翌日、航空艦にてルルーシュはC.C.に、ある重要な話をしようとしていた。
「なぁ、C.C.」
「ん?なんだ?そんな真面目な顔をして」
「…お前、ウェディングドレスを着てみたいと思った事はあるか?」
「………は?」
急にそんな事を言うルルーシュに、C.C.は意味がわからないという表情をした。
「どうした?急に?」
「いや、俺が存在を知られてはいけないせいで、お前にウェディングドレスを着せてやれてないじゃないか。でも、もし、お前が着たいのなら、それを叶えてやりたいなと思ったんだ」
「……確かにウェディングドレスを着てみたいという気持ちはある。まぁ、私も女だ。憧れというものがあるな。でも、お前に負担をかけてまで着たいとは思わないぞ?」
「着てみたいという気持ちが、あるにはあるんだな?」
「あるにはあるが…。でも、さっき言った通り、お前に負担がかかるわけだから…」
「大丈夫だ。何とかしてみせるさ。…だから待ってろ、俺が必ず、お前にウェディングドレスを着せてやる」
「……そうか。…なぁ、ルルーシュ」
「なんだ?」
「……ありがとう」
そう言ってC.C.は、ルルーシュに笑顔を見せた。
それからしばらく時間が経ち、中華連邦では、扇達を捕まえる作戦が決行されていた。その中、地上の戦場を駆ける紅蓮のコクピットの中で、カレンは敵ナイトメアを撃墜させながら違和感を感じていた。
(おかしい…。幾ら何でも、敵ナイトメアの数が少な過ぎる。扇さん達は確かテロリストグループを吸収して、かなりの戦力は確保していたはずなのに、この少なさは…)
カレンがそう考えていると、神虎に乗っている星刻から通信が入った。
『カレン、お前も気づいているか?』
「えぇ。幾ら何でも、ナイトメアの数が少な過ぎる。何かの罠が仕掛けてあるかもね」
『あぁ。私が撃墜させたナイトメアの数はまだ4だ。そちらは?』
「私は6よ。予想では60機近くのナイトメアが、敵にいるはずだったわよね?」
『50〜60程だと予想はしていたが、実際には20機程度しか確認されていない。それに地下に関しては、行方がわからなかった騎士団メンバーはいるが、ナイトメアは1機もいない』
「扇さんたちは、まだ見つかっていないのよね?」
『まだ報告はないな』
カレンと星刻が話し合っていると、地下にいる騎士団の幹部から通信が入ってきた。
『星刻総司令、カレンさん、地下を粗方調べましたが、扇達の姿が見当たりません』
『なに?』
『それと、捕まえたメンバーから話を聞き出したんですが、最初はここに居たみたいですが、最近になって戦力の殆どを連れて、何処かへ向かったみたいです』
「何処に向かったかはわかるの?」
『そこまでは…。ですが、この話が嘘の可能性もありますので、引き続き調査してみます』
『よろしく頼む』
そう言って、幹部との通信を終えた。
「星刻、どう思う?」
『戦力の大半を連れて行くという事は、何かを見つけたという事になる』
「ギアスの研究施設とか?」
『その可能性が高いだろうな。何かデータが残っていればいいが…』
カレンと星刻がそう考えていると、斑鳩から緊急通信が入った。
『総司令、カレンさん!大変です!ゼロからの救援要請で、カレン総隊長を至急、自分の所へ向かわせてほしいと!!』
『何かあったのか?』
『確認したところ、ブリタニアのコーネリア軍がゼロの元へ進軍してるみたいです!!』
「なんだと!?」
コーネリア軍が、ゼロがいる航空艦に進軍してるいるという事に、星刻は驚愕して、カレンは言葉を失った。
「そんな…どうして…」
『わかりません!それと、ゼロがいる地域に、謎の集団が向かっているという情報もあります!』
『しまった!?扇達が見つけたのは研究施設ではなくて、C.C.の居場所だったか!?……カレン!紅蓮のエナジーは!?』
「余裕があるからもう向かっている!!」
星刻はカレンに紅蓮のエナジー残量を確認しようとしたが、カレンは紅蓮のエナジーにかなり余裕があったので、謎の集団が向かっていると聞いた瞬間に、ゼロ…そしてルルーシュとC.C.がいる神根島へ向かっていた。
「コーネリア軍がゼロに接触するまでの時間は!?」
『予想ではあと40分です!』
「間に合わない!?紅蓮でも1時間はかかっちゃう…!」
『私達も向かうぞ!全団員に伝えろ!半数はここで、中華連邦の軍と連携して調査を続けろ!残りの半数は私と共にゼロの元へ向かう!急げ!!』
『了解しました!』
星刻が黒の騎士団にそう指示をしてる中、カレンは全速力で神根島へ向かいながら、無事を祈るしかなかった。
(ルルーシュ!C.C.!お願いだから無事でいてよね…!)
そうして紅い閃光となった紅蓮が、神根島へと駆けて行った。
−神根島周辺上空−
「これはどいう事だ?コーネリア?」
ゼロの姿をしたスザクは、部隊を展開しながらこちらへ向かって来ているコーネリアに対して、通信で問いかけた。
『なに、お前が不老不死の魔女を匿っているという情報を、匿名から提供されてな。その魔女を引き渡してもらいにきた』
「(匿名からの情報…。まさか扇か!?)…何の事だ?確かに今、保護している女性はいるが、お前が言う、魔女を保護などはしていない」
『その女が魔女だと言うのだ。引き渡さない場合は、貴様等を武力を持って排除するが?』
スザクとコーネリアが話してる間に、ジェレミアとアーニャは自分の機体に乗って出撃する準備をしており、ラクシャータはルルーシュとC.C.に、蜃気楼の機体説明をしていた。
「…仮にそちらに渡した場合、どうなる?」
『簡単な事だ。ギアスの源を生かしておくつもりはないからな。存在を消滅させるだけだ』
「(存在を消滅させるだと?一体どうやって…。)それを聞いて渡すと思うか?それに、ナナリー皇帝陛下が許すとでも?」
『許すさ。あの子は優しいし、ギアスが悪という事を理解している。何も問題ない。ユフィの仇を取るんだから』
(コイツ、狂っているのか?ナナリーが許すわけないだろ。それに、僕が言えた事ではないけど、ユフィだってこんな事は望んではいないはずなんだ。それがわからないのか?)
コーネリアの歪んだ笑みを見たスザクが、そう思っているとジェレミアから通信が入った。
『ゼロよ、私とアーニャの出撃準備が完了した。よろしいな?』
「構わん」
『了解した。では、出撃する!』
そう言ってジェレミアが出撃し、アーニャもそれに続いていった。
『サザーランド・ジーク、それにモルドレッドか。それが答えでいいな?』
「元々、お前に引き渡す気はない」
『そうか、ならば魔女共々ここで滅びよ』
そう言って、コーネリアは通信を切った。
(相手はコーネリア全軍だ。黒の騎士団に、カレンをこちらへ向かわせるように伝えてはあるが、間違いなく間に合わない。…最悪、僕たちが囮になって、ルルーシュとC.C.を遠くへ逃がし、ロイドさんたちに後をお願いしよう)
スザクはそう考えながら、自身も出撃する為に格納庫へと向かった。