後、UA50000突破に感謝感謝!
今回は会話兼移動回
独自設定に注意
後、今回からアンケート機能を使い始めました。
「お早う御座います、ジャンヌ。休む事は出来ましたか?」
オルレアンの監獄城にて休息を取り終えて自室から現れたジャンヌ・オルタに礼をしながらジルは挨拶をする。
「えぇ、ジル。取り敢えず疲れは取れたわ。でもバーサーク・ライダーとのパスが切れているのだけど、如何云う事かしら?」
「はっ、バーサーク・ライダーは昨夜モンスター達を率いて異邦人達のキャンプ地へと攻め入りました」
「そう…。パスが切れた以上、捕らえられたか若しくは…」
「敗れたのでしょうな」
ジャンヌ・オルタは歯噛みする。
ランサーとアサシンを奪われ、更にライダーすらも捕らえられたか倒されたのだ。また強力な駒を一つ失ってしまった。
「…まぁ、良いわ。聖女だった彼女は狂化しても理性を残し続けていた。それが不安だったけど、魔力の消費を見るに全力で戦ったのでしょう…良しとします。それでジル、今回は“彼”を出陣させるわよ?」
「畏まりました。ジャンヌがお休みの間に新たな戦力を用意して御座います、どうぞお連れ下さい」
ジャンヌ・オルタに深々とお辞儀をするジルの横に2体のサーヴァントが現れる。漆黒のフルプレートアーマーを身に纏った騎士とその手にギロチンの刃を持った黒コートの男が彼女の前に並ぶ。
「バーサーカーの湖の騎士、ランスロットとアサシンの処刑人、シャルル=アンリ・サンソンです。バーサーカーは中々面白い力を持っておりますし、異邦人達の中にかのマリー・アントワネット王妃がいる事が確認出来ましたのでアサシンは正に適任でしょう」
「あら素敵じゃない。それでは付いて来なさい、ワイバーンに乗り出陣します。向かう先に居る者はすべて皆殺しよ」
「………gurrrrraaaaar……」
「お任せをマスター。あぁ…もう一度王妃の首をこの手で落とせるなんて…」
旗を掲げ、ワイバーン達が待つバルコニーへと足を向けるジャンヌ・オルタ。彼女の後を狂気に満ちたバーサーカーとアサシンが続く。
ワイバーンに騎乗したジャンヌ・オルタ達をジルが見送る。ワイバーン達が次々と飛び立つ中、ジャンヌ・オルタがふと思い出した事をジルへと問い掛ける。
「ねぇ、ジル」
「なんですかな、ジャンヌ?」
「私は“人形”?」
「っ!?」
ジャンヌ・オルタはの問いに笑みを浮かべていたジルの表情が凍り付く。
「? ジル?」
「はっ!? あ、あぁ、申し訳ありませんジャンヌっ!」
ジャンヌ・オルタの呼び声で我に返るジル。
一瞬の事であったが彼にとっては1時間もの時間が経過したかのように長く感じた。
困惑が混じった表情のジャンヌ・オルタに対し、ジルは慌てた様子で謝罪する。
「どうしたのかしら?」
「いえ、その言葉は匹夫めに言われたのですかな?」
「違うわ、あの忌々しい天使よ」
「おぉ…なんと忌々しい神の使いでしょう? ジャンヌを見捨てるどころか戯言で貴女様を惑わそうとするとは…」
「そう、そうよね…戯言よね? 私は人形では無いでしょう?」
声に不安が混ざるジャンヌ・オルタ。そんな彼女にジルはその不安を消し去るか如く捲し立てる。
「その通りで御座います。貴女様はジャンヌ・ダルクに他なりません。裏切ったこのフランスを、世界を、神すらにも報復すべく甦った麗しき竜の魔女なのです!!」
「私は魔女、そう…このフランスに復讐する為に甦った魔女…」
「恐れる事はありませぬ、ジャンヌ。貴女様は思うが侭にその力を振るえば宜しいのです」
「えぇ、そうね。私は竜達を率いて蹂躙すれば良いのだから…」
ジルの言葉にジャンヌ・オルタは頷きながらワイバーンを駆り、飛び立つ。
「有難う、ジル。貴方の御陰で不安は晴れたわ」
「それは宜しゅう御座いました。それではジャンヌ、在るがままに」
「えぇ、行ってくるわ」
高らかに飛び立っていくワイバーン。
ジャンヌ・オルタの乗るワイバーンの周りを無数のワイバーン達が飛んでいる。
そしてその先には…
巨大な竜の姿があった。
ジャンヌ・オルタはワイバーンから巨大な竜へと飛び移り、旗を掲げると竜は彼女の示した先へと飛翔を始めた。
竜の魔女の出陣である。
竜の姿が小さくなっていくのを見送りながら、ジルはポツリと呟いた。
「神めは…異邦人共は彼女の正体に気付いているとでもいうのか…? いや、まさかそんな…」
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「お早う御座います先輩、エミヤさん」
「お早うマシュ、早いね?」
「お早う」
マルタとの闘いを終えた夜も終わり、朝がきた。
まだ日が余り昇っていない早朝の中、朝食の準備をしていた優作とエミヤにテントから出て来たマシュが挨拶をする。
優作は大きなバゲットを薄くスライスしており、エミヤは鍋で野菜や豆を煮こんでいた。
「はい、先輩達が朝食を作る為に起きているだろうと思って、私もお手伝いしたくて早起きしました」
「それは嬉しいさな」
「何かお手伝い出来ますか?」
「それじゃあ、そこのブロックハムや野菜を薄くスライスしてくれるかな?」
「はい、任せてください♪」
優作の指示に従い食材をサクサクとスライスしていくマシュ、カルデアにて彼やエミヤ達から料理を習っている為にこの程度なら朝飯前だ。
「人数分切り終えたら、このスライスしたバケットの片面にバターを塗ってマシュが切った食材を挟んでいってくれるかな?」
「はい!」
3人での楽しい調理が暫く続いたが、オルガマリーの登場で小さな波乱が起こる。
「お早う御座います、所長」
「お早う、マリー」
「……お早う」
調理している優作達の元にオルガマリーが現れる。彼女に優作達は挨拶を交わしたのだが何か不機嫌だった。
「マリー、如何したん?」
「なんでもないわ」
「!?」
問い掛ける優作にオルガマリーがプイとそっぽを向く。「私、不機嫌です」のオーラを隠す事無く、優作をジト目で見ている。
優作にとって彼女がそんな態度を取ってしまう様な事をした記憶は無い。首を傾げる中、マシュが彼に耳打ちする。
「申し訳ありません、先輩。実はオーバーワールドで先輩とデートした事をうっかり洩らしてしまって…」
「…把握」
つまり、“自身は凪の服の力を使いこなせるように頑張っていたのに遊び回っていた事が許せない”のであろう(合っている様で合っていない)…と、マシュの話から理解した優作(The 勘違い)。取り敢えずは彼女の機嫌を良くする為に行動を開始する。
「マリ~?」
「…………何?」
優作の呼び声にそっけない返事をするオルガマリー。それでも優作が気になっているから彼をチラチラ見ている様子はなんだか微笑ましい。
「マリーが忙しかった中でマシュと2人で遊びに行ったのは申し訳ないと思ってるさ?」
「…別に怒ってなんかないわ」
「むむむ…」
優作の謝罪に対して再びそっぽを向くオルガマリー。そんな彼女の様子を見て、これは相当根に持ってるなと優作は苦笑いする…が、この程度でへこたる彼ではない。
「いや~、この特異点を解決したら連れて行こうと思ってたんだけどな~?」
「……?」
思わせぶりな台詞を放ちながら、優作は懐からナニカを取り出す。
オルガマリーが彼へ視線を向けるとその手には2枚のチケットがあった。
「オーバーワールドで人気の海中レストランの招待チケットが丁~度
「…!?」
残念そうな声でチケットをヒラヒラと揺らす優作にオルガマリーは目を丸くする。オーバーワールドについては昨日のバスルームの中でマシュから説明して貰っている。何でも優作が偶々発見した別世界で、彼自身が街の建築や店舗設立に関わっており、正にもう一つの地球と言える場所であるとの事。
彼が建築に携わった街の建物はどれも素晴らしかったとはマシュの評だが、カルデアの増築された地下エリアのデザインを見る限り、彼の建築センスは相当なモノである事は解かっている。海中レストラン自体は現実にも存在してはいるのだが、行った事が無い上に彼がどのような感じのレストランを建てたのかが非常に興味があった。
「でも誘えそうに無いな~、しょうがないからマシュかダヴィちゃんでも誘うかな~?」
「ま、待って!!」
わざとらしい言い方ながらも優作がマシュへチケットを渡そうとしているので思わず制止の声を出してしまったオルガマリー。
してやったりと言いたそうなしたり顔の優作を前に単純な自分に呆れつつ、オルガマリーは顔が徐々に熱くなっていくのを感じていた。
「一緒に行く?」
「……………行く」
恥ずかしさでまたもやそっぽを向きながらも優作の問いに頷く。そんな彼女に優作は笑みを浮かべてチケットから手を放す。すると2枚のチケットは蝶の様に羽搏きながらオルガマリーの手元へと飛んでいく。
「それじゃ、楽しみにしてるから。それまで預かっていてね?」
「……うん」
笑顔の優作にオルガマリーは受け取ったチケットを大事に握りながら頷く。先程までの不機嫌は何処へやら、嬉しそうなオーラを撒き散らしながら笑みを浮かべている。
そんな様子を料理しながら見ていたマシュは頬を膨らます。自身が事の発端ながらも優作とオルガマリーが自分がまだ知らない場所へ2人で行く事に胸が何故がモヤモヤした。
(他人事の様に言える立場では無いのは解かっているだが……苦労しそうだなマスターも…)
(
笑顔のオルガマリーと頬っぺたを膨らませているマシュの様子を見て、エミヤとフォウは呆れ顔になっていた。
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「…き……さい、聖……タ」
「……う~ん…」
「朝……が出…ま…た…」
「……んあ~?」
「聖マルタ、起きて下さい」
「へ?」
マルタが目を覚ますと目の前にはジャンヌの顔があった。
「お早う御座います、聖マルタ」
「はい? …へ?」
「優作さん達が朝御飯を準備しています、皆集まっていますので行きましょう?」
「………あ~、そうだったわね」
笑顔で挨拶するジャンヌにマルタは未だぼんやりしている頭を回転させて現状を思い出させる。
昨夜、ジャンヌとの戦いに負けた後、優作達に依ってジャンヌ・オルタとの契約パス及び狂化を解除して貰い、優作を殴るべく追い回した挙句、魔力切れで倒れたのだった。
「体調は大丈夫ですか? 倒れる直前にオルガマリーさんが契約を結びましたが、魔力は如何ですか?」
「大丈夫よ、寧ろ力に満ち溢れているわ」
首を捻ってボキボキと関節から音を鳴らしながらベットから出るマルタ。中々にワイルドな様子だが、元々が下町育ちの彼女にとって、これが素の姿である。
「それじゃあ、行きましょう? 後、私の事は只のマルタで良いわ」
「宜しいのですか?」
マルタの頼みにきょとんとするジャンヌ。
「構わないわ。立場上仕方なかったとは云え、周りから敬われてばかりって肩が凝っちゃうし…貴女も周りから“聖女ジャンヌ”とか“ジャンヌ様”とかずっと呼ばれっぱなしは嫌でしょ?」
「クスッ、そうですね。分かりました♪」
ジャンヌと共にテントを出ると既に他のメンバーは揃っていた。
「ら、ランサー…」
「ふむ、起きたかライダー…否、聖女マルタ」
ヴラド三世とマルタ。嘗てジャンヌ・オルタに召喚され、狂化に因って望まぬ虐殺を行っていた者同士である為に少々気拙い雰囲気が流れる。
「まぁ、座れ。彼らの作る食事は美味い」
「え、えぇ…」
ヴラド三世に促され、マルタも席に着く。
全員が席に着いた処で優作達が出来立ての料理を運んで来た。
「へ~い、朝のメニューはササミとハムのサンドウィッチとキカトリーク・サラダ、満腹やわらか豆スープで~すっ!」
「まぁ、美味しそう♪」
「ドリンクとしてミルクとオレンジジュース、紅茶がある。好きな方を飲んでくれ」
優作とマシュがサンドウィッチとサラダが載ったプレートとスープが入った御椀を各々の前に配膳していく。テーブルの真ん中にはピッチャーに入ったジュースとミルクそして紅茶が入ったポットが置かれている。
「一日の元気は朝御飯に有り! さぁ、食べようっ!!」
優作の言葉と共に食事を始める面々。
「…美味しい」
「うむ、美味い」
「どんどん食べたってな? スープはお代わりあるさかい」
「優作さん、お代わり宜しいですか?」
「ういうい、お腹いっぱい食べんしゃい」
スープを啜りながらマルタとヴラド三世がその美味しさに感想を零し、ジャンヌがお代わりを要求する。
マリーは目を輝かせながらサンドウィッチを頬張っており、アマデウスは黙々と食べている。
「ところでマル姐、ジャンヌ・オルタが使役しているすんごい邪竜って何なん?」
朝食後の一服で皆がのんびりしていた時、ふと優作がマルタに問い掛けた。
優作の問いに嘗て竜の魔女の駒となっていたマルタとヴラド三世が同時に答える。
「「ファヴニールよ(だ)」」
ジャンヌ・オルタが操る竜の正体に息を呑む……のは一部だけで他は「そっか~」な軽い感覚で受け止めていた。
そして、肝心の優作はと云うと…
「ほ~ん、ファヴニール…ファフニールね~?」
全く緊張していなかった。そんな優作の反応に新規以外のメンバーは「あぁ、やっぱり…」といった顔になっている。
「…アンタねぇ…相手は邪竜の中の邪竜なのよ!? 分かってる訳!!?」
「だってにゃ~? 確かにファヴニールは強いけんど、"バハムート"程じゃ無いし~?」
「ば、バハムート…?」
「そもそも仲魔にいるし~?」
「は? 仲間? ……へぁ?」
「…優作よ、それは本当なのか?」
優作の反応に対して額に青筋を浮かべたマルタが声を荒げるのだが、彼の返答に困惑の声を漏らし、ヴラド三世も信じられない様子で問い掛ける。
優作はニヤリ顔で封魔管を一本取り出した。
「出て来い、ファフニール」
「何用カ、さまなー?」
封魔管から緑の閃光が放たれ、開けた場所へと延びていく。
光が消えた後の場所には漆黒と白銀で鈍く輝く鋼の身体を持った巨大な竜が立っていた。
「嘘…でしょ…!?」
「大きさも、姿もまるで違うが気配は同じ…否、力の格が全然違うっ!!」
優作の呼びだしたファフニールはマルタ達が監獄城で視たファヴニールとはその見た目も大きさも異なっていた。しかし、目の前のファフニールが放つ力強さはジャンヌ・オルタが持つファヴニールが放っていたモノより遥かに濃く、強大だった。
マルタはポカンと口を開いて呆けており、ヴラド三世はその顔を驚愕に染めていた。
「おいちゃんが手塩を掛けて育てたこのファフニールにジャンヌ・オルタのファヴニールがどれだけ戦えるか楽しみさね?」
「ホウ…別世界ノ我ガ存在スルカ…面白イ…」
「……そうね、そうよね。タラスクすら使役しているアンタが持っていない訳無いわよね…」
「…優作の力については説明されたが、本当に規格外であるな…」
ゲス顔になりながら「ゲゲゲ」と笑う優作に遠い目になったマルタがしみじみと呟き、ヴラド三世も呆気に取られていた。
「…邪竜を使役しているならばドラゴンスレイヤーも連れていたりするのか?」
「もち、このファフニールを屠ったジークフリートもいるさね」
「……私の忠告って無駄だった…?」
「ノンノン、おいちゃん達ははぐれサーヴァントを仲間にする予定だったさかいな。マル姐の話は有難いっさ」
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キャンプ地から出発して十分足らずでディジョンに着いた優作達は早速、情報収取を開始した。
ラ・シャリテと同じく、優作とジャンヌが2人は商会商売を兼ねた情報収取を、マシュとオルガマリー、小次郎は3人が町の人々へ聞き込み調査、エミヤとクーフーリンが街の外で見張りの任に就く。
これに新たなメンバーであるマリーとアマデウスが情報収集班に加わる。ヴラド三世とマルタの2名は流石にジャンヌ・オルタ一派とそっくりな顔(同一人物であるのだが)が増えるのは勘違いを招かねないとの事から霊体化して見張りの任に回った。
街への襲撃も無く、円滑に情報収集を終えた優作一行は移動しながら結果を報告する事にし、そのままディジョンを出発してリヨンへとチョコボを走らせた。
「リヨンには大剣を使う剣士がいるそうです」
【大剣を扱うならセイバーのサーヴァントか、現状のメンバーにセイバーはいないから助かるね】
「マル姐が言ってたサーヴァントで合っているの?」
「そうね、リヨンにはワイバーンの大群を向かわせてたの。でも帰ってくる事無く全滅してた。だからラ・シャリテ襲撃後にリヨンも攻める予定だった訳」
ディジョンにてマシュが聞いた噂話とマルタの話を摺り合わせる。リヨンにいるセイバーと思われるサーヴァントはジャンヌ・オルタが操るファヴニールへの切り札になれる人物である。
なによりはぐれサーヴァントなのだ。可能な限り仲間に引き入れていきたい。
「他には角を生やした少女がいるらしい」
「角…ですか?」
「うむ。変わった身なりらしいが、ワイバーンを撃退していたらしい故、竜の魔女の配下では無かろうて」
「僕は聖人がいる話を聞いたよ」
「聖人?」
「名前こそ判らなかったけど、守護している街では大分慕われているらしいよ?」
小次郎とアマデウスからリヨンにいるドラゴンスレイヤーに続き、新たなはぐれサーヴァントが存在する情報を得る。
「後、ワイバーンに街や村を追われた人々を天使様が助けているらしいわ」
「天使?」
「なんでも襲撃で村を追われた人々を避難先の街まで護衛してるらしいの。この街に逃げて来た村人も助けて貰ったらしいわ」
「天使の噂は私も聞いたわ。襲撃を受けていない村や街を守護しているらしいわね」
マリーも街から聞いた情報を報告し、同じ情報を聞いたオルガマリーも説明を加えていく。新たな天使というワードに一同が首を傾げる中、優作だけが内心で状況は上手く動いている事を喜んでいた。
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リヨンに到着した優作達。
ワイバーンの襲撃を受けていた為に避難で住民が離れていると思っていたのだが、街は人で賑わっていた。
【街を守護しているサーヴァントが相当な信頼を受けているのだろうね】
「手分けして探しますか?」
「いや。街を守っている以上、街のお偉いさんとかに話を着けた方が良いと思うさ。ま、おいちゃんに任せて?」
この街に来た一番の目的は街を守護しているはぐれサーヴァントを仲間にするか協力態勢を結ぶ事である。街を一人で守護している以上、守られている街の住民からは大きな信頼を受けているであろう。ならば、街の長といった上の立場の者と繋がりが出来ている筈だ。
優作は商売を兼ねてサーヴァントと出会う方法を考えていた。
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リヨンの商会にて会長と商談を進めつつ、街を護っている剣士へと伝言を頼む事に成功した優作達。ラ・シャリテとディジョンにて販売した瓶詰の食料と医薬品、そしてアルバレストだったが、何れも好評な様子で購入して貰った。
商談を終え、世間話を混ぜながら噂話を聞いている中、商談をしていた執務室へ一人の男が訪れた。
「すまない、視回りで遅くなった」
執務室の扉を開き、黒を基調とした鎧を身に纏い、銀髪を長く伸ばした青年が現れた。
「貴方が、この街を守護している…?」
「あぁ、マスターがいない儘で召喚され、彷徨っていたところをワイバーンに襲われていたこの街を見掛けてな。守護し、そのまま居座っている身だ」
「ところで、お名前は?」
「む、すまない。俺の名はジークフリート」
【なんと、ファヴニール打倒に正にうってつけな人物だった!!?】
「まさかのご本人かいな…」
黒き騎士、ジークフリートの自己紹介にロマニが驚愕の声を漏らし、優作達も驚く。
ドイツの有名な英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』にて登場するジークフリートはネーデルラントの王子にして不死身の肉体を持った英雄であり、伝説の英雄シグルズがモデルであるとされる人物だ。
聖剣バルムンクを振るって邪竜ファヴニールを討伐した際、その全身にファブニールの血を浴びた為に不死の肉体を得たとされているが、その時背中に張り付いていた一枚の木の葉に因って一部分だけが不死身ではなくなった為、彼を疎ましく思っていた王国の重臣ハゲネが騙し討ちでその急所を貫いた事で殺害されたと伝えられている。
「街の好意で部屋が用意されている、話は其処で良いだろうか?」
「えぇ、構いません」
ジークフリートの提案にオルガマリーが了承し、優作達は商会を後にした。彼の話では見張り塔の一角を仮住まいにしているとの事。見張り塔へと向かう一向だったが、行く道で街の住民達がジークフリートへと声を掛けていく。
「騎士様、お仕事お疲れ様!」
「あぁ」
「騎士様! 何時も街を護ってくれて有難う」
「それが俺の仕事だ」
「これ持っていってくれよ! 収穫したての野菜だ」
「すまない、有難く受け取ろう」
「きしさまぁ、これあげるぅ♪」
「有難う」
老若男女問わず、様々な人達から労いの言葉と共に様々なモノを受け取るジークフリート。彼の人柄が垣間見えた。
「随分と慕われているんですね?」
「サーヴァントの身である以上、食事は必要無いからと断ってはいるのだがな…気にするなと言って聞き入れてくれない」
「良い人達ですね」
「あぁ、俺には勿体無い位の良い人々だ」
(謙虚な人だなぁ…)
控え目な態度を取るジークフリートに勇ましい英雄のイメージがあった優作は、マルタの様に実際合ってみないと、人物か判らないのは本当なのだと改めて感じていた。
ジークフリートに案内され、見張り塔の詰め所に着いた。部屋はそれなりに広く、嘗て使われていた椅子も複数あった為に座る様、促される。
「ところで、そこの少女は魔女と顔が瓜二つの様だが…?」
「それも含めて説明します」
商会にて見た時から気になっていたらしく、ジャンヌの顔を見ながら問い掛けるジークフリートにオルガマリーがフランスへ来た理由含めて説明する。
「世界は焼かれ、人類は殆どが死に絶えた、か…」
「その原因の一つがこのフランスで起きている竜の魔女が起こした争乱なんです」
「ジャンヌ・ダルクは聖女と竜の魔女の2人に分かれているという事で良いのだな?」
「はい。英雄ジークフリート、どうか力を貸して頂けませんか?」
オルガマリーの説明を聞いていたジークフリートだったが、彼女の依頼に対し申し訳無さそうにその首を横に振った。
「すまない、手を貸してやりたいのは山々だが…俺以外にこの街を護れる者がいない以上、俺はこの街を離れる訳にはいかない」
「それは…そうですね」
「竜の魔女、ジャンヌ・オルタを討伐せねばならない事は先程の話から理解している。だが、オルレアンに攻め入った時、敵の別動隊がいた場合に街を襲われる可能性を見逃す事は出来ない」
彼の言葉は尤もだ。ジャンヌ・オルタは聖杯の力でワイバーンや英霊を召喚出来る。下手に攻め入って別動隊を召喚されれば、そちらへ戦力を向けなければ街やフランス国民達が危ない。
「加えるならヴラド三世とカーミラ、私が捕らえられている以上、新しいサーヴァントを向こうは召喚している筈よ」
リヨンに入る前からしていた霊体化を解除してマルタが別の問題を提起する。
彼女が生き残ったら戦力は回復されてしまう危険性がある。その上、聖杯の所持者が彼女でなくジル・ド・レェである場合、ジャンヌ・オルタを倒しても改めて召喚させかねない。
この戦いに勝つにはジャンヌ・オルタとジル・ド・レェ又は聖杯の持ち主の2人が確実にいる状況で電撃的に倒した上で聖杯を回収しなければならない。
「!? 彼女は…?」
「済みません、彼女はジャンヌ・オルタに召喚されたサーヴァントだったのですが、契約を解除して此方に引き込んだんです」
「流石にジャンヌ・オルタ陣営にいたメンツが更に2人いたら街が大騒ぎになるでしょう? だから霊体化して隠れていたの」
「2人? ……成程な」
マルタの“2人”と云う言葉にジークフリートは首を傾げるが、ヴラド三世も溜息を吐きながら姿を現したので納得する。
「戦力は必要ですが、街の守護は外せません。ジークフリートさんにはこの街に残って貰うべきでしょうか…?」
「それに関してはおいちゃんにお任せ」
マシュが現状の問題を再提起するが、その懸念は優作の言葉で払拭される。
「要は街の防衛戦力が存在した状況でジャンヌ・オルタと聖杯の持ち主を確実に倒さないといけない訳だ」
「キャンプで見張りに出していた使い魔達を戦力として使うの?」
「それも良いけど、既に手は打っているよ」
「既に…?」
「と言うのもね……っ!?」
「っ!? この気配は奴かっ!!」
優作が説明しようとした時、この街に近付く大きな気配を感じて窓の外へ向く。
同じく、ジークフリートも気配を感じたらしく、席から立ちあがった。
【優作君! サーヴァントを上回る、超極大の生命反応が向かって来ているっ!!】
「! ジャンヌ・オルタが来たんか!?」
【サーヴァント反応はジャンヌ・オルタを含めて6体! ワイバーンの数もラ・シャリテの時を超えている上に他エネミーを含んだてんこ盛りだっ!!】
ジャンヌ・オルタ陣営との第2ラウンド開始のゴングが鳴る時が刻一刻と近付いていた。
元ネタ
>ササミとハムのサンドウィッチ(出典:FF15)
『FF15』に登場する料理。
食べると攻撃力が100、獲得経験値が20%上昇する。
>キカトリーク・サラダ(出典:FF15)
『FF15』に登場する料理。
食べると最大HPが500、HP回復力が25%、獲得経験値が20%上昇する。
>満腹やわらか豆スープ(出典:FF15)
『FF15』に登場する料理。
食べると最大HPが600、HP回復力が50%上昇し、コマンドゲージ加速効果が付与される。
>ファフニール(出典:女神転生シリーズ他)
アトラス作品に登場する悪魔。
北欧の古い伝説に登場する邪悪なドラゴンで英雄ジークフリートによって倒された。
12世紀頃に書かれたとされる『ヴァルスンガサガ』では、大地を震わせ、大蛇に足が生えているような姿をし、身体は硬い鱗で覆われ、強い尾と鋭い牙を持ち、毒を吐く怪物であったとされる。
Q、何でリヨンが無事なの?
A、原作ストーリーを読んでも「嘗てリヨンだった街」や「少し前に滅んだ」しか書いていない為、ラ・シャリテでの遭遇後、邪ンヌ達はリヨンを攻めたと作者は解釈。本作ではラ・シャリテでの戦闘で敗走し、オルレアンにそのまま帰ったのでリヨンは無事という設定。
へ? 無理がある? そんな時こその御都合展開だ!(開き直り)
Q、マルタは衣装を貰っていないの?
A、次回明らかになります。
次回は4月26日投稿。
感想コメント、意見・質問お待ちしております。
カルデアで召喚して欲しいサーヴァントは?(上位2名が召喚されます)
-
アストルフォ
-
ケイローン
-
キングプロテア