ファフニール VS 神   作:サラザール

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どうもサラザールです!今回はニブルに所属していた頃の悠を出します。
お楽しみください。


ニブル所属の悠

大島 亮が世界神になって4年が経っていた。その間彼は下界で神としての仕事をしたり、ドラゴンと戦っていた。この4年間で青のヘカトンケイルを2回倒し、紫のクラーケンを追い詰めた。

 

そのおかげでアスガルやニブル、ミッドガル、そして世界各国の首脳達に存在が知れ渡った。

 

神は人間に存在を知られるのは特に問題はないが、いつ彼らが敵意を向けてくるのか分からないのでほとんどの神は姿は現れても目の前で力を使おうとはしない。

 

しかし、文明を豊かにするため、神の存在を知る者はどこの世界もいる。その場合、神に貢ぎ物を差し出すのが暗黙の了解とされている。

 

大島 亮が管理している第12世界は神の存在は空想上の存在とされているため、亮は少し警戒をしている。

 

そして亮はカナダの山奥にいた。歪みが大きくなっていることに気づいた彼は現場に向かい、空間の歪みに神の気を注ぎ、修正した。

 

「なんとか治ったな。今までに比べると一番大きかったな」

 

亮は杖を突き、歪みがある場所を調べた。するとある荒野の映像が映った。

 

「次はアメリカか……よし、向かうか」

 

亮は杖を仕舞い、誰もいないことを確認して、アメリカに向かった。

 

その途中、防寒着を着ている人間達をを見かけて止まった。彼らはどうやら、車のガソリンが切れて困っていた。

 

亮はガソリンを作り出し、彼らの車に注いだ。すると一人の男が騒ぎ始めた。どうやらガソリンのメーターが急に満タンなるところを見てたそうだ。

 

亮はすぐにその場を去り、アメリカに向かった。また余計なことをしてしまったと後悔しているようだ。

 

すると杖が現れた。通信が入っているようで、亮はその場で止まり、連絡を取った。映像には第2世界の世界神、矢島 弥生だった。

 

「弥生さんどうしました?」

 

亮は弥生に要件を聴く。

 

「亮くん、お願いがあるの。そっちの仕事が終わったら第2世界に来て欲しいのか 。大量の魔獣達が国を破壊してるの。他の世界神達に連絡してるけど、全然出なくて」

 

「分かりました!すぐ向かいます」

 

「ありがとう!じゃあお願いね。」

 

弥生は通信を切り、亮はすぐに第2世界に向かった。

 

たまに他の世界での仕事が入ってくる時がある。

 

本来なら、弥生一人でなんとかなる案件だが、世界神はその気になれば世界を滅ぼすことができるため、こうやって他の世界から頼んでくる時がある。

 

もし、世界を滅ぼしてしまえば、絶対神ゴッドの怒りを買い、世界を一瞬で消されるのは明白。そうならないためにも世界神は虚無の世界で修行をしている。

 

亮はアメリカにある歪みは戻ってからすれば良いと考え、第2世界に向かったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここはアメリカのフロリダにある要塞。ここはドラゴン信仰者団体がアジトにしている場所である。

 

24年前、ドラゴンが突如現れたことである人はドラゴンを崇める団体とドラゴンを敵として排除しようとする団体が立ち上がった。

 

ドラゴンを崇める団体は竜災のあった国に入り込み、テロ行為を起こし、活動している。

 

ドラゴンを排除しようとする団体はドラゴン排斥者団体と呼ばれ、個人で活動するところもあれば、ニブルに取り込まれることもある。

 

ここはドラゴン信仰者団体 ワイバーンの総本部である。ここより少し離れた場所の森にニブルの軍隊がいた。

 

しかも少年9人だった。彼らはニブルのロキ・ヨツンハイム少佐の直属の部隊 スレイプニルであり、Dとの戦闘を想定した特殊な部隊である。

 

今回の任務は、ドラゴン信仰者団体 ワイバーンを殲滅させることであり、ロキ少佐は今回の件をスレイプニルに任せたようだ。

 

先頭にいるのはスレイプニルの隊長 物部 悠とその横にジャン・オンテルシアがいた。

 

「ジャン、見張りの兵はどうだ?」

 

「20人です、隊長。」

 

ジャンの目は常人より遥かに優れており、暗い場所でも人の姿が見えるのだ。

 

「分かった、他のみんなは?」

 

「既に潜入してます」

 

「よし、俺たちも行くぞ!」

 

「はい!」

 

悠とジャンは見張りの兵に見つからないよう、慎重に潜入していった。

 

 

 

 

 

ここはワイバーン総本部の教祖室、机に座ってダイヤを眺めている太った男は教祖のレッドブルー。彼は竜災に会った国に潜入し、金や宝石を奪っていた。そして奪ったダイヤを眺めていた。

 

「フフフ、なんと綺麗だ。また金が手に入ったぞ。これもドラゴン達のおかげだ。次はDを誘拐して宝石を創らせよう」

 

彼は上機嫌になり、ダイヤを置いた。すると警報が鳴った。

 

「何事だ?」

 

レッドブルーは席を立った。扉が開き、兵士が入って来た。

 

「教祖様大変です!ニブルが潜入して来ました!」

 

「何っ!!」

 

レッドブルーは驚き、両手を机に叩いた。

 

「こうも早く攻めてくるとは……戦闘準備だ!お前たち迎え撃て!」

 

「ハッ」ビシッ

 

兵士は敬礼し、教祖室を後にした。

 

(さてと私は逃げる準備をしよう。私まで捕まるのは嫌だからな。)

 

レッドブルーは宝石を袋に詰め、非常階段に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワイバーンの本部は壊滅状態だった。スレイプニルによって兵士はほぼ全滅、数十分で殲滅させ、兵士達を捕らえたが、教祖 レッドブルーの姿はなかった。

 

悠は兵士の一人に聞いた。

 

「お前らの教祖はどこにいる?」

 

「しっ知らない」

 

兵士は答えた。その時、スレイプニルのオッテル・アクスがやってきた。

 

「隊長!非常階段を見つけました。おそらくここから逃げたと思われます」

 

「分かった、お前達は援軍が来るまでここに居ろ。俺は奴を追う」

 

「「「「「「「「ハッ」」」」」」」」ビシッ

 

スレイプニルの隊員は敬礼し、悠は教祖の後を追った。

 

 

 

 

 

森の奥に教祖レッドブルーがいた。奴らもここまでは追ってこないと思ったのか、休んでいた。

 

(さてと、向こうに私の基地があった筈だ。早く向かわねば!)

 

レッドブルーは宝石の入った袋を持とうとすると銃声が鳴った。

 

「!!!」

 

銃声のあった方を見ると悠がいた。

 

「もう逃げられんぞ!」

 

「くっ……もう追って来るとは……仕方ない!」

 

レッドブルーは銃を取り出し、悠に向けた。すると茂みの向こうから

 

「やっと仕事が終わった。さてと帰るか……ん?」

 

「「え?」」

 

亮が現れた。亮は第2世界での仕事を終わらせ、歪みを修正し終え、森を出ようとしていると、この場所についた。

 

亮はレッドブルーと悠を見た。

 

(こいつは誰だ?太っていて……金持ちか?そしてこいつは……そうか!こいつが悠だ!)

 

亮は悠に気づいた。するとレッドブルーは亮に近づき、銃を亮の頭に向けた。

 

「動くなよ小僧、少しでも動くとこいつを打つからな」

 

「くっ……」

 

悠は銃を下ろした。人質を取られてはどうすることもできない。すると信じられない光景を見る。

 

亮は銃を掴み、へし折ったのだ。

 

「「なっ!!」」

 

悠とレッドブルーは驚いた。さらに亮はレッドブルーに三発パンチを入れ、彼は倒れた。

 

悠は驚きを隠せなかった。一見ひ弱に見える彼が銃をへし折り、腹部にパンチを喰らわせたのだ。

 

悠は話しかけた。

 

「すごいな……」

 

「そう?僕にとっては普通だよ。物部 悠」

 

「!!!なんで俺の名前を!?」

 

悠は驚き、身構えた。

 

「そんなに警戒しないでくれ。僕は2年前、君がヘカトンケイルを倒すところを目撃したからだよ」

 

「そっそうなのか?」

 

悠は少し警戒を解いた。

 

「ああ。何せ僕は神だからね」

 

「はっ?」

 

悠は訳がわからず、おかしな声を出した。

 

「僕は大島 亮、この世界を管理している神様だ!人は僕のことを世界神と呼ぶ」

 

そういうと、亮は気功波を作り出した。

 

これにも悠は驚いた!

 

「お前、もしかしてDなのか?」

 

質問すると亮は

 

「違うよ。僕はDじゃないよ。竜紋がないしね」

 

そういうと、気功波を消し、杖を取り出した。

 

「この世界は第12世界と呼ばれていてね、世界は全て12存在してるんだ。僕はこの世界を管理している神なんだ」

 

そう言って杖地面に突くと、光が出て来て、スクリーンになり、地球の映像が流れる。

 

悠は唖然としていた。いきなり自分から神と名乗り、手から青い謎の物体を作り出したのだ。Dなら上位元素(ダークマター)を出せるが、色は黒に近いもので青い物体を作り出す人は初めて見た。

 

亮は人の気配を感じとった。

 

(ニブルの奴らが来るか)

 

亮はそう思い、手から丸い通信機を作り出した。

 

「じゃあ僕は行くね。それとこれをあげるよ。いつでもいいから連絡してくれ」

 

「わっ、分かった」

 

亮は通信機を差し出し、悠は受け取った。

 

「あと、ニブルの連中には言わないでね。神の存在を彼らが知ったら僕、狙われるかもしれないから。じゃあね」

 

「おっ、おい!」

 

亮は杖を地面に突け、光となって飛んでいった。

 

「大島 亮……何者なんだ?」

 

悠は通信機を握りしめて亮が飛んでいったところを見た。




どうでしたか?明日で序章編は最後です。

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