英麗夢~英霊たちの物語~   作:はずみやかね

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麗夢②

 

結局、博幸の意見に賛同し、ここを出ることにした。

 

始めはどうかと思ったが、博幸の意見を聞いている内に自分が考えすぎだと思ってきて、しまったのだ。

 

とはいえ、念をと、森を出るまでは変装用にあった衣服に着替えた。

 

支給品の中に入っていたのだ。

 

と、まぁこんな感じで森の中を進んでいる。

 

 

 

「バレてないみてぇだな、へへ。」

 

ニコッと笑いながら、小さな声で言う。

 

「まぁ、バレてなきゃ、いいけど。」

 

ため息をはく。

 

こんな時に笑えるのもどうかと思う、第一、侵入と撤退は一番油断するな、と言われた筈なのに。

 

そういえば、コイツ授業中いっつも寝ていたような気がする。

 

でも、勉強が出来ないかと言うとそうでもない。

 

地理や科学、数学は高成績だし、侵入の仕方等は私よりうまい。

 

博幸と、出会ったのは6年前。

 

突然やってきた。確か母さんにおんぶされてきた。

 

しかし、おんぶされいた博幸は痣や切り傷ができていて、顔も痩けていた、まさしく死に死にって感じ。

 

すぐに医者に連れて行き、3日もしれば回復し、そこからはいっしょに博麗神社で暮らした。

 

楽しい日々だった。

 

楽しい暮らしだった。

 

人も博麗神社を慕ってくれたし、私たちも村人に可愛がれた。

 

しかしーーーーーーあの日に変わってしまった。

 

神社は、燃え、守りにきた人々も死んでいく。

 

私たちも、母さんに守られて出ていくのが精一杯だった。

 

 

 

『母さんに守られて』?ーー

 

『母さんを犠牲にして』じゃない?ーー

 

『親 殺 し』め、いつか『殺 シ テ ヤ ル』

 

 

 

「おい、大丈夫か?」

 

博幸の声で目が覚める。

 

野宿用の寝袋の上にいた。

 

よく見ると布団がひいてある、博幸がかけてくれたのだろうか。

 

「あ、あぁありがとう。」

 

ゆ、夢だったのか。良かった。

 

でも、思い出してしまった。そう言えばあの頃から六年後か、時が経つのは早いな。

 

……………………………。

 

やっぱり、夢の声は、『母さん』の声だ……。

 

 

 

フゥ、一息つく。

 

前を見る、先陣をきって進んでいる博幸の背中を見える。

 

疲れないのだろうか、見つからないように道を通らず藪の中を屈みながら進んでいるが、屈みながら歩くのはかなり疲れるし、腰も痛くなる。

 

現に、腰が痛くなってきたから休んでいるのだが、進んでいるだけで疲れるのに、博幸は藪の中を、草や蔓を切りながら進んでいるわけだから私より疲れるのが早くてもいいはずだ。

 

博幸はどこか手慣れている。特にこんな事に。

 

 

 

森の中を進んでいた時に、途中から藪に入ってしまい、

 

藪を出て、藪を迂回するかどうかの時に、あえて藪に入ろうと言ったのも博幸だ。 

 

博幸が道を切り開いているときに、後ろの警戒をしていたが、敵がすぐ近くにまで迫って来ていた。

 

通った道を辿られたのだろう。もし迂回していたら、そのまま辿られ、捕まっていたかもしれない。

 

そう言えば、博幸と始めて会ったのは私が9歳だった頃、よく考えてみれば博幸の9年間を知らない。

 

博幸は、9年間中をしていたのだろう。

 

 

 

「おーい、藪をそろそろ抜けるぞー」

 

博幸が言う。

 

ようやく、藪を抜ける、もうここら辺は敵の監視区域ではない。

 

何とか、任務は成功したのだろう。

 

とりあえず、帰ったら風呂に入りたい。

 

 

 

あれから、進む事少し、ようやく私たちは藪を抜け、監視区域から逃げ出せた。

 

 

 

休憩中、さすがに、博幸も疲れたようだ。糖分補給用のバーを食べている。

 

「あのーあなた達は何しているんですか?」

 

後ろから声がする、それも知らない声が。

 

後ろを振り向けば、男が立っていた。

 

来ている服は、下に迷彩柄のT-シャツを着ていて上には胸にポケットが方胸に3個ずつある濃い緑色のチョッキを着て、でっかいポケットと小さいポケットを付いた迷彩柄のズボンを履いた目測180cmの大男だった。

 

 

 

「ちょ、調査ですよ、地形の。」

 

ドキドキしながら、嘘をつく。

 

内心、バレませんように、バレませんようにと祈っている。

 

「あ、そう。じゃあね、」

 

男は、はや歩きでこの場を去っていく。

 

ふぅ、やりきった。バレなかった。

 

 

 

男が去ってから、博幸が私を呼ぶ。

 

「麗夢、麗夢、何だと思う?」

 

と、透明でキューブの形をしたものを渡してくる。

 

手に取って調べるが、匂いもなく、固さはまぁまぁ硬い、しかし妙な黒いものが入っている。

 

よく見ると、それはハチだった、それも、オオスズメバチだった。

 

「う~ん、わからないなぁ。」

 

「だよなぁ。まぁとりあえず、持っていくわ。」

 

そう言って、ポケットにそのキューブをしまった。

 

よく見ると、キューブが五、六個落ちていた。

 

どれにも、オオスズメバチが入っていた。

 

博幸は、キューブを次々とポケットに入れていった。

 

ポケットに何とか、キューブをポケットに詰める。

 

といっても、ポケットも限界なので、ポケットから出し、カバンに入れて、蓋をした。

 

 

 

ブーン、ブーン、ブーン。

 

博幸の後ろあたりか、どうも虫の羽ばたきのような音がする…………。

 

 

 




今回も、この小説を見てくださりありがとーございます
はじめの内は、バトル描写はありません。
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