俺は子供が虐待される姿が見たいんだ! という方は、半分くらいでブラウザバックだ!
1話の爆豪が救出できなかったのって、野次馬モブのせいじゃないか……?
ジリリリリリッ!
虐待用に用意した目指し時計の音で目が醒めた。
朝早くに起こし、眠気に苛まれながら生活するという虐待を行うためには、俺自身も早く起きなければならないのだ。
虐待をするためには、自らも虐待を受ける必要があるとは……ままならないものだ。
カーテンを開けて、空を見上げる。
うむ、今日も絶好の虐待日和だ。
今日の朝食は白米に具沢山の味噌汁、焼き魚にサラダとたくあんだ。
これも食欲のない朝から大量に食わせるという、虐待なのだ。
「「「いただきます!」」」
朝食を終えた後、自分の食べた皿は有害な薬物を使って自分で洗わせるという虐待を行なっている間、次なる虐待を思案する。
よし、あの虐待にしよう。
する事を決めたので、準備を始める。
「全員、このハチマキを体のどこかに付けろ」
準備したのはこの、マジックテープでくっ付く簡単に外れるハチマキ。
頭や腕、手首など思い思いの場所に付けていく。
「ルールは簡単、俺にハチマキを取られなければ勝ちだ。勝者にはご褒美を、敗者には……いや、言うのはよそう」
大人……それも自分達を虐待し続けている、凶悪なヴィランに本気で追いかけ回される恐怖!
さらに負ければ何をされるのかわからない恐怖!
逃げる事で肉体な苦痛を、追いかけられ、何をされるのかわからない精神的な苦痛という二重苦!
ご褒美という希望をぶら下げながら、対価として罰を強要する悪魔のごとき発想。
我ながら、よくこんな残酷な虐待が思いつくものだ。
あまりにも残虐な発想に、自分のことながら震えてきそうだ。
「1分後に俺は動き始めるぞ? 1、2……」
蜘蛛の子を散らすように逃げ始めた。
クククッ……せいぜい協力して逃げ回るが良い。
「59、60。 さて……」
逃げ切れると思っているその砂糖菓子のように甘い頭に、直々に刻み込んでやろう……。
「知らなかったのか? 大魔王からは逃げられない!」
ワープ系の個性を持つ少年を捕捉、個性の発動条件であるゲートを完成させるよりも早くハチマキを奪取。
ワープ系は発動に時間がかかるから、先に見つけてしまえばどうということもない。
次に見つけたのは足の裏にタイヤの付いた、高速移動系個性の少女。
高速移動系の個性の弱点は、急な方向転換が難しいという事だ。
奪取。
他の逃走者が見当たらないと思えば、頭上に蝙蝠が飛んでいた。
吸血鬼の個性で蝙蝠化した体の一部で、こちらを見ていたのだろう。
彼女は日光に弱いが、蝙蝠化や霧化していれば問題ないのだ。
「なら、見えないように動くか」
前話のあとがきで紹介された俺の個性は『回帰』。
物体を自分の思う形に再構成する個性だが、素材が必要という制限がある。
つまり、素材になる物体と同じジャンルの物しか作れないという事だ。
「
立っていた場所にあるコンクリートを回帰、俺の上に屋根を作る事で視界を遮った。
「プラス、地下通路」
そして撒くために、地下に新たな道を作る。
まあ道を10程余計に準備しておけば、完全に撒けるだろう。
そうして監視を撒いた後、近くで吸血鬼の個性の少女とテレパスの個性の少女を発見、ハチマキを奪取した。
その後は情報を統括していた司令塔を失い、混乱していた少年少女から次々とハチマキを奪取し、開始1時間で全てのハチマキを回収した。
「さて、罰ゲームだが……」
ここであえて一拍間を開けると、虐待度が高い。
虐待レベルが低いと直ぐに罰の内容を言ってしまい、この何をされるのかがわからないという恐怖を失わせてしまうのだ。
罰の内容によっては、さっさと言った方がいい場合もあるので、そこら辺はさじ加減というほかない。
恐怖には鮮度があるが、時には熟成させるのも大事だと俺は思う。
「昼食は各自自分で作れ。片付けまでしっかりとな」
食材の数は限られている。
さっきまで協力していた仲間たちが一転、食材を奪い合う敵となるのだ!
今隣に立っている奴が敵になる……疑心暗鬼により仲間意識を失わせ、虐待から逃げられないようにする虐待だ。
くくく、フハハハハハッ!!
もちろん、自分の分の食事は用意してある。
昼食も終えて更なる虐待の後、夕食の前。
「キャアアアアアッ!」
む、虐待に耐えきれず、遂に悲鳴をあげたか!
ねーねー、今どんな気持ち? 幸せだった親元から誘拐されて、虐待されてる今、どんな気持ち? ねーねーねー……と煽るという虐待をしなければ! という使命感に駆られ、声の聞こえた場所に向かうと、そこにはヒーローらしき青年の姿が。
「やめてっ! お姉ちゃんを離して!」
今残っている児童の中で比較的年齢の高い少女が、服がはだけた状態でヒーローに組み敷かれていた。
近くには悲鳴をあげたであろう少女が、縛られて倒れていた。
「ガキを攫うなんてチャチな仕事だと思ってたが、中々良い女もいるじゃねえか」
「この、下衆がッ!」
あの2人は確か……裕福な宝石商の娘とその義姉だったな。
宝石に囲まれて豪遊していたので、攫って一般的な庶民の暮らしをさせるという虐待をしている最中だ。
「その2人は俺が虐待中なんだ。連れていかれては困るな」
しょうがないのでヒーローの前に出る。
従ってくれれば良いんだがな……
「はあ? ああ、お前が《キッドナップ》か」
キッドナップは俺のヴィラン名らしい。
直訳で誘拐犯、もう少し捻りを加えられなかったのか。
「お前は別にどうでも良いんだが……とりま、死ね!」
こちらに向けられたヒーローの腕から、先端が鋭く尖った槍のような棒が射出された。
後ろに飛んでいっても困るので、キャッチしてみる。
どちらかといえば杭に近い形をした、白くて硬い棒だった。
「材質は骨か? 骨を杭にして射出する個性?」
「骨騰難避」
手に持った杭が破裂し、様々な方向へ高速で棘を飛ばしたので、地面を隆起させて防ぐ。
自分の骨を操る個性かもしれないな。
「土を操る程度のザコ個性か! ならこれならどうだ! 墳骨細身!」
土を均して視界を確保すれば、俺に向けて地面から骨が生え始めた。
よく観察すると、先程防いだ棘から生えている事がわかる。
骨を躱すと、それはまたさっきと同じように弾け、棘をまき散らした。
「この技は、だんだんとお前の行動範囲と体力を奪っていく。最後に待つのは、死だ!」
確かに、避けづらい良い必殺技だと思う。
コレを生み出すために、血反吐を吐くような弛まぬ努力があったのだろう。
感動的だな、だが無意味だ。
「
棘から杭が伸びきり、殆ど全てが接触している状態で個性を発動。
骨の杭を剣に作り変えた。
残りは地中深くに埋めて、粉砕した。
無敵と思っていた必殺技を破られたショックか、呆然とした隙に接近、手を当てる。
「
そして個性を使って、動けない状態に加工すれば終わりだ。
ちなみにこの状態でも意識はあるらしい。
昔【哺乳類】分類で犬にしてみた友人曰く、「犬の間は嗅覚が鋭くなった」らしいので……呼吸困難と全身火傷のような苦痛を味わっている事だろう。
「やっぱり大きいと邪魔だな、揚羽蝶」
こっちに害さえ与えられなければ良いので、虫にした。
かつてヒーローだった揚羽蝶はヒラヒラとどこかへ飛んでいった。
2人とも気絶していたので、虐待施設に運び込んだ。
ヒーローに助けて貰えそうだったのに、目が覚めたらまた恐怖の虐待施設に逆戻りという絶望に苦しむが良い!
前書きの続き
身体の動きはある程度操作されていたにしても、爆破は爆豪の意識に従ってたと思うんです(抵抗してたらしいし)。
周りに野次馬がいなければ、水の個性を持ってそうな消防隊員っぽい彼(バックドラフト?) が爆破の威力を抑えて、シンリンカムイやデステゴロが市街地から引き剥がす事がおそらく可能。
周りの被害さえ気にしないなら爆豪を誰かが固定して、水でヘドロを吹き飛ばせば救出完了だったのでは?
つまり1番の敵は、傍観者の彼らだったのだよっ! という説を推してみる。
まあヒーロー的に知名度がなければ無賃労働なので、仕方ないのかもしれませんが。
「ヒーローなら命かけて助けろよ」というステインみたいな意見を良く見るのですが、その結果自分以外の命が掛けられるのはアウトでしょ。
そう思ってしまうのは、作者が凡人だからでしょうか?
オマケ
ヒーロー
個性:【一将万骨】
骨を増やせる個性。
戦闘中のイメージが想像しづらかった人は、「半径20mエメラルドスプラッシュ!」の骨verを想像して下さい。
義妹
個性:【鉱物創造】
鉱物に限った創造。
宝石、レアメタル、なんでも御座れ。
義姉
個性:【固定】
触れた物を任意の時間空間に固定する。
服を固定すれば無敵の鎧に、敵を固定すれば脱出不可能な拘束になる。
固定時間と固定数に応じて、体力を消耗する。