不運な問題児が異世界から来るそうですよ?   作:Ryuu

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今回は(も?)短いです。

皆さんお待ちかね第九話!

それでは言ってみよー。


ジャングルに来てしまったそうですよ?

箱庭2105380外門。ペリベッド通り・噴水広場前にて。

 

飛鳥、耀、レージ、ジン………それに黒ウサギに十六夜、三毛猫の六人と一匹はフォレス・ガロのコミュニティの居住区を訪れる道中で六本傷の旗が掲げられた、先日フォレス・ガロのトップのガルドと一悶着あったカフェテラスで声をかけられる。

 

「あー!昨日のお客さーん!もしや今から決闘ですか!?」

 

『お、鈎尻尾の姉ちゃんか。そやそや、今からお嬢達の討ち入りやで!』

 

ウエイトレスの猫耳娘が近づいてレージ達に一礼する。

 

「ボスからもエールを頼まれました!うちのコミュニティ連中の悪行にはアッタマきてたところです!この2105380外門の自由区画・居住区画・舞台区画の全てであいつらやりたい放題でしたもの!二度と不義理な真似ができないように叩きのめしちゃってください!」

 

ブンブンと両手を振り回しながら応援する鈎尻尾の猫娘。

 

これを見て本当に好き放題に悪行を重ねていたのだなとわかる。

 

「ええ、そのつもりよ。」

 

猫娘の応援に苦笑混じりに飛鳥が返す。

 

「おお!心強いお言葉です!」

 

満面の笑みで返す猫耳娘だが、突然声を潜めてつぶやき出す。

 

「実は皆さんにお話があります。フォレス・ガロの連中、領地の舞台区画ではなく、居住区画でゲームを行うらしいんですよ。」

 

「居住区画で、ですか?」

 

猫耳娘の言葉に黒ウサギが訝しげに返す。それと初めて聞く言葉に飛鳥が小首を傾げた。

 

「黒ウサギ、舞台区画とは何かしら?」

 

「ギフトゲームを行うための専用区画でございますよ。」

 

「ん?演劇とかをするためのとかじゃなくて?」

 

「そういうものではなく、この場合の舞台というのはコミュニティが保有するギフトゲームを行うための土地です。白夜叉様のようなあの別次元のゲーム盤も舞台のひとつですが、それが出来る人達は極めて少ないですけどね。」

 

「ふ~ん」

 

「しかもしかも! 傘下に置いているコミュニティや同士を全員ほっぽり出してですよ!」

 

「……それはおかしな話ね。」

 

飛鳥達は顔を見合わせて首を傾げた。今朝ジンにも聞いたが、昨夜ノーネームの子供達をさらいに来たのは全員ガルドの脅迫によって無理やり傘下に入れられた者達だった。

 

それらが裏切りに走ることを考慮して参加させないのならまだわかるが、全員となると少しばかり不自然だった。

 

「でしょでしょ!? 何のゲームなのかは知りませんが、とにかく気をつけてくださいね!」

 

「ハッ!りょーかい!」

 

そうして、熱烈なエールを受けて一同はフォレス・ガロの居住区画を目指した。

 

 

 

 

============

 

 

 

 

「あ、皆さん! 見えてきました!………け……ど…」

 

目的地に着いた筈なのだが、黒ウサギは目の前の光景を見て目を疑った。

 

他のメンバーも同様、目の前の光景……木で覆い隠された居住区を見て驚いている。壁のあちこちにも植物の蔦が伸びており、まるでこの辺りだけ異世界のようになっていた。

 

「…………。ジャングル?」

 

「誰がどう見てもジャングルだな。」

 

「虎の住むコミュニティだしな。別におかしくないだろ。」

 

「それを言われちゃお終いだ。」

 

「いえ、おかしいですよ。フォレス・ガロのコミュニティの本拠は普通の居住区だったはずなのに……それにこの木々は、まさか。」

 

ジンがそっと木々に手を伸ばした。表面に触れるとそこから生き物のように脈を打ち、肌を通して胎動のようなものを感じた。

 

「やっぱり、鬼化している?いや、まさか、でも…」

 

「ジン君。ここに契約書類が貼ってあるわよ」

 

飛鳥が示す方を見ると、門柱に貼られた羊皮紙に今回のゲームの内容が記されていた。

 

『ギフトゲーム名”ハンティング”

 プレイヤー一覧  久遠 飛鳥

          春日部 耀

           乾 冷次

        ジン=ラッセル

・クリア条件 ホストの本拠内に潜むガルド=ガスパーの討伐。

・クリア方法 ホスト側が指定した特定の武具でのみ討伐可能。指定武具以外は契約によってガルド・ガスパーを傷つけることは不可能。

・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

・指定武具 ゲームテリトリーにて配置

 

宣哲 上記を尊重し、誇りと御旗のした、ノーネームはギフトゲームに参加します。 ”フォレス・ガロ”印 』

 

「ガルドの身をクリア条件に…………指定武具で打倒!?」

 

「こ、これはまずいです!」

 

ルールを読むとジンと黒ウサギが慌て始めた。飛鳥は心配そうに2人に問う。

 

「このゲームはそんなに危険なの?」

 

「いえ、ゲームそのものは単純です。問題はこのルールです。このルールでは飛鳥さんのギフトで操ることも、耀さんのギフトで傷つけることもできないことになります。」

 

「……どういうこと?」

 

「つまりその指定武具とやらのみでしか攻撃できないって事か…」

 

「はい。ガルドは恩恵ではなく、契約によって身を守るつもりです。これでは神格があろうと関係ありません。彼は自分の命をクリア条件に組み込むことで御二人の力を克服したのです。」

 

「すみません、僕の落ち度でした。初めに契約書類を作った時にルールもその場で決めておけばよかったのに……」

 

ジンが申し訳なさそうに呟いた。

 

「敵は命懸けで五分に持ち込んだってことか。観客にしてみれば面白くていいけどな。」

 

「気軽に言ってくれるわね……条件はかなり厳しいわよ。指定武具が何かというのも書かれてないし、このまま戦えば厳しいかもしれないのよ。」

 

「ああ、指定武具とやらが何なのか、何処にあるのかが分からなけりゃゲームクリアは無理だってんだからな。」

 

「そこは大丈夫です!契約書類には『指定』武具としっかり書いてあります!つまり最低でも何かしらのヒントがなければなりません。もしヒントが提示されなければ、ルール違反でフォレス・ガロの敗北は決定!この黒ウサギがいる限り、反則はさせませんとも!」

 

「黒ウサギが役に立つのかはわからねえけどな。」

 

「そうね。黒ウサギだもの。あてにできるのかしら。」

 

「駄ウサギだからな。」

 

「……黒ウサギは役立たず。」

 

「黒ウサギは駄ウサギでも役立たずでも有りません!」

 

「ま、黒ウサギが役に立たなかったら今日の晩飯がウサギの丸焼きになるということで。」

 

「そうだな。」

 

「……シチューがいい。」

 

「わたしはお鍋がいいと思うわ。」

 

「黒ウサギは食べ物じゃ有りません!」

 

「それじゃあ、黒ウサギをどうするかを決めるためにもさっさとゲームクリアといきますか。」

 

「そうね。」

 

「……うん。」

 

「んじゃまあ、レッツゴー。」

 

「「「おー。」」」

 

参加者4人は門を開けて突入した。




はいッ!皆さんの言いたい事は重々分かっています。

何でガルドが出てこないんだー!!

と、まあこれには海よりもふかーい事情がありまして……

乾「うつのが面倒臭かったからだろ?」

え、ちょッ違──

飛「そうね。時間はたっぷりあったものね。」

いや、だから──

耀「………サボリ」

ち、違うっt──

十「シャラクセー」

ヒデブッ!

グフッ……いやまあはい………すんませんっしたー

ということで次回こそ戦闘シーンに行きたいと思います。


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