ファフニール VS 神   作:サラザール

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どうも、サラザールです!今回も楽しんでいってください。
それではどうぞ!


神界の神々 3

ここは"神界"にある神々達の仕事場である"天上塔"。その十一階にある世界神専用の休憩室である。あと一時間で"世界神"達の会議が始まろうとしていた。それまで四人の神が休憩していた。一神(ひとり)は大島 亮と第七世界の"世界神" 井上八重。あとの二神(ふたり)は喧嘩をしている。

 

「抹茶が一番美味しいの!」

 

「いいえ!紅茶ですわ!」

 

紅茶と抹茶どちらが美味なのか口論していた。

 

「アタイは抹茶が一番美味しいの!」

 

見た目がギャルのこの人はレイチェル・スミス。第九世界の"世界神"で、神々の中で武器の使い手と言われている。自我が激しい神である。

 

「いいえ、紅茶ですわ!この上品な香りこそ美味しいのですわ!」

 

髪が長く大きなリボンで結んだお嬢様口調の女性が第十一世界の"世界神"、小早川 恵であり、"世界神"最年長で戦闘経験は神々の中で長い神である。神歴は一億年を超えている。

 

二神(ふたり)は普段、仲が良いのに喧嘩をするのは初めて見た。

 

「亮ちゃん、なんとかして〜」ギュ

 

この神が亮にちょっかいをかけてくる第七世界の"世界神"、井上八重である。

 

「八重さん抱きつかないでください。苦しいですよ」

 

この人は大胆でいつも亮にハグしてくる。八重は亮に好意を抱いているため、こうやってアピールしているが気付いてくれないのだ!

 

「いいじゃない。それともイヤ?」むにゅ

 

「……」

 

腕に八重の胸が当たり、亮は顔を赤くした。彼は平常心を保とうとするが、八重の顔が近くてさらに真っ赤になる。

 

「八重ちゃんに亮くん、仲が良いのは分かるけど他でやってくれない?」

 

レイチェルがニヤケながら話しかけてきた。

 

「そっ、そんな事ありませんよ!」

 

「そうには見えないけど?」

 

「若いって良いですわね。二神(ふたり)とも付き合ってますの?」

 

レイチェルに続いて恵もからかってきた。

 

「付き合ってませんよ」

 

「ん〜……」

 

亮の横で八重はほっぺを膨らませた

 

「八重さん、どうしました?」

 

「……別に」プイッ

 

八重は不機嫌になり、顔を晒した。

 

(亮くんって本当に鈍いですね、師匠)ボソボソ

 

(そうですわね。どうしてこの神(ひと)は気づかないのでしょう?)

 

二神(ふたり)は小声で話していた。ちなみに恵はレイチェルの師匠で、武術と仕事を教えた神であり、お互い師匠と弟子の関係である。

 

すると、ガチャッと音を立てて"世界神"の一神(ひとり)が入ってきた。

 

「お疲れ様〜」

 

入ってきたのは第三世界の"世界神"、ルドルフ・ワタソン。"世界神"一の声量の持ち主で、聞いたものは運動神経を一時的に麻痺させることができる(ドラゴンボール超の破壊神ラムーシの能力)。

 

「亮に八重ちゃん、イチャイチャするなら家でやってくれないか?」

 

「イチャついてません!」

 

「……その状態で?」

 

亮は言い返せなくなった。八重は彼の腕に抱きついた状態で、誤解を解けなかった。

 

「それより恵先輩、資料はまとめておきました」

 

「あら、ありがとう、こちらもまとめておきましたわ。ルドルフさん」

 

ルドルフと恵はお互いの世界の資料を手伝っていた。ルドルフは男子の中では最年長だが、恵と比べると千歳も歳下である。

 

「他の"世界神"は揃ってるからあとはワシらだけですよ」

 

「早いですわね」

 

「それじゃあ向かいますか」

 

「そうですね。向かいましょう」

 

「……はい」

 

八重はまだ不機嫌だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは次の議題は人間の生存率についです。では第一世界の……」

 

神々が会議をするのは年に数回であり、二十階の第二会議室で行われる。"絶対神"ゴッドは出席しないが、"神官王"が議長として進める。議題は各世界の文明状況や、人間の様子についてである。

 

神は人間と関わったり、正体を知られても構わないので何神(なんにん)かの"世界神"は文明を発展させたりしている。

 

会議は続き、一時間後に終わりになった。

 

「それでは会議を終わります。皆さん、お疲れ様です」

 

"神官王"の挨拶で会議は終わり、みんなは帰る支度をした。会議がある日は仕事を早く終わらせる神がほとんどであるが、エドワードは残っていた。なんでもこれから自分の世界にいる自然の神々と会議があるらしく残っていた。

 

亮も帰る支度をして、会議室を後にした。

 

「亮ちゃん、お疲れ」

 

亮に続いて八重も会議室を出て、鞄の中からお茶の入ったペットボトルを差し出した。

 

「ありがとう八重さん」

 

ペットボトルを受け取り、その場で口をつけて飲んだ。

 

「亮ちゃんはこれからどうするの?」

 

「僕はホテルに泊まるよ。上の階の神(ひと)がうるさくて眠れないんだ」

 

亮の止まっているのは四階で、その上はパトリックが住んでいるが、最近奥さんの京子と喧嘩してるみたいで、声が響いているのだ。

 

すると八重は頬を赤く染めて恥ずかしそうに言う。

 

「……じゃあ……わたしの家に泊まる?」

 

「……え?」

 

八重の言葉を聞いた亮は一瞬頭が真っ白になった。

 

「えぇ〜〜八重さんの部屋!?」

 

流石に驚いた。女性から家に誘われたのは初めてだからである。驚くのは当然である。

 

「もしかして……イヤ?」

 

「うっ、嫌ってわけじゃないけど……」

 

断れる雰囲気じゃなかった。気を使ってくれてるのに断るのは悪いと思った。

 

「よっ、よろしくお願いします」

 

「こっ、こちらこそ」

 

亮は数日間、八重の家に住むことになった。

 

 

 

 

 

亮の住んでいるマンションの四軒先に八重の家がある。八重は亮を家に入れ、一緒に食事を済ませ、亮はテレビを見ていた。

 

(……落ち着かないな)

 

亮は女性の家に上がるのは初めてで、戸惑っていた。

 

「亮ちゃん、お風呂沸いたからの先入っていいよ」

 

「あっ、ありがとう……」

 

そう言って脱衣所に向かった。服を脱ぎ、まずシャワーで髪と身体を洗い、それから風呂に浸かった。

 

(八重さんに感謝しないとな〜)

 

亮は八重に感謝していた。長く使ってると迷惑をかけると思い、一分もしないうちに風呂場を出ようとした。すると突然ドアが開き、バスタオルを巻いた八重が入ってきた。

 

「亮ちゃん、一緒にお風呂に入らな……」

 

「……え?」

 

亮は固まった。更に八重は亮の下半身を見てしまい、二神(ふたり)の声が響き渡った。

 

それからパトリック夫婦の喧嘩は終わり、亮は自分の家に戻ったが、数ヶ月は会話が出来なくなった二神(ふたり)であった。

 

 

 

 

 

 

設定

レイチェル・スミス 159〜164歳

趣味 ダイビング 特技 車の運転 一人称 アタイ

第9世界の世界神。自我が激しく、神々の中では武器の使い手である。

抹茶が大好きで、師匠の恵とはたまに喧嘩している。

 

 

 

 

小早川 恵 3億4785〜3億4790歳

趣味 ティータイム 特技 家庭菜園 一人称 わたくし

第11世界の世界神。世界神の中で最年長で、レイチェルの師匠である。

戦闘経験は世界神一だが、ここ10000年はトレーニングをしてないので、スタミナがない。

60年前、第12世界の先代世界神と一緒にイギリスのロンドンに来たことがあり、一緒に紅茶を飲んだのがキッカケで毎日飲んでいるが、弟子のレイチェルとはたまに喧嘩している。

 

 

 

 

ルドルフ・ワタソン 3億3785〜3億3790歳

趣味 マージャン 特技 ゴルフ 一人称 ワシ

第3世界の世界神。世界神の中で恵の次に古株な神。神の中で12の世界一の声量の持ち主で、雄叫びをあげると、聞いたものは運動神経をは麻痺し、世界神でも立っているのがやっとである。物事をはっきり言う。




いかがでしょう?次は世界神どうしでのバトルロイヤルです。楽しみにしたください。

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