【Side ????】
私、フェイト・テスタロッサは彼と初めて、会ったことを思い出した。
私は私の使い魔のアルフと一緒にジュエルシードを探していた。母さんが必要としていたから。なぜ母さんがそれを必要としているのかわからないけど、私は母さんが喜んでくれるならそれでいい。だから、それを必ず手に入れる。
だけど、それはなかなか見つからなかった。ジュエルシードの反応が全くない。このままじゃ、母さんが悲しむ。
そんなある日だった。やっと、ジュエルシードの在処に目処がついて、そこに向かうと黒いローブに黒いマスクをしていた人がジュエルシードを持っていた。私は慌てた。あの黒い人は魔力を感じたし、格好から一般人だとは思えなかった。おそらく、私と同じジュエルシードの探索者だと思う。今までジュエルシードが見つからなかったのも、きっと、あの人が先に回収していたからだ。
私はあの人がジュエルシードを持ち去る前に背後に立って、私のデバイス、バルディッシュを突きつけた。
「それをこちらに渡してください」
【Side 輝夜】
きっかけは別にたいしたことじゃない。最近、この海鳴市で知らない魔力がうろちょろしているのを感じたからだ。だから、基本的に誰にも見つからないようにジュエルシードを回収していた俺だが、その日だけはその謎の魔力の正体を掴むためにあえて、目立つダークネスの格好で回収に向かった。もちろん、一般人に知られないようにしている。
そして、見事に釣れたな。俺がそのジュエルシードを見つけた辺りから近くにいて、俺がそれを手に取った瞬間、そいつらは俺の背後に立って、鎌形のデバイスを突きつけてきた。
俺がそちらに振り返るとそこにいたのは、金髪ツインテールの小娘とオレンジ髪の獣耳と尻尾が生えた女だった。デバイスを突きつけているのは、金髪ツインテのほうだった。それと、オレンジ髪の女は使い魔か?初めて見たな……、
「もう一度、言います。それをこちらに渡してください」
俺がずっと、黙っているのを痺れ切らしたのか、金髪ツインテはもう一度、同じことを言い出した。やはり、狙いはジュエルシードか。だがな………。
「なぜ、お前に渡さなければならない?何のためにジュエルシードを回収しようとしているのだ?」
「あなたが知る必要はありません」
にべもなく、断られた。まぁ、俺も期待はしていなかったがな。
「なら、俺も渡す理由が無いな。そんな物騒なものを人に突きつけるような奴にはなおさらな。子供だから何でも許されると思わないことだな」
金髪ツインテのジュエルシードの引き渡しに俺は拒否した。最初から渡すつもりは無かったがな。
「あぁ、もう!うっさいね!いいから、それを渡しな!」
俺が拒否すると、獣耳の女が殴りかかってきた。
「ガッ!?」
だが、そんな攻撃を易々、受ける俺じゃない。女の拳をかわして、それと同時に俺はカウンターを女の腹に打ち込んだ。女はそれにより吹き飛ばされた。
「アルフ!?」
それを見て、金髪ツインテは獣耳の女、アルフというのか、まぁ、そいつに駆け寄った。ハァ……。隙がありまくりだな。こいつらもまた、戦いを知らないガキだって、考えるべきだな。俺は別にそんなつもりは無いが、これがもし、女子供に容赦ない腕の立つ奴とかだったら、今の間に2人は死んでいるな。
「……そこの獣耳の女、お前、その金髪ツインテの使い魔だろ?お前、かなり短気な性格だな。お前がそんな感じだと、主の器のたかが知れているな」
「ッ!?フェイトを馬鹿にするんじゃないよ!!」
俺が馬鹿にしたような口調でそう言うと、アルフという使い魔はキッと俺を睨み付けて、そう言った。ハァ…。やはり、迂闊だな。俺がそうなるように誘導尋問したとはいえ、ここまで簡単に引っかかるとはな。おかげで、そこの金髪ツインテの名がフェイトだということも知れた。まぁ、とりあえず、いつまでも手に持ったままにする訳にもいかないし、俺は今回、回収したジュエルシードをS.C.F00に収納した。
「あっ!?」
「あ、あんた!今、直したものをこっちに寄こしな!」
俺の今の行動を見て、2人は慌てたように、そう言った。
「言った筈だ。渡す理由が無いとな」
「……なら、力ずくでいただきます」
そう言うと、フェイトという小娘は改めて、自分のデバイスを握りしめて、俺に突きつけた。……やり合うしかないか。だが、面倒だな……。とりあえず、結界だけは張っておくか……。
「行きます」
フェイトという小娘は自分の周りに黄色い魔力弾を展開した。魔力弾の周りには雷が迸っている。こいつ、魔力変換資質持ちか……。
「シュート」
小娘は魔力弾を放ってきた。なるほどな。レベルはそれなりに高いな。だが………
バシッ!!
ドカンッ!!
「「なっ!?」」
俺は左腕のS.C.F00を振るって、小娘の魔力弾を全て弾いた。それを見て、2人は驚いていた。だが、それが隙となる。
シュンッ!
ドガッ!!
「グッ!?」
バキッ!!
「キャッ!?」
その隙を突いて、2人に近づいて、アルフという使い魔を殴り飛ばして、小娘に腕を振るった。その腕は小娘のデバイスに直撃して、デバイスは折れて、外装にも罅が入った。そして、小娘自身も少し吹き飛んだ。
【Side フェイト】
私の魔力弾をあの人が全て、左腕についているデバイスを使って弾いたと思ったら、その人は消えた。そして、アルフと私は吹き飛ばされていた。しかも、バルディッシュが真っ二つに折れて、外装に罅が入った。コアは無事なのが幸いだったと思う。
「それじゃあ、俺はこれで失礼するよ」
「待ちな!!逃がすと思っているの!?」
黒いマスクの人がそう言うと、アルフが起き上がって、あの人を逃がさないように動こうとしたけど……。
「待って!!アルフ!!」
「ちょっ!?なんで、止めるんだい………なっ!?」
私が呼び止めるとアルフは納得いかない顔をしていたけど、私の持っているバルディッシュの状態を見て、驚いていた。
「バルディッシュがこんな状態じゃ、あの人からジュエルシードは取れない。今回は退くしかない……」
「くっ!!あんた、覚えておきな!!次に会ったときはけちょんけちょんにしてやるからね!!」
私がアルフを説得すると、アルフは黒いマスクの人にそう言った。すると、その人は肩をすくめて、こう言った。
「ふん。それならば、こちらからも言わせて貰うよ。これは俺たちの
「あたしは狼だ!!」
違うアルフ。ツッコむところはそこじゃない。
シュンッ!!
「ッ!?」
「消えた!?」
すると、黒いマスクの人は急にその場から消えた。
「バルディッシュ。あの人の魔力反応は?」
『すみません、サー……。反応が消失しました……』
バルディッシュにあの人の魔力反応を尋ねたけど、どうやら既に範囲外にいるみたい……。転移魔法を使ったのかな?でも、そんな反応は全く、感じなかった。……ううん。今はそんなことを気にしている場合じゃない。早くバルディッシュを直さなくちゃ。今のままじゃ、ジュエルシードが回収できない。あの人は私たちに大人しくするように言ったけど、そんなことはできない。母さんのために必ず、あの人が持っている物も含めて、ジュエルシードは回収する。悔しそうに唸っているアルフの横で私はバルディッシュを握りしめて、そう決心した。
そして、それからしばらく経った今、私たちは知らない白い魔導師の子たちと一緒にあの人と会った。
【Side 輝夜】
さて、久々にダークネスとして、こいつらと会ったな。今回、ジュエルシードは金髪ツインテが回収したか。前に会ったときに壊したデバイスも直っているみたいだな。……ふむ、茶髪ツインテたちじゃないだけ、良かったかもな。まぁ、とりあえず………。
「久しぶりだな。金髪ツインテとその飼い犬。あの時、俺、こう言わなかった?『これは俺たちの
俺がそう言うと、高町なのはたちが驚いた様子だった。大方、この金髪ツインテたちと面識があることに驚いているんだろうな。
「うるさいね!あんたにそんなこと言われる謂れは無いね!それと、私は狼だ!!」
そう言うと、アルフという使い魔は人の姿から狼の姿に変わった。それを見て、ユーノ・スクライアが高町なのはたちに説明していたが、俺にとってはどうでもいいことだな。
「すみませんが、あなたの言うとおりにするつもりはありません。私はジュエルシードが必要ですから」
「………まぁ、俺も大人しく言うことを聞いてくれるとは思ってなかったさ。あぁ、それと、お前らも久しぶりだな」
「ダークネス……」
俺がそう言って、高町なのはたちのほうに顔を向けた。高町なのははともかく、それ以外のメンツは俺に警戒していた。
「ダークネス!!お前!!あの時の2個のジュエルシード以外に回収しているのか!?」
潮田翼が俺を睨み付けながら、そう叫んだ。……やはり、俺が裏でジュエルシードを回収していることに疑念を持っていた。だが……。
「さぁな。何のことだか」
それを素直に言うはずもなく、肩をすくめながらそう言った。
「ふざけるな!!お前以外に――――」
「「「ヒャッハー!!」」」
潮田翼が俺を問い詰めようと叫ぼうとしたが、それを遮るように声が聞こえた。あぁ、こいつらも久々だな。高町なのはたちは顔をしかめて、金髪ツインテたちは何事だという顔をしていた。そして、そいつらの声が空から聞こえてきた。
「おい!!モブにマスク野郎!!俺の嫁たちを困らせてんじゃねぇ!!」
「なのは、葵、花音。俺が来たからには安心しな」
「フェイトにアルフ。会えて、嬉しいぜ」
ハァ……。もう……。あれだな……。こいつら、3馬鹿の行動には呆れて言葉が出ないな………。
「な、なんだい……。あいつら……」
「ど、どうして……、私たちの名前を……」
おい。金髪ツインテとその飼い犬と3馬鹿たちは初対面かよ。それじゃあ、
「出てこい。
「グオォォォーーーー!!!!」
『!!?』
俺の呟きと共に辺りの空気を震わすような咆哮が響き渡った。いきなりの咆哮に茶髪ツインテたちも金髪ツインテたちも3馬鹿たちも驚いたみたいだ。
バサッ…バサッ…
『なっ!!?』
聞こえてきた翼の音に全員がそちらに振り向くと再び、いや今度はかなり、驚いたようだ。それと、どうやら来たようだな。俺の相棒………。
「グオォォォーーーー!!!!」
“
【Side なのは】
ジュエルシードの反応がして、今日こそは回収しようと思ったの。だけど、反応があった場所に行くとダークネスさんとは違う私たちと同い年ぐらいの子がジュエルシードを回収していた。一緒にいたお姉さんは狼さんになって、ユーノくんの話だと使い魔だとか…。そしたら、ダークネスさんも出てきて……。ダークネスさんとあの子は知り合いみたいだったし……。今度は降魔くんたちが出てきて、降魔くんたちはなぜか、あの子、えっと……フェイトちゃんと…アルフさん……?の名前を知っていたの。でも、フェイトちゃんたちは会ったことが無いみたいで怯えていたの……。そしたら、いきなり大きな声が聞こえてきて、翼の音が聞こえてきたの。その方を見たら驚いたの……。
夜の空と同じ真っ黒な、でもお目々だけは真っ赤な、なのはたちの3,4倍の大きさはあるドラゴンだったの……。
「あれは……ドラゴン……か……?」
「どうして、この世界にあの生物が……?」
「な、なんだい……あれは……?」
皆、ドラゴンさんを見て、驚いていたの。……そういう私もびっくりしたけど……。だって、ドラゴンなんて、空想上の生き物だし……。
「グルル……グオォォォーーーー!!!!」
「なっ!?がっ!?」
「こいつ!?いきなり!!ぐっ!?」
「くそっ!!このヤロ…ガハッ!?」
すると、いきなり、ドラゴンさんが降魔くんたちに襲いかかったの!降魔くんたちはドラゴンさんにあっさりと吹き飛ばされたの!降魔くんたちはもともと、そこまで強くないけど、ドラゴンさんがどうやって吹き飛ばしたのか、まったく見えなかったの!
「ご苦労だったな。ドレイク」
「グルル」
ドラゴンさんは、ダークネスさんの元にいたの!しかも、ダークネスさんがドラゴンさんのことをドレイクと呼んで、ドラゴンさんの顎を撫でていたし、ドラゴンさんも気持ちよさそうにしていたの。
「そのドラゴンはお前の使い魔なのか。ダークネス」
「使い魔…まぁ、似たようなものだな…。そうだ。こいつは俺の相棒のドレイクだ」
翼くんの質問にダークネスがそう言ったの…。どうしよう……。ただでさえ、ダークネスさんは強いのに、使い魔のドラゴンさんまでいるなんて……。
「さてと、そんなことよりもジュエルシードだな」
「ッ!フェイトには近づかせないよ!!」
ダークネスさんがそう呟くと、アルフさんがダークネスさんに向かって、突撃したの。
「ドレイク」
「グオォ!!」
だけど、ドラゴンさんがダークネスさんの前に立ちはだかって、自分の腕でアルフさんの攻撃を防ぎました。
「グオォ!!」
「キャイン!?」
すると、ドラゴンさんは自分の腕をなぎ払って、アルフさんを
「!?第3の術!!“マ・セシルド”!!」
ドンッ!!
「キャイン!?」
そんなときに花音ちゃんが自分の持っていた本を開いて、そう唱えました。すると、なのはたちとアルフさんの間に真ん中に羽の紋章が刻まれた円形の大きな盾が出てきたの!?アルフさんはその盾にぶつかって、悲鳴を上げていたの。
「グオォーーー!!!」
『!!?』
すると、ドラゴンさんこっちのほうに飛んできたの!!?しかも、ものすごいスピードで!!
「くっ!?」
ドンッ!!
アルフさんはその場から横にかわして、ドラゴンさんの爪が花音ちゃんの盾にぶつかったの!!
「ッ!?」
「花音!!大丈夫!?」
「う、うん……。で、でも、……すごい威力だよ……」
「こうなったら……なのは!翼!使い魔たちは僕と葵と花音が何とかするから、あの子とダークネスをお願い!」
「そうね…。そのほうがいいわ」
「うん。なのはちゃん。翼君。お願い!」
「わ、わかったの!」
「あぁ」
私たちはユーノくんの言うとおりに動くことにしたの。
「させると思っているのかい!?」
「させてみせるさ!!」
すると、ユーノくんたちとアルフさんとドラゴンさんを覆うように魔法陣が敷かれたの。
「強制転移魔法!?まずい……!?」
「ふっ!!」
すると、緑色の光が皆を包んだの。だけど………
シュルルッ!
「なっ!?こいつ!?」
「翼くん!?」
ドラゴンさんの尻尾が翼くんに巻き付いたの!!そして、翼くんはドラゴンさんに引っ張られて、緑色の光の中に入っていたの。そして、皆、消えてしまったの……。
【Side 輝夜】
あいつらはユーノ・スクライアの強制転移魔法で別の場所に飛んだか。それにしても、ドレイクの奴、潮田翼を巻き込んでくれたか。相変わらず、良い動きしてくれる。おかげで、お互いの陣営から1人ずつという状況になった。
「……結界に強制転移魔法……いい使い魔を持っている」
「ユーノくんは使い魔ってやつじゃないよ。私の大切な友達だよ。えっと……フェイトちゃん……であっている?」
「うん。私はフェイト・テスタロッサ」
何だか、俺を蚊帳の外でツインテール同士で何か、話しているな。それと金髪ツインテのフルネームはフェイト・テスタロッサか。……テスタロッサね……。
「そうか。私は高町なのは」
「そう。で?どうするの?」
「話し合いで何とかできるってこと……ない?」
……高町なのは、それは本気で言っているのか?
「私はジュエルシードを集めなければいけない……そして、あなたも同じ目的なら、私たちはジュエルシードを賭けて戦う敵同士ってことになる」
「だから!?そういうことを簡単に決めつけないために、話し合いって必要なんだと――――」
「まぁ、それはそうだな」
「ダ、ダークネスさん……」
「確かに話し合いで済ませられるなら平和的に解決できるだろうな。だが、少なくとも今回はそんなの無意味でしかない。俺は
「それでも、私は――――」
「その人の言う通り。話し合うだけじゃ、言葉だけじゃきっと何も変わらない……伝わらない」
「……そんな!?」
高町なのはが置いていかれている中、俺とフェイト・テスタロッサは戦闘態勢に入った。ってか、この状況でまだ話し合いを望むのか……。戦いを知らない小娘の発言だと言ってしまえば、それはそうなのだが、俺からしたら現実を見ていない甘ちゃんとしか思えないな。同じような甘ちゃんの沢田綱吉でも、このような状況は戦うしかないと現実を見ているぞ。
「賭けて。お互いのジュエルシードを1つずつ」
「でも!だからって!!」
「あぁ、いいぞ。あと、お前らは1つで良いが、俺は特別に3つやるよ」
「ダークネスさんも!!」
「……嘗めているのですか?」
「大人の配慮ってやつだ。まぁ、負ける気も毛頭も無いがな」
「……前の私と同じと思わないでください」
「それは怖いな」
「お願いだから、話を聞いてよ!!!」
そうして、俺たちの戦いの火蓋は切られた。
次回こそ、三つ巴の戦いです!!