艦隊これくしょん 航洋艦 晴風 抜錨します! 作:ヤマト2015
横須賀鎮守府
日本の首都の防衛を担う重要拠点である。
およそ5年ほど前から現れた深海棲艦と呼ばれる怪異。
それとほぼ同時期に現れた艦娘と呼ばれる存在。
人類が艦娘の力を手に入れからというもの徐々に制海権を取り戻しつつあったがせれでも一進一退の攻防が続いていた。
そんな横須賀鎮守府の執務室にて書類と格闘している男がいた。
彼がここ横須賀鎮守府の司令官の高杉 龍之介(たかすぎ りゅうのすけ)中将だ。
高杉「各種補給品の手配はこれでよし。後は…」
そのとき執務室のドアがノックされた。
比叡『司令官、比叡です。演習の報告に来ました。』
入れ。の高杉の返事が返り。声の主が入ってきた。
比叡、金剛型戦艦艦娘の次女でありこの横須賀艦隊、通称、高杉艦隊の旗艦兼秘書艦である。
高杉「お疲れ比叡、たしか今回の演習相手は呉の艦隊だったんだよな?」
比叡「はい、大和が旗艦で航空戦闘を2回、砲雷撃戦闘を2回、夜戦戦闘を1回の計5回実施。こちらが結果報告書になります。」
そう言って演習結果が書かれた紙を渡した。
高杉「航空戦闘は両方S勝利判定。砲雷撃戦闘はB勝利と敗北。夜戦は敗北判定か…やっぱり対艦戦闘は厳しいか…」
比叡「申し訳ありません司令。」
報告書に書かれた内容を見た高杉の言葉に比叡は申し訳なく言うが彼は気にするなと返した。
高杉「仕方ないさ、ウチは空母が主力の機動艦隊だからな。それに比叡は旗艦として電探やら零式ソナーやら乗せてるんだ。攻撃力の低下はやむを得ないよ。」
高杉率いる艦隊は一航戦、二航戦、五航戦を指揮下に置く航空艦隊だ。
戦艦は比叡以外だと妹の霧島が配備されいるのみであり、対艦戦闘は他の艦隊と比べるとどうしても劣ってしまう。
巡洋艦と駆逐艦の娘達もいるがいずれも対空戦闘と空母の護衛で手一杯の状態だ。
比叡「ですけどこのまま放置しておくのは良くないですよ。」
高杉「そうなんだよな…せめて軽巡洋艦か駆逐艦…それも陽炎型みたいな甲型がもう一人いてくれれば良いんだが…」
そこまで話したところでふと、あることを思い出した。
高杉「そう言えば、昨日保護したあの娘はどうなった?」
比叡「あ、あの陽炎達が保護した娘ですか?まだ意識はないと明石さんが言ってましたよ。」
昨日の夕方頃、船団護衛の遠征から帰投途中だった陽炎、不知火、浜風、磯風の四人は鎮守府近くの海岸にて倒れている人影を見つけた。一般人が溺れていたのかと思い救助の為近づいたところ艦娘であることが分かり、そのまま保護したのだ。
高杉「そうか…よし、仕事のきりも良いし、お見舞いに行ってみるか!」
そう言って比叡を連れて執務室を出た高杉。
別に書類仕事に疲れて休める口実を見つけた訳ではない。断じて。
部屋を出て少したち、まがり角を曲がったところで一人の艦娘と鉢合せした。
鎮守府の工作艦娘の明石であった。
明石「あ、提督ちょうど良いところに。先日保護した艦娘の艤装についてお話があるんですが。」
高杉「なにか分かったのか?」
明石「はい、あの娘の艤装なんですが、土台は陽炎型駆逐艦の艤装で間違いないんです。ただ…」
そう言って明石はなんと言ったら良いのかわからないような顔を浮かべた。
高杉「ただ、なんだ?」
明石「搭載している機材や兵装がおかしいんですよ。機関は島風ちゃんに使われてるものの量産型みたいなものだし、小型ボートが搭載されている所にはジェットスキーみたいなものが乗っかってるし、主砲もアメリカで使われてる5インチ砲だったり、さらには搭載している電探も今の船が使ってるようなかなり高性能なものだったり…まるで昔の艦に今の装備を載せたような…そんな感じなんです。」
明石の説明に二人は信じられないというような顔を浮かべた。
高杉「ウ~ン…陽炎型の船体に現代のレーダーやジェットスキーか…」
比叡「司令、ここで考えても分かるわけないんですから、とにかく医務室へ行きましょう。」
思考の海へダイブしかけるが比叡がそれを引き戻した。
時おりこういうふうに考え事にふけってしまうのが彼の悪い癖だ。
結局、明石も合流して医務室へ向かうことになった。
そして、医務室が見えてきたときだった。
『どうなってんのこれ~~~~~!!!?』
この鎮守府にいる者ではない叫び声が聞こえた。
高杉「今の叫び声は…」
比叡「どうしたんでしょう?」
明石「どうやら目を覚ましたみたいですね急ぎましょう。」
小走りで医務室へと向い明石が扉を開ける。
明石「大丈夫?」
扉を開けると件の娘が鏡の前で呆然と立っていた。
なにやら独り言を呟いている。
晴風「いやいやいやいやいやいや。嘘でしょ。何でどうなってんの?ちょっと前まであたし艦だったよ?何で女の子になってんの?何で青髪なの?待て、落ち着けあたし。そうよまずは落ち着く事が大切。落ち着いてタイムマシーンの入り口を探して…」
高杉「うん、全然落ち着いてないね。」
唐突にあるはずの無いタイムマシーンの入り口を探し始めた件の娘に思わずツッコミを入れる高杉。その声に件の娘も高杉達に気付いたようで、恐る恐る話しかけてきた。
晴風「えっと…その…貴方たちは?それにここは何処なんでしょうか?」
高杉「 ここかい?ここは横須賀鎮守府。私は司令官の高杉龍之介。階級は中将だ。君の名は?」
高杉の問いに少し困った顔を浮かべた件の娘だが高杉にはその理由が分かっていた。
艦娘のなかには希に自分が人間になったことに戸惑う者がいることがあるのだ。
高杉「その様子だと君は自分が何で人間になったのか不思議に思っているんじゃないかな?」
その言葉に件の娘は肩を震わせた。どうやら間違いないようだ。
高杉「少し話しをしたいんだが。いいかい?」
件の娘は分かりました。と答える以外になかった。
高杉司令官の元ネタは皆さんお分かりですよね。
はい、某紺○の艦隊の司令官です。
下の名前は携帯のCMの意識が高過ぎる男子を演じてる俳優からとりました。