(はあ……この前のこと、学校で先生に怒られちゃった)
(医務室で目覚めたとき、チノちゃん泣いてたよね……)
(結局チノちゃんにちゃんと謝れてないし、忙しさにかまけて、あの夜のことちゃんと説明する時間も取れてないや……)
(私、チノちゃんのお姉ちゃん失格なのかな……?)
その夜。ココアさんは一人でお風呂に入っていました。ココアさんとお話しするには、またと無いチャンスです。私は意を決してお風呂場のドアを開けました――
「コ、ココアさ……、ココアちゃん!!」
「そ、その声は……チノちゃん!? で、でも『ココアちゃん』って……」
「きょ、今日は私がお姉ちゃんです。妹のココアさ……、ココアちゃんの体を洗いにきてあげました。わ、私のことはチノお姉ちゃんと呼んでください!!」
「え、ええ!? えーーっ!?」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「チノちゃ……憧れのチノお姉ちゃんに体を洗ってもらえるなんて、でへへ~、私しあわせだよぉ~」
「ココアさ……ココアちゃん、笑い方がなんかやらしいです……」
最初は顔から火が出るほど恥ずかしくて、どうなることかと思いましたが、ココアさんが思ったよりもノリノリのおかげで、「今日は私がお姉ちゃん大作戦」は成功しつつありました。
「ココアちゃん、次は前を洗いますからこっちを向いてくださいね」
「えっ……、さ、流石にそれは、恥ずかしいよ……」
「お姉ちゃんに対して見せて恥ずかしいところなんてないはずです。一人で洗えないココアちゃんのためにわざわざお姉ちゃんが洗ってあげてるんですから、おとなしく言うことを聞いてくださいね」
「うぅ……、チノお姉ちゃんはなんだか厳しいよ……」
たぷん。もちっ。ココアさんが振り返るとともに、ふたつのふくらみが露わになります。お姉ちゃん役になったはいいものの、体型では私のほうが負けています。私の胸もいつか大きくなるかと思ったら、そろそろ出会った頃のココアさんと同じ学年になるというのに、その頃のココアさんの大きさに追いつく気配もありません。そのココアさんも、モカさんや千夜さん、リゼさんの大きさには敵わないですし、いったい何を食べればそんなに大きくなるのでしょうか……。
「ひゃん! お姉ちゃん、そ、そこは敏感だから……」
「……あっ! コ、ココアちゃんごめんなさい」
考え事をしながらココアさんの体を洗っていたら、ココアさんのふたつの突起を強くこすりすぎてしまいました。集中しなきゃと思うのですが、集中すると、ココアさんの白いうなじ、程良い胸のふくらみ、そのふくらみの頂点にあるツンと上向きで桜色の突起、お胸からおへそへのきゅっとしまったライン……それらが目に入って、なんだか変な気分になってきてしまいます。
「お、お姉ちゃん、そこから下は自分で洗うから大丈夫だよぉ……」
またまたぼーっとしながら洗っていたら、いつの間にかココアさんのお腹も洗い終わり、その下の大事なところにまで手が伸びてしまっていました。ココアさんが顔を赤らめて、何だか変な雰囲気がふたりの間に漂います。
「ココアちゃんの身体、すごくきれいです……」
変な雰囲気を壊すために何かしゃべろうと思ったら、思わず考えていることが口に出てしまいました。
「チノお姉ちゃんの身体も、すごくきれいだと思うよ?」
「むぅ……、私の身体の話はしないでください……」
「褒められたから褒め返しただけなのになぜか不機嫌になったよ!? 理不尽!!」
そういえば、胸は人に揉んだり触ってもらうと大きくなると千夜さんから教えてもらったことがあります。これはひょっとしてさりげなく触ってもらうチャンスなのでは……?
「ココアちゃん、お姉ちゃん命令です。次は私の体を洗ってください」
「サー、イエッサー! お姉ちゃんを洗いまくってあげちゃうよ!」
「ココアちゃん、お胸のあたりを念入りに……ってひゃっ! くすぐったいです! や、やめ……、ぷ、ぷぷっ、は、裸の時にくすぐるのは反則です!」
ココアさんの手が私の胸や脇やお腹や、身体のあらゆるところに伸びてきます。
「さっきお姉ちゃんに色んなところ触られたからね、お返しだもん~♪」
「そんなにめちゃくちゃくすぐったりはしてませんよ……、こうなったらこっちもくすぐり返しです、反抗的な妹にはお仕置きが必要なんです」
「ちょ、くっ、ぐへ、ぐふふへへ、お姉ちゃん、そこは私弱いから、反則だって~」
「先に反則をしたのはココアちゃんの方です」
二人、顔を見合わせて笑ってしまいます。そういえば、私がココアさんと最初に会った日の夜も、ココア風呂とか言って二人でお風呂に入ったっけ。あの時はどんなお話をしたんだったでしょうか。二人の距離は、あの夜よりも今夜のほうがずっと近いような気がします。(もちろん、お互い身体を触りまくったので物理的な距離も近いのですが……)
「そろそろ上がりましょうか、ココアちゃん。お姉ちゃんからのサプライズは、まだまだ終わりませんよ」