前回から2日経ち、ルルーシュ達は、神根島にある遺跡の前に来ていた。
「ルルーシュ、C.C.、気をつけてね?」
「わかっている」
「ルルお義兄様、C.C.お姉様、無茶しないでね?」
「安心しろアーニャ。私はC.C.だからな」
「…いや、その返しは意味わからないから。まぁ、周囲は私達が守ってあげるから安心しなさい!」
「任せたぞ?…行くぞ、C.C.」
「あぁ」
ルルーシュとC.C.は、手を繋ぎながら壊れた遺跡に触れた。
すると、遺跡が光って震え出し、2人の身体が少しずつ消えていった。
「ここは何も変わってないな」
黄昏の間に着いたルルーシュとC.C.は、上にある集合無意識体を見ていたが、何かを感じたC.C.はルルーシュに声をかけた。
「…ルルーシュ」
「あぁ。…隠れてないで出てきたらどうだ?シャルル・ジ・ブリタニア」
ルルーシュがそう言うと、シャルル・ジ・ブリタニアとマリアンヌ・ヴィ・ブリタニアが姿を現した。
「…気づいておったのか」
「あぁ。お前がCの世界に飲み込まれただけで、死んではいない事はな。…元々死んでいた母さんが、ここにいる事は想定外だが」
「その通り。儂等はCの世界に飲み込まれた後に、死んでおらぬ事に気づいた。そして、しばらくの間はCの世界から出てこれなかったが、少し前に、ここに来れるようになったのだ」
「久しぶりね、ルルーシュ、C.C.。理屈はわからないけど、私もこうやって自分の肉体を持って出てこれたのよ」
「だが、来れるのはここまでよ。黄昏の間から外には出ては行けぬ」
「なるほど。Cの世界に飲み込まれた事には変わりないから、現実世界には出て行けないわけか。…俺がここに来た理由は、世間話をしに来たわけではない。色々と聞きたい事があるからだ。答えてもらうぞ」
「…よかろう。何から聞きたい?」
「まず、何で俺にコードを継承させた?」
「…救う為だ」
「……は?」
シャルルから救う為だと言われ、理解が出来なかったルルーシュ。
「…お前はふざけているのか?永遠の命を押し付けることの、どこに救いがあるんだ!それに俺を…俺達を捨てておいて、今更救うだと!?」
「…お前、死ぬ気でおっただろ?」
「………は?」
「明日が欲しいと言っときながら、お前は死ぬ気でおっただろ?」
シャルルにそう言われて、確かに、当時は死ぬ気でいたためにルルーシュは固まる。
「……何故そう思う?」
「ここに来た時、自分を儂と一緒に閉じ込める気でおったではないか。それに儂はお前の父なのだ。息子の考える事なんて判る」
「…今更、父親面するつもりか?」
「確かに今更だ。…だが、Cの世界に飲み込まれた事によって理解した。儂等がやってきた事が、どれほど愚かな事だったのか。どれほどお前達を傷つけてきたのかを。今なら、ナナリーの笑顔の意味も理解出来る。…お前の言う通り、強制された素顔に意味はなかったのだ」
そう言うシャルルに、C.C.が声をかけた。
「…シャルル、私はお前達と同士だったから、こんな事を言う権利はないとは思う。だけど、あえて言う。……ふざけるなよ?今更そんなこと言ったって、お前たちがやってきた事が許されるとでも思っているのか?散々ルルーシュを否定してきて、そして望んでもいなかった永遠の命を押し付けて、今更許されると思っているのか!?答えろ!シャルル・ジ・ブリタニア!!」
「…許される事ではないと、理解しておるわ。救う為と言いながら、永遠の命という地獄を押し付けた事も許される事ではない。だが、それでも儂等は、ルルーシュとナナリーを愛しておるのだ」
「愛しているだと!?ルルーシュを捨てておいて、よくそんな言葉を言えたな!?」
シャルルに向かって怒鳴るC.C.を、ルルーシュが止めに入った。
「もういい、C.C.」
「よくない!!」
「もう、いいんだ。…ありがとう、俺の為に怒ってくれて」
「ルルーシュ…」
ルルーシュは落ち着かせる為にC.C.を抱きしめて、シャルル達の方を向いた。
「それに、今ならわかるんだ。…お前達は計画を優先した。だがそれでも、俺が望んだ形では無かったが、確かに俺達の事を愛していたんだ。それに、Cの世界から出てこれた理由も何となくわかった。お前達は明日を望んだから、Cの世界から出てこれたんだ。…それを俺が否定するわけにはいかない。…それでも、今までやってきた事を許す気はないが」
「…そうか」
ルルーシュの言葉に、シャルルはそう呟いた。するとマリアンヌがある事に気づいた。
「C.C.、少しいいかしら?」
「なんだ?私は、お前の事も許すつもりはないぞ?」
「それは許してもらえるとは思っていないけれど…って、そうじゃなくて!…あなた、少しお腹大きくないかしら?」
「当たり前だ。このお腹の中に、ルルーシュの子がいるんだから」
「……はい?」
C.C.がそう言うと、マリアンヌが目を見開いて驚き、シャルルも同様に驚いた。
「と言う事は、あなた、母親になったの?」
「あぁ、そうだ。だからルルーシュを傷つける事は絶対に許さない」
その言葉を聞いたマリアンヌは俯き、その姿を見たC.C.は少し警戒した。
「……C.C.?」
「…なんだ?」
「これから私の事を、お義母様と呼んでね!!」
「…は?」
「まさかルルーシュが結婚して、その相手がC.C.で、しかも、もう子供までいるなんて!ねぇ、今、何ヶ月なの!?名前は決めたの!?あぁ、孫から何て呼ばれるのかしらぁ〜!」
「えぇ…」
顔を輝かせながら暴走しだしたマリアンヌに、C.C.は引き、ルルーシュとシャルルは固まった。
「ほらC.C.!私の事をお義母様と呼んで!!お義母さんでもいいから!!!」
「……ルルーシュ!!助けてくれ!?」
「…おい、母さんを止めてやれ」
「…あの状態になったマリアンヌは、儂には止めれん」
暴走するマリアンヌと、助けを求めるC.C.を見たルルーシュとシャルルは、深いため息を吐いた。
それはまるで家族としての関係を取り戻したかのような姿だった。