幼馴染が彼氏作ったから俺も彼女作りたい   作:仮面

6 / 36
瞬間的とはいえランキング3位達成してました。本当にありがとうございますm(_ _)m

台風めっちゃこわい
仕事休みになったから続き完成しちゃった


予定を作りたい。

 昨日、夜に学校から電話がかかってきた。よくよく考えたら朝に「学校休みまーす!」って連絡入れてなかったから無断欠席扱いになってたらしい。でも俺今まで学校休んだこと無かったから、なんかあったのかなって皆川ちゃんが電話してきた。やっぱ皆川ちゃん優しい。

 

 電話は姉ちゃんが取ったんだけど、まー面白かった。

 女は皆女優とはまさにこの事、って思ったね。

 

「すみません、晴人が熱出すなんてホント今まで両手で数えられるくらいしかなかったもので、はい。それに両親も出払っているものですから、私も少し取り乱してしまいまして……はい。今は自室で寝ています、起こしてきましょうか?……すみません、ありがとうございます。今後はしっかりこういう際には学校の方にまずご連絡させていただきます。ご迷惑をお掛けして……いえいえそんな!はい、月曜日は登校できると思います。はい、ありがとうございます。はい、失礼致します……」

 

 熱なんか出してないし自室で寝てません。隣で笑い堪えてます。ごめん皆川ちゃん。姉ちゃんがそんなかしこまって当然のようにスラスラ嘘言うの面白すぎるんだ。しかもちょっと裏声。

 電話切ってから物凄いドヤ顔してた。笑った。腹抱えて二人で笑い転げた。

 

「ヤバくない?あたし女優目指そうかな」

 

「皆川ちゃんなんて言ってた?」

 

「いえいえ、そんな大丈夫です。神崎さんのお宅は親御さんがどちらも遠方で大変ですもんね、お姉さんの苦労は……みたいな」

 

「ふひ、ぶっはっはっは!!傑作!傑作だぁ!!」

 

「笑い方キモいって!ふふっ、あははっ!」

 

 もうずっと笑ってた。死ぬほど楽しかった。優越感とかじゃない。もうなんだろう、全知全能感。

 どれくらい面白かったかと言うと、一日経った今日の朝でも思い出し笑い出来るくらいに面白かった。

 

「んふっ」

 

「笑い方キモいって」

 

 本日は土曜日ですが姉ちゃんは出勤らしい。家一人かー、片付けでもしとくか?

 

「なんかやっといて欲しいことある?」

 

「ドラクエXIのレベル上げ」

 

「それは自分でやってください」

 

 なんかトイレ掃除しといて、とかそういうのが来ると思ってた。てか旬は終わっただろ、ドラクエXI。面白かったけどさ。なんで今やってんだよ。そういえば発売された時期姉ちゃん社会人一年目で摩耗してたんだった。やる時期逃したー!って叫んでたの今思い出した。

 

「あたしのカミュのレベルを上げる位なら自分の男としてのレベルを上げたいもんね」

 

「上手く言った!みたいな顔してるけど別に上手くはねえよ?」

 

 ダメだ。ドヤ顔でこっち見るのやめて。昨日の電話思い出す。

 そういえば小学生の頃、「俺の姉ちゃん、一緒にドラクエやってくれるんだぜー!」って自慢したら姉ちゃんに「あんた何あたしのオタ趣味バラしてんだ!!」って言われてボコボコにされた記憶がある。あの時はなんて理不尽でボコボコにされるのだろう、って思ってたけど今なら解る。ごめん姉ちゃん。

 

「んじゃ、そろそろいってきまーす」

 

「いってらっしゃい」

 

 挨拶は大事。古事記にもそう書かれているらしい。

 

 

 

 〜〜〜

 

 

 

 さて。

 昼飯は作るのめんどくさいから適当に外で食べるとして。何しようか。

 姉ちゃんのドラクエのレベル上げするくらいならソシャゲのランク上げをしたい。というかテスト前にかしこさを上げておきたい。かしこさのたねを落とすのはどいつだ。

 

 取り敢えずテスト前になると自室の掃除を始めてしまうバグを予め解消しておく為に、午前中は自室を片付けるところから始めよう。

 

 片付け、掃除と言っても俺の部屋に置いてるものはそもそも少ない。

 服を入れる箪笥、勉強机、中学時代使ってたギター、ベッド、本棚。これくらいだ。あと本棚の上にあるゾロのフィギュア。ゲーセンで取れたやつ。クローゼットの中に色々入ってるし、断捨離でもするか?……いやそれやったら余計散らかるな。

 

 取り敢えず勉強机の周りを整理する。ついでに机の引き出しも整理。

 

「……なんだこれ」

 

 引き出しの一番上の段を取り敢えず全部引っ張り出すと、アルバムみたいなものが出てきた。これいつのだ?下の方にあったから割と前か?

 取り敢えず開いてみる。

 

「……なっつかし」

 

 俺がまだ小学生くらいの頃の写真があった。父ちゃんに高い高いしてもらって満足そうに笑ってる俺。仮面ライダーの変身ポーズをキメ顔でやっている俺。……うわ、姉ちゃんが幼い。髪の毛がまだ黒い。

 夏祭りに行った時の写真だ。わたあめを持って満足そうな俺と、りんご飴を持って俺の横に立ってるのは……これ詩織か。小さい浴衣を着て全力でピースしてる。そのちょっと後ろでお姉さん、って感じで笑ってる姉ちゃん。

 

 この頃はよくきょうだいと間違えられてたよなぁ。小学二年生くらいか?まだその頃って彼氏彼女とか一切どうでも良くて、「誰が好きだ」とかそういうのにも興味があまり無い時代。そんな事よりもポケモンリーグで波乗りしたらなぞのばしょに行けることの方がよっぽど重要だったんだよな。

 

 それが二年くらい経って、高学年になってきたら急に「〇〇って誰々のことが好きらしいぜー」とか囃し立てる輩が現れるんだよな。今思えば思春期の極みかよ、って感じだ。

 俺等が「付き合ってる」とか「夫婦」とか言われ出したのもこの辺りから。つい最近まで言われてたんだから実に七年くらい言われていたことになる。

 

「……よくもまあ、七年間も同じようなからかい方が出来たよな」

 

 そんな事言われてなかったら惨めさとか感じなかったのかもしれない。だって見てみろよ、俺。この写真の俺めっちゃ無邪気に笑ってるんだぞ?今の俺こんな無邪気に笑えるか?姉ちゃんに「笑い方キモいって」って言われるような笑い方しか出来なくなっちゃったよ。

 

 なんとなく、この夏祭りの写真をスマホで撮る。写真を写メで撮るって変な感じ。そして詩織に送る。……てか片付けしてたんだった。取り敢えずこのアルバムはまたどっか奥の方でいいんじゃないかな。

 

 五分くらいしたらラインが返ってきた。思った以上に早かったな。

 

『なっつかし笑』

 

 全く同じ感想が返ってきた。まあそうなるよな。

 

『その写真、うちにもあるよ』

 

「マジ?」

 

『マジ』

 

 まああってもおかしくないわな。詩織も写ってたから俺も送ってみたわけだし。

 てかこの写真の存在、俺全く覚えてなかったんだけど。詩織はうちにもあるって知ってたってことは、あいつたまにこうやってアルバムとか見返したりするタイプなのか。……まあ確かにそういうのやりそうではある。意味もなくカメラロールとか眺めてそう。高見とのツーショットとかあるんだろうなー。

 

 逆に高見とカメラロール見てて俺とのツーショットとか俺とふざけてるティックトックとか見たら高見どんな顔してりゃいいんだよ。ある意味俺よりしんどくない?それ。大丈夫?

 ……そうならないように俺との写真は消してるかもなー。それが無難だもんな。あいつと遊んだりする時、大体あいつのスマホで写真撮るから俺のスマホにあいつと遊んでる時の写真あんま残ってねえんだぞ。

 

 そういや今日土曜か。あいつ今日高見とティックトック撮るって言ってたなぁ。

 

 ……。

 

「掃除進まねー」

 

 テスト前は勉強したくないから掃除をする。「掃除をしよう!」って思ってやってるんじゃなくて、「勉強したくないし掃除に逃げるか」思考。じゃあ「掃除をしなくては」と思ってる時は別のものに逃げてしまう。思考の海に逃げてるわけです。

 

 先、昼飯食べに行こうかな。牛丼でいいや。安いし、早いし、それなりに美味い。

 

 

 

 〜〜〜

 

 

 

 お昼は五百円以内に収め、自室掃除午後の部スタート。今度はCDプレーヤーで音楽を流しながら作業を始める。Get Wild、まだ覚えてないし。カッコよく歌えたらモテるらしいから(姉ちゃん曰く)。

 

 取り敢えず引き出しのものは全部出しておいたので、いらないものをまず捨てる。小学生の頃買ったポケモンの塗り絵はいらない。コバから借りてるエロ同人誌。いる。中学時代の教科書。これ多分いらない。国語辞典。まあ一応いる。

 で、居るものを用途別に並べて引き出しや棚に仕舞う。エロ同人誌はなんかブックカバーを付けておく。いらないものは一つにまとめて紐で縛っておく。紐、家にあったかな?取り敢えず端に寄せておこう。

 

 埃を拭き取り、一階から掃除機を持ってきて床も綺麗にする。真剣に始めると意外とサクサク進む。時計を見ると気が付かないうちに一時間も経っていた。

 掃除終わったら何するかなー。

 

 ちょっとテスト勉強して、気が向いたらドラクエのレベル上げ、やってやるか。

 

 

 

 〜〜〜

 

 

 

「ただいまー」

 

「おかえり」

 

 姉ちゃんが帰ってきたのは七時過ぎだった。今日は五時に終わる、って言ってたはずなので少し遅めの帰宅である。なんかあったのかな。

 

「今日すっごいお客さん来ててさ、五時過ぎにピークが来たの。そんな時間にピーク来る!?って思いながら手伝ってた。で、疲れたから出来合いのお惣菜買ってきた」

 

「お疲れ」

 

 遅かった原因はそれらしい。販売業はそういう時あるよね。

 

「一応「帰り遅くなるー」ってラインしたけどね。既読ついてなかったし見てないと思って」

 

「え、マジ?見てなかった」

 

 スマホを開くと確かに新着メッセージが届いていた。全く気が付かなかったなぁ。今更だけど既読付けとこ。メッセージを開く。

 

『ほら、あった』

 

 あれ?これ姉ちゃんからのラインじゃなくね?誰?

 

 一緒に添付されてる写真を開く。そこには今日俺が写メったあの写真と全く同じ写真と、横に写りこんだ女の手が写った写真があった。

 詩織かよ。というか本当にあいつの家にもあの写真あったのな。

 

「どしたの……うわなっつかし。あたしの髪の色がまだ黒い」

 

 横からスマホを覗き込んできた姉ちゃんも俺と詩織と同じ反応をしていた。やっぱり最初は懐かしさに溢れるよな。

 

「そろそろ夏祭りかー。詩織ちゃんは彼氏と行くんだろうけどあんたどうするの?」

 

「人をいじめて楽しいかクソ姉貴」

 

 詩織は一緒に行く彼氏がいるんだろうけど、俺には一緒に行く彼女はいないの!あんだーすたん?

 もう三人で祭り行くことは無いだろうなー。三人じゃなかった。この時は詩織のお母さんと、俺等の母ちゃんも一緒だった。まあ、俺と詩織と姉ちゃんの三人ならワンチャンあるかもだが、それに加えて母ちゃんも一緒ってのは絶対もう無いんだろうなー。

 

 気が付かないうちに「もう二度と無い」ってことが現れる。それってすごく残酷。

 

「まあ、今年の夏はあたしも彼氏いないし。一緒に行ってやってもいいよ」

 

「え、マジ?奢ってくれる?」

 

「死ね。……あたしも祭りは行きたいけど、一人で行くの嫌だし。友達皆カップルで行くらしいし」

 

 この歳になって家族で祭りかよ、とか思われるかもしれないし、言ったら笑われるかもしれない。けど、別にいいのだ。どうせなら姉ちゃんと二人で全力で夏祭り楽しんでやる。

 夏休みの楽しみがひとつ出来た。

 

「あの、二駅くらい先の花火あるやつにしようぜ」

 

「あー、なんかツイッターで宣伝見たかも、それ。いいよ」

 

 ホントは彼女と行くのが楽しいんだろうけどね。いないもんはしょうがない。コバとか誘っても来るか解らないし。

 ラインが鳴った。詩織だ。

 

『この時みたいにさ、夏休み、どこか遊びに行けたらいいね』

 

 いやお前は彼氏と行けよ。俺と行ったらあらぬ噂をかけられるぞ。

 

「お前は彼氏と行けよ笑」

 

 なんか悔しいので笑マークを付けて返信する。別に俺は気にしてませんよアピールです。

 

『そうなんだけどね笑』

 

『どうせならお姉ちゃんもお母さんも一緒に花火とかしたい』

 

 ……確かにやりてえなー。

 やりたいけど、なんとなく「じゃあやろうぜ!」って言えない自分がいる。何でだろうな。どうせなら夏休みの予定は沢山入れた方が絶対楽しいのに。

 

「予定お前が組むなら乗るけど」

 

『えー笑 めんどくさい仕事私に押し付けるじゃん笑』

 

「言い出しっぺ」

 

 無料スタンプで兎がニヤニヤしているスタンプを送り付ける。というか高見はそういうの許してくれんのかよ?流石にそれは俺から聞くの嫌だから聞かないけど。

 

『予定出たらその日空けといてね。お姉ちゃんにも空いてる日聞いてみる』

 

 本当にやる気かよ。大丈夫?俺あとで高見にボコボコにされたりしない?悪夢の見すぎ?

 

 ちょっとだけ。ちょっとだけ、夏休みが楽しみになってきた。まあ、その前に一学期のラスボス、期末テストがいるんだけども。

 

「うわ、マジでレベル上げしてくれてるじゃん、ありがと。一しか上がってないけど」

 

「ゲームのレベル上げじゃなくてお勉強してたんですー!飽きたからしょーがなくついさっきレベル上げ始めたんですー!」

 

 お礼言ったあとに文句言うの腹立つなクソ。




風強すぎて周りの家の屋根の一部が吹き飛んでた 助けてください
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。