ファフニール VS 神   作:サラザール

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どうも、サラザールです。今回はブリュンヒルデ教室のメンバーが出ます。


ブリュンヒルデ教室

韓国のとあるビルの屋上に僕は来ている。そこには空間の歪みがあった。僕たち世界神は世界に起こる歪みを修正することが仕事の一つである。

 

生き物が歪みに触れると突然変異することがあり、力を手にして暴走してしまう。

 

そうならないように人間が見つける前に行動している。

 

歪みを修正する方法は、神の気を注ぎ込むだけである。そうすると自然に元に戻る。

 

歪みはどこで起こるか分からないので、杖で場所を確認して向かっている。

 

僕のように一般人に化けて行動する神が多いが、人目を気にせず堂々と仕事している奴もいる。

 

そのため、服は一般人の服を着ている。

 

神の存在は知られても構わないが、敵意を向けてくることもあるかもしれないので、隠れて行動することがあるがその時は戦うしかないと考えている。

 

「これで良し……後はどこにあるかな」

 

僕は杖で歪みの場所を確認する。そこは太平洋の海の中だった。

 

「海の中にあるのか。さてと行くか」

 

僕は破壊神の服に着替えて太平洋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白のリヴァイアサンとの戦いから三日後、亮との戦闘はアスガルはもちろんのこと、ニブルやミッドガルにも知れ渡った。

 

近くにニブルのヘリがいたことで映像を撮り、アスガルに情報を上げたことで知れ渡ったのだ。

 

「諸君、授業に入る前に知らせたい情報がある」

 

ミッドガルの司令官にしてブリュンヒルデ教室の担任、篠宮 遥は教室の教壇に立っていた。

 

「三日前、白のリヴァイアサンが何者かによって討伐された」

 

「「「「「「「「!!!!」」」」」」」」」

 

悠達は驚いた。

 

「それはどういうことですか!?篠宮先生!?」

 

金髪の少女 リーザ・ハイウォーカーは驚き中、皆よりも早く発言した。

 

彼女はブリュンヒルデ教室のリーダー的存在で誰よりもクラスメイトのことを気にかけており、家族同然に見ている(悠は部外者と思っている)。

 

「言った通りのことだ。リヴァイアサンはルートから外れることなく周遊していたが突然白い光が降ってきて、その中に一人の人間が現れた。」

 

「白い光ですか?」

 

「そうだ、しかもその者は宙に浮いており、白のリヴァイアサンに攻撃をしたそうだ。手からレーザーの様な物を出し斥力場を突き破り、息を吐けば突風になりリヴァイアサンの咆哮を押さえた」

 

篠宮遥は聞かされたことを話したが信じられなかった。

 

それは皆も同じで唖然としていた。そんなことが出来る人間は今まで聞いたことがないからだ。

 

「更には髪の毛が金色に変化したそうだ」

 

「髪がですか?」

 

悠の義妹、物部深月は不思議そうに言った。

 

「そうだ。ニブルからの情報では髪の毛が変色すると波が大きく揺れ、奴の攻撃の威力が何十倍にも上がったそうだ。」

 

「そ、そんなことが……」

 

リーザは絶句した。しかしそれはみんなも同じだ。どこの誰だか分からない者が突然ドラゴンを倒したと聞けば誰だって驚くものだ。

 

「その後リヴァイアサンは海に沈んでいった。ニブルでは討伐されたという事になっているが、ドラゴンは我々の常識を遥かに超える存在だ。もしかすれば生きている可能性がある」

 

遥は強い口調で言った。すると今度はボーイッシュな少女 アリエラ・ルーが質問した。

 

「それでリヴァイアサンを倒した人はどうなったの?」

 

彼女はさっぱりとした性格の持ち主で、思ったことをそのまま口にする癖がある。

 

「奴はリヴァイアサンが沈んで行くのを見届けてから何やら杖を作り出してそのまま光に包まれて飛んでいったそうだ。もしかすれば物部悠の様に我々が知らない男の"D"である可能性が高い」

 

教室はざわめく。自分達の知らない"D"、しかもどんな奴かも分からない以上不安になるもは当然だ。

 

しかし一人、物部悠は思い当たる節を浮かべる。それは半年前、ドラゴン信仰者団体を捕まえる時に出会い、今でも通信している神と名乗る男。

 

その男の名は大島亮。この世界を管理している想像と破壊を司る神、"世界神"である。

 

「それにこの事例は今回が初めてではない」

 

「どういう事ですか?」

 

深月はどういうことか分からず質問をした。

 

「実はその者は五年前と二年前に青のヘカトンケイルを倒して三年前に紫のクラーケンを追い詰めたことがあるのだ」

 

「「「「「「「なっ!!!」」」」」」」

 

更にみんなは驚いた。

 

「このことはアスガルとニブル、そして教員しか知られていない情報だがもう隠す必要はない」

 

遥は過去のドラゴン討伐の情報を全て話した。本当は話すべき内容だが、何があるか分からないので学園長はこのことを生徒たちには隠していた。

 

「諸君も不安になることは分かるが今のところミッドガルに危険はない。しかし、ドラゴンを圧倒する者が突然現れるかもしれない。動きがあるまで英気を養ってくれ」

 

遥はそう言って授業を始める。しかし悠はポケットの中にある通信機を握る。それは亮がくれたものだった。

 

 

 

 

 

放課後、深月達はリーザの部屋に集まっていた。

 

「皆さんはどう思いますか?」

 

リーザは皆に問いかけるとフィリル・クレストが読んでいた本を閉じて言う。

 

「……私は不安かな?どんな人かも分からない。それに話を聞く限り"D"じゃないと思う」

 

「ん」

 

クラスで大人しいレン・ミヤザワも同意する。

 

ちなみに物部悠は義妹の深月の寮に泊まっているため、ここには居ない。

 

「そうだけど……話ではドラゴンだけを襲ってるみたいだし、ボクは心配ないと思うよ」

 

アリエラはフィリルとレンの意見に異論を唱える。

 

「確かにそうですが、篠宮先生の言う通り警戒はするべきでしょう。ミッドガルを襲う可能性だってあります」

 

深月はアリエラの意見に、難しい表情を作りながらも頷く。

 

「で、でもドラゴンを倒すなんて凄いことじゃない?もしその人が全部のドラゴンを倒してくれたらあたし達は戦わなくて済むし」

 

「そうですがイリスさん、わたくし達とその方ではドラゴンを倒す目的が違うのかもしれないのですよ?何をするか分かったものではありませんわ」

 

イリスは亮を擁護するがリーザは反論する。クラスメイトのことを家族と思っており、誰よりも大切にしているために言っている。

 

「でも不思議だね。物部クンが"D"ってことも驚いたけどまさかドラゴンを倒す力を持つ人も現れるなんてビックリだよ」

 

アリエラは亮に興味を示していた。

 

「確かに私も生徒会長になってからそのようなことがあったのは初めて聞きました。もしかしたら私達の知らない"D"がたくさんいるかもしれません」

 

「そうだね……彼みたいに男の"D"がいるようにこれから増えていくかもしれない」

 

深月とフィリルはアリエラと同意見だった。

 

「わたくしは心配ですわ。モノノベ・ユウのような殿方がミッドガルに来る様なことは認めませんわ」

 

「ん」

 

リーザは反対し、レンも頷いた。リーザは物部悠を部外者と思っているようで、厳しい態度を取っている。レンも警戒しているようだ。

 

「あれ?リーザは彼の事が心配で気にかけてるからいつも見てるんじゃないの?」

 

「そっ、そんなことありませんわ!?わたくしは彼がイリスさんのように問題を起こさないか警戒しているだけですわ」

 

リーザは顔を真っ赤にして反論する。

 

「わたくしは彼の事をまだ認めたわけではありません。ですが、同じクラスに居るのですから多少は気になっているのです」

 

「……ホント、素直じゃない」

 

「……」

 

リーザは更に顔を真っ赤にして顔を背けた。

 

「そっ、それよりフィリルさん新しいゲームが入ったと言ってましたがどんなゲームですか?」

 

「あっ、話を逸らした」

 

「そっ、逸らしていませんわ!?それより早くやりましょう」

 

「分かった。それじゃあ新しいホラーゲームを……」

 

「わたくしもう寝ますわ」

 

リーザはホラーゲームと聞くとすぐに立ってベットに向かった。

 

「大丈夫。今回は主人公がお化けを倒すゲームだから。それにこのゲームは四人で出来るから助け合うことができるよ」

 

「……仕方ありません。少し付き合うだけですわよ」

 

リーザは渋々承諾して座った。

 

「それでどうやって倒すんだい?」

 

アリエラはフィリルにゲームの内容を聞く。

 

「このゲームはダンジョンになっていて先に進むに連れてゾンビが出てくるからそれを銃で倒していくんだよ」

 

「それなら大丈夫ですわ。相手を倒すのならフィリルといつも対戦してますので問題ありません」

 

「フィリルちゃんって色んなゲームを持ってるんだね」

 

「まあね。後で貸してあげよっか?」

 

「ホント!ありがとう」

 

イリスは喜んでフィリルにお礼を言った。

 

「あっ、その前に名前つけなくちゃ」

 

「名前ですか?」

 

深月は不思議そうに聞いた。

 

「うん。このゲームはいつもと違ってラスボスに名前をつけることができるよ。……そうだねー。じゃあ物部くんで」

 

そう言ってフィリルは名前入力を行う。

 

「って、どうして兄さんの名前が出てくるんですか!」

 

「だって面白そうだし」

 

こうして夜は更けていき、深月は自分の寮に帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そうか、ミッドガルにも知られたか」

 

「ああ、まさか俺も亮の事だとは思ってなかったよ」

 

物部悠は世界神 大島亮と連絡を取っていた。

 

悠は亮のことが心配になり、深月が女子寮に行ってから通信機で連絡した。

 

「知られるのは分かっていたよ。けどリヴァイアサンはまだ生きているよ。もしかしたらミッドガルに攻めてくるかもしれないね。そうなったらいずれ君と会う日も近いかもな」

 

「そうなったら深月達はお前を捕まえるかもしれないぞ」

 

悠は亮のことを心配する。

 

「大丈夫だ、僕はそう簡単に捕まったりしないさ。それに僕は神だ。どんなことがあっても対処できる」

 

「そうだが……アスガルやニブルも黙ってはいないし、お前を倒す兵器を作ってるかもしれない」

 

「言っただろ、僕は神だって。どんな兵器を使ってもどんなに兵士が襲ってきても無駄だよ。半年前に見ただろ、僕の力を」

 

「それは……そうだが……」

 

悠は不安だった。確かに亮の実力を知っているがそれはほんの一部であり、本気を隠していることも分かっている。

 

しかし、いつアスガルが亮を災害指定にしてくるか分からない。その内ミッドガルも亮と戦うことになるだろう。多分亮は手を出せざる終えない状況になる。

 

そうなって仕舞えば神の仕事もやりにくくなり、自分も戦うことになる。

 

「……でも、心配してくれてありがとう。君は本当に優しいね」

 

「そんなことはない」

 

「いいや、そんなことはあるよ。君と親友で良かった。君達の敵にならないように僕も気をつけるよ。それじゃあまたね」

 

「ああ、おやすみ」

 

「おう」

 

そう言って亮は通信を切った。悠はベットに寝転んだ。




いかがでしたか?亮の存在がミッドガルに知られましたね。次も楽しみにしてください。

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