瞬間、その腕を掴む手があった。

 

「そこまでだよ涅隊長。いつから他の隊の隊士を裁けるぐらいに偉くなったか聞いてもいいか?」

「隊長…」

 

その人物は他でもない一角の上司である、〈十一番隊〉隊長代理 雷蔵その人であった。

 

「やれやれ隊長さんのお出ましとなると聞くに聞けないネ。行くぞネム。…ネム?」

「ネム副隊長、何故俺の羽織に頬摺りしている?」

「気分です」

「ネム、今すぐそやつから離れろ!汚らわしい奴から余計な知識を流し込まれては困るヨ!」

 

散々な言われようだが、いつものことなので無視するが吉だ。マユリの言葉を右から左に流す雷蔵である。

 

「離れた方が身のためだネム副隊長。隊長の言うことに従った方が良い」

「承知しました」

「きいぃぃぃぃぃ!上司である私より他の隊長の言うことを聞くとは忌々しい!行くぞネム!」

「はい」

 

殺伐とした会話を終え、2人が出て行ったことを確認する。それから一角と雷蔵は向かい合う。といっても一角は寝かされているので、向かい合うとは言えないが…。

 

「すみません隊長、負けてしまいました」

「構わないさ。お前が無事に帰ってきたことが何よりの吉報だ。それで〈旅禍〉はどうだった?」

「かなりの腕前で今は発展途上です。戦いを続けることで、大幅に戦闘能力が向上します。戦いの中で成長していくようですね。現在の実力は隊長には及びませんが、三席以上副隊長未満というところです」

「黒崎一護、それほどまでに力を付けたか」

「知ってたんですか?」

 

一角が知らないのは当然である。これを知っているのは各隊の隊長のみだからだ。

 

「件の〈旅禍〉は一昨日、ギンの《始解》を受け止めた」

「…マジですか?」

「嘘を言う必要は無いだろう?」

「俺でも視認できたことはないんすけどね。…負けても当然っすか」

「かもしれないな。今は安静にしていろ。また戦うことになるかもしれん」

「隊長」

「ん?」

 

そう言って去ろうとする雷蔵を一角は止める。

 

「隊長の人相をお伝えしました。一昨日、出会っているなら戦闘は避けられません」

「構わないさ。俺の満足できる実力があれば、いつでもかかってくればいい」

 

そう言い残し、雷蔵は四番隊綜合治療詰所/第一治療室を後にした。

 

 

 

 

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数時間後、〈六番隊〉副隊長 阿散井恋次が〈旅禍〉によって重傷を負ったという情報が〈瀞霊廷〉に回った。

 

「事態は火急である!遂に〈護廷十三隊〉の副官1人を欠く事態となった。もはや下位の隊員に任せておける事態ではない。先の市丸・雷蔵の行動は不問とする」

「おおきに」

「ありがとうございます」

「上位席官の廷内で斬魄刀の常時携帯、戦時全面開放を許可する」

 

元柳斎の重々しい命令に隊長各は恭しく頷いた。

 

「ギン、どうだ?」

「雷蔵はんのおかげで順調やで。おおきに」

「〈旅禍〉がこのまま上手く立ち回ってくれたらいいんだが…」

 

それには同意見らしく、ギンもいつものような底の知れない笑みを浮かべてはいなかった。

 

 

 

 

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翌日、雷蔵は定例集会が行われる場所で待っていた。

 

「いやあァァァァァァァ!」

 

突如、女性の悲鳴が大きく響き渡った。

 

「東大聖壁のほうじゃ!」

 

〈七番隊〉副隊長 射場鉄左衛門の言葉通りにそちらへ向かう。その場に着くと誰もが眼を見開いた。

 

「…藍染、隊長?」

 

誰かが呟いたが聞き取れなかった。

 

「何や朝っぱらから騒々しいことやなァ」

 

暢気な言葉を発して現れたギンに、藍染の死体を見ていた〈五番隊〉副隊長 雛森桃が振り返る。脳裏に幼馴染が話してきた言葉を思い出す。

 

{〈三番隊〉には気をつけな。特に藍染が1人で出歩くときは}

 

「お前かぁ!」

 

斬魄刀を抜刀してギンへと肉薄し斬り付ける。

 

ギイン!

 

それを防いだのは〈三番隊〉副隊長 吉良イヅルだった。

 

「どんな理由があろうと、隊長に剣を向けることは僕が許さない!」

「…どいて。どいてよ吉良くん」

「ダメだ絶対に」

「どいてって言うのがわからないの!?」

「だめだと言うのがわからないのか?!」

 

双方共に頭に血が上り、互いを敵としか認識していない。

 

「《弾け【飛梅】》!」

 

《始解》するとその部分が爆発した。煙の中から無傷の吉良が飛び出し、大きく距離をとって怒鳴る。

 

「公事と私情を混ぜるな!自分が何をしているのかわかっているのか雛森副隊長!」

 

その言葉を無視して攻撃を続ける雛森に、嫌気がさしたのか吉良も覚悟を決めたようだ。

 

「そうか。それでも攻撃するのであれば、僕も君を敵と認識するよ」

 

大きく宙に跳躍し叫ぶ。

 

「《面を上げろ【侘助】》!」

 

その瞬間、2人の隊長が飛び出していた。

 

「「動くな2人とも」」

「…雷蔵隊長」

「…日番谷隊長」

「拘置だ2人とも。連れて行け、報告は俺と雷蔵隊長で行う」

 

2人は副隊長たちに捕らえられ、連行される様子を静かに見守っていた男がいる。謎の笑み浮かべている市丸ギンだ。

 

「すんませんな。うちの副隊長が迷惑かけて」

「市丸…」

「ギン…」

「お前、雛森を殺そうとしたな?」

「はて?なんのことやら」

 

ギンの右腕は人差し指が不自然に伸びており、冬獅郎は鋭い観察能力でそれに気付いていた。

 

「とぼけんな。雛森に血ィ流さしたら俺がてめぇを殺すぜ」

「おお怖」

 

それだけを言い残して冬獅郎は戻っていった。

 

「あまり冬獅郎怒らせんなよ?あいつは強い」

「わかっとるよ、そないなこと。でもこれだけしないと怪しまれるからなァ」

「お前が殺したわけではないと?」

「簡単に言ってくれはるね雷蔵はんは。無理やで今のボクじゃ」

「そうか。…なら別にいい」

 

話を終えると雷蔵は何処かへと跳び去り、その場には不可思議に佇むギンだけが残った。そしてギンは殺された藍染であったはずの()を、いつもの底が知れない謎の笑みを浮かべながら見ていた。




ギンと雷蔵の関係上手く書けているのか微妙なところですね…。作者自身知識不足及び語彙力が無いので伏線張れている気がしませんねww

さて明日から旅行に行って参りますので投稿はこれで一区切りとなります。次回の投稿は未定です迷惑をおかけします。




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