三人が黒ウサギの耳を弄る、という状況に陥ってしばらくして……
「───あ、あり得ない。あり得ないのですよ。まさか話を聞いてもらうために、小一時間も消費してしまうとは。学級崩壊とはこのような状況をいうに違いないのデス。」
「いいからさっさと進めろ。」
「う、うぅ……まぁいいデス。」
とりあえず話を聞いてもらえる、ということで黒ウサギは気を取り直し…
「それではいいですか、御四人様。定例文で言いますよ?いいですね?言いますよ?「くどい。」さあ、言います!ようこそ“箱庭の世界"へ!我々は皆様にギフトを与えられた者だけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼントしようかと召喚いたしました。」
レージのツッコミを完全に無視して、黒ウサギは言い切った。
「ギフトゲーム?」
「もう気付いてらっしゃるでしょうが、御四人様は皆、普通の人間ではございません!その特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵でございます。『ギフトゲーム』は、その恩恵を用いて競い合うためのゲーム。そしてこの箱庭の世界は強大な 力を持つギフト保持者がオモシロオカシ生活する為に作られたステージ なのでございます。」
(へぇ〜、なかなか面白そうだな。是非やってみたいzzzzz)
レージは飽きたのか、寝てしまった。
==========
「───ここから先は、我々のコミュニティにて説明させていただきたいのですがよろしいでしょうか?」
(おろ?いつの間にか話終わってんじゃん。)
「おい、まだ俺が質問してねえだろ。」
「……どういった質問ですか?ルールですか?それとも、ゲームそのものですか?」
「そんなことはどうでもいい。」
「本当にどうでもいい。腹の底からどうでもいい。俺が聞きたいのはただ一つ。」
「この世界は……面白いか?」
(確かに…面白くなきゃただの詐欺だぜ。)
「───Yes!ギフトゲームは人を超えた者だけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界より面白いことを黒ウサギは保証いたします♪」
(へぇ。ならおもいっきり楽しませてもらうぜ!)
==========
───2105380外門、ペリベッド通り・噴水広場前
そこにダボダボのローブを着ている少年が一人。
彼の名前はジン=ラッセル。黒ウサギが所属しているコミュニティのリーダーである。
ここで新たな同志候補達を迎えに行っている黒ウサギを待っていたが……
「ジン坊ちゃーン!新しい方を連れてきましたよー!」
「お帰り、黒ウサギ。そちらの御三方が?」
「はいな、こちらの御四人様が──」
クルリと振り返り、固まってしまう黒ウサギ。
「……え、あれ?もう一人いらっしゃいませんでした?ちょっと目つきが悪くて、かなり口が悪くて、全身から“俺問題児"ってオーラを放ってる殿方が…」
「あら、十六夜君のことかしら?彼なら『ちょっと世界の果てまで行ってくるぜ!』って向こうに行っちゃったわよ?」
今更の事のように言われ、黒ウサギは呆然とする。
「どうして止めてくれなかったんですか!」
「『止めるなよ』と言われたもの。」
「ならどうして黒ウサギに教えてくれなかったんですか⁉」
「『黒ウサギには言うなよ』って言われたもの。」
「う、嘘です!絶対嘘です!実は面倒だっただけでしょう御三方!
「うん」「ええ」「まあね」
あまりの事実にガックリときた黒ウサギ。
新たな人材に心踊らしていた数時間前の自分が妬ましく思った。
「た、大変です!世界の果てにはギフトゲームのために野放しにされている幻獣が!」
「「「幻獣?」」」
「な…そ、それは大変です!ジン坊ちゃん。申し訳ありませんが、御三様の案内をお願いしても宜しいでしょうか?」
「分かった。黒ウサギはどうする?」
辺りに怒りのオーラを撒き散らし
「問題児を捕まえに参ります。事のついでに────“箱庭の貴族"と謳われるこの黒ウサギを馬鹿にしたこと、骨の髄まで後悔させてやりますよ!」
と、髪の色をピンクに染め上げ、弾丸の如き速さで飛び出した。
「箱庭のウサギは随分と速く跳べるのね。素直に感心するわ。」
「うん」
と、黒ウサギを見送る三人
「ま、とりあえず自己紹介といこうか。俺は乾 冷次レージとでもよんでくれ。隣のお嬢様が」
「久遠 飛鳥よそして、猫を抱えているのが」
「春日部 耀」
「んで、あんたは?」
「あ、はい。コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです。よろしくお願いします。」
「「「よろしく」」」
「さ、自己紹介もした済ませたし、箱庭に入るとしましょう。まずはそうね…軽い食事でもしながら話を聞かせてくれると嬉しいわ。」
そうして、彼らは箱庭の中へ…
次には主人公のギフトを出したいなぁ……
ではまた、次回をお楽しみに!