ファフニール VS 神   作:サラザール

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どうも、サラザールです!亮がミッドガルの長と会います。これからどうなる!?


ミッドガルの長

リヴァイアサンを撃破し、僕は深月さんとの約束で学園の時計塔へ向かっている。

 

ここで逃げるのは簡単だが、そんなことをしてしまうとミッドガルやニブルを敵に回すことになってしまう。神が約束を破るわけにはいかない。

 

それにそんなことをするつもりはない。ミッドガルの長に会って、今回の件を説明しなければならない。

 

そのため、こうして連れて行かれている。

 

エレベーターで最上階に進み、奥の部屋に着いた。

 

立派な木製の扉がそびえ立っており、横にあるプレートには"学園長室"と書いてあった。

 

「着きました。ここです」

 

「学園長室?ここにミッドガルの最高責任者があるのか?」

 

「はい、話は着いてあります。今回は私も同行します」

 

「了解」

 

僕は返事をして、深月は扉をノックをし、どうぞと女性の声が返ってきた。深月は慎重に扉を開いた。

 

深月が先に入り、その後に僕が入った。

 

部屋の中を見るとミッドガルの廊下よりも暗く、独特な香りがする。この場所は日当たりが良い時計塔の最上階なのにも関わらず、分厚いカーテンで日の光を遮っている。

 

室内には二人の女性が佇んでいた。立派な椅子に腰かける金髪碧眼の少女、その脇に立つメイド服を着た女性の姿があった。

 

「よく来てくれた」

 

金髪の少女が言ってきた。彼女のことは少し知っている。ミッドガルの最高責任者にして、永遠の時間を過ごす存在。

 

(なるほど、彼女か)

 

「色々と詰まる話もあると思うが、まずは自己紹介といこう。私はミッドガルの長、シャルロット・B・ロード。それでこっちが私の専属秘書をやっている、マイカ・スチュアートだ」

 

「初めまして、マイカ・スチュアートです。以後お見知りおきを」

 

学園長のシャルロットと秘書のマイカはお辞儀をしながら同時に挨拶を交わす。

 

「ご丁寧にどうも」

 

たとえ年上でも僕は神であるため、風格を持たねばならぬと思い、少々偉そうに挨拶した。

 

「ふむ、とてつもないほどの覇気を感じるのう。単刀直入に聞くが、そなたがこの五年間で数々のドラゴン共を倒しているというのは本当か?」

 

見た目は少女だが、大人びた感じだ。正確な歳は分からないが、それなりに人生を生きているようだ。

 

「ああ、間違いない。それは僕のことだ」

 

僕は間を入れずに答える。確かにドラゴンを倒しているのは僕だが、正確に言えば戦っているというべきだ。

 

「そうか……服装も資料にあった通りの格好だな。見たことがない変わった服だな」

 

「まあね、これは僕にとっての正装だからね」

 

「なるほど……そういうことか。それでそなたは何者だ?」

 

シャルロットは唐突に本題を言ってきた。

 

「僕は大島亮。この世界を管理する存在にして、創造と破壊を司る神様だ」

 

僕は自己紹介をした。"世界神"は創造と破壊を司り、世界を管理する役目を持つ存在。僕は正直に答えた。

 

「神だと?」

 

「そうだよ、神様だよ」

 

「しかし、普通の人間にしか見えぬが?」

 

「そうだね、じゃあ証拠を見せるよう」

 

僕は後ろに組んでいた右手を前に出して、手のひらに物を作り出した。

 

僕が作ったのは"カッチン鋼"。ドラゴンボールに出てくる第七宇宙一の硬さを誇る物質だ。

 

「「「!!!」」」

 

シャルロットたちは驚いた。上位元素(ダークマター)を用いずに作ったのだから当然のことだ。

 

「これは"カッチン鋼"といって、ミスリルの何百倍もの強度を誇る物質さ」

 

「ミスリルより硬いと?」

 

シャルロットは信じられないようで聞き返してきた。

 

「ああ、この世界には存在しない物質さ。深月さん、それを壊してみないかい?」

 

「私がですか?」

 

「そうだよ。君がやらないと分かってもらえないからね」

 

「ですがここでやるのは……」

 

確かにここでやるのはまずい。シャルロットやマイカに怪我をさせるわけにはいかない。

 

するとシャルロットは言ってきた。

 

「わたしは構わないぞ。やってみてくれ」

 

「……分かりました。では———五閃の神弓(ブリューナグ)」

 

深月は架空武装を作り出し、地面に置いた"カッチン鋼"に向けた。

 

「一の矢———分かたれる風(フォーク・ウインド)!」

 

彼女は攻撃をした。すると矢は粉々に砕け、"カッチン鋼"は傷一つ付かなかった。

 

「そ、そんな……」

 

深月たちは驚いていた。ダイヤモンドですら砕くほどの力をもち、ミスリルでも傷が付くほどの威力を持つ力を放ったのに何一つ傷がついていない。

 

「これが創造の力さ」

 

僕は"カッチン鋼"を持った。

 

「そしてこれが破壊の力さ」

 

僕は"カッチン鋼"を上にあげた。落ちてくる"カッチン鋼"に向かって手の平を向けてある一言を言った。

 

「破壊」

 

すると"カッチン鋼"は急に空中で止まり、徐々に光の粒となって消えていった。

 

深月たちはさらに驚いた。傷一つつけることができなかった物質を消滅させたのだ。

 

僕は再び後ろに手を組んだ。

 

「これで分かったかい?僕が神様だということが」

 

僕は神である力を示した。

 

「驚いた……こんなことができる奴を見たことがない。神というのは本当かもしれん」

 

どうやら少しは納得したようだ。僕も安心して言葉を続けた。

 

「分かってもらって嬉しいよ。それじゃあ本題に入ろうか」

 

「本題?」

 

シャルロットは聞いてきた。

 

「僕は神々の世界"神界"と呼ばれる場所から来たんだ。神々の中での階級は"世界神"、一つの世界を管理することを許された存在さ」

 

「一つの世界だと?では他の世界があるというのか?」

 

「そうだよ。世界はここを入れて十二存在している。ここは第十二世界と呼ばれている」

 

シャルロットは質問してきて、僕は答えた。

 

「世界に一神(ひとり)ずつに"世界神"が存在していて、それぞれ仕事をしている」

 

「仕事ですか?」

 

深月は聞き返してきた。

 

「そう、仕事は三つあって、一つは人間を管理してそれを資料にして上司に提出すること。会社と似たようなものだよ。二つ目は世界を脅かす存在を倒すこと。今君達が戦っているドラゴンのことさ」

 

僕は神の仕事を説明した。

 

「なるほど、仕事でドラゴンを倒しているのだな」

 

「まあね、君たちでは脅威の存在のようだけど、僕からすればまだまだ大したことない生き物だからね。今は暇つぶしにやってるよ」

 

「暇つぶしとは……そなたは随分余裕だな」

 

学園長は呆れていた。まあ僕がその気になればドラゴンなんて破壊できるが、それじゃあ面白くないので放置している。

 

「そして三つ目は世界に起きる空間の歪みを直すことさ」

 

「空間の歪み?」

 

「そう、これこそが僕たち"世界神"の主な仕事さ。歪みとは、世界を崩壊させる自然現象。それを放置すれば世界は滅びるからね。人間に見られる前に歪みを直しているのさ。そしてここからが重要なことだ」

 

「?」

 

シャルロットたちは首を傾けた。

 

「もし生き物が歪みに触れれば、自我を失い暴走するんだ。そして気づかぬうちに周りの人間にも影響を及ぼす。リヴァイアサンのように」

 

「何?リヴァイアサンもその歪みとやらに触れたというのか?」

 

「ええ、意識はあるようでしたが本能で動いていました。幸い奴が触れた後に歪みを直したのでもう大丈夫ですが、こんなことになっているとは僕も思っていませんでした」

 

僕はリヴァイアサンも歪みに触れたことを説明した。隠そうと思ったが、今回は僕のせいでこうなってしまったので申し訳がない。

 

「シャルロット・B・ロードさん、マイカ・スチュアートさん。そして物部深月さん。今回、もし僕が一週間前に''白"のリヴァイアサンを仕留めていれば、奴に触れる前に歪みを修正していれば今回のことは起きませんでした」

 

僕は後ろに組んでいた手を横にした。

 

「大変、申し訳ございません」

 

僕は頭を下げ、深いお辞儀をした。僕が見逃していたからこそ、今回のことが起きた。僕は謝罪するためにミッドガルに来たのが主な理由だ。

 

「いや、よい。頭を上げよ。そなたが悪いわけではない。誰にだって仕事の見落としぐらいはある。それにそれだけで奴が攻めてこない理由にならぬ」

 

「そうかもしれませんが、あの時倒していれば被害は出なかったと思っております。ですので僕に何か出来ることがあれば何でもいってください」

 

僕は頭を下げながら言った。仕事を失敗するのは今回が初めてだ。人に迷惑を掛けたのだからこれぐらいのことはするしかなかった。

 

シャルロットは口に手を加えて考えごとをした。するとすぐに手を机に置いた。

 

「分かった……ではそなたの処遇を言い渡す」

 

どうやら決まったようで、僕は顔を上げた。

 

「そなたにはこのミッドガルに学生として向かい入れよう」

 

「……えっ?」

 

言い渡された言葉に理解できず。僕は間抜けな声を漏らす。

 

「……いいんですか?隔離とかじゃなんて」

 

「ああ、構わん。そなたのことは既に知られているからな。隔離より、学生として迎えた方がいいと思ってあった。そうだろマイカ?」

 

「はい、シャルロットと相談して我々が決めたことです」

 

「ですがいいんですか?僕が学生としていれば、女子たちも反対するのでは?」

 

僕はミッドガルの問題を言った。ミッドガルは"D"保護して教育を受けさせる機関であり、僕みたいな奴が通える筈が無い。

 

「構いません。兄さんも通っていますので問題はありません。信頼を得るのは亮さん自身ですので頑張ってください」

 

深月も賛成のようだ。

 

「物部深月もそう言っているわけだ。アスガルには物部悠と同じ男の"D"と報告しておく。もちろん学園でもその扱いだか良いか?」

 

どうやら僕の処遇は結構前から決めていたようだ。他の組織に狙われないために考えてくれたのだろう。

 

「ありがとうございます。ですが、一つお願いがございます」

 

「なんだ?」

 

「僕も仕事があります。空間の歪みは遠くでも修正できますが、書類仕事や会議があるので神界に行かなければいけない場合があります。神界との時間の流れが違いますのでそんなにかからないと思いますが、それだけ許してもらえませんでしょうか?」

 

僕は神の仕事で神界に行かなければならない理由を言った。

 

「いいだろう、それだけは許可する。それ以外でミッドガルを出ることは許さんからな。たとえそなたが神だとしても」

 

「それで構いません。ありがとうございます」

 

「よかったですね」

 

こうして僕はミッドガルの学生として居ることになり、僕は深月の宿舎で暮らすことになった。




いかがですか?亮がミッドガルの学生として暮らすことになりましたね。次も楽しみにしてください。

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