血界戦線 ~Documentary hypothesis~   作:完全怠惰宣言

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待ってる人などいないだろうけど、一度上げさせていただきます。


恋は独善的な物、では愛は?

遠い遠い昔の記憶。

”恋”は一人でする者、相手を想い、相手の事を考え、相手に気に入られたいと願い、相手を自分のものにしたいという欲求を満たすための行為。

では、”愛”とは何を示す言葉なのだろうか。

相手を気軽に縛り付けることができる魔法の言葉?

原子の頃から受け継がれてきた生命のプログラム?

僕はそんな物信じて生きてこなかったよ。

所詮、僕らは生まれた時から死ぬために生きてきたんだから。

だけど、”僕”はそんな言葉に縛られたくないのさ。

どうせ死ぬなら、もう一度”僕”を生ませればいいんだ。

目の前にある優秀な母体を使ってね。

験体No.2549(チェイン・皇)”僕を産み落とす名誉を君に挙げよう。

 

そういって目の前の狂人は禍々しく歪んだ笑みを私に見せつけてきた。

 

 

恋は独善的な物、では愛は?

 

 

久しぶりに見た夢は幼いころの追体験だった。

幼いころ私は興味本位で人間の前に姿をあらわしてしまった。

そして、目の前の化け物に見つかり地獄が始まった。

不可視の人狼の機能限界を調べる実験と称して行われた数々の拷問とも呼べる行為に私は次第に疲弊し、目の前の化け物に服従することで楽になろうとしていた。

そんなある日、地獄の象徴だった日々が突然終わりを告げた。

傷だらけでいたるところから血を流した青年が私を救い出してくれた。

自分の血を弓に質量変換させ悪夢の象徴ともいえる化け物に次々と矢を打ち込んでいくその姿はおとぎ話に出てくる狩人のようであった。

 

「**************************」

「**************************」

 

二人の戦いと言い合いが激化していく中で私を救いに来てくれた人が悪夢を終わらせてくれた。

怯える私を抱きしめて人のぬくもりを思い出させてくれた。

凍てついた心に再び火をともしてくれた。

 

「それじゃ、いつかまた」

 

その一言を聞いて私は意識を失った。

その後、少ない情報から恩人を探し続けた私だったが一向に成果を上げられず、そして日に日に悪夢にさいなまれるようになっていき再び心が凍り付いてしまった。

そして、今再び私は地獄に戻ってきてしまった。

 

「いやぁ、君を探すのに苦労したよチェイン・皇(僕の花嫁)君たちの種族(不可視の人狼)が本気で隠れるとどのような手段をもってしても見つけられないからね」

「だけど、いまこの混沌があふれる場所なら君たちを誘い出すことができる。あの時できなかったことがやっと実現できる」

 

そう言ってまるで喜劇俳優のように縛り付けられた私の周りをクルクルまわる忌まわしき存在。

身体の半分が機械で覆われ降りあのころに比べてだいぶ年老いているがその濁り切った目はいまだに変わらなかった。

 

「そう、すべては今日という日のためにあった前奏曲のようなものだったのさ。さてさて不可視の人狼(チェイン・皇)僕の花嫁(チェイン・皇)僕の新たな母胎(チェイン・皇)。今日は、今日こそは君を僕のモノにしてあげるからね」

 

そういうと狂ったように笑い出した目の前の狂人、私の悪夢の象徴。

だけど、不思議と不安は無かった。

いつかまたこの化け物が私の前に現れて私のこのくそったれな生涯が終わるのではないかと考えていたからだからなのか。

思考が絶望に塗りつぶされていく感覚を身に覚えながら目の前が暗くなりかけたその時、右耳の柘榴石のピアスの感覚だけがなぜか鮮明に私を現実へつなぎ留めていた。

その時だった、突如として目の前の化け物の背後の壁が真紅の十字架により突如として破壊されたのは。

 

「吼漸百罫血仙兵装弓式」

 

壊れた壁の向こうに最初に見えたのは。

 

「花天ノ法」

 

この数週間、行動を共にした。

 

黒縄棘茨(こくじょうきょくし)

 

恩人に似ても似つかないはずの馬鹿野郎だった。

 

 

昔話をしようじゃないか

昔々、あるところにそれはそれは愛らしい狼の姫君がおったそうな

彼女は一族の掟を破り、人の前に姿を見せたことで長く続く地獄を味わうことになったわけだ

そんな、御姫様を助け出したのは一人の狩人だったんだ

彼は、御姫様を閉じ込めた悪い王様を懲らしめるとお姫様を元居た世界へと帰してあげたんだ

でもさ、世の中そんなご都合主義なんて溢れているわけじゃないじゃん

だから、僕は僕の持てるすべての権限を持って僕との契約を破ったあの糞野郎を破滅させるために狩人を”送り込んだのさ”

その時のことはもちろんきれいさっぱり”忘れさせた”はずなのにあの二人は感覚的に覚えていたのかな

ま、とにかくハッピーエンド至上主義な僕からすればこの糞契約者をどうにかしてご退場願いたかったわけですよ

だから、選んでやったのさ

どうせ将来、結ばれるって解ってたんだから

そう、君たちも解っているだろうけど、幼いチェイン・皇を助け出したのは彼女を失い世界に絶望した「××××」となった「楠守悠月」の功績だよ

彼が自分へと至る歴史全てを巻き込んでこの時点で彼女を助ける力を僕から引き出したのさ

後は知ってのとおり、どこにでもあるハッピーエンド、ラブラブな二人が出来上がった訳なのさ

全くもって人間は面白いね。

ん、僕がだれかって?

僕はね「〈§¶ΓΘΛΠΨ/*=~//***-」っと僕の名前って人語に翻訳できないんだった

そうだねありていに言って僕はね「ハッピーエンド至上主義の時神」さ

 

 

 

 

 

 

 




言い訳できませんがスランプな上に浮気して別作品書いた結果です。
いつか必ず手直しします。

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