地獄ノ星ノ使者   作:地獄星バロー

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俺のT公園の近くにはご覧の通り怖いことが起きていたのはもう知ってるよな?実はその近くには墓場があってな。マジ気味が悪い場所だったぜ。そのせいかここには供養の為なのかはたまた崇拝のためなのか小さな神社が建てられていたんだ。そうだな、奈々似神社とでも呼ぼうか。ところがどっこいここはさそがし不気味な神社だったんだ。狛犬みたいなのが妖狐でそいつが檻に閉じ込められているというなんとも不謹慎な神社がな。不思議に思ったオレ達は軽いノリで勝手に中に入って調査をしたんだが…どうやらオレ達は入ってはいけないところに入ってしまってたんだ。



ソノ二・呪われた女の住む神社

俺達が小四ぐらいのことである。T公園で遊ぶ者々には、今、とある噂が囁かれ始めていた。俺がその噂を聞いたのは、小一の頃に海外から日本へ帰ってきた、帰国子女のMくんからだ。この時点で誓って言えることは、コイツは確かに帰国子女だけどそれが何か本筋に関わることは絶対に無いということぐらいだ。

 

「え?奈々似神社?」

 

「あぁ、そうだ。お前も知ってるT公園の近くのちゃっちい神社だ、あそこ、不思議なことが起きるんだってよ」

 

不思議ねぇ……あの神社は小一の頃にその存在を知ったが、確かに不可思議な神社だったな。例えば冒頭にも書いたが、狛犬のような奴が檻に閉じ込められているところとか、お賽銭箱が無く、お参りする際は神社の裏に適当に金を投げるという粗末なものだったり、そして無論神主らしき人の影すらない。もはや管理すらされていないのだ。

 

「それで、一体どんなことが?」

 

「奈々似神社には正体不明のナニカが、厳重に封印されている、そしてそのナニカは長い時日、隙を見て今でも抜け出そうとしている。そのまさに抜け出そうとする時に、奈々似神社から謎のうめき声が聞こえるってことさ」

 

ナニカ……俺は一年前のトイレの件があったので、これ以上変なものに関わりたくないし、そのナニカを見たくなかった。とはいえ、少なからずは興味本意というものがあり、本当にそのナニカが存在するのか、俺は最近出来た新しい友達、Kくん、Yくん、そして前回も登場した友達、Sくんと共に調査を続けることにした。

 

しかし、これもやっぱりなにかヒントが見つかることもなく、唯一こっそりと中に潜入して得たものは、縁の下の奥深くに謎の壺があることぐらいだった。そう、よくよく考えれば、Mくんが言っていた不思議なことが起きるってのも単なる嘘っぱちではないかと疑うぐらいに何にも聞こえなかった。まぁ夜の時間帯は危険なので調査はしていなかったのだが。

 

 

 

 

そうこうして数ヶ月。今は神社の不思議より、T公園で落とし穴を作るのが男子の流行りと化していた。だが、たまたまKくんとSくんが掘っていた穴から謎の箱が出てきた。

 

「なんだこれ……?」

 

みんなが揃ってから試しに開けてみると、なんと中から奈々似神社の書物が出てきたのだ。

世の中困ったら掘ってみるものである。

 

そして、俺達は遂に新しい情報を得ることか出来た。

 

明治時代辺りに書かれたと思われる文字でとても読みにくく、断片的に覚えていることだが…まぁいい、そこに書かれていたものは

 

『一つ、強大な悪霊●●●を奈々似神社に二段封印をしけり。

二つ、これを決して解いては。ならない。

三つ、封印の鍵は二つ、●●の壺と古代の硬貨にあり。

四つ、封印を解いた者、●●●に生涯呪われ続けるだろう』

 

とまぁ、こんな感じだったかな。これは俺達自力で解読した結果だから正確には違うかもしれないし、断片的に覚えているものだからよくわかんねぇや。●ははっきりとは覚えてないんだ、大事なとこだがね。

何しろ、これを学校に持って行ってみんなでこっそり職員室に入ってこの書物とパソコンで類似点があるものを探す為に調べようとした矢先に教師に捕まって永遠に没収されたからな。まぁ当然だ。

多分今はゴミ処理場のチリになってるだろうよ。

 

 

そうこうして手がかりを見つけた俺たちだったが、ツボのやつは俺達では取れないところにあるから、放課後にT公園に集まってその硬貨とやらをみつけよう派と、呪われたら嫌だから流石にこれ以上の調査はやめるべき派に別れてしまった。

 

KくんとSくんは前者派で、俺とYくんは後者派に分裂してしまった。

結局のところ仲直りはするんだけれどね。

とはいえ、こうなってしまったから、俺たちが反対しても、二人はどうせ神社で硬貨を捜しに行くだろう。それだけはさせないがために、Yくんは、SくんとKくんを自分の家に呼んで夜まで遊んでもらうことにした。

 

俺も遊びたかったが、万一の為に、神社で一人見張りをすることになった。

 

しかし、これは大きな誤算となってしまったのだ。

 

 

結果としては、二人とも寄り道せずにYくんの家に来て事無きを得たが二人はなんと学校でガキ大将やらその他面々に「奈々似神社の裏に沢山の金がある、そして中には昔の金もある」という情報を流出しまくり、なんと神社には、沢山のガキ達の輩が群がって我先にと金を探し集めていたのだ。

 

これはまずい。もしこれで古い硬貨が見つかりでもすれば壺に封印されているだろうとはいえ、多分封印の一つが解ける、ナニカが目覚める。そして、そこにある金はお賽銭代わりなんだから、そんなことでもしたら犯罪だ。

 

だから俺が、絶対にさせない。

 

俺は金の誘惑に負けて奈々似神社を荒らす悪ガキ達を一人一人止めにかかった。

 

「おい!これ以上はやめろ !!最悪な事態になるまえに!!!」

 

「うるせぇ!!なんだ、お前かよ。お前に指図される筋合いはねんだよ!!!!」

 

そう言われて殴られる始末。あれは本当に痛かった。他の金を捜してる奴等にも同じような呼びかけたが、結果は変わらず殴られる蹴られる吹っ飛ばされるだった。

これ以上なんとも嫌なループを経験した日はないだろうな。

 

 

そしてまた吹っ飛ばされたこの時、倒れて目を開けた際、見つけさえしなければ……。

 

 

「いってぇ………あいつらぁってヤツは…ん?なんだ……コレ。」

 

頭がボーッとしながら立ち上がり、コレを拾った。

丸いな、お金みたいだ……それも昔の。

………昔!?

 

一回、頰をつねる。だがたしかに俺の手の中にあった。

俺は気付かぬ内に例の硬貨を拾ってしまったのだ。

 

 

……………ヤバイ。どうすれば。

 

そうだ、思いっきり遠くに投げよう。

 

そう思った矢先、不幸なことと幸運なことが同時に起こった。

 

 

「'ゴ''ラ''ア''ア''ア''ア''ア''ア''!''お前達、神社という場所で何を漁ってるんじゃああああ!!!今すぐ戻しなさい!!!!!!!!」

「ご、ごめんなさい……」

 

 

偶然通りかかったジジイが、悪ガキ共に説教。これのおかげで俺の悪ガキを止める目的はクリアしたが、同時に俺まで共犯扱いされそうになったため、封印を解く硬貨を手を離す機会が自然と無くなり、気が付いたら自分がその硬貨を所持したまま、神社を後にすることになってしまったのだ。

 

 

翌日、俺は三人に昨日のことを伝え、もしかしたら封印を一つ解いてしまったかもしれないと伝え、今日の放課後に念の為みんなで見に行こうと言った。Yくんは青ざめたが、他の二人の目は輝いていた。俺はと言うと、半分恐怖、半分興味という不思議な気分だった。

 

 

そして、放課後。

肝試しの様なノリで奈々似神社に来た我ら。

だがやはり物音一つ聞こえない。

 

良かった……やはり封印は解けてなかった…。

 

 

 

 

 

そう油断していたその時である。

 

奈々似神社の横の蔵のガラス越しから、俺は確かにナニカがいるのを感じた。

はっと蔵の方を振り返る。

そこにはなんと、死装束を身に纏う血だらけの女がガラスをドンドン叩いていたのだ。

 

震える体を横に動かして友達を確認する。

だが他の三人は女に気付いていない用にボーッとしている。もしかして見えてるのは俺だけか?

やはりあの硬貨を手に入れてしまったから?

 

ヤバイ

このままじゃ……

 

 

 

 

 

 

俺は友達を連れて全速力であの場から逃げてきた。突然の俺の行動で戸惑う三人に事情を説明した。やはり女は他の三人には見えていなかったらしい。

 

それを意味することは、俺は封印を一つ解いてしまったということ。

そうすればあの女が俺にだけ見えるようになり、蔵の中に閉じ込められていたのも説明がつく。

 

 

後日、これ以降、俺達は奈々似神社に行くことは無かった。

俺はせめてとばかり、SくんとKくんが掘っていた例の書物が見つかった穴に硬貨を埋めた。

これで封印が出来たかどうかは分からない。

今、この瞬間も俺は呪われ続けているのかもしれない。

 

 

 

分かることは、迷信って奴は本当に存在するってことだ。

 

 

 

 

今もあの場へ行こうとすると甚大なる拒否反応と頭痛がする。

 

 

この事件はまだ解決していないという証拠だ。

だが俺はこの先を知りたくない。

 

 

 

 

君は、迷信を信じるかい?

そして、全てを知る覚悟はあるかい?

 




どうだったか?
これが前回言った本当に洒落にならないことってやつだ。
この事件は、俺の生涯の中でもかなりのトラウマものだ。それに未解決。

本当に気味が悪いぜ。

こんなの、夢であって欲しいもんだ……。

でも、悪夢になるのも嫌だしなぁ…あの時のように。
おっと、これはまたの機会に。


ではまた、お会いしましょう。
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