視界が朱に染まる、左腕そして肩ぞなそこにはなく朱い水溜まりを作っている。それを確実に認識した時痛みに叫ぼうとしても声帯が飛んでいるのかヒューヒューとした風の音しか出ないそんな中でも自身の肉体がニジャリグジャゴチュリと肉と骨があり得ない速度で直される音が聞こえる。
そんな音色を他人事のように聴いてまるで マモノ のような光景だなと感じる。
蒼白い焔に包まれたマモノが私に向けてその直すのが終わる前にかたをつけようというのかマモノに殺気等有りはしないのにそれを感じるほどの速度で腕が降り下ろされる。
…………まだ死ねない…
残った右腕で日本刀を取り、腕の攻撃をずらそうとする片腕で力が入らないがまだ大丈夫このマモノ力はあるがそれが一点ならまだいける。
「こ……終わ………けには……な……っ」
声帯が直されてきたのか言葉にもならない音が出た、何とかずらせばしたが明後日の方法に打ち付けられた腕の方を見れば地面がまるで一部が無かったかのようにえぐり取られている。
「イリ……カちゃん大丈夫……?」
薫も吹き飛ばされていたようで三ツ又の槍を杖のようにして私に近づこうとする欠損はないが砂ぼこりによる切り傷と石による打撲により右足がおかしな方向に曲がっている。まだお互い体を直し最中のようだ、こちらは腕はまだ直りきってはいないが動かせる程度にはなっている。
「大丈夫だ、前衛はこっちが出る援護お願いする」
と言う、いつもと声が違う会話というよりは意味のある音を発するだけの機関のように感じる。
「………わかった」
と薫は三ツ又の槍を再び構え直す、それは余裕の無い表情で今この場をどうするか水を集め大技ではなく弾幕を張り巡らす。
マモノはその勢いに後退するがダメージらしいダメージは入っていない、それもそうだ攻撃ではなくイリカからマモノを一時的に引き離すために放ったのだから。
「はぁはぁ……」
肉体の再生が済むあの惨状か消え去るように直る、声等も戻りいつものように両手で握りしめる血が抜け冷めた頭で考える。どうすればいいという思考とどうとにもならない逃げた方がいいという諦めがごっちゃに混ざる。
だがここで逃げてはまだ夜が明けていない、すぐに領内へとこのマモノは侵入し食事を始めるであろう。
だから 逃げては いけない。
考えろ、考えろ、考えろ、考えろなにかを見つけ出せそれだけが頭の中をループし続ける。
その瞬間狩ることへの希望と現状への絶望が同時に理解できた。そのマモノは最初に戦った時よりも皮膚に浮かぶ顔の数が明らかに減っていた、今も少しづつ蒼白い焔の中でゴプンと顔が沈みながら減ってゆく。
あぁこいつは確かに倒されているんだ、ただその数が膨大なだけで………皮膚に浮かび上がる顔の数だけ殺さないと完全に動きが停止しない……。
「ハハハとんだマモノだ………確かに死んでいるんだ、だけど何回殺せばいいんだ…?」
肩の力が抜けるいや入らない、私はいつまでコレを続ければ良いのかと考えていたいや考えてしまった。最初から数えてマモノの表面に浮かぶ顔は1/3程度は減っている……1/3程度しか減っていないのだ。
あれだけの猛攻を繰り広げて 1/3 程度しか。
「しっかりしろ、今は向かうしか出来ないんだよ今諦めてどうなるんだっ?死ぬだけだろっ」
と槍から水の弾幕を飛ばし続ける薫からの叱責がくる、あぁ確かに効いてはいるんだ無駄だった訳ではない。
「そうだ………ありがとう死んでもすぐに戻るなら殺し続けるだけ、だった簡単な事。」
ここからは実力ではなく、気合い根気の勝負こっちが諦めたら終わりの泥仕合私は肩に力をいれるそうすると日本刀もそれに答えるように一段と蒼白い焔が立ち上る。
「いずれ燃え朽ちる鳥ならば、マモノでも何でも焼き払い尽くしてから朽ち……果てるっ」
私は何も考えずに蒼白い焔を上げるマモノに突っ込んでいった、いくつ殺したあといくつだなぞ考えても意味がない。まず斬れそして苦しめろ相手に攻撃する余裕を与えるなっただ肉の塊を斬る斬り尽くす事だけをかんがえろっこれがいつ終わる後何回こなせばいいなんてどうでもいい不要なことだ。
マモノに近づいた際顔が意味をもって喋るいや言わされている、呪詛のようではなく人間の声救いを求める声年端もいかない少女や男性様々に混じる。
「熱い アツいよ アツイよ 苦しい クルシイ」
「ねぇ スクッテヨ クルシイヨ 痛いよ」
「ナンで 私たチ を コろス の ナンデ ナンデ」
「オマエハ 化ノ物 だ」
…………………るさい ウルサイ消えろ、私はその声の主の顔がわからずやたら滅多に皮膚に突き刺した。お前たちはマモノだ、マモノが言うな。
断末魔が聞こえる。マモノと突き刺したであろう顔の二つの断末魔が……
突き刺したまま焔を強くする、内部から焼ききればどうかという発想だ。
蒼白い焔が内部を焼く、薫も遠距離で先程の牽制ではなく一発一発鉄おも貫く速度で水の弾幕を打ち出す。
そして最後の1つを
「これでっ終わりだーっっっ」
薫の朱色が混じった水の弾が撃ち抜いた、マモノかも私たちかもわからない血が混じった。
動かなくなったそれは蒼白い焔にこうこうと燃やされる、放置すれば自然と塵に還るであろう。
「イリカちゃん、お疲れさま………」
と薫が疲れた様子でこちらに向かう、三ツ又の槍はもうしまっている………
「うん、お疲れさま大変な相手だったね」
「酷い顔してるよ、何かあったの疲れているとは違うような感じがするけど……」
その言葉にもハッとしてしまった、マモノの顔達が言っていた惑わす言葉が頭に少し染み付いてしまっていたのだ。すぐに誤魔化そうと嘘を吐く。
「いや、ナンデもないまさかあれほど肉体が抉れるとは思ってなくてな……うん」
と何故かそういうと私を軽く見てから薫は目をそらす……顔を無花果のように真っ赤に染めて。そうして軽く羽織れるような布を取り出して、手渡してくる。
「……これっ早く羽織って、早くっ」
と薫に急かされる、確かに服が抉れて肌が多く見えている肉体の再生はされても服の再生はもちろんされないおとなしく羽織った。
「これでいいのか?」
「ふぅ危なかった…………」
生命に関わることでもあったのだろうか、薫は羽織った私を見るとひと安心とため息をついた。
今日もまた朝がくる、マモノを狩るもの達の一日が終わる。
別の場所にてのお話
蒼白い焔が遠くに見える、恐らく他のマモノ狩りであろうか彼女は闇に融けるような漆黒の髪を揺らしながら紫色の目を光らせその蒼白い焔を見る。手には吸い込まれるような闇が現れた黒のガントレットをしている。
彼女は幾重にも積み重なった所々まるで切り取られたように抉れているマモノの残骸その上に乗って。
「………珍しいね、私が狩り逃すなんて……どうでもいいけど……」
とぼやきながらマモノの山からひょいっと蝶のように舞い落ちる、そしてガントレットを仕舞い。
「………………今日ももう終わりか。」
と彼女は空を見上げる霧は晴れていた。
今日も日が昇る、またマモノ蠢く夜へと移るために。
肉体再生はマモノ狩り誰もが持つ基礎スキルなのでイリカだけが特別って訳ではありません、大体の負傷はすぐに直ります。
この肉体再生こそマモノ狩りがマモノを狩れる理由の一つでもあります。普通の人間では多くが一発アウトだがマモノ狩りはそれなりのダメージですんでしまうのです、コケただけで死ぬスペランカーとキノコあれば大丈夫なマリオぐらいの違いです。即死トラップの数が違います。
駄ピン・ウィルさんのロード・バルツァーさんをお借りいたしました。