記念パレード当日、ルルーシュとC.C.は東京におり、ゼロとナナリーの姿を見ようと、街の道に並んでいる大勢の人を見ながら、手を繋いで歩いていた。
「見ろ、ルルーシュ。人がゴミのようだ」
「お前はいつから、天空の城を目指す大佐になったんだ?」
「安心しろ。私は目を押さえながら絶叫して、宇宙に消えるつもりはない」
「なんの安心だ、まったく…」
「それにしても、人が多いな」
「平和の象徴であるナナリーと、世界を救った救世主ゼロ、そして、英雄部隊と呼ばれるようになった黒の騎士団。それを一目見ようと、世界中の人間がここに集まって来てるんだ。来れなかった人は、テレビで見てるだろうな」
そう言いながらルルーシュとC.C.が歩いていると、道に並んでいる大勢の人から歓声が上がった。
「来たみたいだな」
「らしいな」
歓声が上がった理由は、ナナリーとゼロ、そして、悪逆皇帝に立ち向かった当時の黒の騎士団メンバーが現れたからである。
「ナナリーを実際に見るのも1年ぶりか」
「元気そうだな。……黒の騎士団の奴らは笑顔で手を振ってるな。敵国の宰相であったシュナイゼルに唆されてルルーシュを裏切り、そして英雄気取りか。…ほんと、あの無能どもには恐れ入る」
「…む?カレンの姿が見当たらないな。いないって事はないと思うんだが…。まさか、護衛してるナイトメアの中にいるのか?」
「ほんとだな。まぁ、カレンは、ルルーシュを裏切った事を後悔しているからな。そんな自分を、英雄扱いされたくなくて顔を出したくないんだろ」
「…なるほど。…ん?他にも誰かいない気がするんだが?」
「…確かに1人少ない気がするな。…まぁ、気にする必要はないだろ。それで、どうする?少しついて行ってみるか?」
「帰っても暇だし、そうだな、ついて行こう」
そうしてルルーシュとC.C.は、道を進むゼロ達を追いかけた。
「しかし、こうして見ていると、ほんと、気にくわないな。ルルーシュが命を賭けて、今の世界を創ったというのに、称賛されてるのは裏切り者の集団である黒の騎士団とは…」
「俺は称賛されたくて、やった訳ではないからな。それに、悪く言えば黒の騎士団を最後まで利用させてもらった」
「しかし、スザクの奴、周囲を見渡すだけで全く手を振らないな」
「当たり前だ。そんなのゼロのキャラじゃない」
「なんだ、つまらん」
「つまらんって、お前…。まぁ、いい。そろそろ帰るぞ」
「いいのか?まだ見ていてもいいんだぞ?」
「もう充分だ。ナナリーの顔も見れた事だしな。帰ったらピザでも作ってやる」
「よし、今すぐ急いで帰るぞ!」
「変わり身が早いな、お前…」
そうして、ルルーシュとC.C.は、オレンジ農園へと帰って行ったが、その姿を、とある2人が見ていた。
ゼロであるスザクは、記念パレードの最中、目の前で手を振る黒の騎士団を、冷めた目で見ていた。
(よく、民衆に向かって笑顔で手を振っていられるな。何も知らない民衆ならともかく、事情を知っている者達からすると、英雄部隊ではなく、裏切りの集団としか目に映らないのに。まぁ、世界の殆どの人が事情を知らないわけだが…。あのロイドさんが、黒の騎士団を見るときは目が怒りに染まるし。その裏切りの集団のトップを僕がやってるというのもお笑い者だが…)
そう考えていると、ルルーシュとC.C.の姿を見つけた。
(あの2人、来ていたのか。まぁ、一応、当事者だから少し見に来た感じかな?もう帰るみたいだけど…。もう、あの2人が傷付かないように頑張らないと…。そのためには…)
そう考えながら、スザクは2人を見送った。
カレンは、パレードを護衛しているナイトメアのコクピットから、黒の騎士団を悲しい顔で見ていた。
(皆、なんでそんなに笑顔でいられるの…?私達のせいで、ルルーシュが死んだのに、なんでそうやって手を振れるの…?ルルーシュを裏切ったのに、何でそうやって、英雄気取りが出来るの?私には、そんな事できないよ…)
そう考えていると、カレンはモニター越しで、C.C.を見つけた。
(C.C.?…そっか、今日はルルーシュが、ここで死んだ日だもんね。貴方が来ない訳ないか……ん?)
そう思っていたが、よく見ると、手を繋いでいる男の姿が見えた。
(誰?…恋人?……いや、そんな訳ない。C.C.は、今でもルルーシュの事を想っているのを知っている。…じゃあ、新しい契約者?…これも違うな。それじゃ、手を繋ぐ意味がわからないし…。…まさか、ルルーシュ?……いや、でもルルーシュは1年前のこの日に、ゼロであるスザクに刺されて死んだのを私は見た。………本当に誰?)
C.C.の隣にいる謎の男のことを考えながら、カレンは2人をいなくなるまで見ていた。