ルルーシュとC.C.、カレンが他愛もない話をしばらくしていると、スザクから通信が入った。
『皆、星刻を連れてきたよ』
スザクはまだ、ルルーシュが生きている事を伝えてないので、音声だけに設定して、通信を入れていた。
『今、ブリッジにいるけど、そっちに行こうか?』
「どうする、C.C.?」
「私は大丈夫だ。運動がてら、ブリッジに向かうよ」
『わかった。じゃあブリッジで待ってるよ』
C.C.が妊娠しているため、スザクがルルーシュ達の部屋に向かおうか聞いたが、運動がてら、ブリッジに向かうと返事をした。
「無理はするなよ?」
「安心しろ。今は大丈夫だから」
「辛くなったら言ってね?私が運んであげるから」
「そうなった場合は頼むよ」
そうして、3人はブリッジに向かった。
「ゼロよ、私に紹介したい人物とはいったい?」
星刻はスザクから「紹介したい人がいるからちょっと来て」と、言われて、この航空艦へ連れられてきた。
「ここではスザクでいいよ。僕の正体を知ってる人しか乗ってないから。…で、紹介したい人っていうのは、来てからのお楽しみって事で」
「はぁ…?まぁ、いいが…」
そうするとブリッジの扉が開いたので、スザクと星刻は扉の方を向いて、星刻は固まった。
「C.C.大丈夫かい?」
「あぁ、大丈夫だ。…まったく、全員心配しすぎだ」
「当たり前だよ。皆、君とルルーシュの事を大切だと思ってるし、なにより、君は妊娠してるんだから。それに、君に何かあったら、君の夫が滅茶苦茶落ち込んで、何を仕出かすかわからないからね」
「……まぁ、否定はしないが」
「…頼むから、ここでは否定してくれ。……流石に恥ずかしい」
「ねぇ、星刻が固まったままなんだけど…」
そうカレンに言われて、全員が星刻の方を向くと、口をパクパクと動かす星刻の姿が見えた。
「ル、」
「「「「ル?」」」」
「ルルーシュの亡霊!?!?」
「ふんっ!!」
「ごふっ!?」
ルルーシュの事を思わず亡霊と呼んだ星刻は、その言葉を聞いたC.C.による全力の右ストレートを腹に受けて沈んだ。それを見ていた他の者は「「「うわぁ…」」」と、声をあげた。
「おい、このロン毛。私の愛しい夫に対して亡霊発言とはいい度胸してるじゃないか?えぇ?喧嘩売っているのか?買うぞ?」
亡霊発言に完全にブチ切れていらっしゃるC.C.が、星刻に詰め寄っていた。
「す、すまない。…いや、しかし!!ルルーシュは胸を刺されて死んだんだぞ!?なら、亡霊と思うしk…」
「ふんっ!!!」
「ぐはっ!?!?」
「学習能力が無いのか?だからシュナイゼルにいいように使われるんだ。おい、聞いているのか?2度も私の愛しい夫に亡霊発言とは面白い根性してるな?えぇ?何か言ったらどうだ?」
「シ、C.C.そこまでにしましょ?ほら、あなた妊婦さんなんだし。それに、それ以上は星刻が空の向こうに旅立ってしまうから…」
また亡霊発言に、C.C.は全力のハイキックを星刻の顔面に直撃させ、再度沈ませてた。それを見たカレンが、ビビりながらもC.C.を落ち着かせようとしてた。
ちなみに、ルルーシュとスザクは完全にビビっており、ルルーシュはC.C.をブチ切れさせるような事は絶対にしないと心に誓った。
その後、立ち直った星刻はC.C.に土下座し(星刻はC.C.に対して完全にビビっていた)、ルルーシュにも謝罪して、今までの事を教えてもらっていた。
「なるほど、スザクに刺された時に、そのコードとやらを継承して、不老不死になってしまったと」
「あぁ、その通りだ。ゼロレクイエム後は、C.C.と世界を旅してたんだ」
「そうだったのか。……すまなかった。お前を裏切り、世界を背負わせてしまって…」
「別に俺は気にしてないから、なんとも思ってないんだがな」
「そうか…。私は、お前やスザクに返しきれない恩がある。だからこの命、天子様だけではなく、お前達や、世界の為に使っていく事を誓おう」
そう言う星刻に、ルルーシュは苦笑いを浮かべた。そして、オレンジ農園の状況を見に行っていたジェレミアとアーニャが帰ってきて、ブリッジにやってきた。
「ルルーシュ様、C.C.様、ただ今戻りました」
「ルルお義兄様、C.C.お姉様、ただいま」
「「おかえりジェレミア、アーニャ」」
「ジェレミア卿、オレンジ農園はどうでした?」
「屋敷は、地下がちょっとボロボロだが基本は無事だ。だが、オレンジの木が半分近くダメになっていた」
「うん。ちょっと悲しかった」
「我が忠義の証がダメになっていたのは残念だが、ルルーシュ様とC.C.様を守れたのだ。今はそれで満足しよう」
「全てが終わったら俺とC.C.は、しばらくオレンジ農園に世話になるから、その時は手伝おう」
「私も手伝うさ」
「有難いお言葉です!ルルーシュ様!C.C.様!」
そう言って涙を滝のように流すジェレミアに、皆が苦笑いを浮かべた。
「そういえば、スザク」
「なんだい、ルルーシュ?」
「C.C.がバレた原因って、なんだったのかわかるか?」
「あー…。一応わかるんだけど、ちょっと言いにくいかなぁ」
スザクの言葉に、皆が首を傾げた。
「えーっと…。君達、4人で車に乗ったことあるでしょ?」
「何回かあるが…。それがどうかしたか?」
「最近、かなりのスピードを出した事なかったかい?」
「…あるな。C.C.を病院に連れて行ったときだな。あれは生きた心地がしなかった」
「私もしなかったよ。まぁ、私の為にスピードを出したわけだから、文句は言わないが」
「その時、C.C.の髪型を変えていなかっただろ?」
「そう言えば、それどころじゃなくて、C.C.の髪型をポニーテールにしていなかったな」
「でね?その時のスピードがオービスに引っかかって、写真を撮られてたんだ。それに、あまりにも凄いスピードで病院に入っていったから、目撃情報が多数あってね…」
「「「「…は?」」」」
C.C.の居場所が見つかった理由が、しょうもない理由だった事に固まってしまったルルーシュとC.C.、それにカレンと星刻。アーニャはジェレミアを凄い顔で見ており、ジェレミアは大量の冷や汗を流していた。
「…え?そんな、しょうもない理由で見つかったの?」
思わずカレンがそう呟いた。
「…ジェレミア」
「な、なんだ、アーニャ?」
凄い顔で呼ぶアーニャを、ジェレミアは震えながら見た。
「何か、言い残すことは、ある?」
「………我が忠義に一片の悔いなし」
「ふんっ」
「ごふっ!?」
「それじゃ、逝こうか?」
そう言って腹に拳が突き刺さり、沈めたジェレミアを引き摺りながら、何処かへ行くアーニャ。
そして…
「のわあああああああああぁぁぁぁぁ!?!?!?」
航空艦にジェレミアの絶叫が響いて、ブリッジに残った者達の、深いため息が漏れた。