お土産通りにて
「お二人は明日予定ありますか?」
「明日も暇だったら会わない?」
「明日は、ウェストミンスター寺院で交流会があるんですよ。ウェストミンスター寺院は王室ゆかりの寺院で、そこにあるウェストミンスター学院はイギリストップの優秀校だそうですよ。」
「すごい学校にいけていいんじゃない?」
「正直、言いますと……たかが中堅層の学校の人間がと見下されないか不安なんです。いくら未来が横についているとはいえ、なぜか心細い気がします。」
「私じゃ、足りないわけ? 」
「未来、緊張していることを察して……」
「私だったら、緊張なんてないけどね。」
「いいよなぁ……その力、分けてほしい……」
「まあそこまで難しくはないんじゃないか?俺なんて日本語以外わからないし。」
「どんな高度な話を言われるか分かりませんし、どんなことを要求されるか分かりません。もしものことを考えて、色んなネタは用意していますが……」
「光、深く考えすぎ。もうちょっと余裕を持って話そうよ。」
「そうだな、全く……未来の言う通りだな。」
「とても仲が良いんですね」
「もしかして恋人か何かなの?」
「まさか……恋人同士であるはずがないじゃないですか。僕は教育係ですよ? 」
「本当かな?」
「他人から見たら恋人にしか見えないですよ」
「未来は、あくまでも同級生であり、僕の生徒なのです。そもそも恋人という言葉なんて僕の辞書にないですよ。」
「そうなのか」
「そうかな……? 光の目、泳いでいるよ。」
「えっ、嘘だろ!? んなわけないだろ!! 」
「いやいや、光、泳いでいるよ。一回私の顔を見て」
「おぉ……」
未来は澄んだ目で光の顔を見ます。が、光の方はと言いますと……未来の顔を見るのがかなりつらいのでしょうか……光の目がだんだん充血していきます。
「ほら、やっぱり怪しくない? 」
「言われてみれば泳いでますね」
「顔も赤くね?」
「素直に私に好きと言えばいいのに……光って妙なプライドとか持っているせいかな? 簡単に言えないのって」
「妙なプライドって……持っているわけ……あるか……まぁ、学校の代表だから恥ずかしいことができない立場としてのプライドっていうところか……」
「あら、今日の光、案外、素直じゃない? 」
「そうか? 普段通りの自分だ。」
光は、少し顔を赤らめながら海の方を見ます。光の心の中には未来の好意が少し出始めたようです……
「素直か……いつもより……」
「え?全然わからなかったですよ。ね?」
「う、うん。わからなかった」
「あぁ、これは失礼。行きましょう。」