恋姫†無双/外伝 ~天の子~   作:でるもんてくえすと

26 / 38
水鏡塾運動会~武道会とテクニシャン編~

秋晴れに恵まれた日、運動会が始まった。

保護者をはじめ、投資をした豪族たちも観戦に訪れ水鏡塾は活気に満ち溢れていた。当然董一家も特等席を陣取り開幕を今か今かと待っている。

 

「え~っと、開会式のあとは…」

 

配られた運動会のしおりを手にカリキュラムを確認する夕陽。その内容は以下の通りだった。

 

第一種目:私塾一武道会

参加者:袁紹軍代表=文醜、曹操軍代表=夏侯惇、劉備軍代表=関羽、孫策軍代表=太史慈、孫権軍代表=張郃、董白軍代表=董白

対戦形式:勝ち抜き戦、第一試合は文醜対夏侯惇、第二試合は関羽対太史慈、第三試合は張郃対董白、第四試合は一回戦勝利者三名による同時対戦とする。

規則:模造武器による決闘で、一本を取られるか規定場外に出る又は武器損壊で敗退。一回戦突破で所属軍に五十点、優勝者所属軍に百点が与えられる。

優勝賞品:天下一武道会参加権

 

小休止中:下級生による合同演武

 

第二種目:借り物競争

規則:指令書の入った箱まで走り、一枚とって書いてある指示のものを探して終着点までそれを持ってくること。最後に審判員が指示書を確認し、指示通りなら終了そうでなければやり直し。六組ずつ行われ、それぞれ一等所属軍に二十点、二位に十点、三位に五点、四位に二点、五位に一点、最下位は得点なし。

 

昼食休憩

 

第三種目:侍従科選手権

参加者:侍従科所属の生徒

規則:一回戦の早縫い、二回戦の料理対決、三回戦の洗濯対決、それらすべての高得点者が優勝。ただし、同点の場合くじ引きで対戦内容が決まり直接対決とする。最終結果により所属の軍に得点を加算。

優勝賞品:専属侍従権

 

第四種目:模擬戦

参加者:全軍

規則:本陣に棒を立て、それが倒されると負けとなる。対戦相手にあらゆる攻撃が可能で、審判員に戦闘不能を言い渡されると退場。なお、各軍大将が戦闘不能になっても負けとする。くじ引きで軍師が一名選出され、校舎の二階から伝令で指示を出すことが出来る。

 

総合優勝賞品:水鏡券(水鏡が望みを一つだけ叶えてくれる権利。※ただし公序良俗に反するものは却下)

 

「へ~、色々あるんだな。お、一刀武道会出るのか!そいつぁ楽しみだ!」

 

横からのぞき込んでいた玄も、催しに心躍っているようだ。子供の運動会ならそうなるのも仕方がないと言えるが、夕陽は横断幕まで作ってえらい気合の入りようだった。

 

「あ!一刀ちゃんが入場してくるわ!」

 

楽団の軽快な音楽により、各軍がそれぞれ行進して入場を始めていた。我が子を見つけて沸く保護者たち。

 

「あら~?うちの子どこに居るのかしら…白蓮ちゃ~ん!どこ~?」

「いま目の前通ってるだろ!?」

 

「玲~!!お父さん応援に来たぞ~~!!」

「…っ」

「お父さんに中指立てないでね~~!!」

 

「オラ雪蓮!!蓮華!!テメェら優勝しなかったらタダじゃおかねぇぞ!!」

「それじゃどちらかが必ずシメられるじゃん…」

 

保護者からの声に、一部を除いて子供たちは気恥ずかしそうにしていた。それは董家ご一行も例にもれず、横断幕を掲げて大騒ぎ。一刀が笑顔で手を振ると一層の盛り上がりを見せた。

 

「相変わらず愛されてるな~。」

「えへへ、うん!」

「…あれだけ騒がれて動じねぇのは流石だよ大将。」

 

そうして綺麗に整列を進め、壇上には水鏡が登る。生徒には全力を出し切ることを求め、そして保護者には怪我をしても五斗米道の協力の元、万全の体制が整っていることを知らせた。

会場の準備もつつがなく完了し、運動会は始まるのだった。

 

「さあ始まりました水鏡塾運動会!実況は私、孫呉の歌姫留賛がお送りします!」

 

実況席で声を張り上げるショートボブが似合うフリフリ衣装の女性の姿に反応したのは孫家所縁の面々。

 

「ちょ、あの人何してるの?!」

「あやつめ…大殿となにやらコソコソしとると思うたら斯様なことを。」

 

教師の一人であり孫呉に仕える宿将の張昭は渋い顔を見せるが、観客席の孫堅が煽るものだから留賛もノリノリで実況を続けている。

 

「さて、それでは解説の方もご紹介します!荊州が誇る美しき将!最近結婚を発表され、荊州男児の夢を打ち砕いたご存知この人!黄漢升さんです!」

「よろしくお願いいたします。」

「左手の指輪が眩しい!!…というわけで始まった第一種目の武道会ですが、一試合目からまさかの瞬間決着!いや~これは驚きましたね~!」

 

第一試合は文醜対夏侯惇の対決だったが、合図と同時に猛烈な勢いで突っ込んだ夏侯惇の攻撃をなすすべなく受けた文醜が場外にはじき出され敗北。開幕戦にふさわしいド派手な決着に、観客は大いに沸いた。曹操軍にとってもこの上ないスタートダッシュと言えた。そして豪族たちはあの子を自身の軍に引き入れようと側近の者と相談する姿が目立ち、水鏡塾の武道会らしい一面も垣間見える。

 

「そして始まった第二試合ですが…こちらはどう見ますか黄忠将軍?」

「そうね…実力拮抗といった素晴らしい試合です。力、技、速さ、どれをとっても両者かなりの才をお持ちのようね。」

「将軍べた褒め!!!それだけ学生とは思えない熾烈な戦いが繰り広げられています!!」

 

関羽対太史慈の戦いはまさに一進一退だった。両者とも洗練された技で何合打ち合ったか数えようも目が追い付かないほどだ。ところが、半刻ほどが経過しようとした時、試合はついに動いた。

 

「おぉっと!これはどういうことだ!?関羽選手突如膝をついた!!」

「…体力負けね。」

 

学年にして二年の違いがあるのはこの年頃にとって大きな差だった。腕そのものにそう差はなかったが、やはり体力が追い付かなかったのだ。審判員から勝者太史慈という声が上がると、関羽は悔しさを滲ませるが会場は拍手喝采。学生離れした技の応酬に、生徒も保護者たちも大変な盛り上がりをみせた。特に関羽の父は娘の成長ぶりと悔しさに感涙し、興奮のあまり青龍偃月を振り回して職員たちに注視されていた。何はともあれ両者とも数えるのが馬鹿らしくなるほどの手数を出しているものの、有効打はお互いなしというのが彼女らの才を感じさせる。

 

「続いてはこの対戦!孫権軍からは給仕に参謀に戦闘に何でもござれ!一人(よろず)の張郃選手!!」

 

名前が呼ばれると、張郃は胸を強調するように屈んで観客席に投げキス。男子生徒たちから歓声があがり、如何に彼女のファンが多いか知るところとなった。

 

「お相手は~…なんと大将が参戦だ!!涼州の愛すべき少年!!事前に行われた学生間投票では“養いたい男子”第一位!私もちょっと好みです!董白選手入場~!!」

 

いつものように笑みを浮かべて観客席に手を振る一刀。今度は女子生徒から歓声があがる。しかし中でもやはり夕陽の応援が断トツで届いていた。用意した横断幕も、なぜか保護者数名が加わって大きく掲げられている。

 

「董白さん!お怪我はされないでくださいまし~!!」

「おう小僧ー!!勝ったら蓮華をくれてやるぞ~!!」

「頑張って~!それから~!娘をよろしくね~!」

「が、がんばって~…手伝うのだから便宜を図ってくださるのよね?」

 

袁紹の母は心配そうに、孫権の母はゲラゲラ楽しそうに、劉備の両親はニコニコと、曹操の母は何やら玄に耳打ちしながら声援を送り、一刀はそれを見て嬉しそうに大きく手を振っていた。ところが審判員の「用意!」の合図で一気に引き締まった表情へと変わる。

張郃はレイピアのような細身の剣を抜き、対する一刀は普段使いの剣を模した小剣を握り締める。張郃はその特殊な氣によりあらゆる武器を使いこなせるが、この大会のルールによりレイピア一つだけを選択していた。しかしこれが彼女の誤算だった。

 

「はじめ!!」

「「…っ!!」」

 

合図と同時に突っ込んだのは一刀。先手を取ろうと思っていた張郃は予想以上の速さに後手を踏んでしまう。元来張郃の武器は打ち合いには向かず、速攻からの突きで勝負を決めるものだ。それを知ってか知らずか、一刀は距離を取らせず真正面から上段、下段と基本に忠実な攻撃を繰り出していた。張郃にとってはこれが一番厄介だった。

 

「くっ…!」

 

一度距離を取ってタメを作ろうとしても、そこは一刀。持ち前の俊敏さで一気に距離を詰めてくる。

 

「おぉっとこれは凄い!!まさに一方的!!どうですか黄忠将軍?」

「素晴らしいですね!しっかりと基礎鍛錬を積んだ賜物でしょう!」

「それに見た目も可愛い!ボク~、勝ったらお姉さんが()()()()教えてあげるね~!!」

 

その発言に会場は大ブーイング。李儒が冷たい笑顔で小刀を手に実況席へ向かおうとするのを牛輔が必死に止めていた。と思えば袁紹軍でも似たようなことが起こっており、孫権軍では大将が自らの椅子を真っ二つに叩き割っていた。

しかしそんな時、試合は動く。

 

「これは…!」

「まあ…!」

 

会場が驚きに包まれる。

距離が取れないならばと張郃が逆に距離を詰め、一刀に接近したのだ。空いた手で頭を抱え、剣を振れないようにぴたりとくっついた。

 

「んな…?!」

 

…とも取れるが、どう見ても抱きしめている。豊満な胸に顔を埋めさせ、抱擁していた。なんとか離脱を試みようともがっしり抱きしめられているようでそれもかなわない。それどころか…

 

「あんっ♪もう董白くんったら大胆ね。私の弱点そんなにしちゃいやん♪」

 

いろんな意味で張郃を喜ばせる形となってしまい、形勢は明らかに変っていた。女子生徒は寝取られたような悲痛な叫びを上げる。なかでも相当なダメージを受けた女子生徒も居たようで。

 

「ふんっ!!ふんっ!!」

「ちょっと孫権さん!椅子が!椅子が無くなっちゃう!」

 

孫権陣営では孫権が手当たり次第に椅子を真っ二つにして暴れまわり、仲間が羽交い絞めにしながら止めに入るも暴君と化した彼女は止まらない。

 

「お…おい、その太い針どうする気だってんぎゃあああああああああああ!!!」

 

董白陣営ではおよそ人に使うとは思えない、天幕設営に使うような針…というより杭を手に牛輔へ襲い掛かる李儒。こちはらいつもの事なので周りは遠巻きに見ているだけだった。

 

「一刀ちゃんが…!私の一刀ちゃんが…!惑わされないで!あなたのおっぱいはココよ~~!!」

「いやお前一刀に乳やってないだろ。」

「あらあら~?董白ちゃんはおっぱいが好きなのね~?よかった~、うちの桃香ちゃんもおっきく育つわよ~?たぶんいっぱい出るわよ~?」

「だからなに?!」

「…わたくし、まだ出るかしら?」

「あんたは何やってんだ!」

 

ある意味で各陣営よりも混迷を極め、一人でツッコミを担う玄は大忙し。もはや観戦どころではなくなっていた。

ちょうどそんな時、なんとか間合いと空気を得ようともがいた一刀がより激しく動いたことで状況は動いた。理由は張郃が自分で言っていた“弱点”、いや、もう言ってしまえば“性感帯”だ。

 

「ちょ、だめっ…そんなに激しく…!」

 

顔を振ってみたりして抜け出そうとしているのだろうが、傍から見ているとどう見ても愛撫させられているようにしか見えない。だめと言いながらも張郃はこんな役得を逃したのくないのか一層力を込めて抱きしめる。どうやらいろんな意味で効いているようだ。

 

「んむーー!!んーー!!」

「あっ、ほんとキちゃう…!」

 

この世界の女性にとって、男子に()()()()()のはたまらないシチュエーションなのだ。

気をやってしまえば氣は使えない。小刻みに体を震わせ、張郃は腰砕けになったかと思うと、か細く「参った」と宣言。こうして女子の夢を乗せたテクニカルノックアウト勝利で一刀は一回戦を突破したのだった。

よくわからないうちに勝ってしまった一刀は鳩が豆鉄砲を食ったような顔が治らないまま陣営へと戻っていく。戻った先では李儒が頬を膨らまし、孫権はすねたように唇を尖らせ、袁紹は火照った表情で待ち構えていた。

 

「ぼ、僕だって実は…その…ちゃんとあるんだからね!」

「私だって!こ、こっちはまだまだだけど…お、お尻なら!」

「董白さん、お胸がお好きだと仰ってくれればわたくしいつでも差し上げますのに…それにしても良い腕をお持ちで。わたくしもあんなにされたら…ぽっ」

「三人とも…えっと、どうかしたの?」

「お気になさらず!さあさ、わたくしのお胸に…」

「「それはダメ!!!」」

 

自身らの大失言に気付かず袁紹の前に立ちはだかる李儒と孫堅。謎の勝利と三人の仕草に、頭に「?」を浮かべる一刀だったが、背後から忍び寄る影に気付いていなかった。玄と教師陣の静止を振り切った夕陽である。夕陽は思い切り一刀を抱きしめると、その決して大きいとは言えない胸で一刀を包み込んだのだった。

 

「いや~!凄い対決でした~!」

「そ、そうね~…。最近の子は進んでるのね…。」

「さて、小休止を挟んだ次は三つ巴の決勝戦!!その間は下級生による合同演武をお楽しみください!」

 

入場の合図と同時に行進してきた一年生が一斉に演武を披露する。子供たちの姿に保護者達はうっとりそれを眺め、極一部の生徒は血走った目で凝視していた。一年生の中で目立っていたのは曹操の妹分である曹仁だ。動きこそハチャメチャなのだが身体能力の高さ故かなかなか見事なキレ。曹純、曹洪は練習通りになんとか熟しているようだが、そのたどたどしさが逆に可愛さをあおる。“董白くんを見守る会”と並ぶ影の組織“あなたを守り隊”にとって曹純のそんな姿はタマラナイもののようだ。特に「えいっ!やあっ!」と剣の重さに振り回されてしまう動きに隊員たちは奇妙な声をあげていた。

そんな中、多くの保護者に隠れるように見守っているのが陳珪…今まさに演武を披露している陳登の母である。親子仲がうまくいないのだろう、心の中では応援していてもやはり少し距離を置いて眺めていた。

演武が終わると、ついに決勝戦が始まる。その土俵には勝ち上がった三人。

 

「いや~!一年生可愛かったですね~!」

「そうですね!あれを見てしまうと私も早くお子を授かりたいと思ってしまいます。」

「これ以上荊州男児の心を抉るのやめてあげて!…とまあそれはさておき、決勝戦に進んだのはこの三名だ!!

まず一回戦はまさに瞬殺!唯一の特待生は伊達じゃない!夏侯惇選手!

そして先ほど素晴らしい打ち合いを演じてくれた太史慈選手!

さあ女子の諸君お待ちかね!いろんな意味で“技巧派”なところを見せてくれた董白選手です!」

 

土俵の中央で審判員の話を聞いている三人に、大きな声援が飛ぶ。中でも一刀はいくつものねっとりとした纏わりつくような視線に困惑を隠せないようだ。しかしそれよりも間近にいる夏侯惇からの鋭い視線が突き刺さり、ごくりと唾を飲み込む。夏侯惇としては徒競走などで負けを重ねてしまった分、ここで何とか勝利を拾いたのだろう。だがこれを見てニヤリと微笑む太史慈の様子に、気付くことはなかった。

 

「最後まで立っていたものが勝者となるわけですが…この対決はどう見ますか黄忠将軍?」

「そうねぇ…学年的なものと技量も含めて太史慈選手が一枚上手のようですが、彼女は一回戦でだいぶ体力を消費しましたから。その点で言えば夏侯惇選手が優勢なのではないかしら?」

「なるほど~、確かに!では我らが天使董白くんはどうでしょうか?」

「董白選手も面白いと思います。何より基本が出来ているのが素晴らしいですね。ただ…やはりこの二人を相手にするとなると、厳しい戦いが予想されます。」

 

解説の黄忠が話すように、下馬評ではやはり一刀の劣勢は変わりないようだった。人気こそ高いが兵学科の特待生と武芸の天才と謳われる太史慈を相手にするのは荷が重いと見られていた。

 

「さあそろそろ開始の合図がかかるようです!三者距離を取って…」

「はじめ!!」

「始まった~~~!!!」

 

大方の予想通り、夏侯惇は一目散に一刀の方へ駆け出す。そのままの勢いで一撃、二撃と重い斬撃を繰り出し、一刀は防戦一方。太史慈はそれには加わらず、剣を肩に乗せて体力回復を優先しているようだ。

 

「フハハハハハ!!どうした董白!!攻撃してこぬか!!」

「ぐっ…!」

 

なんとか後退しながら捌いていくが、一つ一つの重さが尋常ではなく、牽制すらままならない。なんとか打開しようと試みるもののそれを許す夏侯惇ではなかった。見る見るうちに土俵際まで追い込まれ、あと一歩というところで鍔迫り合いとなる。

 

「華琳さま!見ていてください!今こそこやつに引導を…」

「馬鹿!後ろを見なさい!」

 

曹操が叫ぶが熱くなっている夏侯惇は聞こえない。ここを押し込めば勝ち…というところで、夏侯惇は彼女の存在を忘れていたのだ。「今!!」という声が聞こえたかと思うと猛然と背後から体当たりを浴びせる太史慈。

 

「はれ…?」

 

完全に重心が土俵の外に向いていたおかげで、夏侯惇はなすすべなく外に押し出される。太史慈はこの瞬間を待っていたのだ。一刀しか目に入っていなかった夏侯惇の隙をついたまさに頭脳勝ちだった。すんでのところで横に躱した一刀は土俵に残り、目下優勝候補だった夏侯惇が先に敗北。予期せぬ番狂わせに観衆は沸いた。

 

「ちぇー、キミも一緒に落ちてくれたら楽だったのに。」

 

そう言いながら改めて剣を構える太史慈。なんとか踏みとどまった一刀だったが、土俵際に追い込まれているのは変わりはない。背水の陣で攻撃に転じようとするものの、技量が違い過ぎた。まるで稽古でもつけられているかのように攻撃は全ていなされ、有効打を与えられない。それどころか土俵際から逃れようとしても見抜かれているようで的確な斬撃でまた戻されてしまう。手も足も出ないとはこのことだ。

 

「じゃ、私もここで体力使いたくないし…これで終わり!」

 

繰り出されようとしている斬撃に備えようと構える一刀。

 

「な~んてね!」

 

ところが斬撃は来ない。かかとに重心が乗ってしまったのを見て、肩をポンと押され場外へ出されてしまった。

 

「き、決まったーーーー!!優勝は孫策軍代表、太史慈選手に決まりました!!これにより太史慈選手には天下一武道会の出場権、そして孫策軍には百点が加算されます!」

 

こうして、第一種目は孫策軍が勝利する形で終わった。戦った選手たちには改めて大きな拍手を浴びせられ、皆それぞれ手を振りながら各陣営に戻っていく。夏侯惇は不服そうにしていたが、曹操に窘められしゅんしながらも「董白め…!」と何故か自分を押し出した太史慈よりも目の敵にしていたのだった。

 




今回もお付き合いくださりありがとうございます!運動会、まだまだ続きます!次回は借り物競争から!
それでは皆さんのご感想お待ちしております!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。