お仕事を覚える事に余裕が出来たと思ったら人間関係で面倒な事に……
あ、後別に一つ
利用規約違反していないのに感想投稿者諸兄達のコメントを通報しやがった奴とそれを消したUNEI絶対許さないからなぁ?
「ウ~ン…」
「先輩っ!?」
目の前に広がる信じたく無い光景に絶叫を上げた優作は脳内での処理が間に合わなくなり、瞬間意識を飛ばしてしまって後ろに倒れようとしたが…
「ふんぬぅ!」
「お、戻った」
「
マシュの悲鳴と共にすぐさま覚醒、倒れかけた体を真っ直ぐと立ってみせた。
「いやぁ、メンゴ。予想の斜め上処か思いもよらぬ状況に気絶しそうになったべ」
「原因は…アレよね?」
「まぁ、遠くから見るだけで悍ましい存在であるのは解かるが…」
「そうさね、先ずは奴らについて説明しますか」
マルタとエミヤの問いに優作が監獄城周辺に展開した悪魔達について説明をする。
ルガヴィ
『FFT』の舞台であるイヴァリースに古くから伝わる伝説『ゾディアックブレイブストーリー』に登場する不死身の魔物であり、黄道十三宮の星座を司る計13体のルカヴィが存在している。
異界から召喚されるが、聖石を媒体にして魂と肉体の波長が合う人物へとその魂を宿す事でも君臨出来る。
原作に於いては主人公が聖石を先に回収していたり、魂が宿るのに相応しくない人物が聖石を所持していた等の理由で隠しボス含む7体のルガヴィしか登場していない。
ルガヴィ本人達が凶悪な状態異常範囲攻撃や強力な魔法を使う他、眷属のデーモンやアパンダを呼び出す為、対策を取らずに真正面から挑むと地獄絵図を生み出す事となる。
「えぇと…取り敢えず英雄譚に出てくる悪魔達なのね?」
「どれ位の強さなのかな?」
「先ず、イヴァリースの民は鍛えれば英霊と同等以上の戦力を持つ事が出来るさね」
「神話時代の人間と同じって事で良いのか?」
「そう考えて良いべ。そんな世界で城に勤めていた騎士達をルガヴィはたった一体で虐殺してみせたんよ」
「ちょっと!? 英霊クラスの力を持っている騎士達を僅か一体で皆殺しに出来る力を持つのか!?」
「そう云う事。だから、この時代の兵士さん達は眷属相手でも鎧袖一触になりかねんし、ルガヴィ相手では短期間ながらもカルデアで鍛えたクー兄達なら兎も角、現地入りしたジャンヌちゃん達では正直不安しか無くてねぇ…」
現状で取るべき戦術を優作は考える。
ワイバーンやリヨンで攻めて来たモンスターの群れだったならフランス軍と仲魔達で十分対処できた。だが、相手がルガヴィとその眷属達となると話は別だ。
FFTのボス且つその取り巻きである奴らは力だけでなく多彩な魔法と状態異常攻撃を持ち、行動選択を間違えれば戦線が即座に崩壊する危険性がある。
優作自身、原作を初見プレイ中にメンバーを十分に育てていない状態で挑んだルガヴィ戦で何度も全滅しゲームオーバーとなった経験を持っている。
「ロマン、城四方に展開したルガヴィの映像を送ってちょ」
【了解……あの不気味な見た目は正に悪魔だね】
ロマニの感想を聞きながらホログラムに映し出される映像から展開しているルガヴィを確認する。城四方に展開する過去のトラウマ達。更に正面城門の上に1体、そして魔力の反応から城内にも潜んでいる。
彼の言葉通り悍ましい姿である5体のルガヴィにオルガマリー達もその醜悪さに顔を顰める者、息を呑む者が出ている。
優作は脳をフル回転させて監獄城攻略の戦略を立てていく。正直カルデアに待機しているメディアとメデューサも呼び出してフルメンバーで臨みたいが、今回のイレギュラーがカルデアにも影響する場合を考えると決戦メンバーに加える事を躊躇わせていた。
現メンバーは現地にて仲魔になった者が大半だ。契約後、ハーブジュースによるステ強化こそしているが、僅か2,3日程度で圧倒的な成長を遂げれる訳では無いのだ。
(あぁ~、いやだいやだ。これ編制を間違えたら確実に誰か死ぬわ)
選択ミスしたらやり直し不可能の即アウトと云うストレスマッハな現状に辟易しながらも優作は監獄城突入及び四方に展開されたルガヴィの相手をするメンバーの組み合わせを考える。
リアルになったファンタジー、何が起こるか予想もつかない。それでも優作はベターで無く、限りなくベストに近いハッピーエンドを掴みたい。
「…今から編制を言うべ」
ルガヴィの厄介さと現メンバーの能力を照らし合わせながらそれぞれの対応するメンバーを選抜する。
「城内突入班と城四方のルガヴィとその眷属達を相手して貰う班に分けます」
「正面はルガヴィが2体いるが、どうするんだ?」
「突入班は門前のルガヴィはすり抜ける…つぅか、ゲートウェイで城壁の上にいるヤツを抹殺がてら突入すんべ」
「厄介と言った悪魔の1体を突入ついでで殺るのか…(困惑)」
クーフーリンの問いに答える優作のルガヴィの扱いに、ヴラド3世が困惑した声を漏らした。
「正面門から城内突入するんはおいちゃんとマシュ、マリーにフォウ君、そしてジャンヌちゃんときよひーの5名+αで一気に突入します」
場外と城壁のメンツを見る限り城内にラスボスと隠しボスが待っている事になる。ならば、上位ボス相手でもメタが張れる優作自身とジャンヌオルタを救う為に参戦したジャンヌ本人が出撃するのは確定として、防御技能が高いマシュと仲魔を召喚する事でオールラウンダーに戦う事が出来るオルガマリー、更に保険でオルガマリーと同じくオールラウンダースタイルになり得る清姫をメンバーにした。
「正面南側は小次郎さんとマル姐にエリちゃん、そしてアタラさん」
「西側は姫さんとアマさんにデオさんとシャルさん」
「北側はクー兄とブラドさんにエリさん」
「東側はエミヤん、ジークさんとゲオさんでお願いします」
監獄城四方に布陣したルガヴィとその眷属の軍勢。それぞれの特性を踏まえて対応出来るだろうサーヴァント達を編成した。
了解を得て各々が指定された場所へ移動するのを見送る中、優作は悪魔の軍勢の出現に動揺しているフランス軍の中枢へ赴いた。
「ジルさん」
「おぉ、優作殿か。あの悪魔の軍勢は一体…?」
陣幕内では突然の事態に若干の混乱が有った様だった。
落ち着かせるように指示を出していたジルの元に優作が訪れた際、彼は安堵の表情が見て取れた。
「世界を滅ぼせる大悪魔達を隠し玉にしていたようです。連中が率いている眷属の軍勢はワイバーンを歯牙にもかけません」
「なんと…それ程の化物が軍勢規模でいるのか…」
「大変心苦しいとは思うのですが、可能な限り大砲や弓に依る遠距離攻撃を主体にして下さい。連中の拳の前では鎧は紙切れも同然です」
「……我々では足手纏いか?」
優作の言葉に血を吐く様に問い掛けるジル。
目の前に展開している悪魔の軍勢の威圧がチリチリと届いていた。現に騎士達にも恐慌状態迄いかないまでも浮足立ちそうになっている者がいた。
「4方に展開している軍勢に其々指揮官役の悪魔がいます、それを倒せば大勢は崩れる筈です。我々が討ち取りますのでそれまで突撃するのはどうか…」
「…分かった。それ迄は矢と火砲で攻撃する様、指示しよう」
「済みません…」
「気にするな。君が我々の意を解かりながらも犠牲を増やしたくない事は解っている」
申し訳無く謝罪する優作にジルはその意を酌み、幕僚達に指示を下していく。
フランス軍の陣幕を出た優作は念話で仲魔達が各々の位置に着いた事を確認する。
「オルレアンの最終決戦、派手にいくぞぉっ!!」
優作が自身の周囲に複数の魔導書を展開し、使い魔達を次々と召喚していく。
森での警備やリヨン防衛戦でも活躍したエンジェル
漆黒の羽で飛びながら魔力を奪う矢を放つレイヴン
天使達を指揮するカマエル
土塊から岩石、溶岩に氷塊、果ては黄金でその身体が構成されている巨大なゴーレム達
様々な色の尖がり帽子を被り、杖を持つ小人達とドワーフ
1000は優に超える使い魔の大軍勢がルガヴィとその眷属達を包囲する形で展開された。
「更には追加の強化バフ!!」
魔導書から複数のサーバントベルへと切り替え、清らかな音色を鳴らしていく。
使い魔達をレベルアップさせその能力を上昇させるベルの音が監獄城周辺へと響き渡り召された使い魔達が強化されていく。
それに続き、小人達が杖を掲げて他の使い魔達へとバフ魔法を掛けていく。
水色帽子の『コロボックル』が攻撃力を上げる『ブースト』を
緑の帽子の『レプラコーン』が移動速度を上げる『ヘイスト』を
黄色帽子の『ノーム』が受けたダメージを反射させる結界を覆わせる『リフレクト』を
止めとばかりにマリアを召喚してからの強化コンボに依って優作達にはこれでもかと強化バフが掛けられた。
「敵を本陣に近づけさせるな! 掛かれぇーっ!!」
「砲撃始めぇ!!」
そして優作の号令が響き渡ると共に使い魔と仲魔達が敵軍勢へと突撃していき、それと同時にジルも砲兵達に砲撃の指示を下す。当然、ルガヴィの軍勢達も向かって来る敵を返り討ちにすべく進撃してきた。
飛び交う矢や砲弾、そして岩石と氷塊。
更には衝撃波で土埃が舞い、火炎の津波が突き進む。
様々な術が飛び交い、敵味方が吹き飛んでいく。
矢の雨を喰らい全身をハリネズミの様な姿になって事切れるデーモン。
毒魔法バイオに因って毒に苦しみながら墜落していくエンジェル達。
ゴールデンゴーレムが放った衝撃波で宙を舞うと同時に飛来してきた砲弾に頭を吹き飛ばされるアパンダ。
複数で掛かられ四肢を砕かれて粉々にされるゴーレム。
油断していたアルケオデーモンの脳天に斧を叩き込むドワーフ。
アルテマデーモンが操る闇魔術のナノフレアに因って塵一つ残らず消し飛ぶ使い魔達。
激突した両軍は入り乱れながら激しい戦いを繰り広げていた。
使い魔と仲魔達がバフを掛ける中、優作とオルガマリーが右手を掲げて大声で更なる言葉を告げる。
「令呪を以って我が仲魔達に告げる、全力を以って勝利へ繋げっ!!」
「オルガマリー・アムニスフィアが我がサーヴァント達へ告げます。同じく此度の戦いに勝利出来る様、全力を尽くしなさいっ!!」
カルデアに於ける令呪のシステムは本来の聖杯戦争とは些か特殊であり、マスターが得る令呪は3画ではあるのは同じなのだが、一日過ぎると令呪が補填されるのだ。
優作はそのシステムに改良を加え、余った令呪を自身に繰り越し補填する設定を施した。
特異点Fにて初めてマスターになった際に使用した令呪は1画。以降一週間の新たな特異点の探索中は使用せず、オルレアン発見以降も使っていないでいた。
結果、優作は令呪を29画もの令呪を保持していた。(尚、オルガマリーは人体錬成された後に令呪を得た為、優作より少し少ない27画を保持している)
令呪ブーストすら受けたサーヴァント達は本来の倍以上の実力を発揮できる様になった。これにて準備は完了した。後は聳える敵を叩き潰すのみ。
「用意は完了した、行くぞ皆! ルガヴィを打倒し、聖杯を確保するっ!!」
《応っ!!》
優作の言葉に仲間達各々が応え、敵軍勢へと掛けて行く。それと同時に各々の場所から上級魔法や晶術、スキルに因る爆発音が響き渡り敵軍勢を吹き飛ばしていく。
「主殿、武運をっ!」
「私の分も打ん殴ってやりなさい!!」
「アイドルデビューの約束守りなさいよ、プロデューサー!」
「宜しく頼む、マスター!」
小次郎達が正面に広がる敵軍勢を自身に釘付けにする為に攻撃を開始する。
小次郎のコメテオ、マルタのフリーズランサー、エリザベートの魔力弾幕、アタランテの放つ矢が城門前に広がる敵軍勢を削り取っていく。
消し飛びながらも監獄城の城門迄の道中には未だ悪魔達の軍勢は犇めいている状況であるが、監獄城正門に陣する敵軍勢は小次郎達を補足して意識が集中しており、この隙に優作が両腕を回すように動かすと監獄城の城門上に陣取るルガヴィの元へと繋がるゲートウェイが開いた。
優作達突撃班はゲートウェイが開くとそのままゲートへと飛び込んでいき、敵軍勢へと攻撃すべく次元魔法を詠唱していた獅子姿のルガヴィ、“統制者”ハシュマリムへと殺到する。
「なぁ!?」
「な、何ぃっ!? そ、そんな馬鹿なぁっ!?」
城門前に立つ羊の様な姿をした魔人、べリアスが拳を構えて待ち構えたいたのだが、まさか自身処か既に突撃していた眷属達の妨害も無視してハシュマリムの元へと辿り着くなど思いもしていなかった。
「こんにちわ、そして死ね」
ゲートウェイを抜けた優作達はそのまま詠唱準備していたハシュマリムの正面へと武器を構えながら殺到し、優作が詠唱中のハシュマリムの喉元へ剣を突き刺した。
「な…うぐぅっ!?」
喉を貫かれた事に因り、ハシュマリムは詠唱を中断せざるを得ず、そのまま喉を抑え大きな隙を作る。
「次元魔法なんぞ使わせんよ」
「ごふ…はぁ…」
喉を潰されて詠唱出来なくなったハシュマリムへ優作の後を続く突入班メンバーが各々の技を叩き込んでいく。
「聖なる槍よ、敵を貫け ホーリーランス!!」
「決めさせてもらうわよ? 磁霊龍牙突っ!!」
「続いて行きます! 回避不可能の奥義、無拍子!!」
「いきなさい、コノハナサクヤ!」
「
「大気満たす力震え、我が腕をして閃光とならん! 無双稲妻突きぃ!!」
「グギャアアアアアァァッ!?」
マシュ達の容赦無い袋叩きを喰らうと同時に優作が剣を振り下ろすと遥か下にある閉じられていた城門すら巻き込んで木っ端微塵に粉砕しながら紫に輝く雷撃の剣が天へと昇っていく。袋叩きに依って虫の息状態のハシュマリムは突き昇る稲妻に呑み込まれ、悲鳴と共に消し炭となりながら消滅した。
原作に於いても連戦の1戦目で御供無しに主人公陣営へ挑んで来る為に術技を発動する暇無く、リンチを喰らって死亡するという“統制者”の二つ名が泣く様な扱いなのだが、まさに原作再現というべく即オチ2コマなやられ方をしてしまった彼は泣いて良い。
だが相手は敵であるので容赦する必要が無いし、優作はその気がミクロン程も湧いていないのでモーマンタイであった。
「ハイ終了~、このまま城内突入すんべ」
「あの…優作さん曰く、サーヴァント複数人を皆殺しに出来る化物なんですよね?」
「術技使われる前に速攻でフクロにすればこんなもんよ? 後、城門跡の防衛宜しこ!」
ハシュマリムが消滅し、剣を収めて城内へ進む優作にジャンヌが若干顔を引き攣らせながら問い掛けたが、彼は涼しい顔で答える。
優作に因って城門が崩れて瓦礫の山になったので城門前に配置されいたデーモン達が異変に気付いて監獄城に戻ろうとしたが、優作が城門跡に使い魔を召喚。召喚されたダークナイト達がスピニングチャージを容赦無く叩き込んでいくのでデーモンのミンチが量産する状況で碌に妨害できない中、優作達は城内へあっさりと侵入を成功したのだった。
「これで背後からの襲撃は心配無し、さっさと親玉を仕留めてこの異変を解決するど!」
《はいっ!》
優作が妨害用として新たに召喚したサーペント達の集団が放つブレスの雨で向かって来るデーモン達が消し炭となっていく為に妨害が入る事無く城内侵入を成功した優作達は背後からの襲撃を心配する事無く監獄城内部へと脚を進める。
「さっさと聖杯を奪取してフランスの特異点を解決すんべ?」
「はい、一気に解決しましょう!」
「敵の本拠地…流石に緊張を隠せ無いわね…」
「ジルを止めて、もう一人の私を助けますっ!」
「この清姫にお任せください~」
城内にもデーモン達が待ち構えていたが、剣を抜いた優作が先陣を切って敵を蹴散らしながら進んでいく。現れた矢先に無双稲妻突きで周囲の者共纏めて消し飛ばされる様は正に鎧袖一触であった。
城門の広間を越えて、幾つかの廊下を進み続けていく内に新たな広間へと辿り着く。
「ここまでよくぞ辿り着きました、聖処女とその仲間達よ」
「ジル…」
広間に入った優作達を待ち受けていたのはジル・ド・レェであった。彼の後ろには祭壇の様なモノの上に寝ているジャンヌオルタの姿があった。
「我らが城へと攻めて来るだろうと思っておりましたが、まさかこんなに早く辿り着くとは思いもしませんでした。…そこの異邦人は常に予想の斜め上を突き抜けてくるようですな」
「ジル! 此度の争乱は無駄です。私は祖国を恨んでいません、悪魔達を消して聖杯を渡してください」
「いいえ…それは出来ぬ相談です、我がラ・ピュセルよ」
ジャンヌが前に出てジル・ド・レェへ説得を試みるも彼は拒否の意を示すべく、首を横に振った。
「確かに貴女は恨んでいないのでしょう。神の啓示に従い、己の人生として生き抜いた…生き抜いたと思っているからこそ、裏切った王族と司教達…そして罵倒する者共にすら慈悲の顔を向けれる…その想いにケチをつけるつもりは在りませぬ…ですが」
顔を俯かせるジル・ド・レェだったが、
「幾等貴女が満足しようとも、残された者達も納得する訳では無いっ!!」
「っ!!?」
「貴女は啓示に従えれたのなら満足だったのでしょう! 確かにフランスは長き戦乱の炎から逃れる事は出来た! 数多くの民や仲間達と貴女の犠牲に因って!! 貴女はそれで満足なのでしょう、でも私は、残された者達は違うっ!!」
慟哭に近い、訴える様な叫びを受けてジャンヌはその身を押される感覚を受けた。実際、ジル・ド・レェはその眼から血の涙を溢れさせながら叫んでいた。
「残された者達の事を考えていないっ! 貴女が殺された悲しみを、穢された怒りを、侮辱を正せない悔しさを!!」
ジル・ド・レェ、の顔から零れていく血涙が彼の足元に池を作っていく。
困惑、怒り、悲観、後悔…あらゆる想いが詰め込まれた怨嗟の言葉が彼の口から吐き出されていく。
「貴女が死んだ後に伸う伸うと生きている王族共に、救われたのに誰かもが考えずに罵詈雑言をまき散らす愚民共にどれだけ憤りを抱いたかを!!」
ジャンヌ本人が取った行動は歴史的には良かったのかもしれない、だがそれは残された者達にとっては地獄以上に残酷な結果となっていた。
「私は許せない。貴女を駒としてしか扱わなかった者共を、戯言を疑う事無く信じて唾を吐いた愚者達を! そして何よりも貴女を盤上の駒の如く使い捨てた神を!!」
そして、その結果に納得出来る筈が無いのだ。況してや、ジャンヌ本人と行動を共にし、彼女の行動全てを知っていた者達にとって、歴史に定められた結果は到底許せることで無かった。
「…だとしても……だからと言って…関係無い民を、他国の人々をも巻き込むのはおかしいでしょう!?」
「えぇ、そうでしょう。貴女の云う通り関係無い民はいますでしょう! …ですが、もう止められない。もう賽は投げられました、私の怒りは…あの時納得できなかった者達から受け取った怒りは止められないっ!!」
ジル・ド・レェが懐から聖石を掲げると翠色の輝きが広間を包み込む。光が止むと目の前にはデーモン達が広間へと集合して優作達へ立ち塞がり、彼自身の姿もその顔に眼帯を覆い、その身体に大蛇をまとわりつかせ、細身だった上半身が筋骨隆々となった肉体を曝しだした姿へと変わる。
「ジル…その姿は…?」
「フフフ、我が声に応えてくれた力ですよ、聖処女よ。この力はジルとの具合が実に良い…それに彼方もお目覚めの様です」
ルガヴィ化したジル・ド・レェの背後で倒れていたジャンヌオルタが紫色の眩い光に包まれる。
「こ、これはっ!?」
「えぇい…このタイミングで目覚めたか」
【膨大な魔力反応がっ!?】
輝きが止むと、ジャンヌオルタがいた場所には天使が浮かんでいた。
顔や体型こそジャンヌオルタと変わりなかったが、髪は腰まで伸び、その身を赤色のハイレグボディスーツと横に剣を添えたニーソックスで包み、背と頭部に白い翼を生やしていた。
(え、えぇ…)
(こ、これは無いわ…)
(あ、アウトです。あんなはしたない衣装、センパイが許す筈が有りませんっ…)
(なんて破廉恥な衣装なのでしょう…旦那様が見惚れる前に排除しなくては…!)
(
ルガヴィ化したジャンヌオルタの姿に優作の後ろで女性陣が声を出さずとも各々の意見を脳裏に浮かべる。
当の優作はというと…
(あぁ、やっぱりケツ出しハイレグか…)
予想可能回避不可能な展開だった為に諦めが混ざった真顔になっていた。
「…さーぺんたりうすカ」
「おぉ、聖天使よ。目覚められましたか、御気分は如何でょう?」
「フム…悪ク無イ」
片手を握ったり開いたりしながら己の体調を確認する聖天使アルテマ。
「コノ器ハ我ニ実ニ馴染ム」
「ふふ、そうでしょう。貴女様の器となった肉体は聖処女なのですから」
「成程ナ。シテ…ソコニイルノハ何ダ?」
聖天使アルテマとなったジャンヌ・オルタが優作達へと視線を向ける。その刺す様な視線に身構えるオルガマリー達だったが、ジル・ド・レェは片腕で制しながら答える。
「お気になされず、不埒な侵入者共ですが私が片付けます故に」
「ソウカ、ナラバ任セタゾ」
ジル・ド・レェの言葉に頷きながらアルテマは転移してその場から消える。
「……マリー、ジャンヌちゃん他を連れて先へ行ってくれぃ」
「「「先輩((優作さん・様))?」」」
「良いの?」
「ダーク♀ジャンヌはラスボス、コイツは裏ボスの力を得てる。強さ的にはこっちが厄介だけんど向こうもデーモンを呼べる以上は数が大事、そもそもジャンヌちゃんが救いたいのはこの先の娘でしょ?」
「優作さん…」
「此処はおいちゃんに任せんさい…」
優作は不敵な笑みを浮かべながら剣を構えて促す。
「さっさと片付けて合流するっさ? 気にせず進んでくれぃ…行け!」
優作の言葉に納得出来ない思いがありながらも理由を言われた上で彼からの強い言葉にオルガマリー達は先の扉へと駆けて行く。
当然、先へ向かおうとする者達をジル・ド・レェが許す筈も無く。
「聖天使の元へは行かせませんぞっ!!」
「ところがぎっちょん」
ジル・ド・レェがデーモンは海魔達を召喚するが、即座に優作が聖剣技を振って消し飛ばす。
新たに召喚しようとするジル・ド・レェに優作が斬り掛かる事で増援で壁を増やす時間を作らせない。その間にオルガマリー達は奥へ続く扉へと駆け込んでいった。
「異邦人…最後まで邪魔立てするか…」
「はっ、復讐でそっくりさんなだけの偽物を暴れさせてこれ以上ジャンヌちゃんを困らせたくないかんな!」
「……知っていたのか…いや、聖処女と行動を共にしていれば気付くか」
優作の斬撃を躱して距離を取ったジル・ド・レェと優作は睨み合う。
「ジャンヌちゃんの想いを汚し続けて良いのかよ?」
「言った筈だ。賽は投げられた、と」
「で、何も無い焼け野原に残るは乗っ取られて化物になったそっくりさんと悪魔だけで満足か?」
「………」
「アンタのやってる事、ジャンヌちゃんを売った王族やら教会連中を大差無いべ?」
「………だとしても、だとしてもだっ!!」
言葉の応酬の中、ジル・ド・レェが新たにデーモン達の群れを召喚していく。
「私は許さないっ!! 裏切った王族、教会共を! 真実を知ろうともしないフランスの愚民共を! 見捨てた神を、世界全てをっ!!」
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎いってか……ま、だろうさ」
迫りくるデーモンの大群を捌きながら聞いたジル・ド・レェの慟哭に優作は苦笑いを浮かべる。その表情には自嘲が濃く浮かんでいた。
「ならばお互いの想いを、決意を押し通し合うだけのぶつかり合いをするだけさね」
「来るがいい、異邦人」
ジル・ド・レェが減ったデーモン達を新たに召喚して優作を取り囲む様に陣形を整える中、優作は改めて剣を構える。
「来いよ、青髭。それがお前さんの正義だというならば
元ネタ
>ルガヴィ(出典:FFシリーズ)
『FFT』を初出とする用語。
シリーズ内で統合性は異なるが12星座と蛇使い座を加えた13星座に由来(したりしなかったり)する悪魔達であるのだが、どの作品においても没設定集以外で総登場した事が無い悲しい存在だったりする。
>レイヴン(出典:イニシエダンジョン)
『イニシエダンジョン』に登場するモンスター。
登場回層で多くのプレイヤーを屠ってきた要注意モンスターの一体。
クリティカルヒット10%・防御無視20%・HP/MP吸収という単発でも痛い攻撃を単体で一度に4発連続で放ってくる危険モンスター。
集団で現れる事も多々ある為に高いHPを持つタンク役すらも耐性を怠れば一瞬で蒸発する。
>カマエル(出典:イニシエダンジョン)
『イニシエダンジョン』に登場するレアモンスターの一体。
多数のエンジェルを引き連れており、性能はエンジェルの上位互換に加えてMP吸収付きの『エルブンボウ』を使った『サテライト』も使用する。
>ゴーレム(出典:イニシエダンジョン)
『イニシエダンジョン』に登場するぶっしつ種族のモンスターで、上位種に『ストーンゴーレム』、『マグマゴーレム』、『アイスゴーレム』、『ゴールデンゴーレム』、『ブラッドゴーレム』が存在する。
基本POP地点周囲を徘徊しているが、攻撃対象を発見すると衝撃波や岩、や氷塊といった各々の特技を放って攻撃する。
>コロボックル(出典:イニシエダンジョン)
『イニシエダンジョン』に登場するにんげん種族のモンスターで、上位種に『レプラコーン』、『ノーム』、『ドワーフ』が存在する。
ドワーフ以外は本編に書いてある通りのバフ魔法を自身と周囲のモンスターに掛けるバッファーで、ドワーフは地形無視+貫通効果の衝撃波を放つ『アースインパクト』放ってくる。
単体では何れも特に問題無いのだが、複数存在且つ他モンスターが多数存在すると脅威が増すので注意。
>サーバントベル(出典:イニシエダンジョン)
『イニシエダンジョン』に登場するサモナー用の装備。
使える技は召喚しているしもべのレベルを上げる事が出来る『ライジングサウンド』。
尚、しもべの上がるレベルは使用者のレベルと攻撃力で変化する。
付いているプレミアに依ってサモナーの能力値を上げる事が出来る数少ない装備品の一つ。
>バイオ(出典:FFシリーズ)
『FFシリーズ』に登場する攻撃魔法で上位互換にバイオラ、バイオガが存在する。
対象に毒属性のダメージと毒の追加効果を与えるのだがFFTでは同名でも複数有り、様々な状態異常を付与する効果がある。
>アパンダ(出典:FFシリーズ)
『FFシリーズ』に登場するモンスター。
大型の魔獣タイプのモンスターで作品によってはベヒーモスと同種だったりする。
FFTではルガヴィの眷属として登場し、モンスターでありながら密漁や勧誘が出来ない。
アクションアビリティとして『バイオ』を持ち、バイオ系の魔法に依って様々な状態異常を引き起こす。
>アルケオデーモン(出典:FFシリーズ)
『FFシリーズ』に登場するモンスターで、名前の“アルケオ”は“古代の”と云う意味である。つまりは“古代の悪魔”
FFTではルガヴィの眷属として登場して『暗魔術』を扱う。ノンチャージで発動する『ギガフレア』が驚異。
アパンダと同じく勧誘出来ないが、とあるデータディスクを使うと仲間に出来る…が、ノンチャージのギガフレアも実際はヘイト差で当たらなかったりするのでそこまで使えないユニットだったりする(哀れ)
>アルテマデーモン(出典:FFT)
『FFシリーズ』に登場するモンスター。
ルガヴィの眷属として現れ、強力な『闇魔術』を使って来るが、アルケオデーモンよりもHPが低かったりする。
尚、『アルテマ』を使用してくる数少ない敵である為にラーニングする為にプレイヤーによっては生かされる場合がある。
>ナノフレア(出典:FFT)
『FFT』に登場するフレア系の攻撃魔法。
フレアより威力は低いが範囲攻撃となっている上、を無効する為に注意が必要。
>コメテオ(出典:FFシリーズ)
『FFシリーズに』登場する無属性の攻撃魔法。
初出は『FF7』であり、6つ小さい隕石を落として何故か4回分のダメージを与える。
他シリーズでは範囲攻撃だったり単発ダメージだったりする。
>ホーリーランス(出典:テイルズシリーズ)
『テイルズシリーズ』に登場する聖属性の上級魔術で海外だと“ロンギヌスの槍”の異称である。
複数の光の槍を飛ばして攻撃するのだが、作品に依って単発ダメージであったり一定ヒットしないと止めを刺せなかったりとダメージ効果は様々。
本作でマシュが使用したヴェスペリアverだと取得レベルに対して威力範囲とも小さく、スキル変化術用でしか用途が無い(哀れ)。
>磁霊竜牙突(出典:葛葉ライドウ対アバドン王)
『葛葉ライドウ対アバドン王』に登場するライドウの使用技。
槍属性の刀を装備時に使用出来、マグネタイトを消費する事で発動する。
多段ヒットし、刀に属性を付与する特技と併用すると効果的。
>無拍子(出典:サガフロンティア2)
『サガフロンティア2』に登場する剣技
『構える』+『構える』+『構える』+『斬る』の組み合わせで発動し、対象に回避不能のダメージを与える。
>無双稲妻突き(出典:FFT他)
『FFT』及び以降に登場する技。
『聖剣技』分類される技で、対象とその周囲にダメージと共に沈黙の追加効果を与える。
聖剣技の中でも威力が高め且つ、他聖剣技よりも高低差を無視して多数の敵を巻き込めるのでダメージ源として非常に優秀。
>ハシュマリム(出典:FFT他)
『FFT』及び以降作品に登場する人物兼モンスター。
『統制者』を二つ名に持つ筋骨隆々の獅子の姿をした獣人であり、暗黒司祭の役割を持つ。
ラストバトル3連戦の初戦にて対峙し、範囲・威力共に強力な『次元魔法』と対象をストップorスロウ状態にする『恐怖』を使用してくるのだが、高い物理攻撃力や作中トップレベルの行動速度を無駄にする長詠唱時間の魔法攻撃を優先する思考持ちな上に御供無しで挑んで来る為にプレイヤーに袋叩きにされてあっさりと倒される場合が多い不遇枠。
>サーペント(出典:イニシエダンジョン)
『イニシエダンジョン』に登場するドラゴン属のモンスターで上位種に『シードラゴン』、『エビルウィード』、『ドラゴンワーム』が存在する。
基本水中に潜んでいて気づき難いが敵対象が近づくと出現し、鈍足効果の冷気属性のブレスを放ってくる。
サーペントのブレスは壁貫通且つ遠距離まで届く為に乱戦時には非常に厄介で、サーペント自体も本体の頭部と胴体のHPが異なっている為に中々倒し難く厄介。
>聖天使アルテマ(出典:FFシリーズ)
『FFT』及び以降作品に登場する人物兼モンスター。
『FFT』でのラスボスであり、主人公ラムザの妹に宿っていた聖アジョラが分離した姿。両お美足に下げた剣での斬撃やその名を冠した魔法『アルテマ』、様々な状態異常を引き起こす『グランドクロス』を使用してくる。
何と言っても衝撃的なのがこれまでの(裏ボス含む)ルガヴィ達がクリーチャー的姿だったのに対して赤のハイレグレオタードという随分と叡智な姿である事であり、一部では“食い込み天使”と呼ばれていたりする。(手慣れたプレイヤーは戦闘を長引かせてその桃尻を堪能する輩もいるとか…)
本人の強さは、戦闘時にゲスト参戦する主人公の妹を優先的に攻撃する思考の為にぶっちゃけ弱い。(妹を戦闘不能にして『グランドクロス』を連発させるとキツイのだが…)
しかも他ルガヴィと違い、行動不能になる状態異常『ドンアク』が効く為に更に拍車をかけている。
Q、遅い、遅すぎない…?(半ギレ)
Å、しょうがねぇだろ、仕事してストレス溜めまくりングな状況なんやぞ!?(逆切れ)
Q、ストレス解消に何してたん?
A、(コロナ的に)安全な店での食べ歩きと「Rim world」してまんた(小声)。尚、今後Rim world要素が加わる模様…(スケベェ…)
Q、結局遅れた原因は?
A、ハーメルンの荒らし…不毛なのは解ってるねん、でもUNEI対策してくれぃ…
Q、優作はハシュマリムがリフォネス城で一騎当千的な事してたと言ってるけど実際違くない?
A、一説では他ルガヴィが2体且つ御付きがいた可能性が大ですが、優作はヴォルマルフ(ハシュマリムの依り代)のみがリフォネス城の皆殺しを行ったと思っています。
Q、ルガヴィって一部除き楽勝じゃね?
A、ルガヴィの眷属軍団+本気モードやで?(例の天使は使えなかった魔法解禁)
次回はやっぱり不明(尚、知り合いに11月迄にオルレアン編終わらせろと脅されている模様)
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